2019年02月19日
所感『本部朝基と琉球カラテ』:(;゙゚'ω゚'):
沖縄空手の道場の先輩であるMアニキにお借りしました。
一月近くかけて、じっくりと読ませていただきました。
どうも、活字離れが著しいかつおでございます。
内容は…
本書の内容は、
・私の唐手術(本部朝基著 復刻)
・沖縄拳法唐手術(本部朝基著 復刻)
・琉球及び手(ディ)史概論
・琉球拳法(唐手術)の歴史
という構成となっております。
後半の歴史について詳細に記されている部分については、ネットの聞きかじりの情報しか頭に入っていなかったものが、しっかりと整理し直されたような感覚で、改めて異国文化との交流・影響と、沖縄の中での徒手空拳手技としての位置付けなどが学べました。
当たり前のことなのですが、「平和の武術 唐手」としてのイメージが強いのですが、琉球王国においても内戦と呼べるような戦乱はあったわけで、空手に対して勝手にラブでクリーンなイメージを抱いていた自分が少し気恥ずかしく感じられたことを正直に反省します。
言い切っちゃった♪
以前、ネットの記事で読んだことはあったのですが、本著の中でかつおが一番印象に残ったフレーズ。
それは、『私の唐手術』のナイハンチの型と誤伝という項目にある以下のもの。
「ナイハンチで、足を八文字に開く型が有ることは、既にご承知のことと思う此際足のヒラをスボメて、内側に締付ける様に力を入れることを現今普通一般に教え、且つ世人も之れが正当の如く考えが、誤れるも甚だしい。」
おぉ…
昨今は炎上を危惧して言い切ることを敬遠する嫌いがありますが、流石本部朝基先生です。
「誤れるも甚だしい」
現代風に言えば
「全然ちゃうわ」
ということでしょう。
理由は「足の裏をすぼめる立ち方は、後ろから押すと簡単に倒れる。型はなるべく実際に近いように教えるべきだから、力を入れるために実際とかけ離れた型を残すのは関心できない」からとのこと。
さまざまな文献等からの検証は、専門家の先生方に譲るとして、かつおの体験から申しますと、「和道流の某会派では前者、松濤館流の某会派では後者、沖縄空手の某流派では前者」で指導を受けました。
これは小説の中の言葉ですが、ナイファンチの口伝として「身体を分けて使うことを学ぶための型(趣意)」という言も耳にします。
そのためには確かに「八文字」の立ち方(騎馬立ちのような立ち方?)の方が、深部感覚として意識しやすいと思います。
また、本著においては上体を捻って側面からの突きを受ける動作(腕と同側への受け)も「よく腕を捻じる様に教える人あるも、誤れるも甚だし」と記されています。
これについては「和道流では捻らない、松濤館流では捻じる、沖縄空手でも捻じる」と指導されます。
つまり、整理すると、
本部朝基先生
・・・立ち方は八文字、受けの腕は捻らない
和道流某会派
・・・立ち方は内側締め、受けの腕は捻らない
松濤館流某会派
・・・立ち方は八文字、受けの腕を捻る
沖縄空手某流派
・・・立ち方は内側締め、受けの腕を捻る
となります。
うん。
見事にバラバラです。
全てのパターンを網羅してしまいました。
さて、どうしたものか…
元々のオリジナルが、当の中国では失伝してしまっているという見方が強いようなので、「これが正しい」と断言することが難しいということは言えるのだとは思いますが、本部朝基先生は断言されているのは歴史的考証からというよりは、「稽古と実践の中で感得したものが確かにある」からこそなのだと思います。
その点、修行歴も実践経験も乏しいかつおが考察を試みること自体が失礼な気がします。
自身の修行を行うことこそあれど、人に指導するましてや自流派を起こすことなど想定していないので、「師匠の言う通りに稽古する」以外にないと思考をストップしておきます。
深入りすると出口が見えなくなりそうな永遠のテーマとも感じられます。
かつおの感得できていることはと言えば、
・八文字立ち(騎馬立ち)は大腿四頭筋の鍛錬になる
・足をすぼめる立ち方(セイシャン立ち?)は内転筋の鍛錬になる
ということと、
・腕を捻じると掴み手に移行しやすい
・腕を捻らない方が脇が締めやすい
ということです。
鍛錬として捉えるのか、技の習得として捉えるのかによっても、稽古の目的が変わってくるので求めるものも変わってきます。
はたしてこの「ナイファンチの立ち方」に関する議論に終結が見られる日はやってくるのでしょうか…
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コメントありがとうございます。
そんなんですよね。人によって解釈も、感得するものも分かれてくるから、伝わるものも様々なんですよね。
口碑の解釈だと、元々八文字立ちだったのを糸洲安恒先生が改変したという説が有力とされているようですが、オリジナルの立ち方はもしかしたらそこまで厳密なものでは無かった可能性も捨てきれませんし。
稽古の目的や体型によって効能も若干変化していきそうです。小生のような草空手家は、指導者の言われるように鍛錬するのみであります!
~͟͟͞(((ꎤ๑~᷅༬~᷄๑)̂―̳͟͞͞o
同じバッターでもタイプが違いますから。そう考えると実に自然かなと。面白いですね。