2009年06月03日
第七番目の栄養素ファイトケミカル『テルペノイド類』の紹介
活性酸素
活性酸素は体内で発生する電子が不安定な状態の酸素で他から電子を奪い取る強力な酸化力があります。現代の病気の90%の原因が活性酸素と指摘されています。
活性酸素除去酵素
身体のなかには活性酸素を専門に消去する酵素という防御物質があります。代表格にSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)とグルタチオンペルオキシターゼとカタラーゼという酵素です。これらをまとめて抗酸化酵素と呼びます。
長寿の人を調べると身体のなかにたくさんの抗酸化酵素があることが明らかにされています。抗酸化酵素は活性酸素と結びつきその役割を果たすと消えてなくなりますが、健康な人は消えては作るという機能が高いから病気しないと言われています。
この抗酸化酵素の材料となるのがミネラルやアミノ酸です。マンガン、銅、亜鉛、セレニウムといった微量ミネラルが欠かせません。
ファイトケミカル
これらの酵素を活性化しつつ、直接活性酸素をやっつける抗酸化物質をファイトケミカルといいその代表格としてポリフェノール、スルフォラファンなどを前回ご紹介しました。そして今回は強力な抗酸化力を持つテルペノイド類を紹介します。
なんといってもテルペノイド類の代表取締役とも言われるのがβカロテンです。
βカロテン
βカロテン(ベータカロテン)は体内でビタミンAに変換されるので、基本的にビタミンAとしての効能が期待できます。
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βカロテン(ベータカロテン)を多く含む食べ物
ニンジン・赤じそ・パセリ・ほうれん草・かぼちゃ・パセリ・モロヘイヤ
リコピン
トマトに含まれる活性酸素を除去してくれるファイトケミカル抗酸化物質です。 リコピンの抗酸化能力は、βカロチンの2倍、ビタミンEの100倍と言われています。実際、トマトジュースを飲ませ続けたマウスの発ガン率が低下したという実験結果があります。 ガン、心臓病、高血圧、老化のリスクを下げる働きがあります。
リコピンを多く含む食べ物
トマト、トマトジュース、 スイカ
ルテイン
ルテインは人間の体内器官や皮膚にも存在し、乳房や子宮頚部に多く存在することが知られています。植物中のルテインの抗酸化効果は強力で、太陽光線のもとでルテインが欠乏すると植物は数分で死んでしまいます。ルテインは、目や皮膚などに存在していますが、体内では生成できない栄養素です。つまり、人の身体はルテインを消費しますが、作り出すことはできないのです。だからこそルテインを摂取するには、緑黄色野菜をたくさん食べることを心がけましょう。
黄斑変性症と同様、白内障にもルテインは予防効果を発揮します。白内障はレンズの役目をしている水晶体が濁って視力が低下する病気ですが、この白濁の主な原因も、やはり活性酸素によるものだからです。
ルテインの働きで最も注目すべきものは、眼の黄斑部の健康にとって大切であるばかりでなく、女性の子宮頚管ガンの予防や、糖尿病患者特有のインシュリン耐性に対して効果がある事が分かっています。言い換えれば、インシュリンの効果を正常化することで糖尿病治療に効果を発揮します。
ルテインを多く含む食べ物
マリーゴールド、ホウレンソウ、ブロッコリー、葉レタス、グリーンピース、芽キャベツ
植物ステロール
コレステロールとよく似た構造をもつ。コレステロールは小腸で胆汁酸ミセルに溶けて吸収されるが、植物ステロールは溶けてもほとんど吸収されず、体外へ排出されてしまう。コレステロールと植物ステロールが同時に存在していると、コレステロールの吸収がその分阻害される。そのため、血中のコレステロール濃度を低下させる作用があるとされている。
植物ステロールを多く含む食べ物
豆、ごま、ピーナッツ、植物油
以上がテルペノイド類のファイトケミカル(抗酸化物質)でした。次回は体温と関係の深いファイトケミカルを紹介します。ダイエットとしても注目の高い栄養素です。お楽しみに!