2013年04月18日
ベトナムの地獄から生還いた3人の若者たちは、戦争で何を失い・・・そして何を壊されてしまったのか?
皆さんこんばんは。
最近、パソコンの前での作業がいっぱいあり、外に出かける事があまりなく、面白い前ふりネタに、なかなか出くわす事に難しさともどかしさを、いつも感じている僕がお送りするNO,movie NO,life!!のお時間でございます。
さて、今回ご紹介する作品は、久しぶりのリクエスト作品でございます。
実は、関西にいた時から、貰っていたんですがバタバタとしてまして、先週近所のDVD屋さんで発見したのでお送りしたいと思います。
それは、1960年代末期におけるアメリカの若者のベトナム戦争体験を通じ、男の友情と死を絡ませて描いた作品、「ディアハンター」でございます。
主演は以前このブログでもご紹介した己の正義を信じ、結果的には社会の歯車になってしまった男の物語、「タクシードライバー」に登場したロバート・デ・ニーロ。
そして彼の親友役には、こちらも以前ご紹介した映画、一人の内気な男が、とある女性と出会い人生を楽しんでいくバイオレンスアクション、「トゥルーロマンス」に登場しデニス・ホッパーと、極限の緊張感を観客に味あわせてくれた、クリストファー・ウォーケンなんです。
そうです、上記の2作品はどちらもリクエスト映画でもあるんです。
しかも、何かの縁があってか今回もリクエスト・・・・こういう時に、このブログをやっていて本当によかったなと思います(笑)
正直、嬉しいですね。
その他にも、「プラダを着た悪魔」で鬼編集長を務めた若き日のメリル・ストリープが出演しているのも見所なんです。
こんな、豪華キャストでお送りする今回の「ディアハンター」・・・一体どのような作品なんでしょうか?
それでは、ここでベトナム戦争に赴いて心に傷を負った3人の若者の生と死を過激に描いたアカデミー作、「ディアハンター」のストーリーをご紹介しましょう。
1968年のペンシルベニア州クレアトン。
マイケル、ニック、スチーブン、スタン、アクセルの5人は町の製鋼所に勤める親友グループで、休日には山で鹿狩りを楽しむ平凡な若者たちだった。
ある土曜日、ベトナムに徴兵されるマイケル、ニック、スティーブンの歓送会と、スティーブンとアンジェラの結婚式が町の教会で合同で行なわれた。
祝福する人々の中には、アル中の父親を抱える身ながら、帰還後のニックと結婚の約束をしたグループのアイドル、リンダの姿もあった。
式の後、彼らはそろってアレゲニーの山へ鹿狩りに出かけた。
1970年、北ベトナムでの戦況は酸鼻を極めていた。
逃げまどう農民を虐殺するベトコンに対し、マイケルは狂ったように撃ちまくっていたが、偶然にも、その戦場でニックとスティーブンに再会したのだった。
しかし、北側の攻勢は激しく、3人は捕虜になってしまい、床下につながれる身となってしまい、しかも、その小屋では、ロシアン・ルーレットというゲームが行なわれていた。
それは、弾丸を一発だけ込めたリボルバーを捕虜が交互にこめかみに当てて撃ち合い、それにベトコンたちが金を賭けるというものだったのだ。
3人の番になり、スティーブンが発狂寸前になったため、マイケルは一瞬のスキを窮ってベトコン数人を撃ち倒して逃走する。
丸太にしがみついて濁流を下った。
間もなく、友軍ヘリコプターが飛来したが、マイケルスティーブンは力尽き、3人は離ればなれになってしまうのだった。
l年後、サイゴンの軍人病院を退院したニックが別人のようになって町を彷徨っていた。
それから2年後、マイケルはクレアトンに生還し人々は温かく迎えたが、マイケルは昔の明るさを失っていた。
その頃、スティーブンは脚を失って陸軍病院に入っており、彼の口からニックがベトナムで生きていることを知ったマイケルは、陥落寸前のサイゴンへ飛んだ。
しかし、そこで見たのは以前の明るさを完全に失い、あのロシアン・ルーレットの道具になってしまっていた哀れな親友ニックの姿だった・・・・。
最近、パソコンの前での作業がいっぱいあり、外に出かける事があまりなく、面白い前ふりネタに、なかなか出くわす事に難しさともどかしさを、いつも感じている僕がお送りするNO,movie NO,life!!のお時間でございます。
さて、今回ご紹介する作品は、久しぶりのリクエスト作品でございます。
実は、関西にいた時から、貰っていたんですがバタバタとしてまして、先週近所のDVD屋さんで発見したのでお送りしたいと思います。
それは、1960年代末期におけるアメリカの若者のベトナム戦争体験を通じ、男の友情と死を絡ませて描いた作品、「ディアハンター」でございます。
主演は以前このブログでもご紹介した己の正義を信じ、結果的には社会の歯車になってしまった男の物語、「タクシードライバー」に登場したロバート・デ・ニーロ。
そして彼の親友役には、こちらも以前ご紹介した映画、一人の内気な男が、とある女性と出会い人生を楽しんでいくバイオレンスアクション、「トゥルーロマンス」に登場しデニス・ホッパーと、極限の緊張感を観客に味あわせてくれた、クリストファー・ウォーケンなんです。
そうです、上記の2作品はどちらもリクエスト映画でもあるんです。
しかも、何かの縁があってか今回もリクエスト・・・・こういう時に、このブログをやっていて本当によかったなと思います(笑)
正直、嬉しいですね。
その他にも、「プラダを着た悪魔」で鬼編集長を務めた若き日のメリル・ストリープが出演しているのも見所なんです。
こんな、豪華キャストでお送りする今回の「ディアハンター」・・・一体どのような作品なんでしょうか?
それでは、ここでベトナム戦争に赴いて心に傷を負った3人の若者の生と死を過激に描いたアカデミー作、「ディアハンター」のストーリーをご紹介しましょう。
1968年のペンシルベニア州クレアトン。
マイケル、ニック、スチーブン、スタン、アクセルの5人は町の製鋼所に勤める親友グループで、休日には山で鹿狩りを楽しむ平凡な若者たちだった。
ある土曜日、ベトナムに徴兵されるマイケル、ニック、スティーブンの歓送会と、スティーブンとアンジェラの結婚式が町の教会で合同で行なわれた。
祝福する人々の中には、アル中の父親を抱える身ながら、帰還後のニックと結婚の約束をしたグループのアイドル、リンダの姿もあった。
式の後、彼らはそろってアレゲニーの山へ鹿狩りに出かけた。
1970年、北ベトナムでの戦況は酸鼻を極めていた。
逃げまどう農民を虐殺するベトコンに対し、マイケルは狂ったように撃ちまくっていたが、偶然にも、その戦場でニックとスティーブンに再会したのだった。
しかし、北側の攻勢は激しく、3人は捕虜になってしまい、床下につながれる身となってしまい、しかも、その小屋では、ロシアン・ルーレットというゲームが行なわれていた。
それは、弾丸を一発だけ込めたリボルバーを捕虜が交互にこめかみに当てて撃ち合い、それにベトコンたちが金を賭けるというものだったのだ。
3人の番になり、スティーブンが発狂寸前になったため、マイケルは一瞬のスキを窮ってベトコン数人を撃ち倒して逃走する。
丸太にしがみついて濁流を下った。
間もなく、友軍ヘリコプターが飛来したが、マイケルスティーブンは力尽き、3人は離ればなれになってしまうのだった。
l年後、サイゴンの軍人病院を退院したニックが別人のようになって町を彷徨っていた。
それから2年後、マイケルはクレアトンに生還し人々は温かく迎えたが、マイケルは昔の明るさを失っていた。
その頃、スティーブンは脚を失って陸軍病院に入っており、彼の口からニックがベトナムで生きていることを知ったマイケルは、陥落寸前のサイゴンへ飛んだ。
しかし、そこで見たのは以前の明るさを完全に失い、あのロシアン・ルーレットの道具になってしまっていた哀れな親友ニックの姿だった・・・・。
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さて、今回ご紹介している「ディアハンター」という作品なんですが、一言で言えば183分にもなる大作映画になっているんです。
見る人からすれば、飽きてくる方もいらっしゃるんと思うんですが・・・僕自身も最初は結婚式の模様が描かれていたり、若者がダンスをしている様子が映し出されるばかりなので、多少飽き感はあったんですが、見終って思うのが、最初の結婚式の様子を描かなければならない「重要性」が感じれるんです。
なぜかと言うと、彼らはベトナムの戦地に行く数日前を結婚式という行事を通して心から楽しんでいるんです。
もしかしたら、戦争に行って帰ってこれないかもしれませんからね。
そして、僕が一番印象的だったのが、楽しそうな結婚式の雰囲気から一転、一瞬にして「戦争映画」というジャンルに観客を引き込んでしまう演出の大胆さが、驚きました。
勿論、この華やかな雰囲気と戦争との間には、徐々に物寂しげになっていくという場面は見る事はできるんですが・・・。
ベトナムの戦地で運よく、再開し苦難を乗り越え、生きながらえた3人なんですが、僕が思うにこの作品の見所は、この戦地から脱出した後、彼らと彼らを思う人たちとの人間ドラマが一番、観客に訴えたいテーマが込められた内容だと思ったんです。
そのテーマとは一体何なのか?・・・それは「この戦争が、彼らに与えた精神的な後遺症、もしくは何を壊されてしまったのか?」というテーマだと感じたんです。
劇中の中でも描かれている演出にある楽しそうな結婚式、言い換えれば戦争に行く前の、徴兵前であり、そして戦地でロシアンルーレットを強要され極限の死の恐怖を体験してしまうという精神的な打撃を受け、そして、帰還後に3人は生き別れになってしまうんですが、それぞれお互い、戦争という体験を通して自分なりの答えを出し運命に従っていく・・・・。
最初に書いた映画の冒頭にあった楽しそうな雰囲気を描く事の「重要性」はここで伺える事が出来るんです。
この演出を行う事で、その後に起こる戦争の悲惨さ、その後のダウナーな雰囲気しか描かれていない状況を比較する事が可能で、言い換えれば、同じ作品とは思えないぐらいの明暗な「ギャップ」を描く事で、より彼らに対し感情移入する事が出来るんですね。
その効果により、先ほども書いた映画のテーマでもある、「この戦争が、彼らに与えた精神的な後遺症、もしくは何を壊されてしまったのか?」というテーマも自然と浮き彫りにされ観客により鮮明に訴える事ができるんです。
そして、彼らの精神を壊した一番の原因は何だったのか?という答えに、当然、悲惨な戦争の傷跡があるんですが、その中でも、特に戦地で敵兵士に無理やり強要された「ロシアンルーレット」という命を軽々しく弄ぶ賭け事、つまりゲームの存在なんですね。
ところで、皆さんは「ロシアンルーレット」というものをご存じでしょうか?
聞いたことが無いという方の為に、軽くご説明しておきましょう。
ロシアンルーレットとは、リボルバー式拳銃に一発だけ実包(弾薬)を装填し、
適当にシリンダーを回転させてから自分の頭(特にこめかみ)に向け引き金を引くゲームなんです。
主な目的としては、
・軍人、犯罪者、若者などが自分達の勇気・度胸を誇示する為もあり、特に酔った勢いなどで勇気を示 す時、あるいは度胸試しの際に行われていた。
・裏賭博における賭け、囚人、捕虜に対する拷問、虐待
この実例は、犯罪性が高いため表に出ることは無く、実際に行われているかは不明。
今作で描かれている「ディアハンター」のラストも同じような描写で描かれている部分が多い。
などなど、上記で挙げた以外でも様々な例があるんですが、まぁ大体分かってもらえたと?思います(笑)
このような、残虐かつ地獄のような場所から、生還できたマイク・ニック・スティーブなんですが、この3人の中で、一番注目する人物が、ニックなんです。
彼は、生還出来たにも関わらず、まだベトナムの地に残留していたんですね。
なぜなら、戦争が終わっても、賭け事の対象として自分の目の前に「ロシアンルーレット」という存在が
現れたからなんですね。
物語の最後では、彼が自らこのゲームを選び頭に銃を突きつけるという強烈なシーンが再度登場する訳なんですけど、なぜ彼は、この無意味な賭け事をするようになったのか・・・・?
この意見に関しては、人それぞれ様々な感想があると思います。
例えば、戦争で地獄のような拷問(ロシアンルーレット)まで強要されながら、生還しても、今いるベトナムの街では、戦争とは全く関係ない、賭け事の道具としてしか、ロシアンルーレットをしている、つまりニックの中でその光景を見た瞬間、命の軽さを目の当たりにし、今生きている存在意味を失ってしまったなど・・・・その他にも、視点を変えれば様々な意見で出てくるんですね。
実際は、感想を書くにあたり、難しい映画であるのも今作の特徴でもあるんです。
でも、こんな事を言ってたらブログなんて書けないので、僕自身が思った感想を言うと、もしかして、ニックは「ロシアンルーレット」という事に、心の何処かで「興味」を持っていたのかな?とも感じたんです。
勿論、上記で書いたような「命の簡単に捨てる」という行為に対し、精神的なダメージもあったかもしれませんが、でも彼が終戦後にまた同じ、戦地と同じような危険な環境に自ら投じたという意味では、マイク・スティーブとは違いニックだけは、彼らに無い、この「行為」に対して自分の中にまだ見ぬ「悪なる興味」が生まれていたのではないでしょうか。
簡単に言うと、本当は怖いDVD見るの嫌だけど、見てしまう・・・怖いものみたさという感じに似てますかね(笑)
ニックの場合も、本当はその「行為」をしたくないけれど、戦地で受けた極限の恐怖を心の何処かでは「また、味わってみたい」と言う欲望もあるように見えたんですね。
その行為を重ねる内に、その場所で自分の存在意義を見出し、そして、この「行為」こそが己の中で生きる使命と思い込んでしまい、結果的には、精神が崩壊し、今作のテーマでもある「戦争により、何を壊されたのか?」という結末として、ニックの場合は陥ってしまったのかもしれません。
でも、やっぱりこの映画は本当に難しいですね。
この他にも、演出的には、全編随所に描かれている「ロシアンルーレット」のシーンですね。
とにかく、緊張感が半端ないです(笑)
見ていて、ドキドキします。
文字で書くより実際、ご覧になったほうが伝わります。
「トゥルーロマンス」のワンシーンで、クリストファー・ウォーケンがデニス・ホッパーに対し銃を突きつけるシーンがあるんですが、その場面が今作では、絶え間なく続くんです。
もう、アドレナリン全開なんですね(笑)
そして、ロシアンルーレットの最中も、マイクやニックの音声はきちんと字幕で表示されるんですが、敵兵士の言葉は通訳されていないんです。
この演出が、またリアルな空気感をだしていて、さらにその場の緊張感を高めてくれるんですね。
本当に凄かったな(笑)
今まで書いた内容以外でも、たくさん面白いテーマが散りばめられている「ディアハンター」なんですが、また機会があればもう一度見てみたいと思います。
その時は、今回気付く事が出来なかったまた違う感想も出てくるんじゃないかな。
最後に、本編通してマイク役の、この頃のロバート・デ・ニーロが、アイアンマン主演の人、ロバートダウニー・Jrにそっくりだな、といつも彼が登場するシーンで思えてしまいました(笑)
180分という尺を最大限に生かした演出で綴られる人間の生死と戦争の狂気を描いた傑作、
「ディアハンター」。
是非、ご覧下され。
見る人からすれば、飽きてくる方もいらっしゃるんと思うんですが・・・僕自身も最初は結婚式の模様が描かれていたり、若者がダンスをしている様子が映し出されるばかりなので、多少飽き感はあったんですが、見終って思うのが、最初の結婚式の様子を描かなければならない「重要性」が感じれるんです。
なぜかと言うと、彼らはベトナムの戦地に行く数日前を結婚式という行事を通して心から楽しんでいるんです。
もしかしたら、戦争に行って帰ってこれないかもしれませんからね。
そして、僕が一番印象的だったのが、楽しそうな結婚式の雰囲気から一転、一瞬にして「戦争映画」というジャンルに観客を引き込んでしまう演出の大胆さが、驚きました。
勿論、この華やかな雰囲気と戦争との間には、徐々に物寂しげになっていくという場面は見る事はできるんですが・・・。
ベトナムの戦地で運よく、再開し苦難を乗り越え、生きながらえた3人なんですが、僕が思うにこの作品の見所は、この戦地から脱出した後、彼らと彼らを思う人たちとの人間ドラマが一番、観客に訴えたいテーマが込められた内容だと思ったんです。
そのテーマとは一体何なのか?・・・それは「この戦争が、彼らに与えた精神的な後遺症、もしくは何を壊されてしまったのか?」というテーマだと感じたんです。
劇中の中でも描かれている演出にある楽しそうな結婚式、言い換えれば戦争に行く前の、徴兵前であり、そして戦地でロシアンルーレットを強要され極限の死の恐怖を体験してしまうという精神的な打撃を受け、そして、帰還後に3人は生き別れになってしまうんですが、それぞれお互い、戦争という体験を通して自分なりの答えを出し運命に従っていく・・・・。
最初に書いた映画の冒頭にあった楽しそうな雰囲気を描く事の「重要性」はここで伺える事が出来るんです。
この演出を行う事で、その後に起こる戦争の悲惨さ、その後のダウナーな雰囲気しか描かれていない状況を比較する事が可能で、言い換えれば、同じ作品とは思えないぐらいの明暗な「ギャップ」を描く事で、より彼らに対し感情移入する事が出来るんですね。
その効果により、先ほども書いた映画のテーマでもある、「この戦争が、彼らに与えた精神的な後遺症、もしくは何を壊されてしまったのか?」というテーマも自然と浮き彫りにされ観客により鮮明に訴える事ができるんです。
そして、彼らの精神を壊した一番の原因は何だったのか?という答えに、当然、悲惨な戦争の傷跡があるんですが、その中でも、特に戦地で敵兵士に無理やり強要された「ロシアンルーレット」という命を軽々しく弄ぶ賭け事、つまりゲームの存在なんですね。
ところで、皆さんは「ロシアンルーレット」というものをご存じでしょうか?
聞いたことが無いという方の為に、軽くご説明しておきましょう。
ロシアンルーレットとは、リボルバー式拳銃に一発だけ実包(弾薬)を装填し、
適当にシリンダーを回転させてから自分の頭(特にこめかみ)に向け引き金を引くゲームなんです。
主な目的としては、
・軍人、犯罪者、若者などが自分達の勇気・度胸を誇示する為もあり、特に酔った勢いなどで勇気を示 す時、あるいは度胸試しの際に行われていた。
・裏賭博における賭け、囚人、捕虜に対する拷問、虐待
この実例は、犯罪性が高いため表に出ることは無く、実際に行われているかは不明。
今作で描かれている「ディアハンター」のラストも同じような描写で描かれている部分が多い。
などなど、上記で挙げた以外でも様々な例があるんですが、まぁ大体分かってもらえたと?思います(笑)
このような、残虐かつ地獄のような場所から、生還できたマイク・ニック・スティーブなんですが、この3人の中で、一番注目する人物が、ニックなんです。
彼は、生還出来たにも関わらず、まだベトナムの地に残留していたんですね。
なぜなら、戦争が終わっても、賭け事の対象として自分の目の前に「ロシアンルーレット」という存在が
現れたからなんですね。
物語の最後では、彼が自らこのゲームを選び頭に銃を突きつけるという強烈なシーンが再度登場する訳なんですけど、なぜ彼は、この無意味な賭け事をするようになったのか・・・・?
この意見に関しては、人それぞれ様々な感想があると思います。
例えば、戦争で地獄のような拷問(ロシアンルーレット)まで強要されながら、生還しても、今いるベトナムの街では、戦争とは全く関係ない、賭け事の道具としてしか、ロシアンルーレットをしている、つまりニックの中でその光景を見た瞬間、命の軽さを目の当たりにし、今生きている存在意味を失ってしまったなど・・・・その他にも、視点を変えれば様々な意見で出てくるんですね。
実際は、感想を書くにあたり、難しい映画であるのも今作の特徴でもあるんです。
でも、こんな事を言ってたらブログなんて書けないので、僕自身が思った感想を言うと、もしかして、ニックは「ロシアンルーレット」という事に、心の何処かで「興味」を持っていたのかな?とも感じたんです。
勿論、上記で書いたような「命の簡単に捨てる」という行為に対し、精神的なダメージもあったかもしれませんが、でも彼が終戦後にまた同じ、戦地と同じような危険な環境に自ら投じたという意味では、マイク・スティーブとは違いニックだけは、彼らに無い、この「行為」に対して自分の中にまだ見ぬ「悪なる興味」が生まれていたのではないでしょうか。
簡単に言うと、本当は怖いDVD見るの嫌だけど、見てしまう・・・怖いものみたさという感じに似てますかね(笑)
ニックの場合も、本当はその「行為」をしたくないけれど、戦地で受けた極限の恐怖を心の何処かでは「また、味わってみたい」と言う欲望もあるように見えたんですね。
その行為を重ねる内に、その場所で自分の存在意義を見出し、そして、この「行為」こそが己の中で生きる使命と思い込んでしまい、結果的には、精神が崩壊し、今作のテーマでもある「戦争により、何を壊されたのか?」という結末として、ニックの場合は陥ってしまったのかもしれません。
でも、やっぱりこの映画は本当に難しいですね。
この他にも、演出的には、全編随所に描かれている「ロシアンルーレット」のシーンですね。
とにかく、緊張感が半端ないです(笑)
見ていて、ドキドキします。
文字で書くより実際、ご覧になったほうが伝わります。
「トゥルーロマンス」のワンシーンで、クリストファー・ウォーケンがデニス・ホッパーに対し銃を突きつけるシーンがあるんですが、その場面が今作では、絶え間なく続くんです。
もう、アドレナリン全開なんですね(笑)
そして、ロシアンルーレットの最中も、マイクやニックの音声はきちんと字幕で表示されるんですが、敵兵士の言葉は通訳されていないんです。
この演出が、またリアルな空気感をだしていて、さらにその場の緊張感を高めてくれるんですね。
本当に凄かったな(笑)
今まで書いた内容以外でも、たくさん面白いテーマが散りばめられている「ディアハンター」なんですが、また機会があればもう一度見てみたいと思います。
その時は、今回気付く事が出来なかったまた違う感想も出てくるんじゃないかな。
最後に、本編通してマイク役の、この頃のロバート・デ・ニーロが、アイアンマン主演の人、ロバートダウニー・Jrにそっくりだな、といつも彼が登場するシーンで思えてしまいました(笑)
180分という尺を最大限に生かした演出で綴られる人間の生死と戦争の狂気を描いた傑作、
「ディアハンター」。
是非、ご覧下され。
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