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2015年08月27日

新護衛艦「かが」の進水式が行なわれるー中国の反発は必至か

今日、2015年8月27日(木)の14時半頃、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「かが」の進水式が、ジャパンマリンユナイテッド磯子工場(神奈川県横浜市)にて行なわれ、内外の注目を集めています。
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進水式の行なわれた「かが」
「かが」は今年3月に就役したばかりの新鋭艦「いずも」の2番艦であり、「ひゅうが」「いせ」「いずも」に続き4隻目となる全通飛行甲板を持つ、“ヘリコプター空母”ともいうべき艦です。今後「かが」はジャパンマリンユナイテッド内において、必要な設備や装備を搭載する艤装作業が行なわれ、2017年就役予定となっています。

海上自衛隊の艦艇は、進水式に先立ち命名式が行われるのが慣例となっており、「かが」の名称は今日初めて明らかにされました。

命名は、「海上自衛隊の使用する船舶の区分等及び名称等を付与する標準を定める訓令」に従って行われます。護衛艦は「天象・気象、山岳、河川、地方の名」を与えることが定められており、今回の「かが」は、かつての律令制における「加賀国(石川県)」を由来とします。これまでのヘリコプター搭載護衛艦も「ひゅうが(日向:宮崎県)」、「いせ(伊勢:三重県)」、「いずも(出雲:島根県)」と律令国から採られており、今回もその慣例に従ったものです。

加賀国と言えば、江戸時代に百万石もの石高を有した最大の外様大名である前田家金沢藩の本拠地でした。しかし、実は「かが」には、もう一つ大きな意味があり、それがある問題に発展するのではと懸念されています。

実は、太平洋戦争開戦時、「加賀」は旧帝国海軍における最大の航空母艦でした。

そしてこれが、外交問題に発展する可能性も秘めている所以です。

今から約2年前の2013年8月6日、「いずも」の進水式および命名が行われました。海上自衛隊初の本格的な空母ということもあり、その様子は国内外に大きく報道されましたが、中国メディアは、極めて強い拒否感を伴う反応を示しました。

その理由は、将来的に垂直離着陸戦闘機F-35B「ライトニングII」を搭載し脅威となるのではないかという観測と、かつてその先代となる帝国海軍の装甲巡洋艦「出雲」が、旗艦として中国と交戦したことにあり、その名を継ぐ「いずも」に、中国メディアは反発したわけです。

というわけで、帝国海軍の空母「加賀」の名を継ぐ「かが」の場合も、「いずも」のときと同じことが繰り返される可能性が強いと言えます。

というのも、「加賀」は1932(昭和7)年の上海事変に投入されており、艦載機である三菱・一三式艦上攻撃機が地上爆撃を実施しました。また中島・三式艦上戦闘機が中国軍戦闘機とドッグファイトとなり、旧日本軍において初となる撃墜を達成しています。

「加賀」は1937(昭和12)年の盧溝橋事件に端を発する日中戦争でも大きな働きをし、1941(昭和16)年の太平洋戦争勃発以降は帝国海軍の主力として「赤城」「蒼龍」「飛龍」「翔鶴」「瑞鶴」と共に、真珠湾攻撃において、大きな戦果を上げています。

そして1942(昭和17)年、ミッドウェイ海戦において米海軍ドーントレス急降下爆撃機の集中攻撃を受け、同海戦で沈んだ艦のなかでは最大の人的被害を出し、爆沈しました。

空母「加賀」は知名度、武勲共に装甲巡洋艦「出雲」とは比較になりません。護衛艦「いずも」の2番艦に「かが」と命名した事実は「いずも」の時以上に中国を刺激し、大きな反発を受けることになるでしょう。中国は今年9月3日に「対日戦勝70周年記念パレード」を控えており、今後「かが」の名が“軍国主義復活の象徴”として扱われる可能性もあります。

ネット上では、中国の反応をいちいち気にするなという声が多いようです。また、加賀の名が復活したことに胸が熱くなるという意見も結構多いですね。「ガガ」かと思った、には、ちょっと笑いましたが、中国側の名前を巡る反発は、当分はなくならないような感じですね。

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