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2021年12月22日

明智光秀と織田信長 「相思相愛」だった主従関係は何故破綻した?


 蜜月と離反の深層心理

 明智光秀と織田信長 「相思相愛」だった主従関係は何故破綻した?


 

 
 12-22-1.png 12/22(水) 7:00配信



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            写真はイメージです(gettyimages)12-22-2


 自らの未来を信長に賭け織田家中に身を投じて以降、世に出た光秀。一方信長も光秀を高く評価し、新参者ながら家中随一の出世頭として取り立てて行った・・・相思相愛だった二人の関係は何故破綻したのか?
 週刊朝日ムック『歴史道 Vol.13』では、大河ドラマ「麒麟がくる」で時代考証を務めた戦国史研究の第一人者・小和田哲男氏が読み解いた。

                   *  *  *  



 本能寺の変(天正十年・1582)明智光秀謀反の真相を語る時、落とす事が出来無いのが明智光秀と織田信長の性格や考え方の違いで在る。そこで先ず、光秀と信長、この二人の人格・思想・行動の夫々の違いに付いて観て置きたい。  
 光秀に関しては残された史料は少ないが、豊臣秀吉との比較で興味深い指摘が為されて居る。江村専斎(えむらせんさい)の著わした『老人雑話』で、そこに次の様な記述が見える。

 <筑前守は信長の手の者の様にて、其上磊落(らいらく)の気質なれば、人に対して辞常にをこれり。明智は外様のやうにて、其上謹厚(きんこう)の人なれば、詞常に慇懃なり>  

 筑前守とは秀吉の事で「手の者の様にて」と在る様に「秘蔵っ子」と云った印象が在り、信長から可愛がられ、豪放磊落・傲慢(ごうほうらいらくごうまん)だったと云う。「をこれり」は「驕れり」で在ろう。それに対し、光秀は外様だった為、謹厳実直(きんげんじっちょく)で言葉も慇懃(いんぎん)だったとして居る。
 秀吉も光秀も織田家臣団の譜代では無い。今で云う〔中途入社組〕では在るが、秀吉は信長と同じ尾張出身で小者から立身出世を遂げた云わば生え抜きで在ったのに対し、光秀は美濃出身で、牢人した後越前朝倉義景に仕え、義景の所に転がり込んで来た足利義昭を信長に斡旋した事から繋がりが生まれ、初め義昭と信長に〔両属〕と云う形だったと云うハンデが在った。
 
 光秀は織田家臣団の中では正に外様で、謹厳実直と云った態度を取らざるを得無かったのである。真面目に奉公を続ける事で信長に認められて行った。
 では、その信長は如何だったのだろうか。信長の人格・思想・行動を観て行く上で注目されるのがイエズス会宣教師ルイス・フロイスの信長評で在る。フロイスの著わした『日本史』に「彼は自らに加えられた侮辱に対しては懲罰せずには置か無かった」と在るのに続けて次の様に見える。

 <戦術に極めて老練で、非常に性急で在り、激昂はするが平素はそうでも無かった。彼は僅かしか、又は殆ど全く家臣の忠言に従わず、一同から極めて畏敬されて居た>  

 こうした記述、更には他の言動からも、信長が尊大で自意識が過剰だった事が伺われる訳で在るが、全く性行が異なるにも関わらず、或る段階迄は光秀と信長の関係は極めて良好で在った。それは〔信長流人材登用に光秀がマッチ〕したからである。そこで次に、その辺りの経緯を詳しく観て行く事にしよう。

 ■比叡山焼き討ちに積極的だった光秀の真意  

 義昭と信長に「両属」して居た光秀の軍事的力量と云うか才能に信長が何時気付いたのだろうか。それは、もしかしたら、元亀元年(1570)四月の信長に依る越前朝倉攻めの時だったのかも知れ無い。  
 この時、信長の妹お市の方を娶り信長とは同盟関係に在った北近江の浅井長政が叛旗を翻し、信長は急遽、京に逃げ戻って居るが、その時、若干の兵を敦賀の金个崎城(きんこざきじょう)に殿(しんがり)として残して撤退して居る。

 従来、この時の殿は木下藤吉郎秀吉が一手に引き受けたと云う事で〔藤吉郎金个崎の退き口〕と云われて来た。処が、この時光秀も殿を務めて居たのである。  
 この事から、信長と浅井・朝倉軍との本格的な戦いと為り、志賀の陣と呼ばれ、近江宇佐山城を守って居た信長の重臣森可成が討ち死にすると云う事態と為った。信長は、その代わりに光秀を宇佐山城主に指名して居るのである。  

 そして、翌元亀二年(1571)九月、信長は浅井・朝倉軍に荷担する比叡山延暦寺を攻める事に為る。比叡山焼き討ちで或る。『天台座主記』と云った史料により、信長が「比叡山を攻める」と云った時、必死に為って止め様としたのが光秀だったとされて来たが、その後、発見された光秀の文書から、光秀が積極的に焼き討ちに関わって居た事が明らかと為った。
 光秀は真面目で在るだけに、又「此処で手柄を立て、信長様に認められたい」との一心だったのではないかと思われる。命令を忠実に実行し、武将としての力量を認めて貰おうとしたのであろう。

 この働きに依って、信長は光秀を坂本城主としただけで無く、その廻りの志賀郡を所領として与えて居る。これは、信長家臣の中で〔一国一城の主〕第一号で在った。信長の能力本位の人材抜擢のお陰で、光秀はトントン拍子の出世をして行くのである。
 因みに〔一国一城の主〕第二号は秀吉で在った。 〔中途入社組〕の光秀と秀吉の二人が、宿老と呼ばれた譜代の柴田勝家・丹羽長秀・佐久間信盛等と肩を並べ、ヤガテそれを追い抜いて行く事に為る。

 天正三年(1575)からは光秀が丹波(たんば)攻めの総大将、同五年からは秀吉が中国攻めの総大将と為って居る。
 その光秀は、同七年(1579)八月、丹波平定を成し遂げて居り、翌年、本願寺攻めで捗捗(はかばか)しい戦果を挙げ無かった佐久間信盛・信栄父子を高野山に追放した時の折檻状(信長公記)の中で「丹波国日向守(光秀)働き、天下の面目をほどこし候」と絶讃して居る。
 その後に、秀吉、次いで勝家の名前が挙げられて居るので、信長の意識の中には〔光秀が一番の働き頭〕として映って居たものと思われる。正に、光秀・信長の蜜月時代で在った。

 天正九年(1581)二月二十八日に京都御所横で繰り広げられた信長軍団の軍事パレードとも云うべき〔京都御馬揃え〕で、その総括を任されたのが光秀で在った。この時、秀吉は中国攻めの最中だった為、京都に戻れ無いと云う事情が在ったとは云え、信長が光秀に采配を託したのは光秀を高く評価して居たからである。  
 この事も在ってか、同年六月二日付の「明智光秀家中軍法」(御霊神社所蔵)では、光秀は「瓦礫沈淪(がれきちんりん)」の身だった自分を引き立てて呉れた信長に感謝の気持ちを記して居る程で在った。  

 では、そうして、信長の命令を忠実に実行し信長からの評価を得て居た光秀が、信長から離反して行く事に為ったのは何故なのか、そしてそれは何時からなのか。

 ■信長への叛意を芽生えさせた天正十年の事件の数々  

 先ず、何時からかと云う点を観て行くと、天正十年(1582)正月七日の坂本城で開かれた茶会の事が津田宗及の『宗及他会記』に見え、光秀は信長から拝領した八角釜を用い、又、床に信長自筆の書を架けて居た事が判る。
 光秀が本心を隠しカムフラージュして居たとすれば別であるが、少なくともこの時点では、光秀は謀反の事等考えて居なかったのでは無かろうか。

 処が、二月・三月と進むに連れ、少しずつ雲行きが怪しく為る。先ず、二月であるが、信長が暦に口出しをし始めた。本来、年号や暦の決定は天皇大権に属す事柄で在った。天皇が土地・人民だけで無く、時をも支配して居ると云う観念で在る。
 朝廷の陰陽頭・天文博士の土御門家(つちみかどけ)が制定する宣明暦が全国的な統一された暦として使われて居た。これが〔京暦〕である。信長は〔地方暦〕で、自分の領国で在る尾張でも使われて居る〔三島暦〕を使う様要求し始めた。

 天皇大権への口出しで在る事は明らかで、公家の勧修寺晴豊(かんじゅじせいほう)はその日記『日々記』の中で「云われざる事也。これ信長無理為る事と各申事也」と記して居る。 そして、三月から四月に掛けての信長に依る甲州攻め、即ち武田勝頼との戦いに於ける幾つかの出来事も注目される。
 戦いそのものは、三月十一日の甲斐の天目山麓田野の戦いで、勝頼が自刃して終わって居るが、その後の信長の異常な行動を光秀は許せ無かったのでは無いかと思われる。  

 一つは、武田勝頼の首を首実検した時、信長が勝頼の首を蹴とばしたと云う事、
 二つ目として、武田攻めに同道した現職の太政大臣近衛前久(このえまえひさ)に信長が暴言を吐いたと云うものである。
 信長が「富士山を観て帰りたい」と云った時、前久が「私もお供したい」と云ったのに対し『甲陽軍鑑』に依ると、信長は馬上から「近衛、わごれなどは木曾路をのぼらしませ」と云い放って居るのである。  
 そして、三つ目として、信長の長男信忠が武田氏の菩提寺の恵林寺で、正親町天皇(おおぎまちてんのう)から国師号を受けて居る住持の快川紹喜を焼き殺して居る。

 長い間、自分を苦しめて来た武田氏を要約滅亡に追い込んだと云う事で、信長が正気を失いつつ在ると光秀は冷めた目で観て居たのかも知れ無い。

 ■「もう、信長には付いて行け無い・・・」  

 更に決定的な出来事が五月に起こる。徳川家康を安土城で接待する事に為った時、光秀がその饗応役だったのが、突然、解任された一件で在る。本能寺の変光秀謀反の真相とされる通説の一つ〔怨恨説〕でもこの件は理由の一つにカウントされて居るが、光秀の用意した魚が腐って居たと云うレベルの問題では無く、モット大きな要因が横たわって居た。  

 饗応役は五月十五日からであるが、その前日十四日付の神戸信孝・即ち信長の三男が、丹波の国衆に宛てた四国動員令(人見文書)は、光秀の領国丹波に光秀を飛び越して出されたものである。この件に付いて光秀が信長に苦情を云った可能性が在る。
 フロイスの云う〔家臣の忠言に従わず〕と在るのを思い起こして欲しい。「もう、信長には付いて行け無い」と考えたのでは無かろうか。



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 ◎監修・文 小和田哲男(おわだ・てつお) 1944年静岡県生まれ 静岡大学名誉教授 近著『戦国 武将の叡智 人事・教養・リーダーシップ』(中公新書)他 著書多数 また、NHK大河ドラマ「秀吉」「功名が辻」「天地人」「江〜姫たちの戦国〜」「軍師官兵衛」「おんな城主 直虎」「麒麟がくる」の時代考証も手掛けている 

 ※週刊朝日ムック『歴史道 Vol.13』から



 【管理人のひとこと】

 日本史・・・戦国時代の一大エポック・・・〔本能寺の変〕主人公・明智光秀の心境は今でも計り知れ無い歴史の謎とされて居る。この事件により信長が倒れたお陰で、秀吉や家康の時代が拓けたのは事実で在り、彼等が利益を被ったのは間違い無く、必然的に彼等の黒幕説は依然として消えて居ない。
 信長の時代から家康の長期政権に繋がる徳川時代迄の出来事は、この事件から全てが始まる・・・色々な研究者が調べ推測する幾通りの仮説は、我々を楽しくさせる歴史の一つである。光秀生存説も真実味を帯びて伝わって居る。

















 

2021年12月20日

「日本維新の会」は国政でも存在感を示せるか?

 

 「日本維新の会」は国政でも存在感を示せるか?

 砂原庸介×善教将大 消極的支持で躍進した維新分析




 12-20-1.png 12/20(月) 6:32配信 12-20-1


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                砂原庸介氏(右)×善教将大(左)12-20-2


 2021年10月の衆議院議員選挙で30議席増の41議席を獲得した日本維新の会。大阪の地域政党から始まったコノ党は如何にして躍進したのか? 砂原庸介・神戸大学教授と善教将大・関西学院大学教授が分析する。

            『中央公論』2022年1月号より抜粋


 選挙結果にサプライズ無し

 砂原》先の衆議院選挙の印象は「マアこんな感じだろうナア」と云うものです。特に地殻変動が起きた感じも無く、事前の政党支持率がそのママに出た結果だったなと。メディアの方等から立憲民主党(以下 立民)が負けた理由を問われますが、元々支持率が低かった訳です。

 善教》私の手元に在るデータを見ると、小選挙区と比例で違う政党に入れて居る有権者がこれ迄以上に多い点がポイントだと思います。自民党も立民も比例の得票数は小選挙区より少ないのですが、その差分、零れた票は基本的に日本維新の会(以下 維新)に流れて居ると見て居ます。
 確かに維新は関西圏外の小選挙区で勝てて居ませんが、支持する人は関西圏外でも増えた。これが維新躍進の理由です。 維新は2012年の衆院選でも躍進しましたが、コノ時は橋下徹さんと石原慎太郎さんが共同代表で、イデオロギーの異なる支持層を取り込みつつ、勢いに乗って全国的に支持を伸ばしました。
 それに対して今回は、勢いでは無く得票のメカニズムそのものが変化して居る様に感じます。この辺りはもう少し注視する必要が在ると思って居ます。

 砂原》有権者がメインで考えて居るのは、小選挙区より比例区に見えます。比例代表には政党支持率が反映されます。有権者は「この政党が好い」と比例で投票しても、同じ党から出た小選挙区の候補者に必ずしも入れて居ない。詰まり立民は、小選挙区で競ってもコアの支持者以外の浮動票を比例で動員出来無かった。  
 だとすれば、立民の最大の課題は支持者の幅を如何に広げるかだと思います。処が立民は、惜敗したと云う事で小選挙区の勝敗や選挙協力の在り方ばかり議論して居る様に見えます。他の政党との足し算と云う戦術に拘って、政党支持を広げる戦略を打ち出せず、尻尾に全体が振り回されて居ます。

 善教》立民の課題は判り易いのですが、維新はもう少し複雑です。元々日本は、政党支持と投票選択との結び着きが弱い。例えば自民の支持率は40%前後で安定的に推移して居ますが、個人の中では支持と不支持が頻繁に変わる等安定しない。その傾向は1970年代から今日迄大きく変わりません。  
 増してや維新の様な新興政党だと、支持率は自民よりズッと不安定です。10年に渉って大阪に根付いて来た維新ですら、選挙の前後に為ると支持率は乱高下する。普段は無党派と言って居る人が、選挙の直前に維新支持に為り、数ヵ月経つと又無党派に戻る様なサイクルも在ります。維新は普段の支持率だけでは読み難い政党です。

 維新躍進の肝は「同日選挙」


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         図 主要政党に対する感情温度平均値(2021年11月)12-20-3


 砂原》維新に付いては、大阪と国政を分けて考える必要が在りますね。先ず大阪から見ると、政党として継続的な支持を得て居ます。その原動力に為って居るのが、2011年・15年・19年と3度行われた大阪府知事と大阪市長の同日選挙です。
 誰をリーダーに選ぶか、府と市の在り方を繰り返し問うた事で大阪に置ける維新の存在感が際立った。それが先の衆院選にも影響したとすれば、大阪の人は国政選挙より地方選挙を重視して居るとも取れます。

 善教》同日選挙が最大の肝で在る事は間違い在りません。私は好く「アジェンダ・セッティング」と云う言い方をしますが、選挙で選択基準と為る争点を示し、それを有権者に認識させる事が重要です。
 大阪の場合、知事と市長を一緒に選択させる事で〔府市間調整〕を問うと云うアジェンダを設定出来て居ます。この時点で、調整機能に乏しい大阪の自民党は不利に為ります。

 砂原》19年の同日選挙では大阪府議選と市議選も行われました。府議選は小選挙区制に近いので如実に白黒が出て、維新は議席を伸ばして居ます。そしてもう一つ、3度の同日選挙でリーダーを育てられた事が大きい。
 15年時には知名度の低かった吉村洋文さんを大阪市長に出来たのは、橋下徹市長の後継で、尚且つ松井一郎府知事とワンセットで売り込めたからです。 リーダー養成は政党の重要な機能の一つですが、元々自民は得意では在りません。誰かが揉まれて勝手に出て来るだろうと考える。その点、吉村さんは育てられたリーダーだと思います。日本では凄く珍しいタイプじゃないでしょうか。

 善教》最大のターニングポイントは、19年の同日選。松井府知事と吉村市長がクロス選を仕掛けた時でしょう。恐らく維新は、吉村さんをリーダーに育て上げる為に、吉村さんを目立たせ、成長させる戦略を取ったのだと思います。或る種の賭けに出た訳です。  
その後、吉村さんはコロナ対応で再び注目されました。批判もされましたが、大阪府は東京等と違ってそもそもリソースが無い。批判は在れども、限られたリソースの中で何が出来るのかを府民は見て居たのではないでしょうか。何れにせよ結果的に、リーダーを育てると云う政党の機能が発揮された訳です。

 砂原》松井市長は23年の任期満了で引退すると表明して居ます。維新としては、次の市長選挙で新しい候補者を立て、吉村さんの人気で当選させたいでしょうね。次代のリーダーを育成出来るので。
 只問題は、国政のリーダーを如何に作って行くか。仮に今回当選した若手で有望な国会議員が居たとして、その人物を松井さんの後継として大阪市長に持って来るか、それとも国政のリーダーとして育てて行くかは結構悩ましい問題だと思います。  
 国政を見ると、過去の衆院選で、大阪以外の地域での維新の戦略は、皆の党や希望の党等と連合を組むと云うものでした。しかし先の衆院選では、維新の存在感が際立ち、維新が主導する形で都市部で候補者を立てて行った。そして、都市部の比較的若い人を中心に、無党派も含めて維新に流れた訳です。これは大きな違いです。
 だとすれば、旗印に為る様な国政のリーダーを育てる事も急務ではないかと。吉村さんの様なカードを国政でも用意出来るかが大きな課題だと思います。

 善教》政党に対する有権者の意識を測る指標の一つに〔感情温度〕が在ります。好嫌度を0度から100度迄の数字で回答して貰う訳ですが、私が幾つかの調査結果を確認した限り、2014年以降の維新の平均値は大体30〜35度。決して高く無い。
 処が先の選挙の後、急に50度を超えて最も温度が高い政党に為りました。有権者の維新を見る目は変わった。しかし、維新自体が国政を何処迄真剣に考えて居るのかは未だ判りません。次の大阪市長選や府知事選を如何戦うか等がメインで、国政は二の次なのかも知れません。


 砂原》反維新の観点では維新を右翼政党と見勝ちですが、支持層からは、経済優先・自己責任の「ネオリベ」では在れ、ナショナリズム・国家論を掲げる右の政党とは受け止められて居ないと思います。
 ソコに維新支持者と反維新の人の見方のズレを感じますし、国政で扱われる時には反維新的な見方がフレームアップされて居る気がします。

 構成 島田栄昭


 ◆砂原庸介〔すなはらようすけ〕 1978年大阪府生まれ 2001年東京大学教養学部卒業 06年同大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得退学 博士(学術)著書に『地方政府の民主主義』『大阪』(サントリー学芸賞) 『分裂と統合の日本政治』(大佛次郎論壇賞)等

 ◆善教将大〔ぜんきょうまさひろ〕 1982年広島県生まれ 2006年立命館大学政策科学部卒業 11年同大学大学院博士課程後期課程修了 博士(政策科学) 著書に『日本における政治への信頼と不信』『維新支持の分析』(サントリー学芸賞) 『大阪の選択』編著に『市民社会論』等




 【管理人のひとこと】

 維新関係を地元の学識・有識者に語って貰う・・・と云う趣旨なのだろう。今回の衆参国会の予算委員会に選挙後の各党の幹部が勢揃いした様だ。立民も維新も相変わらずだが、維新の政調会長に若手で元都議の音喜多氏が就任したのに驚いた。彼の歯切れ良い質問には好感が広がった事だろう。
 彼等の様な年代がドンドン政治に乗り出して欲しいのだが、音喜多氏も恐らく、政治に無関心な若者の中では異端視された過去も在ったのだろうと推測される。〔変わった奴だ〕と揶揄されても都議から国会議員に為るのには大変な努力もされたのだ。今後の活躍を祈る・・・大阪維新の悪い処は批判し若く新たな息吹を吹き込んで頂きたいものである。

















 




2021年12月19日

死者最多も〔批判なし〕吉村知事を支える大阪メディアの異常



 死者最多も〔批判なし〕

 吉村知事を支える 大阪メディアの異常





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           元神戸新聞記者のフリー記者 松本創 2021/07/01 06:00


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        ウガイ薬の効能を力説する吉村知事 写真 共同通信 12-18-13


 「吉村さん、頑張ってハル」

 関西圏の昼のワイドショー 吉村洋文大阪府知事(46)がカメラに向かって、現在の大阪の感染状況や今後の見通しを語る。大阪のコロナ対策の総責任者で在る吉村知事だが、淡々としたその語り口からは、何処か当事者意識が希薄の様にも見える。
 その様子を聞きながら、時々茶々を入れるのが吉本芸人を中心とした番組〔コメンテーター〕達。勿論批判的な質問等は殆ど無く、冒頭の様な声で称える事さえも・・・コレはコロナ禍でお馴染みに為った関西のテレビの現状だ。

 「吉村知事と在阪メディアの蜜月振りは兎に角異様です。昨年3月に『大阪と兵庫県の往来を自粛して欲しい』と吉村知事が突然発表した当たりから、吉村知事のテレビ露出が特に増えました。大阪府のホームページに掲載されて居る〈知事の日程〉欄には、吉村知事のメディア出演予定が幾つも並んでいます」

 そう話すのは、元神戸新聞記者で大阪維新とメディアの関係に詳しいノンフィクションライターの松本創さん。本誌が調べてみると、2020年4月から2021年5月迄の14カ月間で、吉村知事のテレビ出演は143回 多くは地元関西の情報番組だ。
 コロナ対応で多忙な時期に週2回は出演して居たのだ。 吉村知事がテレビ出演で忙しくして居る裏で、地獄を見て居たのは、他為らぬ大阪府民だ。


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       都道府県別の累計死者数は全国最多の2,668人(6月29日時点)12-18-15


 ■医療崩壊・・・「入院した時には母は手遅れで」

 都道府県別の累計死者数は全国最多の2,668人(6月29日時点) 特に今年3月からの〔第4波〕では医療が崩壊。自宅待機者が1万5千人と為り在宅で亡く為る人が相次いだ。当時の様子を、大阪府堺市に住む50代女性はこう振り返る。

 「4月下旬、80代の母と共にコロナに感染しました。入院出来ず、感染した私が在宅で看病しないといけ無い状態が2日続きました。母が入院出来た時は、咳が止まらず話せ無い様な状態で……私も高熱が出て、一緒に病院に行ったのですが、解熱剤だけ渡されて帰されました。
 肺へのダメージが大きく、母は暫くして肺炎で亡く為りました。私も症状が悪化して入院。結局、母の死に目に会う事も火葬に立ち会う事も出来無かったんです」


 彼女は、前回の府知事選では吉村氏に投票した〔ゆるい維新支持者〕だったが、今はワイドショーに出演する吉村知事を見る度に怒りがこみ上げると云う。

 「母が亡く為ったのと同時期に感染した維新の議員さん(中谷恭典府議会議員)は直ぐに入院して居たんですよね。ソモソモ、この1年、大きな事言って居ただけで、何の成果も無いじゃないですか」

 前出の松本さんも「吉村知事の1年半に渉るコロナ対策は、パフォーマンス先行と言われても仕方無いものだった」と指摘する。

 「感染者数が一時的に減った昨夏には、松井一郎市長と一緒に道頓堀の飲食店に出向き〈ドンドン大阪に来てください!〉と吉村さん自ら〔食のまち・大阪〕再始動のパフォーマンスをしました。ウガイ薬で『コロナに打ち勝てる』と言い出したり、年内に〔大阪ワクチン〕の実用化を宣言したり・・・何れも信憑性や実現性に乏しい発言でした」


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       知事が頻繁に情報番組に出演する伝統を作ったとされる橋下氏 12-18-16


 ■〔バラエティー〕のノリで知事を出演させる

 昨年11月には〔都構想〕の是非を問う住民投票を強行。感染が広がる中、このタイミングで行う事に疑問の声が出た。

 「一方で、吉村知事は感染者数が増加すると医療機関に対し『ベッド数を増やせ。増やさない病院は名前を公表する』と、脅しの様な事を言い始めました。結果的に名前の公表には至りませんでしたが、或る民間病院の院長は『場当たり的な対応を繰り返して、最後は医療機関にだけ負担を押し着ける』と憤って居ました」(松本さん 以下同)

 3月1日の緊急事態宣言の解除も、吉村知事が政府に働き掛けて1週間前倒ししたものだ。それに伴い、直ぐに対応出来る重症病床の数も縮小したが、再び感染が爆発し〔医療崩壊〕を招いたと指摘されて居る。処が、在阪メディア・特にテレビで、こうした知事の失政が正面から批判される事は少ない。
 宣言解除前から変異株の危険性は指摘されて居たにも関わらず、吉村知事は〔医療崩壊〕に陥った理由を「変異株の感染力が予想以上だった」からと説明。テレビに出ても、無批判にその声は垂れ流される事が多かったと云う。

 「知事が出演して居るのは、主に情報番組。普通、政治を扱うのは報道局なんですが、情報番組はバラエティー番組を造る制作局が作って居ます」

 知事が頻繁に情報番組に出演する。ソンな大阪特有の〔伝統〕を作ったのは橋下徹元大阪府知事(52)だと松本さんは指摘する。

 「橋下さんは、知事に為る以前からタレントとして頻繁に情報番組に出演して居たので、当時から親しかった制作局が、府知事に為ってからも番組を作る様に為ったんです。
 制作局の人間からすれば〔身内〕の橋下さんが知事に為った訳ですから、権力者に対峙すると云うより、タレントに対し〈がんばってや!〉みたいなノリに為ってしまうのでしょう。そんなメディアとの〔共犯関係〕を吉村知事も継承したんです」


 そこに批判的な視点等、生まれ様も無い。


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 橋下氏の時代から知事は登庁時と退庁時の1日2回、庁舎の廊下で“ぶら下がり会見”を開くように・・・12-18-17


 ■〔恫喝〕よりも持ちつ持たれつの関係を

 本来、知事の行う政策を調査し、報道する立場に在るテレビの報道局や新聞記者の仕事の仕方も、維新府政で変わったと云う。

 「橋下さんの時代に為ってから、知事は登庁時と退庁時の1日2回、庁舎の廊下で〔ぶら下がり会見〕を開く様に為った。
 記者の本来の仕事は、現場に出て市民の声を聞き、それを首長にブツケて問う事でしょう。でも、記者は知事の話を拾う事に必死に為り、市民の声を聞く事が疎かに為った。云わば府庁の廊下が〔現場〕に為ってしまったんです」


 知事に質問出来る機会が増える事自体悪い事では無い。だが、肝心の内容は・・・

 「橋下さんは以前、自著『まっとう勝負!』に収録された爆笑問題の太田光さんとの対談で〔視聴者は話して居る中身ナンて聞いて居ない〕と云う様な話に賛同した上で〈そうナンですよ。内容は別で、真剣に話してた事は分かったから「ま、好いか」って雰囲気です〉と語って居ます。
 要は一生懸命な〔印象〕だけ伝われば好い、と。その傾向は、吉村知事も受け継いで居る。長々と一生懸命に話して居る割には、記者の質問に真面に答えて居ません」


 橋下元知事は、気に入ら無い質問をする記者には個人攻撃で応える事も在った。2012年、府立教員の国歌斉唱問題に付いて質問をしたMBSの記者を「勉強不足」「フザケタ取材すんなよ」と20分以上に渉って責め立てた。吉村知事は記者を〔恫喝〕する事は無いが、その手法を引き継いだのが松井一郎大阪市長だ。

 「5月13日の記者会見で、大阪市のコロナ対応に何度も疑問をブツケタMBSの記者を、松井市長は『不安を煽る様な事ばっかり言って』『アンタの取材力が無いからや』等と、責め続けました」


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       19年10月 饗宴の儀に出席した松井一郎・大阪市長 (C)JMPA 12-18-18


 ■批判する記者を〔ヤヤコシイ奴〕と見做すマスコミ内の空気

 毎日、2回も顔を合わせて居ればシンパシーも生まれる。一方で、批判をすると〔恫喝〕が返って来る事が在る。メディア側に生まれるのは、維新と対立するより、持ちつ持たれつの関係を築いて行こうと云う空気だと云う。

 「会見等で厳しく批判すると、周りのメディア関係者から、空気が読め無い奴、突出してヤヤコシイ奴みたいな感じに観られる。極めて不健全な状態です」

 その結果、量産されるのが知事や市長の発言を無批判にまとめただけの報道だ。

 「基本的に、政治家は批判的な視点や疑問を持って検証する必要が在ります。取材の視点や軸足が権力側と一体化すれば〔吉村さん、がんばった〕と云う事にしか為ら無い。大阪だけ突出して死者が多いのは何故なのか。それを検証するには、維新の言い分だけ聞いて居てもダメなんです」

 コロナ禍で1年以上に渉って繰り返されたパフォーマンス先行の場当たり的な対応。失敗を続けても一向に改められ無いのは、維新と〔共犯関係〕に或るメディアに依る〔批判的な視点〕の欠如が一因だと、松本さんは考えて居る。

 ■批判の欠如が生む維新関係者の慢心

 「維新は不祥事が非常に多い」と松本さんは言う。

  大阪維新の会から出馬した大阪府池田市の冨田裕樹市長は、簡易サウナやトレーニング器具を市庁舎に持ち込んで居た事が昨年10月に発覚し翌月に離党した。
  昨年10月には日本維新の会の森夏枝衆院議員が、集めた党員の党費を肩代わりして払った事が発覚。公選法に抵触する寄付行為に当たると指摘されて居る。
  2月には大阪維新の会の岡沢龍一大阪府議が弟への傷害容疑で書類送検。
  6月29日には、大村秀章愛知県知事に対するリコール署名の偽造事件で、日本維新の会の衆議院愛知5区選挙区支部長だった田中孝博容疑者が、地方自治法違反の罪で起訴された。

 維新関係者の不祥事は枚挙に暇が無いと云う。

 「松井市長も64回も公用車でホテル通いをして居た事が発覚しました。メディアの批判的な視点の欠如が関係者の慢心に繋がり、体質が一向に改善され無い要因に為って居るのでは無いでしょうか」

 政治とメディアの緊張感を持った関係を作り出す必要が或る。

 「とは云え、今の大阪の空気は十年位掛けて築かれて来たものなので、急に変わるものでも無い。メディアの中にも、この様な報道の在り方で好いのかと、疑問に思って居る記者は居ます。もし、そう云う視点から作られた記事や番組に接したら、市民の皆さんはエールを送って欲しい」

 新型コロナウイルスが日本で流行し始めてから、もう直ぐ1年半。行政が行うコロナ対策を批判的に検証し、可笑しな点が在れば遠慮無く報じる。そんな〔あたり前〕が府民の命を守る為に必要だ。



【PROFILE】松本創 1970年大阪生まれ 神戸新聞記者を経てフリーに 2016年『誰が「橋下徹」をつくったか―大阪都構想とメディアの迷走』(140B)で日本ジャーナリスト会議賞を受賞 2018年に出版された『軌道 福知山線脱線事故JR西日本を変えた闘い』(東洋経済新報社)で「講談社 本田靖春ノンフィクション賞」受賞 その他著書多数



 【管理人のひとこと】

 管理人は若い頃に10年弱大阪で生活した。高校を出てそのママ大阪へ出て学校を卒業して就職・・・10年弱暮らした経験が在る。云わば私の青春時代は大阪と共に存在した。仕事への緊張や喜び、恋愛も結婚も全てが大坂だった。以来東京・仙台を繰り返し最後に仙台に帰って来た。
 だから、大阪は懐かしく思い出もタップリ存在する・・・だが、橋下徹氏以来の大坂は表情が突然変化したように変貌してしまった。表面と口先だけの男達・女達に大阪の人達はコロリと騙され・・・今の様な可笑しな事態へと突き落とされてしまった。早く目を覚まして欲しい・・・大阪万博やIR招致と、マルで安倍晋三の意のママに動く可笑しな集団へと変化してしまった。確かに年々縮小する大阪経済・・・何とかしようと努力したのは理解出来るのだが・・・全てが〔安倍頼み〕なのは軽薄の一つに過ぎなかろう。

















2日で316万円の吉村知事 30人会食の松井市長・・・維新の会〔ダブスタ〕列伝



 2日で316万円の吉村知事 30人会食の松井市長・・・
 
 維新の会〔ダブスタ〕列伝




 12-19-1.gif 12/18(土) 11:21配信



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                  写真 時事通信 12-18-11


 「ルールを変えて頂か無いと。皆、そう云うルールの中で遣って居ると思うので。返還する様なもんでも僕は無いと思いますよ」

 12月15日の会見で、大阪府の吉村洋文知事(46)はコウ語気を強めた。 2014年12月2日、大阪市長選出馬の為大阪市議会議員を辞職した吉村氏。12月も2日在職した事で、満額の期末手当約238万円と12月文の議員報酬約77万円計316万円を受け取って居た。
 この事を、12月16日発売の〔週刊文春〕が「吉村知事 市議の時も在職2日で316万円!」と報じたのだ(「文春オンライン」に記事が出たのは15日)

 勿論吉村氏の行為に何等違法性は無いが、コレが問題とされたのは、吉村氏本人と彼が副代表を務める日本維新の会が「文書通信交通滞在費(文通費)」に付いて厳しく追及を行って来た為だ。

 ■「人をシロアリ呼ばわりした癖に・・・」

 国会議員に毎月100万円が支給される文通費。在職が1日でも在れば、その月分が満額支給される仕組みに為って居て、今年10月31日の衆議院選で当選した新人議員達も在職1日で満額の100万円が支給されて居た。それを維新の新人議員が問題視すると、それに乗っかったのが吉村知事だった。11月13日にはこうツイート。
 
 《どうやら1日だけでも国会議員の身分と為ったので、10月分、100万の札束、満額支給らしい。領収書不要。非課税。これが国会の常識。おかしいよ》

 しかし、吉村氏自身も衆議院議員時代の2015年に、在職1日で文書交通費の満額で在る100万円の支給を受けて居た事が発覚。反省の弁と共に100万円を〔日本維新の会に〕寄付したばかりだった。今回、新たに報じられた市議時代の「在職2日で316万円」問題では、吉村氏は会見で冒頭の様に開き直ったのだ。
 更に、辞職は衆院選出馬による自動失職で「辞職日を操作した訳では無い」と弁明した。これにはツイッター上で疑問の声が・・・

《ルール内なんやから騒ぐ必要は無いって言うなら文通費も同じ事やろに。自分は良くて他人はダメって云うダブスタばっかヤン》

 勿論今回の衆議院選挙で初当選した議員達も〔当選日〕を操作した訳では無い。ソモソモ辞職日と違い、当選日を操作する事等出来無い。 又国会で文通費の法改正が遅々として進ま無い事に着いて「本当に税金に群がるシロアリだと思います」と吉村氏が批判して居た事に付いてはコンな意見が。

 《「システムの問題。それを見直せば好い」なら、他の政党もシステムの問題で、不当に報酬を得て来た訳では在りませんよね。それをシロアリ呼ばわりして置いて、自分の後ろ暗い過去が複数出て来たらそれですか》

 会食で職員1,474人を処分したのに・・・

 多くの人の目に〔ダブルスタンダード〕に映った吉村氏の態度。だが、維新の会が〔ダブスタ〕と批判されて居るのはこれだけでは無い。
 今年7月、大阪府と市の職員計1,474人が、府民に少人数での会食を要請して居るにも関わらず、これに反した会食をして居たとして処分を受けた。内58人は地方公務員法に基づく懲戒処分(戒告)と云う重い処分だった。
 
 だが、12月2日、日本維新の会の代表も務める大阪市の松井一郎市長(57)が、維新議員等と大宴会を開いて居た事を12月10日発売の「フライデー」がスクープ。
 大阪府は今も〔同一テーブル4人以内〕〔2時間程度以内での飲食〕の会食とする様に呼び掛けて居るが〔出席者約30人・3時間に渉る宴会〕だったと云う。松井氏は9日の会見で、宴会では無く「衆議院選挙の反省会だった」と強弁。記者に「2時間以内を守ったか?」と問われると・・・

 「2時間を目途にヤロ!?(実際の要請は「2時間程度以内」)マァ、そこはチョット時間をオーバーしてるけど。何時間と云うか・・・マァ、ヤッパ反省会なんで、挨拶30分位掛かるんでね。食事出して貰って、デザート迄2時間半位か勝ったかな」

 約30人と云う人数も、4人毎のテーブルに分かれて居たから問題無いと主張。只席の移動は在ったと云うから、感染対策と云う要請の趣旨を無視して居た事は間違い無さそうだ。それでも、最後は「何か問題は在りますか?」と逆切れ。

 ■処分理由を忘れた松井市長

 14日の会見では、松井氏は会食が2時間を超えた事に付いて「緩みと云うものが在るんではナイかと、市民の皆さんに捉えられれば、そこは申し訳無いと思います」と〔謝罪の様なもの〕はしたものの、7月に要請に違反した職員を処分した事に付いて記者に問われると・・・

 「要請自体を何処が違反した?(要請は)時間は2時間程度・・・〔程度〕だし!(シツコイ様だが実際の要請は「2時間程度以内」)今緊急事態中の話でも無いし。当時は、兎に角緊急事態ナンで、飲食そのものをダメよと云うルールを遣ってた訳でしょ? だから、ソレとコレと全く一緒にされることは無いと思います」

 だが、実際、職員達が処分されたのは、二度目の緊急事態宣言が解除された3月1日から4月6日の間の飲食に付いて。当時の要請も「4人以下でのマスク会食の徹底」「歓送迎会・謝恩会・宴会を伴う花見は控えること」等で〔飲食そのものをダメよと云うルール〕では無かった。
 市職員の処分の責任者なのに、何故処分したかの記憶は無い様だ。 最後迄〔要請違反〕を認め無かった松井市長。これにはツイッター上でこんな声が。

 《オイオイ松井くん。キミが処分した職員の会食も緊急事態宣言期間〔外〕ナンだよ。それを、要請事項を守って無い!と処分したんだよ》
 《約1,500人もの大阪府市職員が処分されたのは記憶に新しいが、松井市長は問題無いと開き直り。身を切らせるのは他人ばかり。維新の体質そのもの》


  ■橋下氏も!?〔ダブスタ〕は維新の体質?

 今年5月に、約1万5千人もの府民が自宅待機し在宅死も続出する中、症状が重く無いにも関わらず、大阪維新の会所属の大阪府議が直ぐに入院出来た事に付いても〔ダブスタ〕だとの批判が在った。

 《入院出来ずに自宅や療養施設で亡く為る人も多い中、維新の会の議員が簡単に入院出来てしまう入院判定基準こそダブルスタンダードでは無いのか?》

  そう云えば、大阪維新の会の初代代表の橋下徹氏(52)も、知事時代の2008年、教育予算の削減反対や教育支援の拡充を訴える高校生と面会した時、コンな事を言って居た。

 「貴方が政治家に為って、 そう云う活動をして下さい」
 「国を変えるか、日本から出るしか無い」


 現在は評論家として、政治に様々な批判や注文を付けて居る橋下氏。〔自分だけは別〕と云うのは、結党以来の党是なのかも知れ無い。



【管理人のひとこと】

 大阪の地域政党〔大阪維新〕と侮って居た人も多かっただろうが、今回の衆院選で大躍進! と持て囃された途端に、数々の隠れて居た事が明るみに出されて来た。保守自公から相手にされず、無論その持論から野党にも無視される政党で、アノ橋下徹の・・・と。
 矢鱈とマスコミに出まくり当たり構わず噛み付く事で飯を食う男・・・何かと眉を顰める男・大坂が持つ昔からの反中央思考を利用して伸し上がった口先男。大阪人が喜ぶ阪神タイガースと維新の人気・・・これが全国に広まったらと思うとゾッとする。
 何とか為ら無いかと心配して居たら早速色々な記事が噴出して来た。他の野党は遠慮してるが、大阪の人達には〔れいわ新選組〕の大石あきこ氏の話を聞いて目を覚まして頂きたいものだ。

















2021年12月18日

【独自】大阪IR 29年度開業へ・・・区域整備に近鉄や阪急阪神など参入



 【独自】大阪IR 29年度開業へ・・・

  区域整備に近鉄や阪急阪神など参入



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                   大阪府庁 12-18-2


 大阪府と大阪市は、カジノを中核とした統合型リゾート(IR)の開業目標時期を2029年度とする方針を固めた。政府に提案する「区域整備計画」に盛り込み、近く骨子案を公表する。



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   【写真】IRの候補地と為って居る夢洲(大阪市此花区で、読売ヘリから)12-18-3



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                  写真 読売新聞 12-18-4


 府と市は今年9月、大阪でのIR開発に唯一名乗りを上げて居たMGMリゾーツ・インターナショナル(米国)とオリックス連合を事業者に選定。候補地は、25年大阪・関西万博の会場にも為る大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま・大阪市此花区)として居る。
 関係者に依ると、府と市・事業者が調整し、29年度の開業を目指す事にしたと云う。これ迄は、新型コロナウイルスの影響等を見極める必要が在るとして、開業時期は「20年代後半」との表現に留めて居た。区域整備計画にはIRに出資する企業も盛り込まれる見通しで、近鉄グループホールディングス(HD)や阪急阪神HD等が参入すると云う。
 
 府と市は来年1月に住民への公聴会を開催し、同2月からの府・市両議会での同意を得た上で4月頃に政府に提案する。IRを巡っては、和歌山県と長崎県も誘致を目指して居る。政府は自治体と事業者からの提案を受け、来夏にも、国内で最大3か所を選ぶ見通しだ。


 大阪カジノリゾート 巨額公費負担の可能性 2021/12/11 13:25

 大阪湾の人工島・ 夢洲 (大阪市此花区)の整備を巡り、大阪市に巨額の出費が発生する可能性が出て居る。カジノを中核とする統合型リゾート(IR)の候補地に着いて、市が土壌汚染や液状化の対策費を例外的に負担する方針を示した為だ。市が契約して居る弁護士からは住民訴訟のリスクが在るとの指摘も在り、市議会から批判が出て居る。(梅本寛之)

 周辺で汚染判明
 
 「IRの来場者が安心して過ごせる土壌に改良するのは、土地所有者で在る我々の責任だ」

 松井一郎市長は10月5日の市議会で、IR候補地の土壌汚染対策等の費用を公費で負担する考えを示した。夢洲では現在、民間の物流倉庫が在るだけで住民は居ない。市は夢洲南側の約155ヘクタールを2025年大阪・関西万博の会場とし、北側の約49ヘクタールにはIRを誘致して積極活用を目指す。
 IR候補地周辺で土壌汚染が判ったのは今年1月だった。市が主要な交通手段と為る大阪メトロの新駅予定地を調査した処、基準値の2〜2〜3倍のヒ素と1・5倍のフッ素が検出された。夢洲は現在の環境基準が定められた2003年以前に海底の浚渫土(しゅんせつど)等で埋め立てられた為、土壌の一部は基準に適合し無いと云う。

 IR候補地も同じ時期に造成されて居る為汚染されて居る可能性が高い。土壌汚染対策法では、汚染土砂には厳重な管理が求められ、IRの建設に伴って大量の汚染土砂を掘り起こし、夢洲外で処理する場合には高額な費用が掛かる。
 別のボーリング調査では、候補地で地震時に液状化の恐れが在る軟弱地盤が在る事も判明し、市はこの液状化の対策費も負担する方針だ。

 住民訴訟リスク

 市はこれ迄、夢洲や同じ人工島の 舞洲(まいしま) ・ 咲洲(さきしま) の土地を事業者に販売・賃貸する際、契約後に土壌汚染等が見付かっても市は費用を負担し無い〔 瑕疵担保(かしたんぽ)責任(せきにん)の免責(めんせき)〕を原則として来た。
 この為、市が契約して居る弁護士からは「追加対策費を賃料に反映し無ければ公平性を保てず、住民訴訟を起こされれば敗訴する可能性が在る」と指摘されて居る。一方、別の弁護士からは「土地処分の条件に差異が生じるのは当然」と、市の方針を追認する意見を聞いて居ると云う。



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                夢洲の概要 12-18-6


 市のIR事業者公募には、MGMリゾーツ・インターナショナル(米国)とオリックス連合の1事業者ノミが応募し9月に選定された。市が19年12月に公表した募集要項には、対策費を負担する事は明記して居なかったが、候補地周辺で土壌汚染が発覚した後の21年3月に事業者を追加募集した際、募集要項に「大阪市が妥当な額を負担する」と追加して居た。

 年内に費用算出


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                    12-18-7


 市の方針に対し、自民党市議団の多賀谷俊史・元幹事長は「市内の他の事例から対策費の総額は数百億円に為る」と指摘した上で「市はIR事業者に撤退されたら困るので、エコ贔屓(ひいき)して居る。万博の土地でも対策費を負担せざるを得無く為り、事業費は更に膨らみ兼ねない」と批判する。

 市は年内に概算費用を算出し、来年2月議会に関連予算案を提案する。対策費は市債を発行して毎年一定額を償還する仕組みで、特別会計から支出。同会計の余剰金は184億円(20年度決算)在り、20年代後半とされるIR開業後は、事業者から土地賃貸料として毎年25億円が入る計画だ。市は「対策費を負担しても資金不足には為ら無い」として居る。

 IRの開設場所は、政府が来年夏以降、国内で最大3か所を選ぶ予定。


 ◆ 夢洲 大阪市が1977年、建設残土や廃棄物の処分場として整備を始めた。6万人が住む新都心としての計画も在ったが、バブル崩壊で企業進出が進まず計画は頓挫。五輪招致の失敗で選手村にする構想も無く為り、整備済みの土地は全体(約390ヘクタール)の5割に留まる。市が埋め立て等に投じて来た費用は約3,000億円に上る。


 【管理人のひとこと】

 維新の会が支配する大阪市・府の行政・・・兎角批判が多く府・市民の反発も強い。これは、カリスマ的人気を誇る某人物がメディアを最大限利用し新資本主義的改革を断行し、アチコチにグロテスクな傷跡が残されて居る。その最たるものが「医療関係への予算削減」を強行した結果〔医療崩壊〕を招き〔コロナに依る日本最大の被害者/人口当たり〕を出してしまった。
 しかし、コロナ対策に失敗した行政の責任が問われる事は一切無く「好く遣った」感がマスコミに支配されて居る・・・これがマスコミ対策に成功した行政の悪例だろう。この異常な事態に世間の批判が集中するが、今回の衆院選で比例代表で当選した〔れいわ新選組〕の大石あきこ氏は、この状況を鋭く批判し日本のアンチ維新層から絶大な支持を得て居る。



























2021年12月17日

「日曜討論」で糾弾したれいわ・大石あきこ議員を直撃



  「日曜討論」で糾弾したれいわ・大石あきこ議員を直撃

   吉村府政の問題点とやり口 岸田政権如何見る?



 日刊ゲンダイDIGITAL 12/17(金) 9:06配信



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             大石あきこ衆院議員(C)日刊ゲンダイ


 「飛ん飛んでも無いペテン師が知事やっとんナ」

 日本維新の会副代表の吉村洋文大阪府知事に対する批判的な見解を度々ツイッターに投稿。注目を集めて居るのが、先の衆院選で初当選した「れいわ新選組」の大石あきこ議員(44 比例近畿ブロック)だ。大石議員は衆院選直後に問題と為った「文書通信交通滞在費」(文通費)の見直しを訴える吉村知事が6年前、在職1日で文通費を受け取って居た事実を指摘。
 吉村知事や維新が批判される「ブーメラン炸裂」現象の切っ掛けを作った他、NHKの日曜討論に出演した際も、吉村府政のコロナ対策の問題点を舌鋒鋭く追及する等存在感を発揮しつつ在る。大石議員に改めて大阪府政や岸田政権に対する受け止めを聞いた。


                 ◇  ◇  ◇


 ・・・大阪府職員を経て、その後、介護や福祉のボランティア活動をされて居ましたが、国会議員と為って何か変わった事は在りましたか。

 注目度が全然違うと感じて居ますね。それが素直な気持ちです。私自身は国会議員に為る前も今も常々、同じ発信を続けて居ます。これ迄も介護のネットワークで年1回、国と交渉して居ましたし、(活動に付いて)発信して居ましたが、ナカナカ興味を持って貰えませんでした。
 しかし、今は同じ様に活動して居ると「良い仕事をして居る」とか言って貰える。発信力が国会議員に為った事で全然違います。ズッと、ボランティアとして活動して来たので、本当はそう云う人(ボランティア)達が一番尊い存在だと思って居ますが、今の私は彼等の代表として、24時間を使ってモッと暴れて来いよ、と云う役割なのだろうと思っています。

 吉村府政の人気が高いのはテレビの影響



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            吉村洋文大阪府知事(C)日刊ゲンダイ


 ・・・吉村知事の「ブーメラン炸裂」現象も「発信力」に依って生まれた。
 
 国会議員としての仕事なのかは微妙ですけれども、アノ話は既に市民の方が指摘して居た事で、それを私が言い直しただけ。でも、国会議員で在り、(過つて私が)橋下徹元大阪府知事に噛み付いた、と云う面白い属性も在り注目されたのでしょう。
 結果として「維新は最高や」と為って居たのが「何やお前等もか」と世論を変える事が出事が出来たのは大きいでしょう。
 国会議員は本来委員会に所属し、その委員会で質疑してその調整の中で制度を勝ち取って行く。しかし、私は未だ、委員会に於ける活動もこれからで在り、又、れいわは人数が少ないので代表質問も出来ません。所謂国会議員らしい枠で仕事をさせて貰っては居ません。

 ・・・大石議員が度々、府政の問題を指摘して居るにも関わらず、何故、大阪では吉村知事の人気が高いのでしょうか。

 東京でも小池百合子知事は何故、アレ程強いのか。それと一緒の疑問だと思いますが、テレビの影響が大きいでしょう。テレビ以外で説明付く? と思って居ます。例えば、NHKの日曜討論でも指摘しましたが、大阪は人口当たりのコロナ死者数がワースト1です。しかし、そうした報道は極端に少なく、大阪のコロナ対策は順調の様に報じられて居る。最早意図的に遣っ遣って居るとしか思えません。
 橋下元知事は気に入ら無いマスコミをシバキ、気に入ら無い記者は袋叩きにする・・・と云云う事を丁寧にされて居ました。新聞社に対しても「アノ記者如何にかセェ」「アノ記者ヤッタラ、おたくは外す」と。その代わり「言う事聞くんヤッタラ、特別の取材させてやる」とか。それは遣っ遣っちゃダメでしょ、と云う事迄平気で遣っ遣って居た。
 飴と鞭でマスコミをDV(ドメスティック・バイオレンス)して服従させて居た訳です。現場には真実を報道しようとして居る記者も居ますが、多くの社は幹部が腰砕け。だから取材しても、アアヤッパリ記事に為らんかったな、と云云う事は多いですね。

 ・・・大阪で維新が強いのも同じ理由でしょうか。

 維新は選挙戦略として地方議員を擁立し、有権者が維新と云う政党を身近に感じる様な状況を(意図的に)作って居ます。その一方で、テレビを意のママに操って居る訳で「リアルの世界」も「空中戦」も支配して居るに等しい。アル意味、小池都知事よりも強いでしょうね。

 ■野党は本気で勝ちに行く気が無かったのでは

 ・・・衆院選の野党共闘に付いては如何見て居ますか。

 私は「(野党は)不戦敗」と云う考えです。野党共闘を望んで居る多くの人は「野党に勝って欲しい」と思って居た筈。それ以外の理由は無いでしょう。そうで在れば、与党を倒す為の共闘で無ければいけ無いのに、そう為って居ませんでした。

 ・・・如何云う処が「そう為って居無かった」と。

 野党共闘として擁立された候補の中に「有権者が本当に望んで居る候補者なのか」と首を傾げたく為る人が居た面は否め無いでしょう。ハッキリ言えば「何や、これなら向こう(与党)のタマ(候補)の方が好さそ好さそうやん」みたいな感じに為って居た訳です。
 「ホンマにガチで(議席を)取りに行くぞ」って為ったら、党を超えて一番、タマとして好い人を出しますよね。出して居なかったと云う事は、詰まり勝ちに行く気が無いのと同じ。それじゃあ負けるわなと。何故、そう為ったのかと言えば(与党に勝つ事依りも)政党の存続が目的に為っ為って居るからではないか。もしかして、そちらの方が本気だったのかも知れません。

 ・・・国会では予算委員会が始まりましたが、岸田政権をどう見ますか。

 一見すると、安倍・菅政権と続いた露骨な金持ち優遇、新自由主義を見直すのではないかと思いますが、そうでは在りません。例えば今、介護の現場は人手不足が深刻で、このママだと介護サービスが受けられ無い状況に陥る程です。人手不足を解消するには、他の産業と比べて〔月額8.5万円位〕差が在る給料水準を改善する必要があります。
 岸田政権も介護現場は深刻だ、今コソ給料の引き上げが大切だとか云うのですが、引き上げる額は〔月額9,000円〕マルで焼け石に水ですが、彼等にしてみればコンナに頑張ったと。「此処に危機が在りますね」と言いながら、それを脱出するのには程遠いレベルの施しと云うのか、オマケみたいなものでお茶を濁して居るのです。

 ・・・来夏の参院選に向けた野党の在り方をどう考えますか。

 「超大石ブーム」や「超れいわブーム」等、何かしら野党に吹く風が無いので在れば、無茶苦茶厳しい結果に為るでしょう。政党政治に入ったばかりの私が足りないモノは何やとは言えませんが、市民目線で考え、動く事が重要だと思います。只街宣車に乗って「遣ってます」と叫ぶだけの人を市民はどう思うのかと云う事でです。
 今の国会でも、凄く不快に感じて居る事が居る事が在ます。〔ペテン師〕の維新に国民民主が着き、その国民民主に立憲民主が着き、更に共産・社民が着いて行くと云う、何か(絵本童話の)「おおきなかぶ」みたいに為って居る事です。れいわの存在だけが浮き捲りみたいな。その鎖を何処かで断ち切ら無いといけ無いと思って居ます。


 聞き手 遠山嘉之 日刊ゲンダイ 


 ◇大石あきこ(おおいし・あきこ)1977年生まれ 大阪府職員を16年間務め 2019年の府議選に無所属で立候補し落選 れいわ新選組の候補として大阪5区で立候補し敗れたものの比例復活を果たした











首を傾げたく為る 立憲と共産共闘への集中攻撃



 首を傾げたく為る 立憲と共産共闘への集中攻撃



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【小塚かおるの政治メモ】選挙区では議席数を伸ばしたのに・・・小塚かおる 日刊現代第一編集局長 12-17-3




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          枝野旧代表 立憲民主党ホームページから 12-17-2



 衆院選が終わってからの1カ月、メディア等での選挙総括は立憲民主党への〔集中攻撃〕一色だ。立憲民主党が、議席減の責任を取る形で辞任した枝野幸男前代表の後任を決める代表選を行って居た事も背景には在るが、メディアの関心は〔共産党との野党共闘の是非〕ばかりに集中。
 そうした報道が続く事で、本当はモッと他にも総括されて好い話が、零れ落ちたり歪曲化されたりして居る様に思う。

 確かに、共産党を含めた野党共闘に付いて、立憲民主党は有権者に対する説明が不足して居た面は否め無い。
本来なら、候補者の一本化を含め、野党共闘では野党第一党で在る立憲民主党が主体的に動く必要が在ったのに、枝野前代表がギリギリ迄曖昧な態度を取り続け、結局〔市民連合〕を介して他の野党と同じ立場で共闘に参加すると云う消極的な形だったからだ。  

 世論調査で有権者の多くが〔与野党伯仲〕を求めて居る事が分かって居た。「与野党伯仲で国会に緊張感をもたらしたいから、議席数を増やす為に野党は共闘する」等と、もっと丁寧に共闘する意味や目的を有権者に語って居れば〔限定的な閣外からの協力〕と云う文言に囚われ過ぎる事無く、選挙期間中の与党による〔立憲共産党〕等の揶揄にもキチンと対抗出来たのではないか。  

 改めて強調して置きたいのは、立憲民主党は選挙前の110から96へと14議席減らしたが、その原因は〔比例代表が23議席減だった〕為で、候補者を野党で一本化した小選挙区では選挙前の48から57に議席を増やして居る事だ。小選挙区制度で在る以上、候補者を一本化するのは選挙戦術として当然で在る。  
 次点の惜敗率が90%以上だった〔大接戦区は全国で53選挙区〕に上った。野党共闘に依って小選挙区で苦しめられた自民党は選挙結果を〔薄氷の勝利〕と位置付けて居たし、自民党で長年選挙実務を担って来た幹部も「野党共闘に一定の効果は在った」と話して居た。

 詰まり、自民党は野党共闘に恐れを為して居たからコソ、逆にそれを〔アキレス腱〕にすべく共闘批判を展開したのである。
 自民党の甘利明幹事長(当時)が「自由民主主義の思想で運営される政権か、共産主義が初めて入って来る政権とドチラを選ぶのかと云う政権選択だ」と前時代的な物言いで、立憲民主党と共産党の共闘が選挙の争点だとブチ上げたのは、10月14日の記者会見だった。
 以降、自民党は選挙期間中、党を挙げて立憲民主党と共産党の共闘を批判し続けるのだが、そんな自民党に攻撃のヒントを与えたのは他でも無い、立憲民主党の最大の支持団体である筈の〔連合〕だった。  

 〔連合〕は10月6日の定期大会で新会長に芳野友子氏を選出。芳野氏は翌7日の初の記者会見で「共産党との閣外協力は在り得無い」と発言し、それが大きく報じられた。連合は労働運動を巡って共産党と対立して来た歴史が在る為、芳野氏は従来からの連合のスタンスを表明した迄なのだろうが、衆院選の公示2週間前のタイミングの初会見である・・・注目の度合いが平時とは違う。
 芳野氏がストレートに共闘批判をした為「連合 立憲に不快感!」等と報じられ、必要以上にセンセーショナルに受け止められた。  

 最大の支持団体と足並み揃わず、立憲民主党は目前に迫った選挙を戦えるのか・・・と云う不安定感を世間に広げる効果は十分で、選挙巧者の自民党に争点造りの材料として利用されたのである。芳野氏は更に10月21日にも「立憲と共産の距離感が縮まって居る。非常に残念だ」と発言する等、選挙期間中も立憲民主党と共産党との共闘を牽制して居る。  
 こうして見て来ると、連合の〔機を見極め無い発言〕が立憲民主党の足を引っ張り、議席を減らす要因の一つと為ったとも言える。支援団体為らば、もう少し言葉を選んで発言する事は出来無かったのだろうか。  

 もう一つ、立憲民主党の議席減の原因は比例で23議席減らした為だと前述したが、これに付いても余り指摘されて居ない事が在る。略称〔民主党〕の案分票の問題だ。  
 衆院選で立憲民主党と国民民主党は共に略称を〔民主党〕と届け出て戦った為、各地の投票所で「この略称表記は正しいのか」と云う疑問の声や苦情が寄せられたと云う。こうした〔民主党〕と書かれた比例票は、夫々の党の得票割合に応じて振り分ける〔案分〕が行われたが、NHKに依れば案分された〔民主党〕票は、34都道府県で〔197万3362票〕在った。

 又、毎日新聞に依れば案分票は全国で実に〔400万票〕に上った可能性が在る。静岡県内の各自治体で7〜8%の案分票が出て居り、全国で少なくとも7%在ったと換算するとそう云う計算に為ると云う。  
 国民民主党は選挙前の8から11へと議席を増やし、日本維新の会と同様に躍進したと総括されて居る。確かに小選挙区は、下馬評通り前職6人全員が当選して強かったものの、議席増分は全て比例で、選挙前の2から5へと3議席増えたのは案分票の効果が在ったからでは無いのか。  

 2019年の参院選で国民民主党(分裂前の旧国民民主党)は比例の議席を4から3に減らして居るのに、何故今回は比例を2.5倍に出来たのか不思議でなら無い。因みに比例で3議席を獲得した〔れいわ新選組〕が全国で獲得した比例票は〔221万票〕だ。それだけでも〔民主党〕と書かれた200万とか400万と云う案分票の規模の大きさが分かる。
 
 案分票に依って、立憲民主党が損をし国民民主党が得をしたのか如何かは、勿論、案分票がドチラの党を意味して居たのかが分から無い以上誰も断定は出来ないが、玉木雄一郎代表が語って居る様に「野党共闘から一線を画し、独自路線を進んだ事」が本当に国民民主党の議席増の理由なのか、本当に国民民主党は躍進したのかは、モット冷静な分析が在って好い。  

 立憲民主党が議席を減らしたのは、共産党との共闘以前に、枝野前代表が選挙直後に言って居た通り「一票一票を積み重ねる足腰が弱かった」のであり、勝利への一層の強かさや、政党としての魅力が足り無かった事に尽きる。



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 小塚かおる 日刊現代第一編集局長  12-17-4 1968年 名古屋市生まれ 東京外国語大学スペイン語学科卒業 関西テレビ放送・東京MXテレビを経て、2002年から「日刊ゲンダイ」記者 その間、24年に渡って一貫して政治を担当 著書に『小沢一郎の権力論』 共著に『小沢選挙に学ぶ 人を動かす力』等が在る



 【管理人のひとこと】

 立憲への今回の投票結果を一口で言えば「小選挙区では勝ったのだが、比例で敗北した・・・」に尽きる。そして立憲も国民も共に比例区の略称を〔民主党〕と届けたのだと云う。仕方なく夫々の得票数に案分して配分した・・・二つの党で略称の話し合いも持たれ無かったのだろうが情けない話だ。
 それにしても〔連合〕の行動だ。労働者の生活や社会的立場を確立する為に政治問題にも関わりたい・・・それが彼等が政治活動をし応援する趣旨なのだが、新会長の芳野友子氏への異論も出無いのだから〔連合〕組織としても容認する発言だったのだ。この様な行動と結果が所属する組合員の為に為ったのだろうか? 私は決してそうは思わ無い。
 結果として立憲の枝野氏を辞任に追い込んだ大きな原因を作った事には変わり無い。これでは、益々労働者の組合率が減少し・・・経団連の補完機関(労働者の利益を代表する意識機関)へと存在を落とし兼ね無いだろう。これでは日本維新の会と同じ保守政権の持つ旨味に有り付く〔蟻〕の一匹に過ぎ無く為る。




















2021年12月15日

大国が殊更〔民主主義〕を訴える裏側



 「中国の民主主義」白書は単なる権力維持の道具だが

  アメリカ主導の「民主主義サミット」も酷過ぎた





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  結党100年を迎えた中国共産党 「中国の民主主義」を主張している(写真:Bloomberg)12-15-2


 
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              文章 薬師寺 克行 東洋大学教授 12-15-3


 胡錦涛国家主席時代の2009年、中国の北京大学で講演する機会が在った。約200人の学生に「中国が民主主義の国と思うか?」と聞いた処、躊躇いながらだったが2人の学生が手を挙げた。すると他の学生から「何を考えて居るのか!」等と云うヤジが飛んだ。手を上げ無かった学生に意見を聞くと

 「民主主義は統治形態の1つに過ぎ無い。中国は共産党に依る統治で成果を上げて居る」
 「統治の在り方に絶対的なものは無い。国民がそれで好いと考え受け入れる事が重要で在る」


 等と答えた。詰まり学生等は中国が民主主義国では無い事を否定的には捉えて居なかったのだ。当時はそう云う教育を受けて居たのだろう。
 胡錦涛時代にはそれ為りに自由な空気が在った。中国を訪れると中央政府や地方政府の幹部に会う事が出来、内政外交に付いて率直に話を聞く事が出来た。大学の研究者等にも会え、政府や共産党の問題点や批判を聞く事も出来た。  

 処が習近平政権に為って空気は一変した。私に民主化の必要性を語って呉れたジャーナリストや弁護士が拘束されたと云う情報が何度か届いた。メールで遣り取りする事も憚られる様に為ってしまった。ウイグルの人権問題に焦点が当たって居るが、極普通の言論や表現の自由さえ認められて居ないのが今の中国だ。

 ■中国の白書は「民主主義」の普遍性を否定  

 その中国政府が今「自分達コソ民主主義を大事にして来た国だ」と云うキャンペーンを展開して居る。12月4日には『中国の民主主義』と題する白書を公表した。例に依って長文で且つ意味不明の用語が列挙され、極めて読み難く理解し難い文書だ。幾つかのポイントを紹介する。  

 先ず結党100年を迎えた中国共産党は一貫して人民民主主義を掲げ積極的に推進して来た事を強調して居る。毛沢東に依る反右派闘争や文化大革命・ケ小平時代の天安門事件等・反体制派の粛清と民主化運動の弾圧を繰り返して来た中国の現代史を振り返ると、民主主義とは無縁な筈だがそうでは無いらしい。
 ソモソモ彼等の云う民主主義の定義が異なるので在る。白書は「民主主義は夫々の国の歴史や文化・伝統に根ざすもので在り様々な道と形態が在る」として、その普遍性を否定して居る。  

 では中国は如何云う形態かと云うと、中国共産党の他に中国共産党に緊密に協力する8つの政党が在るとして居る。
 しかし、中国には与党も野党も無く共産党のリーダーシップの下の複数政党制で在るとして居る。勿論共産党以外の政党は形式的な存在に過ぎず、飽く迄も共産党一党支配の下での「民主主義」で在る事に変わり無い。共産党一党支配も専制主義も否定せず、選挙に依る政権交代等は全く想定して居ない。こうした〔中国流民主主義〕は西側からの批判の対象に為るが、白書は逆に欧米の民主主義を批判して居る。

  或る国が民主的か如何かは、その国の人々に依って判断されるべき事で、少数の部外者に依って判断されるべきでは無い。
  世界には全ての国に適用出来る政治システムは無い。各国は夫々が自国の発展に適した民主主義の形態を選択する。
  中国は民主的モデルを輸出し様とはし無い。そして、中国モデルを変更しようとする外圧を受け入れ無い。


 民主主義は普遍的なものでは無いのだから国に依って様々な形が在って当然だ。従って人権問題等を理由に外からトヤカク注文を着け改革を求める事は、内政干渉で在り、コレを拒否すると云う訳で或る。  
 民主主義を唄う文書で或るにも関わらず、飽く迄も党や国家が最優先される内容で在り、民主主義に取って最も重要な個人の尊重、基本的人権が無視されて居りとても納得出来るものでは無い。

 ■何故今、中国が「民主主義」を持ち出したのか?

 疑問なのは暫く前迄民主主義等全く気にして居なかった中国政府が何故、今、自分達は民主主義を大事にして来たと言い始めたかと云う事だ。
 公表のタイミングはアメリカが世界各国に呼び掛けた「民主主義サミット」開催の直前だった事からサミットの対抗策としての公表だと云う見方も出て来るが、白書は可成り入念に時間を掛けて作成されて居る様に見える為、サミットへの対抗策と云う単純な話では無さそうだ。

 この処習近平主席は、ケ小平氏以来の改革開放路線の結果生じた貧富の格差等の社会問題に対処する為に〔共同富裕〕を前面に打ち出し、更に11月に発表した〔第3の歴史決議〕では、中国流の共産主義やマルクス・レーニン主義を強調する等、イデオロギー的な色彩を強めて居る。  
 2013年、習近平政権が大学教師等に対し、学生と議論しては為ら無い7項目を伝えた事が広く報じられた事が在る。〔七不講〕と言われた。それは普遍的価値や報道の自由・市民の権利・党の歴史の誤り等だった。

 過去にこの様な指示をして置きながら、敢えて民主主義キャンペーンを開始した背景には、共産党一党支配の継続と自らの権力維持の為に〔民主主義〕が利用出来ると云う判断が或るのだろうか。
 それともウイグルの人権問題等で高まる西側諸国からの批判への対抗措置なのか。引き続き注意深く見て行く必要が在りそうだ。

 ■ドゥテルテ大統領等が一方的に放言

 そして中国との緊張を強めて居るアメリカのバイデン大統領も〔民主主義〕に力を入れて居る。大統領就任当初から打ち上げて居た〔民主主義サミット〕が12月に開催されたが、予想通り内外からの評判は芳しく無かった。

 (12月1日のコラム「アメリカ主催の民主主義サミットが不評な理由」参照) 

 サミットは共同声明の様なものは無く、結局、オンラインを使っての各国首脳等の一方的な発言に終わった。政府批判を繰り返すメディアの弾圧等強権的な姿勢で知られるフィリピンのドゥテルテ大統領が「フィリピンは報道の自由・表現の自由が完全に享受されて居る」と発言する等、独裁的な指導者がサミットに招かれ発言する事で自らを正統化する場に為ると云うお粗末な結果も生じた。  

 偶々だろうがドゥテルテ大統領の弾圧に抵抗し続け今年のノーベル平和賞を受賞したネットメディア「ラップラー」のマリア・レッサ氏の授賞式が、このサミット期間中に行われて居り「真実が伝わら無ければ民主主義など存在しない」とスピーチしたのは、皮肉な事だった。

 バイデン大統領は最後に、中国の顔認証システム等を意識した監視技術の輸出管理を強化する為の「輸出管理・人権イニシアティブ」の発足等を打ち出したが、このイニシアティブへの参加はアメリカを含め僅か4カ国に留まり、アメリカの求心力や説得力が弱まって居る事を示す結果に終わってしまった。  
 アメリカ国内では、トランプ大統領時代の1月に起きた議会襲撃事件の真相が未だに解決され無いママだ。更に共和党知事が率いるテキサス州等共和党が議会多数を占める多くの州では、民主党支持層が投票し難く為る要選挙法改正が相次いで居る。

 議会や選挙と云う民主主義システムの根幹を為す制度が、民主党と共和党の対立に依って徹底的に破壊されつつ在る。そんな国を民主主義のリーダーだと見做す事は出来無い。

 ■定義も行動も勝手なもの  

 アメリカと中国が同じタイミングで〔民主主義〕を政治的に標榜して居るのは誠に奇妙な状況だ。マルで〔民主主義〕と云う言葉が神棚に祭られて居る神様の様に崇め建てられて居る。
 しかし、それが何を意味して居るかは不明で在り、夫々が勝手に定義して居る。しかも実際に遣って居る事は民主主義とは懸け離れて居るのだがお構い無しだ。  

 そう云う意味では〔民主主義〕と云う言葉は誠に便利なものだ。バイデン大統領・習近平主席共に経済や安全保障政策等内政や外交で困難に直面し、国民の支持を繋ぐ事に汲々として居る。国際社会での陣取り合戦も熾烈を極めて居る。この状況を少しでも有利に展開する為に「民主主義」と云う便利な言葉を持ち出したのだろう。

 民主主義と云う言葉を都合好く振り翳(ふりかざ)しながらアメリカと中国の二大国が理念無き理念の争いを繰り広げて居る状況の先にはドンな国際秩序が待ち構えて居るのか・・・不安が募る。

            
 
 薬師寺 克行 東洋大学教授 12-15-4 1979年東京大学卒 朝日新聞社に入社 政治部で首相官邸や外務省などを担当 論説委員 月刊『論座』編集長 政治部長などを務める 2011年より東洋大学社会学部教授 専門は現代日本政治 日本外交 主な著書に『現代日本政治史』(有斐閣、2014年)『激論! ナショナリズムと外交』(講談社、2014年)『証言民主党政権』(講談社、2012年)など





 【管理人のひとこと】

 政治家が兎角〔民主主義〕を語る背景には幾通りの局面が在る。例えば自分が理想とする政治を語る時とか、批判する相手が〔民主主義〕に反すると考えた際の解説・説明する時だろう。 全ての政治的帰結は〔民主主義〕に照らし合わせて考える・・・全ての規範が〔民主主義〕か如何かに懸かって居るのだ。
 しかしコレは筆者が云う処の、各宗教の主・神様を定義する様なもので、目に見え無い単なる架空の幻なのかも知れ無い。だから、口先から〔民主主義〕と言い続ける裏には必ず何かの企みが在ってコソだろう。政治家が真摯に〔民主主義〕に基づく行動をして居れば、必然的に〔民主主義〕の言葉は口からは出さ無い筈だろう。〔民主主義〕とは、日頃の反民主主義的政治を反省し苦慮する故の、政治的指導者の戒めの言葉なのかも知れ無い。














2021年12月14日

巨大化する中で生じる維新の会と橋下徹氏の「微妙な距離感」



 巨大化する中で生じる維新の会と橋下徹氏の「微妙な距離感」


 FRIDAY 12/14(火) 14:02配信



 衆議院総選挙で41議席を獲得した日本維新の会。本拠地・大阪では全勝して15議席を独占するなど、同地区で比例復活のわずか3議席に留まった自民党とは明暗がくっきり分かれた形となった。国政の場でもその影響力が拡大することは必至だ。
 その兆候が、早速現れた。10区で辻元清美を破った一期生・池下卓議員が国会議員に支給される文書交通費について「任期1日でも100万円出る。世間の常識では考えられ無い」と指摘した事で、忽ち世論を巻き込んだ大論争へと発展した。

 来年の参議院選挙で一気に全国区へと打って出たい維新の会としては、注目度を集めると云う意味では上々の滑り出しを果たしたとも言えるだろう。
 だが、当の文章交通費問題の波が派生して、党内で小さくない蟠りが出来て居る、と云う声も聞こえて来る。或る党本部の職員は「与野党問わず噛み付く最近の橋下さんの過激な発言は、さすがに看過できない。いつ党にブーメランが返ってくるか・・・」と本音を漏らす。

 その声には議席増により、若手議員達と橋下徹元代表との距離感の相違が生まれたと云うニュアンスも伝わって来る。橋下氏は文書交通費問題に付いて一貫して「メスを入れるべき。実費での支給をすべきだ」と明確な指針を打ち出している。11月中旬に出演したテレビ番組では、

 「維新は(使い道を)公開しているから他の党よりマシなんです。民間企業の経費の実費精算って、領収書の添付は当たり前だけど、おカネが余ったら戻すってのももう一つ重要じゃないですか?でも、維新は中身は公開するけど、戻さないんです。どこに戻すかと言ったら自分の政治団体に入れちゃう」

 等と発言している。又他党との差別化を図る上でも維新は理想を目指すべきとしつつ「今の維新で在れば政権を取っても、政府や政党の領収書不要のカネにメスを入れられ無い」と警鐘を鳴らして居る。だが、そんな橋下氏の言動に対して、党内では必ずしも賛成意見ばかりでもないと云うのだ。
 実際にアクションを起こす議員も現れた。党内切っての政策通として知られる足立康史衆議院議員が、橋下氏に対してツイッター上で舌戦を展開し、ネット上でも盛り上がりを見せている。

 日本維新の会に所属する議員が明かす。

 「元々維新の会は、政治改革を掲げ支持を得て来ました。それが今回の選挙で圧勝出来た理由の一つ。只母体が大きく為った為、現在の党内には様々な意見が生まれる様に為った。橋下氏への距離感も同様で、特に当選一期目の議員の中では『国政の経験のない橋下さんが何故この問題に首を突っ込んで来るのか。世間では未だに橋下さんの意見=維新の会の総意、と云う捉える人も少なく無い。その発言の飛び火が此方にも廻って来る』と訝がる者も居ます。
 特に文章交通費問題はデリケートでもある故に、本来で在れば新人が積極的に切り込み〔お手柄〕にしたいと云う考えが在った為、橋下さんが出しゃばり過ぎだ、と云う声も在りますね。詰まり、未だに橋下さんの影響力が強い維新の現状に対して、疑問を感じている議員も居ると云云う事です」


 党代表を離れてからは、コメンテーターとしてテレビで見ない日が無い程引っ張りダコの橋下氏。一見維新とは距離を取って居る様に見えて、現在も重要な局面では党幹部との会食を繰り返して居ると云う。

 「松井代表・吉村知事・馬場伸幸共同代表等を含めた党幹部と結構な頻度で会食し、アドバイザー的に意見を求められることもあるそうです。しかし、それをよく思わない議員もいる。今回の党内人事に関しても、吉村さんと関係が深い藤田文武さんを幹事長として登用するなど若手中心の起用となりましたが、これについてもネガティブな意見があります。
 更に言えば『そろそろ橋下さんの影響力頼みの状態から脱却すべきだ』と云う意見も少なく無い。松井さんが引退を表明して居る今、吉村さんを中心とした若手を登用するのは理解出来ますが、明らかに不遇な状態の実力派議員も居る。他党の様に党内闘争の一歩手前と云う様な状態・・・と危惧もあるのです」(同前)


 一枚岩でなくなってきた原因は、維新が「勝てる政党」になってきたことにより、国会議員の座席を巡り「椅子取りゲーム」が始まっているからだという。

 「存在感を示せば、自分達でも国政へ行ける」「何故アイツが俺より先に国政選挙への切符を手にしたんだ」

 そうした野心と不満が渦巻けば、党内がギスギスするのも当然と云云う訳だ。

 「追い風が吹いて居る事も居る事も在り、国政希望者が多過ぎると云うのが今の大阪維新の会です。実際今回の選挙戦でも早い段階から、辻元清美さんが居た10区、左藤章さんの2区、岡下昌平さんの17区、奥下剛光議員の7区以外は、早々と楽勝ムードでした。
 詰まり党内の公認さえ取れれば勝てる、と云っても大袈裟では無い訳です。吉村知事が早々と東京など他県の応援演説に力を入れたのも、如何に大阪以外で議席を伸ばすか、と云う事に集中出来たからです」


 その一方で、早々と伊東信久議員のマルチ商法業者スキャンダルが週刊文春で報じられるなど、リスク管理に不安を感じると云う声も上がっている。先出の議員は今後の維新の会の未来の為にも「確りとした身辺調査は必要だ」と警鐘を鳴らす。

 「今回当選したメンバーは、金銭的に余裕の在る候補者が大半でした。元々資金繰りがウチの弱点だった訳ですが、それを補える人選だったとみています。こう為っ為って来ると怖いのがスキャンダルです。関西の場合はメディアと維新の距離が近く、スキャンダルも抑え込めると云う自信が在ったかも知れませんが、全国区と為るとそうもいか無い。
 ローカル感覚が抜けて無い議員が多い今の維新に、橋下さんが抱いて居る危機感と云うのも正しい。来年の参院選、23年春の統一地方選挙を見越しても、橋下さんとの関係性は今後も重要でしょうね」


 議数を増やす事で、派閥が生まれ権力闘争が生まれるのは永田町の論理でもある。今回の総選挙で昇り龍となった日本維新の会の動向は、与野党問わず関心事と為って行くだろう。


 FRIDAYデジタル















平均だけで無く「管理職の日韓給与比較」



 「管理職の日韓給与比較」

  どの職種も大きく水を開けられ 大敗北と云う現実




 11-29-1.png 12/14(火) 13:16配信



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           文章 人事ジャーナリスト  溝上 憲文 12-14-2


 OECDに依れば、日本の年間の平均賃金(非正規社員含む)は424万円で35カ国中22位。お隣韓国の462万円を下回った。人事ジャーナリストの溝上憲文氏が日韓の管理職(正社員)の給与を比較した処「例えば、ITサービス(営業職)の場合、韓国(セールスディレクター)は970万〜1,746万円、日本(部長級)800万〜1200万円。業界・職種を問わず、韓国に見劣りする額に為って居る」と云う・・・


 ■平均賃金「日本424万<韓国462万」は非正規社員含む調査  

 日本は給与が上がら無い状態が長く続いて居る。実質賃金は1997年をピークに長期低落傾向に在り、個別賃金指数は97年を100とした時、2020年は95に留まって居る。最も下がって居るのは中小企業(従業員10〜99人)の社員だ。大企業(1000人以上)社員の月給(所定内賃金)が97年に比べて2020年はマイナス87,00円なのに対し、中小企業の社員は2万1,300円も落ち込んでいる。  

 岸田文雄首相は12月6日の所信表明演説で賃上げした企業に優遇税制を引き上げる方針を表明。具体的には賃上げした大企業に法人税額の控除率を30%、中小企業は40%に引き上げる予定だ。しかし、日本企業の約6割が赤字で法人税を支払って居らず、控除の実効性を疑問視する声も在る。  

 20年以上も賃金が上がら無い状態の日本に、今年、追い打ちを掛ける様に飛び込んで来たのが、OECD(経済協力開発機構)が発表した各国の平均賃金の調査だった。それに依ると日本の年間の平均賃金は424万円(1ドル110円で換算) 35カ国中22位で在るが、何より注目されたのはお隣の韓国が462万円と日本を上回って居た事だ。しかも2015年を境に5年連続で追い抜かれて居た。  

 GDPで中国に抜かれたとは云え、未だに世界第3位の経済規模を誇る日本だが、平均年収ではOECD諸国の平均を下回り、2000年初頭迄は100万円以上も引き離して居た韓国に、逆に38万円もリードされて居る。  
 本当にそうなのか・・・実はOECDの平均賃金は物価水準を考慮した「購買力平価」をベースにして居る。これは同じ品質・量の商品がアメリカで1ドル・日本で150円だったら、実際の為替レートでは無く、1ドル150円のレートで換算して計算する。  

 代表的なものがその国でビッグマックが幾らで買えるかと云う〔ビッグマック指数〕だ。詰まりより生活実感に近い実質賃金と云う事に為る。因みに2021年のビッグマックの価格は韓国4ドルに対し日本は3.55ドル。価格の違いが反映されて韓国の実質賃金が高く為る傾向が在る。
 
 一方、名目賃金だけの平均賃金を比較すると日本と韓国はそれ程変わら無い。又、平均賃金と云っても非正規社員を含む労働者の平均で在り、正社員との格差が大きい非正規社員が4割近くを占める為、日本の平均賃金を低く抑えて居ると云う説明も為される。

 ■日本と韓国の正社員の給与を比べてみると・・・残酷な事実  

 では実際に日本と韓国の正社員の給与はドレだけ違うのか。人材紹介業のロバート・ウォルターズ・ジャパンの「給与調査2021」と、ジェイエイシーリクルートメントの「ザ・サラリーアナリシス イン アジア2021」を使って調べてみた。  
 何れも各国の職種別・職位毎の転職時の年収で在る。ロバート・ウォルターズ・ジャパンの給与調査に依る日本と韓国の年収を比較すると、職種・職位別年収は韓国に比べて日本が2割程度高かった。  

 例えば韓国の経理部門の税務担当者485万〜679万円の幅で在るが、日本の税務会計担当者は700万〜1100万円だった(1000ウオンを97円に換算)  但し、日本企業の経理部門の担当者でコンナに貰って居る人は少無いだろう。この数字は日本企業の社員より1〜2割程度高い外資系企業も含まれて居る為かも知れない。
 そこで各国毎に外資系と日系企業とに分けて調査して居るジェイエイ シーリクルートメントの日本国内の日系企業と同一職種・職位と、韓国の調査(ロバート・ウォルターズ・ジャパン)を比較してみた(1000ウオンを97円に換算)

 ■<経理部門>  

 韓国  財務・一般会計担当者 437万〜534万円  会計マネージャー 679万〜776万円  ファイナンスマネージャー 679万〜873万円  財務部長 873万〜1164万円  チーフファイナンシャルオフィサー 1552万〜2134万円  
 日本  非管理職級 400万〜800万円  課長級 600万〜1100万円  部長級 800万〜1500万円  役員級 1000万〜4000万円

  ■<人事部門>  

 韓国  採用担当者 388万〜582万円  HRD・トレーナー 679万〜970万円  HRマネージャー 582万〜776万円  HRディレクター 1164万〜1746万円  
 日本  採用担当 400万〜800万円  教育研修・組織開発 450万〜800万円  課長級 600万〜1000万円 部 長級 700万〜1300万円

 ■<消費財>  

 韓国  セールスマネージャー 679万〜873万円  セールスディレクター 1067万〜1455万円  
 日本  営業職課長級 500万〜800万円  営業職部長級 700万〜1200万円

 ■<製薬・ヘルスケア>  

 韓国  営業担当者 582万〜873万円  セールスディレクター 776万〜1358万円  
 日本  医薬情報担当者 500万〜900万円  医療機器営業 500万〜800万円  部長級 800万〜1200万円

 ■<ITサービス>  

 韓国 営業職  セールスアソシエイト 485万〜776万円  セールスマネージャー 776万〜1261万円  セールスディレクター 970万〜1746万円  
 日本 営業職  非管理職級 500万〜900万円  課長級 600万〜1000万円  部長級 800万〜1200万円
 
 ■日本企業の部長は韓国のディレクターに比べ年収で明らかに見劣り


 韓国と日本の類似の職種・職位の年収を比較すると、それ程大きな差が開いて居ない事が判る。非管理職の担当者レベルでは日本がヤヤ高いが、管理職クラスに為ると、業界・職種に限らず韓国の方が高い事が判る。特に部長・ディレクタークラスでは、下限年収も含めて韓国が上回って居る。
 例えばITサービスの営業職では、非管理職の年収は日本と同程度で在るが、管理職以上では下限・上限年収共に日本を上回って居る。それだけ韓国では非管理職と管理職の給与格差が大きい事を示して居るが、逆に言えば日本企業の部長は韓国のディレクターに比べて年収では見劣りすると云う事だ。  

 前出のOECDの平均賃金比較には非正規を含めた全体の比較で在るが、正社員のホワイトカラー職種の比較でも韓国が日本に肉薄し、職種・職位に依っては上回って居る事が判る。  しかもアメリカを初めとするG7と韓国は2000年以降、徐々に賃金が上昇にして居るのに対し、日本の賃金は停滞状態が続いて居る。
 このママだと正社員の給与でも韓国に水を開けられる事は間違い無いだろう。  それだけでは無い。図表1(ジェイエイシーリクルートメント調査)はアジア各国の2013年以降の中途採用時給与の上昇率を示したものだ。  

 コロナ禍で2020年は各国とも上昇率は落ち込んで居るが、2013年以降、各国とも高い水準で上昇して居る。インド・ベトナム・中国は8〜10%(2020年除く) 日本は2013年以降、1〜2%程度の上昇率で在るのに対して、韓国は4〜5%の上昇率だ。  
 既にシンガポールの給与水準は日本を上回って居る。日本の凋落や韓国にも追い抜かれつつある状況は、或る意味で日本人が見たく無い真実かも知れ無い。しかし諸外国に比べて低い日本の労働分配率(50.1%=2019年、OECD調査)を受け入れて居るのも日本人である。

 日本の給与上昇率の低迷状態がこのママ続くと、日本企業で働く事の優位性が無く為り、何れ日本人もアジアに出稼ぎに行く日が近いかも知れない。

       

 溝上 憲文(みぞうえ・のりふみ) 人事ジャーナリスト 12-14-3 1958年、鹿児島県生まれ 明治大学卒 月刊誌・週刊誌記者等を経て独立 経営・人事・雇用・賃金・年金問題を中心テーマとして活躍 著書に『人事部はここを見ている!』など



 【管理人のひとこと】

 当コラムで、続いて日本と韓国との賃金の差を取り上げて居る格好だが、特別に韓国との差を誇張したいのでは無く、世界の先進国と比較しても何故か「ピン」と来なく実感も湧かず、お隣の韓国と比較する事で「生々しい実感」を得られると考えるからだ。
 私達国民は、日々の生活の苦しさを自覚せず徒に自公政権に縋って生きて来た嫌いがある。毎日のニュースが〔森友・加計・桜・・・〕の在っては為ら無いバカバカしい話に全ての精力が囚われ、肝心な日本経済への注力を怠った結果だ。

 20年来のデフレに3度も消費税を上げ賃金を減らし続ける・・・全くの能無し政治のお陰で私達国民はジリ貧の生活を続けて居る。これには誰も声を挙げずには居られまい。
 そして大阪の有権者は、政党・日本維新の会を躍進させたと小躍りして居る 「ゆ」党と揶揄されるお調子者の政党をこのママにして好いのだろうか・・・この政党の伸長は日本をこのママ最貧国へと陥れる危険が大きい・・・そんな予感がして為ら無い。維新の会の国会の質問を聞きながら不安で仕方が無い。大阪にも正常な感覚の人が少しは存在する筈だ。その人達の踏ん張りを期待したいものだ。



















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