小豆洗いの小手先大工猫日記

自虐ネタを話す事は、愚か者の証拠であろう。

しかし古より曰く、【恥を云わねば理が聞こえぬ】と。
己の恥ずべき失敗や行いを言って、初めて相手に対し説得性が持てるとの教えであったと思う。
インロックとか謝って他人の物をしまってしまうとか、眼鏡を頭にのせてメガネはどこだと騒いで嘲笑の的に
なる位なら笑って済ませられるが、職を辞して長い間浪々の身で、数多くの職場に履歴書を出したり、問い合
わせをしたり、無残な面接結果を投稿するなんて事は利口な者はしない。

しかし、敢えて話してこれから会社辞めようかなどと、簡単に思っている人に立ち止まり、一考してもらいた
いので、早まってはならないと警鐘を鳴らす意味で書くこととする。
６０歳を目前にしての職探し、パソコンに現在のパート職にたどり着くまでの詳細経緯が残っている。
今、顧みるに募集職種、給与の額、福利厚生、採用年齢枠と退職年齢、本採用か臨時採用か、面接迄行けた
か、採用か不採用か、履歴書の返済の有無（返済された場合次に使用できるので）

８８社目にしてやっと採用され現在に至っている。そして勤務し出し足掛け１２年目である。
パートの中では最古参兵である。
私が現在パートとして働いている会社の元同僚の友人と、月に一度昼食を共にしていると、8月12日の【朋あ
り遠方より来る】と題しブログに投稿したことがある。

その彼は、薬品会社を定年退職し、家でぶらぶらしていたら娘さんが求人募集のチラシを持ってきて、「何か
有るんじゃないの」と。そして、その中の1社に電話したら即面接で即採用決定だったと。
運の良い人である。人との出会、会社との出会、全てはチャンスなのである。

たまたまその会社を辞めた人がおり、欠員補充と自分の応募が一致しただけのことである。
私もその口である。長年務めていたパートのおじさんが辞め一人欠員が出たからとのことであった。
87社断られ続けて良かったとつくづく今、思っている。

その時迄はきつかったがよくぞ断ってくれたと、感謝すらする。
他で仕事していたら現在に至るまでこれほど働き続けられていただろうか。
とうに解雇され年金だけの生活を強いられていたかも知れない。そう思うと、現職場までなかったことが幸い
であった。

塞翁が馬である。
人間万事塞翁が馬、禍福は糾える縄の如し、ま、楽あれば苦あり、苦あれば楽あり、ということになるか。
現在の仕事はまだ当分続けられそうだから有り難いことである。
しかし、浪々の身の時は寂しかったものである。

職を辞すことはいとも簡単である。
しかし逆に職に就くことはどれ程大変か、余程の才能か人脈がない限り、実に大変極まり無しである。
これは経験した者でないと、判らない事であるが、出来ることなら経験しないほうがよい。

苦労は人を育てると言うが、しないで済むなら余計な苦労はしない方が良い。
至極あたり前のことである。
一生苦労の中をはいずり周り、終る者。
苦労ってどういうこと、食べたことがないなんぞと言う人もいるかもしれない。
ただ、苦労を苦労としない素晴らしい人もいる。

どんなに傍から見て恵まれているようでも、その人なりの悩み苦労はあるようだ。
そもそも幸せって何だろう。心の豊かさかな。
金のない者はそうしてやすらぎの道を見出して満足する。
実際問題、健康であれば多少の苦労は苦労のうちに入らない。入りようがないほどの健康を目指そう。
健康貯金を日々務めることである。