2002年03月29日
Bmではなかった!
午後4時過ぎに、血液センターのN氏からTEL
先日依頼した亜型の件だ。
「O型でした。B血球に1+の凝集がありましたし、熱乖離でもなんたらかんたら。。。あとですね、O社のB血球なんですが、よそでも凝集がないこととかありまして、原因はわからないんですが。。。」
いやあ、さすが血液センター、奥が深いなあ。
その後、まったく関係のない話(飲み話)をして、電話を切った。
Nさん、ありがとうございました。
コメントを頂きました。
オモテがO型でウラがB型。典型的なオモテ・ウラ不一致ですね。その原因はいろいろありますが詳細は日本臨床衛生検査技師会ライブラリー?U「輸血検査の実際」という本のp12に載っているのでここでは書きません。(全部書くの大変なんだもーん)
とりあえず今回はオモテが原因なら亜型(Bm型が疑われる)、ウラが原因なら抗B抗体が弱いと考えました。そこで通常のオモテ・ウラ検査をしたところウラの抗B抗体が直遠心で1+、22℃15分で3+と凝集がみられました。抗体スクリーニング用のO型血球との反応は陰性だったので不規則抗体は無さそうでした。ということは抗B抗体が弱いと考えられます。
次にB抗原の有無を証明するため熱解離を行いました。方法は「輸血検査の実際」のp114に、判定はp26に載っています。 今回は小試験管3本に5回洗浄した患者血球、陰性コントロール用のO型血球、陽性コントロール用のB型血球をそれぞれ400μl入れて、その3本に2倍希釈のコクサイ人由来抗B血清を400μlづつ入れて、22℃1時間感作させました。 400μlの理由は、人由来抗血清が貴重なためできるかぎり少なく使いたいことと、解離液は6滴必要になりますが400μlが最低6滴とれる限度です。抗B血清を2倍希釈した理由は、原液だと抗原量と抗体量のバランスが悪いのか陽性コントロールのB型血球から抗B抗体が解離されません。3倍だと薄すぎるのかこれまた解離されません。 反応後5回洗浄し、上清に抗B抗体が残っていないか分離した上清2滴にB型血球を1滴入れて22℃15分反応後遠心判定してチェックします。残っていなければ熱解離操作に移ります。56℃の恒温槽で5分加熱します。ときどき試験管を振って混和します。この時試験管は温浴中から出さない方がいいでしょう。5分経ったらすばやく試験管の水滴を拭い去り3000rpm3分遠心します。冷やすと抗体が血球に再吸着するのでスピードが大事です。 遠心後の上清が解離液です。別な小試験管に患者解離液を2滴づつ3本に分注します。陰性コントロール用のO型血球、陽性コントロール用のB型血球の解離液も同様に操作します。これもすばやく操作します。 それぞれの3本の試験管にA型、O型、B型血球を1滴づつ入れ直遠心します。今回の場合、陰性コントロール用のO型血球と患者血球からの解離液はA、O、B血球全て陰性。陽性コントロール用のB型血球の解離液はB型血球に2+の凝集。A、O血球は陰性で検査成立。患者の解離液中には抗B抗体なし、すなわち患者赤血球上にはB抗原が証明されない。故にO型と推定いたしました。(ぱぱれもんさん)
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