2009年06月01日
第七番目の栄養素『ファイトケミカル』の仲間『ポリフェノール系』のまとめ
ファイトケミカル(フィトケミカル)phytochemical、日本語名:植物栄養素、植物化学物質について
ポリフェノール類
日本にファイトケミカルの名を知らしめた最も有名なものが赤ワインのポリフェノールです。今から15年ほど前から徐々にブームになっていきました。フランス人は動物性の脂肪を大量に摂取しているにもかかわらず心疾患の脂肪率はアメリカの1/3なのは赤ワインに含まれるポリフェノールの抗酸化作用、ホルモン促進作用の効果が高いからだとボルドー大学の教授が発表した事がきっかけです。
しかし、その後フランス人が心疾患で死亡する数が少ないのは心臓病になる前に肝臓病でなくなるのが原因という説も発表されました。 しかし、植物に含まれるファイトケミカルにはかなりの抗酸化作用があることは事実であり今も学者の間で研究が進んでいます。一言にポリフェノールといってもいろんな植物にたくさんの種類のものが存在し効果もそれぞれ違います。代表的なポリフェノール類を紹介します。
@カテキン
含まれている食べ物 お茶に含まれる渋み成分 効果 殺菌作用、血中コレステロールを低下、高血圧を予防 また厚生労働省はカテキンが体脂肪の減少に効果があると認めヘルシア緑茶など緑茶飲料に対し特保の認可を出している。肝臓や筋肉中の脂肪消費酵素の活性を増強させ、脂肪をエネルギーとして消費しやすくすることが認可。
Aアントシアニン
含まれている食べ物 ぶどうの果皮、なす、黒大豆、紫芋、ブルーベリーなどに含まれる 効果 動物実験では抗酸化性に由来すると考えられる薬理作用が見出され、ヒトでは筋疲労を抑制し、運動による過酸化脂質の増加を抑制したとの実験結果が得られた。一般的には肝機能向上を助け、疲れ目の解消などにも効果的と言われている。
Bルチン
含まれている食べ物 そば 効果 ビタミンPの一種(ビタミンP参照)
Cイソフラボン
含まれている食べ物 大豆、豆腐、納豆 効果 大豆イソフラボンは、更年期障害や2型糖尿病の改善に効果があるといわれ、また骨粗鬆症に対しては特定保健用食品として「骨の健康維持に役立つ」という表示が許可されたものがある。エストロゲン(女性ホルモン)同様の働きをするため、アンチエイジングなどの視点から着目されている。
Dクロロゲン酸
含まれている食べ物 コーヒー 効果 消化器、代謝性疾患を改善する作用がある
Eエラグ酸
含まれている食べ物 イチゴ 効果 美白効果が高く化粧品に配合される
Fセサミン
含まれている食べ物 ゴマ 効果 動脈硬化の予防、強力な抗酸化作用、肝機能改善に効果的
Gクルクミン
含まれている食べ物 ウコン 効果 クルクミンの生理作用として抗腫瘍作用や抗酸化作用、抗アミロイド作用、抗炎症作用などが知られている。抗がん効果では、がん細胞特異的に自滅を誘導するとの報告がある。一方では諸刃の剣とも言える側面も持っている。例えば、抗がん効果とは全く逆の、発がん性を有するとの報告もなされている。腫瘍抑制に働く経路に干渉する可能性があるが、マウスやラットを用いた動物試験では、クルクミン摂取と腫瘍発生の関連性は証明されなかった。以上がファイトケミカルのなかでも有名なポリフェノール類の仲間ですが、これ以外にも有名なファイトケミカルが存在します。例えば、最近有名になった『ブロッコリースプラウト』の成分スルフォラファンなどは新しいファイトケミカルです。次回はスルフォラファンなどの『有機硫黄化合物類』の紹介です。