2009年09月20日
お酢の雑学
■カテゴリー
@歴史・・・お酢に関する歴史を紹介
A関連人物・・・お酢を好んだ人物を紹介
B効能効果・・・お酢の効能効果を紹介
C危険な添加物・・・お酢に使われる添加物の紹介
Dおもしろエピソード・・・お酢にまつわるエピソードの紹介
お酢の起源 |
お酢は人間が手を加えて作った最古の調味料と言われています。 まず、人の祖先は果物などを蓄えることを覚えました。それが自然に発酵してお酒が生まれ、そこへさらに菌が働いて誕生したのがお酢だと考えられています。
酢の起源は古く、紀元前5000年頃の古典記録には、干しぶどうなどを利用してお酢を造っていたとあります。
当時からお酢は薬理効果の高い食材として重宝されていたみたいです。中国では漢方薬としての効果も認められています。
日本の歴史 |
日本で酢が造られるようになったのは、4〜5世紀ごろ。中国から酒を造る技術とともに米酢の醸造技術が伝えられたといわれます。奈良時代の『万葉集』には日本で最古の酢に関する記述が確認されています。昔はお酢は朝廷や貴族専用のものとして扱われ庶民には手の届かない贅沢品でした。
酢が調味料として一般に広まったのは江戸時代になってからだそうです。江戸時代はほんとに様々な食材が庶民の食卓に登場するようになった革命的な時代です。お酢の製法が全国各地に広まり、それとともにお酢をつかった料理もたくさん生まれました。はじめてお寿司が生まれたのもこの頃です。江戸前寿司で親しまれ、当時江戸で握り寿司のお店を出店し広めた人物が『華屋与兵衛』です。
皆さんご存じの和食レストランも『華屋与兵衛』ですがこの人物からあやかって付けられたそうです。
一流のお寿司屋さんはお酢にも相当なこだわりを持つそうですがお寿司とお酢のルーツは江戸時代にありました。
その後、大正時代になると、石油や石灰石を原料とした氷酢酸を薄め、グルタミン酸やコハク酸、人工の甘味料など数種類の食品添加物を加えた合成酢が登場します。戦中・戦後の食糧難の時代には、米を原料として酢を造ることが禁止されていたため(昭和12年から28年まで)、一時は市場の大部分をこの合成酢が占めていました。昭和45年から氷酢酸を少しでも使ったのもには“合成酢”の表示が義務づけられるようになったため、醸造酢の生産が合成酢を上回るようになり、現在では合成酢を目にすることはほとんどなくなりました。
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■クレオパトラ
世界三大美人の1人であるクレオパトラが、より美人になるための美容法として「真珠を酢に溶かして毎日飲んだ」という逸話が語り継がれています。
ある日クレオパトラは、「たった1度の食事で1000万セステルティの食事ができるか、賭けをすることになりました。 クレオパトラは当時最も素晴らしいと賞賛されていたふたつの真珠を身につけていました。そして彼女は、ふたつの真珠のうちひとつをはずすと、お酢の中に入れました。そして、それが溶けると同時に飲み干してしまいました。当時の真珠の価値は国が2、3個買えるほどの価値があったとも言われていますので物凄い金額の食事になったのは間違いありません。結局クレオパトラがこの賭けに勝利しましたがこの後、彼女はこの事件がきっかけで犯罪人に処されたそうです。もうひとつの真珠は、ふたつに割られ、パンテオン寺院のビーナスの銅像の両耳に飾られているそうです。
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■お酢の効能、効果
●食中毒の予防
酢に含まれる酢酸の殺菌効果は、とても強力で病原菌を短時間で死滅させます。
●疲労回復
60種類にもおよぶ有機酸で、筋肉疲労の回復に効果があります。
●ダイエット効果
お酢に含まれる必須アミノ酸のなかでもリジン、プロリン、アラニン、アルギニンは体の脂肪を燃焼させるアミノ酸といわれダイエット効果が期待できます。
●骨粗鬆症の予防
お酢には、調理の過程で食品からカルシウムを引き出す溶出効果があることが確認されています。また体内でのカルシウム吸収率を高める効果があることもわかっています。
●水虫対策
足をきれいに洗った後に桶に40度ほどのお湯を入れそこにお酢をキャップ1杯ほど混ぜ足を10〜20分浸します。これを毎日続けると早ければ2ヶ月ほどで水虫が改善されたという体験談が数多くあるみたいです。ただ、薬ではないので個人差はあると思いますが強力な殺菌力で白癬菌を退治するには良いかも。
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■連続発酵法(速醸法)
連続発酵法は酢酸濃度の高いお酢を短時間に製造できる方法で、またの名を通気法とか機械速醸法ともいわれています。戦後急速に広まったお酢の製造方法で、短期間に大量のお酢が作れることから安価なお酢はほとんどこの製法で作られています。
伝統製法の「静置発酵法」で作られるお酢と比べると、味が淡泊でコクや旨みに欠けます。発酵期間は短く、数時間から24時間で終了します。
24時間で作った製品がはたして発酵製品と言えるのか疑問です?
■醸造アルコール(エチルアルコール)とは
日本酒や酢に入っている「アルコール」について原料の視点で2つに大別することができます。
1.米だけでつくったもの・・・(一般的に)純米酒
2.醸造アルコールを添加したもの・・・本醸造、吟醸酒など
醸造アルコールはラベルの一括表示欄では、「アルコール」と記載されています。普通の人はあまり気にしないこのアルコールとは何か?その正体はバイオエタノール。つまり、トウモロコシやサトウキビなどから工業的に生成した高濃度(90%以上)のエチルアルコール。ブラジルでは石油の代わりに車の燃料として使われています。また、薬局で販売されたり、レストランの厨房などでも使われている消毒液は、そのエチルアルコールに水を加え、70〜80%の濃度に薄めたもの。つまり、水の多寡によって、
1.燃料
2.消毒液
3.食品
と用途が異なるわけです。また、その原料の産地のひとつは北米ですから、遺伝子組換されている可能性大。安全性云々の議論は省略するとしても。
では、お酢において、どのような目的で使われているのか。これを添加することで大きく2つのメリットがあります。
1.増量できる
2.アルコール発酵しなくていい
例えば、100%ブドウジュースにアルコールを添加すると、一瞬で「ワインもどき」ができあがります。発酵しないワイン。つまり、酢の醸造過程(アルコール発酵→酢酸発酵)のうち、発酵をひとつ省略できるわけです。そうすると、2つのことが実現できます。
1.低コストで造ることができる
なぜなら、酒を造る土地や設備がいらない
2.酢を早く造ることができる
混ぜる時間しかかからない
(醸造期間は最低でも日本酒で1か月、ワインで2、3週間かかる)
≪醸造アルコールの値段≫
95%濃度の醸造アルコール 200リットル 27,000円也ー
これが実際の速醸法で使われるアルコールの単価です。
これを、アルコール度19%の日本酒に換算する場合、甘酒や濃縮果汁で5倍に薄めるわけですから、1,000リットルの酒もどきができるわけです。
ということは、1,000リットル 27,000円。 1リットル27円
ちなみに、送料込だそうです。
この原料を使って、1日で酢にしてしまうわけですから、100円ショップに並ぶ酢の原価のほとんどは瓶やラベル、運送費でしょうか。
コストダウンを計るために使われているといえるほど醸造アルコールのコストに関する利点は大きいです。少し値の張る『純米静置発酵酢』を選ぶか安く手に入る『アルコール速醸酢』を選ぶかは消費者の知識で大きく変わります。
昔、病気の少なかった時代は全て天然の食材でした。
今、病気が絶えないで苦しんでいる人の多い時代は天然の食材は貴重なものになってしまいました。科学の便利さには驚かされるほどの力があります。
ただ、私は体の中に入れるものだけは『自然』がベストのように思えて仕方ありません。科学で人工的に機械的に作った食材・・・子供には食べてほしくないです。
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世界にはなんと4000種類もの酢があると言われています。「酒のあるところ、かならず酢あり」という言葉もありますが、どんな酒でも発酵させれば酢となります。つまり、酒の種類だけ酢の種類がありえるわけで、こんな膨大な数になるのです。海外には、はちみつやココナッツ、バナナから造った酢なんてものまであります。
日本でもっともポピュラーな酢は、言うまでもなく日本酒から造る米酢です。では、外国ではどんな酢が一般的に使われているのでしょうか?
●ワインビネガー
フランスやイタリア、スペイン、ポルトガル、ドイツなど、ワインの産地で造られるヨーロッパを代表する酢。
●バルサミコ酢
北イタリアのモデナ地方に伝わる伝統的な酢。ワインと甘みの強い白ブドウ果汁を煮詰め、長期に渡って木の樽で熟成させたものです。ウィスキーなどと同じように、熟成期間の長いものほど珍重され、なかには80年以上熟成したバルサミコ酢もあるそうです。
●りんご酢
りんごの生産がさかんなアメリカでポピュラーな酢です。
●モルトビネガー(麦芽酢)
ビールの醸造がさかんなイギリスを代表する酢です。大麦、小麦、トウモロコシを原料に、大麦の麦芽を使って造られます。
●シェリービネガー
白ワインにブランデーを添加して造る酒精強化ワイン、スペイン・ヘレス地方特産のシェリー酒から造った酢。
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