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2020年01月07日

農畜産物の増産は慎重に

 2020年度の当初予算は過去最高の102兆円台、農林水産関係予算の総額を前年度比1億円増の2兆3,109億円ということで、国の支出の膨張はどうにも止まらないようです。

 国が多額の支出をし経済を刺激することが景気回復につながる、という考えは未だに信奉されているようです。最近では「現代金融理論」という説も登場し、現政権の方針を後押ししているかのようです。

 今のようなやり方が正しいのか間違っているのかは、後々にならないとわかりません。ただ私見として、今のやり方は「資源」という点において無理があるのかな、と思っています。

 「資源」というのは石油や鉱石などの天然資源だけではなく、人も資源に含んでいます。簡単に言うと、お金ばっかり用意しても使う人がいないんじゃないの、ということです。

 農業に注目すると、例えば和牛の増頭が方針として最近打ち出されましたが、誰がそれを実現するのか、ということです。お金をたくさん出せば勝手に頭数が増えることはありません。

 お金がたくさんあれば人が集まって、人が集まれば実現できる、という考え方なのでしょうが、現在はどの産業でも人手不足が叫ばれていますから、結局はわずかな人的資源を奪い合うだけです。

 では、人がいないのだから機械化し省力化すればいい、と考えたとします。しかし機械を買うのも、修理するのも、牛舎を建てるのも結局は人手が必要です。効率化するにもやはり人が必要になります。軌道に乗ってくれば少ない人手でやれるかもしれませんが。

 視点を変えて、消費をする人も資源であると考えれば、少子化が進行している現在において生産を増やしていくことには疑問を感じます。そもそも食べる人が減っているのですから。

 政府としては輸出を増やして、という考えなのでしょうが、黒毛和牛といえど競合がまったくないわけではありません。オーストラリアではWAGYUが定着してしまっているようですし、その他の地域にもすでに和牛は渡ってしまっているようです。

 それに和牛独特の味わいが海外でどこまで受け入れられるのか。市場拡大は期待できると思いますが、市場の拡大を上回る過剰な増産がかえって農家を苦しめないか、という懸念を持っています。

 かつて経験したことがある農家ならその苦しみは十分理解していると思いますが、農産物というものは生産量の調整が難しく、作り過ぎると大幅な価格下落を招きます。近年でも、酪農家が牛を処分させられたり、牛乳を捨てさせられたことがありました。

 国の政策で補助が出るからといってやみくもに増産すると、またこのような事態を招く危険が高まることを理解しておくべきです。今儲かっているからさらに増やせば儲かるというのはばくち打ちの発想であって、経営者は常に慎重な判断を求められます。
posted by とば吉 at 01:03 | 農業の話題
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