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2021年12月30日

日活ロマンポルノ50周年 堕ちてコソ神々しい谷ナオミ・・・



 日活ロマンポルノ50周年 堕ちてコソ神々しい谷ナオミ・・・

 今も色褪せ無い3人の女優達



 12-30-10.png 12/30(木) 11:31配信 12-30-10




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                 谷ナオミ(1974年撮影)12-30-11


 2021年は、日活ロマンポルノが50周年を迎えた節目の年だった。東京・渋谷で開かれた記念上映イベントには、往年のファンは勿論の事、若い世代の姿も多く見られた。ロマンポルノは、何と云っても「女優」の存在抜きには語れ無い。ライターの亀山早苗氏が、今も魅力を放ち続ける3人の女優達を紹介する。

                  * * *



 映画産業が斜陽と為った1971年、日活が社運を賭けて路線変更を図ったのが〔日活ロマンポルノ〕である。当時は日米安保・学生運動の裏で、若者達が虚無的に為り「シラケ世代」が台頭して来て居た。一方で高度成長期に突入し、社会は混沌としながらも活気に満ちて行った。そんな時代に、ロマンポルノは封切られたのだ。

 反体制を貫き通せず、それでも何処かで革命の夢を見て居た若い人々の熱狂的な支持も在ってマンポルノは受けた。10分に1度の濡れ場・作品は70分前後と云うルールさえ守れば、比較的自由に撮れた為、若い監督達がその才能を遺憾無く発揮、神代辰巳・小沼勝・加藤彰・田中登・曽根中生等の名監督が生まれた。  
 ロマンポルノの第一作は誰もが聞いた事の在るタイトル『団地妻 昼下がりの情事』(西村昭五郎監督・白川和子主演)だ。
 以降の17年間で公開された作品は、約1,100本・50年経った今も色褪せず、旧ファンも新ファンも熱くロマンポルノを語る。50周年のイベントで4週間に渉ってロマンポルノを上映した渋谷の映画館には、男性のみ為らず女性ファンの姿も多かった。
 
 ロマンポルノと云えば「女優」で在る。スクリーンで輝きを放つ女優達は数多居るが、心を鷲掴みされるに違い無い3人を挙げるとしたら・・・悩みつつ紹介したい。

 男に崩されるのでは無く、自ら崩れて行く

 先ずは初代SMの女王と呼ばれている谷ナオミだろうか。その豊満で美しい肉体に先ず圧倒される。ドンなに脱いでも縛られても、彼女からは冒される事の無い気品が漂う。代表作『花と蛇』も好いが、谷ナオミの魅力が凝縮されて居るのは同じ小沼勝監督の『花芯の刺青 熟れた壷』(1976年)だ。

 人形作家の未亡人の谷と義理の娘の嫉妬と葛藤。薄幸の未亡人が堕ちて行った時、ソコに渦巻く女の凄絶なエロスを谷ナオミはその肉体で思う存分表現する。堕ちて尚神々しい、嫌、堕ちてコソ神々しい谷ナオミ。
 更にこの映画では彫師の蟹江敬三が又、凄まじい演技を見せる。彫る男と彫られる女・・・その緊張感が解けた時、エロスは爆発する。

 彼女の目線一つで、柔な男はイチコロに為るのでは無いか。畏れ多くて話し掛ける事も出来無いかも知れない。強固な意志が肉体の快楽に依って崩れて行く。男に崩されるのでは無く、自ら崩れて行くのが谷ナオミ演じる女なのだ。ソコに同性として堪ら無いエロスを覚える。  
 そんな女王の意外な魅力を発掘したのが神代辰巳監督だ。『悶絶!! どんでん返し』(1977年)では、谷ナオミの素晴らしいコメディエンヌ振りを見る事が出来る。少し頭のネジが緩んで居る様な、それで居て本質を突く様な言葉を吐く女を、彼女は軽々と演じて見せる。女の可愛らしさをこれ迄かと見せ着ける彼女の演技の幅の広さに驚かされるだろう。

 本能だけで繋がる男と女の方が動物としては正しい


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          1973年「四畳半襖の裏張り」撮影現場での宮下順子 12-30-12


 谷ナオミが「エロスの象徴」なら「色気の代表」は宮下順子だ。それも作品に依って「色気の色」が違うのが魅力的だ。  
 例えば『実録 阿部定』(1975年・田中登監督) 昭和11年、思想弾圧の厳しく為った日本。2月には二・二六事件が起こって居る。その3ヶ月後、東京・荒川区の待合で、妻在る男を愛した女・阿部定が、彼を殺害、局部を切り取って逃走した事件の映画化だ。この作品を観ると、恐らく阿部定と云うのはこう云う女だったに違い無いと思えて来る。  

 2人は待合に籠もって、風呂にも入らず殆ど裸のママ延々とマグワイ続ける。部屋に2人の体臭や粘液の匂いが籠もって居るのが映像から伝わって来るのが凄まじい。定は、唯々男を自分のものにしたかったのだ。その心理の揺れを、宮下順子が丁寧に演じて居る。
 黙々と男の局部を切り取る彼女の後ろ姿や真剣な横顔からは、男と一緒に居たいだけだと云う真摯な思いが判る。

 阿部定をモチーフにした映画作品は数々在るが、実録と銘打って居るだけ在って、コレが実際の阿部定の心境に近いのだろうと妙な納得感が在る。それ程宮下順子の演技に説得力が在るのだ。

 赫い髪の女は、インスタントラーメンもロクに作れ無い。水を入れた鍋をガスコンロに乗せて台所から炬燵の上に持って来る時、水がバシャバシャと零れるが、女は全く意に介さ無い。かと思うと「アンタ、ラーメン食べるか」と光造に聞いて作り始めるのだが、卵を買って来なかったと突然ヒステリックに泣き出したりする。訳の判ら無い女なのだ。それでも光造に只管「して」とセガム。

 自分の欠落した場所を補って貰うかの様に男を求め続ける女に対して、最初は哀れさを覚えるのだが、仕舞には逞しさが漂って居る事に驚かされる。「訳の判ら無い女」を、これ程説得力を以て見せる事が出来るのは宮下順子以外に居ないだろう。
 恋だの愛だのと言って居る内は、男と女の事等判り様が無いのではないか。言葉で判ろうとする事等本来不要で、本能だけで繋がる男と女の方が動物としては正しいのではないか。そんな風にさえ思えて来る。
 
 光造は、生まれて初めて〔嫉妬〕と云う感情を覚える。それが女を愛する事に繋がって行く。女は「男の為の道具では無い」のだと思い知った光造は自分の姉夫婦に女を会わせる。だが、姉夫婦のデリカシーの無い発言に彼女は傷着く。
 何かを抱えた女を、光造は只只管抱き締める。周りが何を言おうと女が何処から来ようと関係無い。目の前の、この肉体を持った女を彼は本気で愛したのだ。

 女が愛されて居る事に満足して居るのか如何かは判ら無い。そこが又、宮下順子の凄い処だ。もしかしたら、又此処から不意に居なく為るのでは無いかと云う不安定さをズッと保ち続けて居る。不安定は色気に繋がる。
 こう遣ってこの男女は繋がって行くのか、或るいは突然関係が終わるのか。判ら無いママに映画は終わる。宮下順子の何処か寂しそうな笑顔、感じた時の輝く表情、不安そうな眼差し等が、何時までも脳裏に残る作品である。

 3人目は矢張り・・・



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        1984年放送のドラマ「昨日、悲別で」に出演した際の芹明香 12-30-13


 モッと挙げたい女優は居るのだが、3人と為ると最後は芹明香(きんめいか)だろう。熱烈なファンが居る女優で在る。華奢でスレンダーな肉体だが、この人の凄さは圧倒的な存在感だ。演技をして居るのか如何かさえ判ら無いのに、全てを凌駕する存在感は他に例を見無い程だと思う。  
 代表作は『(秘)色情めす市場』(1974年・田中登監督)だ。国宝級と迄言われるこのモノクロ作品の中で、芹明香演じるトメは娼婦で在る。大阪釜ヶ崎のあいりん地区を舞台に、「ひとりで稼ぐわ」と男に管理される事を嫌って生きるトメの姿を描いて居る。



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 「うち、何や逆らいたいんや」

 芹明香はそう呟く。男に後ろから突かれながらタバコを加え、ヤクザに殴られても一歩もヒケを取らずに抵抗し続ける。彼女は、矢張り娼婦の母親に路上で産み落とされた。今も男の顔色を伺い、男に縋る母を嫌い、自分はアアは為りたく無い、男に引きズラレル人生は真っ平だと思いながら彼女は生きて居る。
 彼女には知的障害を持つ弟が居る。弟を見詰める芹明香の目は限り無く優しい。何もかも受け入れ何もかも与える聖母である。  

 ヤサグレて居る様に見えて、心の中に純粋で透明な太い軸を持って居る女を、芹明香はまるで自分の日常を見せるかの様に軽やかに演じて居る。逞しく生きて行く女・逃げ無い女・自分の足で歩く女を芹明香は見せ続ける。
 ロマンポルノの他作品にも多く出演して居るが、ドンな小さな役で在っても彼女は常に印象に残るのが不思議だが、だからコソの人気なのだろう。芹明香と聞くと、彼女のファンのみ為らずロマンポルノファンの目が輝くのは、誰の心の中にも「自分だけの芹明香」が居るからかも知れ無い。男性だけでは無く、その骨太な存在感は女性からの支持も高い。



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 ロマンポルノ第一作から半世紀。それでも多くの作品が色褪せず、今観ても心から面白いと思えるのは、ジャンルが時代劇からコメディ迄と幅が広いこと、当時、脂の乗ったクリエイター達が心血を注いで、あらゆる工夫を重ねながら愛する映像を作り上げた事等、様々な理由が在る。

 自分に取っての「この1本」が見付かったら、繰り返し観るのも楽しい。年を経るに連れ見えるものが違って来るからだ。今や映画作りの古典として、大学の芸術学部では講義もされて居るロマンポルノ。
映画の大事なものが沢山詰まった、日本文化のレジェンドで在り、レガシーと為って居るのでは無いだろうか。 DVDや動画配信、CS放送等でも観られるので、ご興味が在れば、是非。




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          亀山早苗(かめやま・さなえ) フリーライター 12-30-18 
 
 プロフィール 男女関係 特に不倫に付いて20年以上取材を続け『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』等著書多数

 デイリー新潮編集部 新潮社













 

芸能人が〔クスリとセックス〕に溺れる迄の全真相



 
 ザ・芸能界  テレビが映さ無い真実

 芸能人が〔クスリとセックス〕に溺れる迄の全真相




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               田崎 健太 ノンフィクションライター

 プロフィール 1968年3月13日京都市生まれ ノンフィクション作家 早稲田大学法学部卒業後小学館に入社 『週刊ポスト』編集部などを経て1999年末に退社 著書に『W杯に群がる男たち――巨大サッカービジネスの闇』(新潮文庫) 『辺境遊記』(英治出版) 『偶然完全 勝新太郎伝』(講談社) 『維新漂流 中田宏は何を見たのか』(集英社インターナショナル) 『ザ・キングファーザー』(カンゼン) 『球童 伊良部秀輝伝』(講談社 ミズノスポーツライター賞優秀賞) 『真説・長州力 1951-2018』(集英社) 『電通とFIFA サッカーに群がる男たち』(光文社新書) 『真説・佐山サトル』(集英社インターナショナル) 『全身芸人』(太田出版) 『ドラヨン』(カンゼン)など 
 最新刊は『スポーツアイデンティティ どのスポーツを選ぶかで人生は決まる』(太田出版) 2019年より鳥取大学医学部附属病院広報誌「カニジル」編集長を務める 



 〜跡を絶た無い薬物乱用に依る芸能人の逮捕劇。芸能界はそれ程迄に汚染されて居るのか。何故、どの様にして彼等はクスリにハマって行くのか。そこには知られざる「システム」が存在する〜


 渋谷と西麻布のバーで

 清原和博・ASKA・押尾学・酒井法子・小向美奈子・・・ココ数年、薬物で逮捕された芸能人で在る。清原は元プロ野球選手だが、引退後メディアに露出していたと云う意味では広義の芸能人に含んで好いだろう。何故彼等、彼女等、芸能界の人間はクスリに溺れるのか。先ず指摘出来るのは、彼等は一般人よりも遥かに、日常生活の中でクスリと接する可能性が高いと云う事だ。


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                押尾学氏 12-30-2


 「渋谷の一角に過つてバーが在った。目立た無いが、芸能事務所関係者・マスコミの人・海外の芸能関係者迄集う知る人ぞ知る店。ソコが『買える』と云う事で有名だったんです」

 こう語るのは、芸能関係者のXである。Xは「今からでも2時間貰えれば、直ぐにクスリを手に入れて来ますよ」と豪語する。Xは現在は薬物を断って居るが、数年前に覚醒剤による逮捕歴が在る。現在も芸能界に関わって居る為匿名とする。



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                    酒井法子氏 12-30-3


 「クスリを手に入れる事の出来るバーは僕が知って居るだけで、現在も都内に5つは在る。経営者の方針にも依りますが、自らが売らずに客同士に取引の場所を貸すパターンが多い。そう云う噂の在るバーは、外国人モデルが沢山遊びに来て居て流行って居る」

 その中の一つ、西麻布のバーでの事だ。

 「在る程度人数が集まったら、店を閉めちゃうんですよ。そしてテーブルをピカピカに磨いて、クスリ(コカイン)をザーッとテーブルの上に白線の様に撒いて、皆で鼻から吸って行く。その場には、何人も芸能人が居ましたよ」



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                 俳優・成宮寛貴氏 12-30-7


 昨年12月に『FRIDAY』で報じられた俳優・成宮寛貴の薬物使用疑惑の写真も、マンションの一室で撮られたとされるものだった。成宮自身が薬物を使用して居たか否かは今も定かでは無いが、こうした都心のクローズドな場所で、密かにクスリは取引され使用されて居るのである。
 Xは自ら薬物を使用する他〔運び屋〕でも在った。芸能事務所の人間・テレビ局員等に毎日の様に覚醒剤を運んで居たと云う。

 「カジュアルに付き合おうと思えば出来るんですよ。最初は葉巻みたいな感覚。マア、在ったら気持ちが好いよな、程度です。『覚醒剤を常用して居ると、身も心もボロボロに為る』と言いますが、必ずしもそう為ら無い人も居る。15年・20年遣り続けて、中毒に為ら無い人も知って居ます」

 Xも又〔カジュアル〕に覚醒剤に手を出した。そして、その量は次第に増えて行った。

 「僕の場合、仕事が忙しい時は遣ら無かった。クスリを遣ると、自分では能率が上がって居る積りでも、実際の作業は遅くそして雑に為る。遣りたく為るのは盆暮れとか暫く人に会わ無くて好い時。クスリを遣って人に会うとバレてしまいますから。
 清原さんが『週に一度、子供と会った後、寂しく為って覚醒剤を使って居た』と云う報道が在りました。でも、覚醒剤を遣った事の在る僕達から見ると『来週迄子供に会わ無いのだから、クスリを使えると考えたんじゃないか』と勘ぐってしまうんです」


 「1回1000万円」の女

 ノンフィクション作家の溝口敦は著書『薬物とセックス』の中でこう書いて居る。

 〈覚醒剤は好く「前借りのクスリ」と云われる。寝無いで頭や身体を動かして居たければ、明日の分、明後日の分迄エネルギーを前借り出来る。(中略)しかし前借りの利息はベラボウに高く、300%・500%の利息では済まず、場合に依っては一生涯掛けても払い切れ無い程の利息を要求して来る〉

 逮捕される直前の2年間は、重度の中毒に為って居たとXは振り返る。

 「友達や女の子の家で(薬物を使用する)行為に没頭してました。仕事に穴を空けた事も在ります。家族も居ますし何度も辞めようと思ったんですよ。何度も覚醒剤を捨てました。川に投げた事もトイレに流した事も在る。
 でも、精々我慢出来て3週間。運び屋を遣って居たので、その間もチョイチョイ誘いや問い合わせが来るんです。最後はコレは長く続か無いな、早く捕まら無いかなと思って居ました」


 Xも又、その利息を逮捕と云う形で払う事に為った。もう一つ、芸能界で薬物が横行する大きな原因として、薬物が性行為と結び着いて居る事をXは指摘する。

 「薬物の快楽と云うのは、バクチ、或いはセックスと一緒に遣ると掛け算に為る。女性の側に使用する気が無くても、知ら無い間にコンドームにシャブを塗られたり、と様々な遣り方が在ります。僕の実体験では、女性の方が一度経験するとクスリに夢中に為り易い」

 芸能界には、タレント、或いはタレント志望の女性が溢れて居る。その為、芸能界とクスリは親和性が在るのだ。

 「芸能界でノシ上がって行くには、クスリか女のドチラかを手配出来る事が必要なんです」

 芸能界に関する噂として、所謂〔枕営業〕の話が在る。これに関連して、事務所やマスコミ関係者に対する「営業」とは限ら無いにせよ、芸能人やモデルとの売買春を斡旋する〔交際クラブ〕が存在するのは事実だとXは言う。

 「或るモデル事務所の人間と会った時、引っ切り無しに電話が掛かって来る。『どうしたの?』と聞くと『今から(モデルを)手配出来ないかと言われた』と言うんです。
 ひと昔前迄は『芸能人を抱く』何てヤクザしか遣って居無かった様な事を、今は小金が在れば誰でも出来る様に為って居ます。5万〜10万円払って会員登録すると、最初は女子大生何かを紹介して貰えるんですが、金を出せばそれだけ女性のランクも上がって行く」


 そう言ってXはスマホを取り出し、女性の顔写真が並んだ交際クラブの会員向けサイトを見せて呉れた。

 「今の交際クラブは『芸能人と遣りたい』とか『クスリを使いたい』と云った、客のあらゆる要求に対応します。その中には、クスリを使ったセックスが出来る女の子も居る。芸能事務所の中には、こうした交際クラブを運営する組織と癒着して居る所も在ります」

 グラビアアイドルや、或る程度有名なモデルに為ると、1回数百万円から1,000万円程度の〔値段〕が着くと云う。客がもし「クスリを使いたい」と言い出せば、彼女達はソコから溺れて行く事に為る。

 人間の意志の力は強く無い

 Xは、或る芸能事務所の人間から「手配出来る女性」の作り方を教えて貰った事が在ると云う。

 「グラビアアイドルの女の子等は、給料が安いので現金を持って居ない。でも、住んで居るのは家賃40万円のマンション何て事も在る。勿論、セキュリティの問題と云うのも在るでしょうけれど、本当の理由は別に在るんです。
 高級マンションに住まわせて、毎晩の様にミシュランの星の付いたレストランに連れて行ったり、売れっ子が出入りして居る店を覗かせる。散々遊ばせた後で、女の子の家族、或いは心在る友人達の事を『アノ人達はコンな高級店に行く事は出来無い。そんな下ら無い人間の話を聞く必要は無い』と言い続ける。
 そして『シミッタレタ生活と、今の華やかな生活のドッチが好いんだ?』と選択を迫る。自発的に後者を選ぶ様になれば『一丁上がり』です」


 Xは'09年に覚醒剤取締法違反で逮捕された、グラビアアイドルの小向美奈子とも面識が在った。



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                   小向美奈子氏 12-30-4


 「彼女はクスリ好きでは在ったけど、中毒と云う感じでは無かった。15歳位から芸能界に入って、可愛い可愛いと言われ続けて来た。でも20歳を超えると、自分への注目は減って来る。彼女は、自分を見て見てと云うタイプ。構って欲しいんです。
 彼女はその内、イラン人の売人グループとも接触を持つ様に為り、自分で覚醒剤を扱う迄に為ったと言われます。『男の人はこう云う事をしないと喜んで呉れ無いんでしょ』と思い込んで居たんでしょう」

 こう云う事・・・とは勿論悟醒剤を使った性行為で在る。

 近年、冒頭で挙げた芸能人達の様に、40代から50代の薬物乱用者が増えて居ると云う。'09年8月に逮捕された酒井法子は現在45歳、昨年2月に現行犯逮捕された清原和博は49歳、昨年11月に逮捕されその後嫌疑不十分で不起訴と為ったASKAは58歳だ。Xが指摘する。

 「人は結局、カネが在ると快楽を極めたく為るんじゃないでしょうか。'90年代に、渋谷のセンター街等でイラン人の密売人が偽造テレホンカードや覚醒剤を売って居ましたよね。その当時若かった人達が、現在40代〜50代に為って、時間と経済に余裕が出来て何をするか・・・と云うパターンではないか」

 警察庁に依ると、薬物乱用で1年間に約1万4,000人が逮捕されて居り、その内65%が再犯者だと云う。高い再犯率が薬物依存の特徴である。薬物依存症の回復を支援するリハビリ施設『館山ダルク』代表の十枝晃太郎に依れば、ダルクに入所するのは逮捕歴が在る人間が多いと云う。

 「2回・3回と云うのは当たり前で、10回を超える人も居ます。依存症を治そうと自分から入って来る人間は少ない。社会的信用、お金を失って生活も破綻する。周りに人も居ないので国に頼るしか無く、生活保護の申請をする訳です。
 そこでダルクに行ってリハビリをして、好く為れば面倒を見ましょう、と云う行政からの依頼で来る方が全体の約半分です」


 十枝晃太郎の母は、故・松方弘樹との間に息子をもうけた歌手の千葉マリアである。十枝自身も、過つて薬物依存症に為り、それを克服した過去が在る。克服の為に重要なのは環境を変える事だと十枝は考えて居る。

 「使って居た時と同じ場所に居たりとか、同じ匂いを嗅いだりすると、凄く遣りたく為ってしまうんです。覚醒剤を使って居た人だったら、売人に電話したりしてしまう。そう為る前に止め無ければ為ら無い。人間の意志の力は強く無い。数年間は違った場所で生活するとか、行動範囲を変える事です」

 芸能界に戻るから再犯する

 だが、逮捕されても再び同じ場所、同じ仕事に戻る事の出来る芸能人は、再犯の可能性が高いと云う。

 「僕の場合は、薬物依存で本当に全てを失いました。残って居たのは、母親と弟と云う家族だけだった。この2人に申し訳無くてダルクに入ったんです。
 例えば小向さん等は、捕まって出ても又、ストリップやAVで稼ぐ事が出来る。彼女を使って仕事をしようと云う周りの人間も居るでしょう。その場合は如何しても再犯の可能性が高く為る」


 その意味で、宮古島等で療養生活を送る清原和博は、正しい道を歩いて居ると十枝は観ている。

 「清原さんは逮捕された後『一日一日の闘い。今日は勝ったぞ、明日も頑張ろうと云う毎日の積み重ねです』と話して居ますが、僕達の考えと同じです。本当に一日、一日の積み重ねが大切なんです」

 警視庁池袋署組織犯罪対策課で薬物取り締まりを担当する蜂谷嘉治警部は「NO  DRUGS」と云う会を主宰して居る。これは元薬物乱用者、その家族たちが集まって互いの経験や現状を語る会で在る。蜂谷警部が逮捕した乱用者の更生の為、7年前に始めた取り組みだと云う。

 「薬物乱用の抑止力の第一は、我々の様な警察の取り締まり。その次が家族を大切に思うか如何か。家族を失いたく無いと云う抑止力が働く。家族の方に同席して貰って居るのはその為です」

 彼も又日々の積み重ねが大切だと強調する。

 「取り敢えず今日は遣ら無いで済んだ、みたいな生活なんです。その一日が積み重なって、一ヵ月、そして一年と為る。私達は『もう遣りません』と云う言葉は信じませんが『今、遣ってない』は信用すると云うスタンスです」

 しかし、夫人が更生支援をして居ると云うASKAの場合は未だしも、清原は保釈の際の身元引受人がナカナカ決まら無かった。家族と云う「最後の砦」さえ持た無い芸能人が薬物と訣別する道は決して平坦では無い。

(文中敬称略)

         田崎健太氏の連載「ザ・芸能界」バックナンバーはコチラから

  
        http://gendai.ismedia.jp/list/author/kentatazaki

 「週刊現代」2017年2月25日号より



 【管理人のひとこと】

 麻薬・薬物・大麻・・・と呼ばれる覚醒剤とその周辺の違法薬物は、洋物の映画・TVドラマを観ていると、学生時代から日常の様に扱われて居る。アメリカでは洲に依って大麻が合法とされ薬局で販売されて居る・・・と聞く。
 そして日本のTVドラマ〔相棒〕には、大麻の所持・栽培で逮捕されたり薬物使用の疑いを持たれたり、歌舞伎役者と永く不倫を続けた有名女優等・・・非常に脇の甘い自己規制の番組も健在する。何か特別に洋風化されたTV文化を持たれて居るのか・・・この番組には〔何か異臭のする雰囲気〕が漂う・・・
 定期的に相棒が変わったり通う贔屓の小料理屋の女将が変わったり・・・するのだ。今回は相棒が変わる番だと、誰に為るのかが噂されて居る。貴方は誰を押しますか? 私は滅多に観ないが女房殿は何十年の大ファンなのである。
























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