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2015年03月13日
561. 中村文則・西加奈子・又吉直樹B お笑いと小説・火花 「ボクらの時代」
「でもね、お笑いも好きでさ」と中村さん。「頭の中ってややこしいのね、回路がややこしいんだけど、笑いは瞬間的に来てさ、そこを通り越して、気がつくと笑ってるっていうのがある」
「ウソが無いよね」と西さん。
「それがすごい救いで、辛いときとかお笑いのDVDとか、すごい役立っている」と中村さん。
ここで西さんが爆弾(?)発言。
「又吉さんはテレビで拝見してると、これは長所でもあんねんね、圧倒的に見てるよね…」(笑)
バラエティ番組でひな壇に座っているとき、又吉さんは他の芸人さんと比べてあまり(ほとんど)発言しない、ということを指しているようです。
「ウチが又吉さんばかり見ているからかもしれへんねけど…」と西さん。授業参観でわが子の様子を見守る、母親の心境でしょうか?「もっと手を挙げんかい!」
番組の中で又吉さんのリアクションはワンテンポ遅いと西さんは指摘。「遅くて、手探り感、すごいし…」
「ちょっとややこしいんですけど」と又吉さん。「『今、人間なら、今このとき、どう反応するのが普通なのか』ということを1回考えんと…。それと本来の自分の反応とのズレがあるから…」(笑)
ああ、すごく太宰的な発言。この3人は本当に気脈が通じあっていますね…。
又吉直樹のテンション
次は中村さんからの指摘です。
「テンション低いよね…。」(笑)「笑うときってある?」
声を押し殺して笑い転げる西さん…。爆笑しないところにデリカシーが感じられます。
「ありますあります」と又吉さん。「めっちゃ面白いと思ってて、いろんなこと…」
「分かりづらい」と中村さん。(笑)
又吉さんは子どものころ、国語の授業での音読が面白いと感じていたそうで。
「ずっと笑ってしまって…。真面目に読めないんですよ…。なぜ笑うかというと、文章がやっぱりキレイだから、次に何が起こってもおもろいんですよ・・・。読めば読むほど、『次、こうなるかも?』の緊張感がおもろくて、『こうしたら、おもろくなる』というのがずっとあるから…」
「真面目なのが面白かったのね?バアって笑かす人が面白いんではなくて…」と西さん。
「どっちも好きなんですよ…」と又吉さん。「子どものころから好きなのは顔ですね」
又吉さんの親戚に「わしはいつでも屁がこける」というおじさんがいたそうです。
「子どもとしたら、聞きたくもないし、子どもやからオナラガ好きやとおじさんは思ってるんですよ」と又吉さん。「『あ、ほんま?聞きたい』って子どもって言うんですよ」
「気をつかって…」と西さん。(笑)
「『おかしいな?』って言って…。『いつもは出るんだけど…』って言って。そのおじさん、頑張ってる顔ですよね…。徐々に困っていって…。おじさん困って、体勢変えながらの顔とかって、めっちゃおもろくて…」(笑)
「バカにしてるんじゃなくて、人が好きなんやな?」と西さん。「『人間やなあ…』と思うことが好きなんじゃない?」
「そうですね…、グッと来るんですね、笑えるし…」と又吉さん。
「そういう複雑なものに魅かれるのって、小説家に行く人もいるよね」と中村さん。
「そうやな…」と西さん。
「それがお笑いに行ったってことだな…」と中村さん。
声が大きくて元気、という、いわゆる「お笑いの人」とは異なる感性・立ち位置でやってきた又吉さん。それはいわばお笑い界の「隙間」ですから、うまくヒットした又吉さんは大成功。そしてついに小説も書きはじめました。
文芸誌デビュー
「文芸誌デビューしたから作家だよね…」と中村さん。
「ほんまやあ、読みましたよ…」と西さん。「私、泣きました」
又吉さんの書いた小説「火花」が掲載された文芸誌は破格の売れ行き。天才芸人の輝きと挫折が描かれています。
「作者は読者の成れの果て、ということを…。本当にそうじゃない?自分が何をどのように読んできたかが出るやん?」と西さん。「もう、抗いがたく…」
「うん、出る」と中村さん。
「で、又吉さんって、一切小説を批判的に読んでこなかったんやな、っていうのを思った。あれだけ読んでたら、もうメソッドとか分かってるやん?ある程度の枠とか、『小説ってこうやったらいい』とかさ…」
又吉さんに対してお母さん的な視線を持ってしまう西さん。又吉さんの小説もドキドキしながら読んだようで…。
「で、すごくドキドキしてて、『教科書っぽい小説やったら、どうしようか?』って…」
教科書っぽい小説、って言い得て妙ですね。
「おれも最初はドキドキしたよ」と中村さん。
「『そんな訳ない』って思いつつも、それで読んでたら、まあ、なんて素直な真摯な、『この人、一切そんな目で小説を読んできはれへんかったんや』って、まずそこで泣けてきて…」(笑)「だってなんぼでも批判できるやん?『ほんとに素直に小説を読んできてくださったんやな』って…」
「めちゃくちゃ困った顔してるよ、今」と中村さんが又吉さんのことを…。(笑)
敬愛する作家2人に褒められて嬉しくないはずないですよね。
小説とお笑い
「小説って、他の文章とぜんぜん違いますね、他の文章と」と又吉さん。
かなり集中的に書けた、と思っても、3枚くらいしか書けていない、ということがあるそうです。エッセイなら20〜30枚かけているはずなのに…。
そして、お笑いの現場から小説執筆にはすぐに入れるのに、小説を書いていてお笑いにはすぐに切り替えられないという又吉さん。
「(お笑いの)途中では絶対に書かんようにして、書いた後は寝て仕事に行くようにしました」
中村さんは集中すると、書いた記憶が無くなるそうです。お腹だけが空いているという…。当初の構想と違っていても、無意識のひらめきの中で生まれたものを信じるという中村さん。起床後2時間経った頃が一番脳が働くので、その時間帯に集中的に書くのだとか。
西さんは逆に、いつでもどこでも執筆できるようにしている、と。執筆のスタイルは三者三様ですね。
それでは今日はこの辺で。
560. 中村文則・西加奈子・又吉直樹A なぜ小説を書くようになった?・教団X 「ボクらの時代」
「西さん、なんで小説家になりたいと…」と中村さん。
「…もともと大阪で、いろいろアルバイトやってて、情報誌でライターの仕事もしてたのね…。たとえば、こういうお店に来て、このお茶のこと、書かなあかんとか…、もうおいしいねん、おいしい以外分からへん。どこ産のやつを使って、どんな味で…。それよりは(お茶を)持ってきてくれた人がすごく震えてたりとかあるやん、たまに…。それを書きたいねん。そっちのほうがおもしろいから…。それは情報誌には要らんねん、情報として…」
「そこから書き始めたのか…」と中村さん。
「25歳くらいの時に書いて。書いたら、『楽しい!』ってなってん…。そっからすっごい楽しかった…」と西さん。
「今の話、初めて聞いたぞ」と中村さん。
こういう話は普段はしないようです。
「(中村さんは)ぼくが落ち込んでいるとき以外、真面目な話、したことがない」と又吉さん。「中村さんの小説には暗い人間が出てくるのに、中村さんは明るい」
その疑問をかつて又吉さんは中村さんに投げかけたことがあったそうです。そしてその返答が、又吉さんの座右の銘になっているのだとか。
「おれね、もうね、暗いことで人に迷惑をかけるの、やめようと思ったんだよ」と答えたそうで…。
「それ、すごーい!」と西さん。
「…ぼく、翌日からちょっとだけ変わりましたもんね。暗いことで迷惑をかけることがある、という視野が生まれたんです、ぼくに…」と又吉さん。
「いや、暗くったっていいんだよ、迷惑かけたっていいんだよ…」と中村さん。中村さん自身は明るく振舞うことを選択した、と…。
「暗さを肯定したいということだよね」と西さん。「でも小説なんて、全部暗いからね…」
「そうそう」と中村さん。
「人間が人間の身体で書いている限り、明るいだけの人って、絶対おらへんやん」と西さん。
「いないですよね」と又吉さん。
中村文則さんの出発点
「ものすごい暗い子どもだったから」と中村さん。「高校に行けなくなったこともあった…。それも別にいじめとかじゃなくて、人がいっぱい集まって座っている空間って、意味分かんなくて…。『こんな苦しいところにはいられない』って思って…」「腰痛くないのに、腰が痛いって休んだり、保健室に行ったりして…」
そして太宰と出会ったそうです。
「そのときに太宰治とか読んで、『ここに自分がいる』って思って…。そこから小説いっぱい読んで」
「自分は暗いと思ってたやろうけど、周りは暗いとは思ってなかったやろ?そこはうまいことやってたんじゃないの?」と西さん。西さん自身にも思い当るところがある?
「そうかもね…」と中村さん。
「それもまた、太宰に近いんじゃない?」と西さん。
「…それに疲れたんだろうね…、演技をしていることに疲れて…。」と中村さん。「そこでパンとスイッチが切れちゃって、『あ、学校行けない』ってなって。そのときに、人間嫌いだったんだけど、考えてみれば、『自分は人間が書いた小説に救われている』って気づいて…。こんなに好きなら書いてみようかと思って書いてみたら、非常にしっくり来て…」
以上が西さん、中村さんが小説を書くようになったきっかけ・動機です…。
次回は「笑い」と又吉直樹さんのことが語られます。
2015年03月11日
559. 中村文則・西加奈子・又吉直樹@ 西加奈子の直木賞に泣いた!・サラバ! 「ボクらの時代」
3人とも以前からのお付き合いだそうです。(トークの場所は、東京・半蔵門 フレンチレストラン アルゴ)
「直木賞おめでとうございます」西さんに又吉さんが。
「ありがとうございます…、ほんまに」と西さん。
「結果見たとき泣いちゃったからね」と中村さん。「ウソやん」「いや、ほんとに」
親友西さんの受賞に「テンパった」中村さん、「誰かにメールを」ということで又吉さんにメールしたら、「この人(又吉さん)も泣いていた」
中村文則さん(37歳)は、2005年「土の中の子供」で芥川賞を受賞。その後「掏摸(スリ)で大江健三郎賞、昨年はアメリカで文学賞を受賞。最新作「教団X 」は世界で注目されています。
又吉直樹さん(34歳)はお笑いコンビ・ピースのボケ担当。お笑い界きっての読書家として有名です。今年、「文学界」に純文学小説「火花」を発表し話題となりました。
今まさに旬の3人によるトーク…。
ネタを書く中村文則
「直木賞バブルでいろいろオファーいただいて、この番組のオファーいただいて、で、『このお2人でないと出たくないです』って…」と西さん。
「そんなこと言ってくれたんですか」と又吉さん。(笑)
「改めて思ったけど、M-1とか、キング・オブ・コントとか、ようやったよな」と西さん。「ウチら待つだけやん、書き上げてるから、『用意、スタート!書いてください!』やったら無理やん?」
「急に緊張して訳分からんこと言うたらどうしよう、というのはありますよね、生放送やから」と又吉さん。(笑)
「たまにネタを考えてさ、又吉くんにさ、採点してもらうことあんの」と中村さん。
「ウソやん、小説書けや!」と西さん。(笑)「何をしとんねん!」(笑)
こうやって文字にすると乱暴な感じですが、実に笑顔がチャーミング。
「中村さんのピンネタ、めっちゃオモロイですよ」と又吉さん。(爆笑)「『誰かにあげていいよ、又吉くんの後輩とかに』って言ってくれるんですけど、結構独特で、あげにくいんです」(笑)
笑いながら中村さんを叩こうと腕を振り上げる西さん。ああ、本当に仲がいいなあ…。
幽霊かと思った
「劇場で書いてたフリーペーパーで、中村さんのデビュー作をぼくが紹介してて、会わせていただいたんですよ」と又吉さん。「ぼくがめちゃめちゃ好きなんです、で、ランチをご一緒したんですよね、そのとき」
「お笑い芸人さんが来るって言ってたから、すごいテンション高い人がいると思って、『ちょっとつらいな…』と思って行ったら、薄暗い場所だったんだけど、なんか薄暗い場所に薄暗い人がいるので」と中村さん。「…おれ、幽霊とか見たことないけど、もしかしてこれは、古くからその建物にいらっしゃる、そういう存在なのかな、と」(笑)
ずっと爆笑している西さん。
「いるはずないでしょ」又吉さん。
「ものすごい、最初怖がってたら、『今日はありがとうございます』って言われたから」と中村さん。
全く無名の又吉さんに中村さんは「めちゃくちゃ優しかった」そうです。
年に1回のテレビ出演で全くウケず、中村さんに「全然ダメでした。地獄です。終わりです。」と嘆くと、「大丈夫だよ、飲みに行こう」「サシで飲みに行くと、『大丈夫だから』って…」
無名時代の又吉さんを支えたお1人…だったのですね。
本当に興味深いトークですが、今回はここまでです。
2015年02月24日
546. 城山三郎が愛した平塚のフレンチ 「サラメシ」
また愛妻家でもあり、若いころに一目ぼれした容子さんと結婚。容子さんが亡くなるまで仲睦まじく添い遂げました。
取材と執筆に明け暮れる日々の中、仕事場からこの店まで、30年近く通い続けたそうです。
「Marie Louise(マリールイーズ)」 神奈川県・平塚。
「シェフのおまかせコース」城山三郎さんが味わったのはこのコースでした。
メインの肉料理が城山さんのお気に入りで、単品でオーダーすることもあったとか。活力の源だったのかもしれませんね。
奥さんと待ち合わせをして、フレンチを楽しんだそうです。
「本当によく話をされてましたね、ご夫婦で…」とシェフの尾鷲幸男さん。「奥様は明るい感じで、にぎやかというかね、それを城山さんがからかいながら、その時間を楽しんでおられるという印象が強かったですね…」
仕事にも妻にも一途な城山さんの「決まりごと」があったそうです。
自身の新刊が出たら、駅ビルの書店で自ら購入し、サインを添えてシェフに献上する、という「決まりごと」。
城山さんの息子さんがシェフと同じ年ということもあって、シェフに気さくに接することができたのかもしれません。
「もっといろんなことを聞きたかった…」と尾鷲シェフ。
誠実な城山さんらしいエピソードですね。
このお店のHPはこちらです。
2014年07月02日
498. 平野啓一郎 親指ペン・ダイエット・三島由紀夫 「いっぷく」
1975年6月22日生まれの39歳。
大学在学中の23歳のとき「日蝕」で芥川賞受賞。累計発行部数120万部以上。「三島由紀夫の再来」と評される人気作家です。
「いやあ、その落ち着きが欲しいですね」と国分さん。同い年なのですね。「同じものを見てきて育ってるんですよね。マンガでもそうですし、食べてるものも…」
幼少期は「キャプテン翼」の影響でサッカー少年だったそうですが、授業で書く作文はほとんどフィクションだったとか。
「まあ、一言でいうとウソ…ですかねえ。でもみんなそうだと思ってたんですよ」と平野さん。「自然と架空の人物が登場してくるから…」「みんなそうしてると思ってたんですよ…」
栴檀は双葉より芳し、ですね。ストーリーテラーとして名を成す人には自然と創作してしまう傾向があるそうです。
14歳で文学に開眼
それまで親や学校の薦める子供向けの本を読んでいた平野少年。14歳で三島由紀夫の「金閣寺」を読み、衝撃を受けたそうです。
「…自分で『金閣寺』読んだ時は…、最初よく分からなかったんですけれども、『なんだ、これは!』ってすごい興味を持って…」
17歳で初めて小説を書き、23歳で第120回芥川賞を受賞。大学在学中での受賞は石原慎太郎、大江健三郎、村上龍の三氏に次いで4人目だとか。(当時)
「嬉しかったですけど、戸惑っていましたね。そんなことになると全然思ってなかったので…」「まあ、ただの大学生でしたから…」
ダイエット・結婚・飛行機
32歳のときに「ビリーズ・ブートキャンプ」に一瞬ハマったそうです。
「常になんか、ダイエットに関心があるんですよ…。やりましたけど、辛すぎるというのと、辛い割に、あの体型になりたいわけじゃないな、という…」(笑)「気がついたんですよね…」
33歳で、モデルの春香さんと結婚。パーティーで知り合ったそうですが、同い年であり、出身地が近いことから意気投合。現在2児のパパ・ママでもあります。
そして、最も幸せであるはずの新婚旅行の飛行機の中で、平野作品中、最も暗いといわれる「決壊」を仕上げたという…。
「こんな幸せのときに…」と国分さん。
「厳密にいうと、ゲラ刷りを最後に見直してたのが飛行機の中ですけど…」と平野さん。「飛行機ってすごく集中できるんですよ…」「仕事してたら飛行機の10何時間ってすぐ経つんですよ」「辛い時期には辛い作品、書けないかもしれないですね」
サムペン(親指ペン)を発明
平野さんが考案し、慶応大学の知人の助けを借りて3Dプリンターで作成したペンが紹介されました。
大変短いペンを丸いリング状のものに取り付けて、親指(thumbサム)に装着。名付けてサムペン。
「電車で本読むんですね、ちょっと書いたり線引いたりしたことがあるんですけど、ボールペンだと大げさだし、危ないでしょ?」
以前はこういうちょっとしたものを作るにも金型から作らないといけないので、大変でしたが、「今の3Dプリンターだと、何10円とかで出来るんですよ…」と平野さん。
「発明もするんですね」と国分さん。「もう、すごく軽いですよね…」これはもちろんペンのことです。
特許は取っていないとのことですが、販売すると面白いことになるかもしれません。電車でメモを取りたくなってペンを探すのに一苦労することがありますが、これなら初めから付けておけば…、などと想像が膨らみますね。しかし、テレビで紹介されてしまいましたから、すでに特許に向けて動いている人がいるかも…。
新作「透明な迷宮」を語る平野さんですが、私(よしろう)の想像はサムペンを売り出せばどうだろう、というほうに向かっていて…。
2014年06月10日
491. 角田光代A ワイン・開高健・ボクシング 「いっぷく」
「ぼくはもう大好きで…」と国分さん。「角田さんの小説が大好きで、最近でいうと『紙の月』という本を読んだんですけれども…」
小説の舞台となっている街などを想像するのが好きという国分さん。「紙の月」の街を角田さんに確かめて、「自分の思っていた街だったんですよ」「それがもう嬉しくて…」
「ふだん出没している街らしいですよ」と岩下さん。
1967年3月8日生まれ。47歳。
「対岸の彼女」で第132回直木賞を受賞。代表作は「八日目の蟬」「空中庭園」「紙の月」…。
本日は直木賞受賞の際にもらった懐中時計を披露。「押し入れにしまってある」(笑)
「賞をとるのは嬉しいことですか?」と国分さん。
「ほんっとに嬉しいですね!ほんとに嬉しいです」と角田さん。
長編小説を書くときは、結末を考えて、そこに向かって書いていくのだとか。
「まあ、思うようにはいかないんですけど…」「…ちょっと変えざるを得ないこともあるんですけれど…」
テーマの見つけ方は…
「世の中を見てて、生きてて、自分が『ちょっと変だな、おかしいな』と思ったこと…」
毎日ワイン1本
「ぷく袋」から出てきたのは1本の赤ワイン。
「私は飲むのが本当に好きで…」と角田さん。
岩下さんや火曜レギュラーの渡瀬さんは「ひとしずくも飲めない…」そうですが、それを聞いて、「羨ましいです…。飲めないということは失敗が無いということですから」
「飲む量が多いので…。途中でやめられないんですね」と角田さん。「1日1本…1人で」「家ではワイン1本」「外ではどれだけ飲んだか覚えていない」
失敗談は「『3か月後から連載が始まるからよろしく』って…」(笑)「怖いですね…」
自分では全く記憶が無く、「嘘でしょう」というのですが、何人も証言者がいるそうです。
「一番よく(一緒に)飲むのは夫と…。あとは編集者とか同業の方との…」
角田さんの夫はミュージシャン。「GOING UNDER GROUND」のドラマーの河野丈洋さん。10歳年下です。
「仕事の話が多いですね…。仕事に対する姿勢が似ているので…」
仕事は夕方5時に終わらせ、あとは酒宴(?)…。
座右の銘
「開高健という作家が大好きなんですけれど…」と角田さん。開高さんの言葉を座右の銘としているそうです。
「グラスの縁に残った最後の一滴まで飲み干しなさい」「やりかけたことは全部やれ、って意味でもあるし、同時に、頼んだ酒は全部飲め、と…」(爆笑)「自分としてはダブル・ミーニングで…」
ボクシング・ジム通い
運動とは縁の無さそうな(失礼)角田さん。輪島功一さんのボクシングジムに通って14年になるそうで。
「練習生です」と角田さん。「ただ練習しているだけです…。週1回くらいで」「対戦とかはしないですけれども」
きっかけは30代のときの失恋。
「30代で失恋するということは、たぶん40代でもしてるだろう…」と考えた角田さん。その試練に立ち向かうには強さが必要。心を鍛えるには身体を鍛える必要がある…。
「近くのジムを探したら輪島さんのジムだったんです」「もともと(ボクシングを)見るのは好きだったんですけど」
ボクシングの小説も執筆しているそうです。
ここで国分さんの失恋談が披露されました。
中学のとき、すでに働いていた国分さん。当時付き合っていた女性にフラれ、そのまま仕事に行くために電車に乗ったのですが、涙が出てきて止まらなくなり、窓を向いて号泣したのだとか。そのときヘッドホンステレオで聞いていたのが浜田麻里の「Return to Myself」…。話し終えて照れる国分さん。(笑)
角田さん、いたく感心。窓に向かって泣いている少年を「ホームから見ちゃったら…」「まるっきり小説じゃないですか…」
「おもたせ」は
「キウイ」(390円 税込) アイスクリーム工房ぼぼり(東京都・杉並区)
卵を使わず、牛乳ベースで作ったアイスに、季節のフルーツであるキウイを入れた、口どけサッパリのアイスクリーム。
「10年くらい前に、近所にあるお店でたまたま入ったら、すごくおいしくて…」
「すごいシュワシュワ…。おいしい」と渡瀬さん。
小説も大人気ですが、トークもなかなか素敵な角田さん。笑いのツボを押さえていらっしゃる…。
本日のまとめ
角田光代さんの
大好きな作家 開高健
大好きなもの お酒…特にワイン
健康法? ボクシング・トレーニング
お気に入り 「キウイ」(390円 税込) アイスクリーム工房ぼぼり(東京都・杉並区)
角田さんの以前のトークはこちらです。
2014年05月20日
476. 糸井重里 趣味・恐竜・あんこ・犬・コピーライター 「スタジオパークからこんにちは」
「今日のゲストはいろいろやってらっしゃる方で…、その一つがコピーライター」と伊藤アナ。
「コピーライターという言葉、この方で知ったわね」とMC役の高畑淳子さん。
コピーライターとしての糸井さんが80年代に放ったコピーの数々…。「おいしい生活。」「不思議、大好き。」「くうねるあそぶ」「いまのキミはピカピカに光って」。
そしてジブリ作品にも糸井さんのコピーが。
「このへんないきものはまだ日本にいるのです。たぶん。」となりのトトロ
「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」魔女の宅急便
糸井さんは1948年11月10日生まれ。65歳。群馬県・前橋市出身。
中学時代の夢はマンガ家。毎日マンガを描いていたそうです。
高校卒業後、上京。広告制作会社に勤務。コピーライターの仕事を始め、1980年代に活躍。コピーライター・ブームの火付け役となります。
また、小説家・作詞家としても活躍。沢田研二さんのヒット曲「TOKIO」の作詞もしました。NHK教育テレビでは、若者向けの番組「YOU」の司会も…。
「『コピーライターはなんでも出来るんだよ』って言いたかったんです。コピーライターが考えている順番とか、最終的に表現にする…。基本的にはどの仕事もコピーライターの仕事の中に入ってるんで…」「司会は打ち合わせと同じですから」
最近の興味@
恐竜
「これはずっとなんですけどね…。浅く、長く…」
スタジオに恐竜の卵の化石が持ち込まれました。
「中国で発掘されて、1回アメリカに渡って、ぼくのところに…」「これは妻(樋口可南子さん)のプレゼントです、ぼくへの…誕生日プレゼント」
他にもティラノサウルスの牙が…。
「これはぼくが大人になったから買えた…大人買いが出来たっていうか…」
値段をさりげなく聞く高畑さん。
「高いもの買うと人に嫌われるんです…。ぼろいジーパンの古いやつみたいな値段です」いわゆるヴィンテージもの?「でも安くはない…。ヤですね、その言い方」(笑)
恐竜への興味は怪獣が出発点だったそうです。円谷プロの怪獣…。
最近の興味A
あんこ
「甘いものは好きなんですけど、あんこは特に好きで、ある種の憧れだったんです…」と糸井さん。「大人になったら何をしようかな、っていうことが子どものときからすっとありますけど、『あんこをつくる』って一つの憧れだったんですね」
そしてついにあんこを作るために動き出したそうで…。
「老舗のあんこを作っている方の工場にお邪魔したり…、自分で作るようになって…やっぱり嬉しい」
自家製の、昨日出来たばかりのあんこをMCの2人に振舞う糸井さん。
「おいしい!うわ、このつぶつぶ感、たまりませんね」と伊藤アナ。
「教えてくれた人がいいんで…」あんこづくりの苦労を語る糸井さん。
最近の興味B
犬
「あんこの次はわんこ」と伊藤アナ。(笑)
「うまいこと言いますね」と糸井さん。(笑)
「うまい!」と高畑さん。「考えてたでしょ?」
「いつかまた飼えるようになったらいいな、と思っていたんですけど…」
動物を飼えないところに住んでいたそうです。
「今だ!という機会が11年前に来まして…」「引っ越しから始まって…。飼える家を探した」
引っ越しと同時に禁煙も始めたそうです。
「犬の年齢がぼくの禁煙の年齢なんですよ…。便利なんです」
犬の名前はブイヨン。糸井さんの運営するHP「ほぼ日刊イトイ新聞」で有名です。目次に登場していますね。
猫も好きになったという糸井さん。
「野良猫をどうするか、という話で、うちの会社にいた子が、どうするかで、愛護運動の人と知り合って、その活動に興味を持って…。で、もうじき、動物病院とペットサロンと、保護・引き取りの団体と、一つの建物に固めた建物に引っ越します…団体が」
糸井さんは、その会社を作るお手伝いをしたそうです。
「一番いいのは捨てる人が一人もいなくなることなんですけど…。ご老人で飼ってる人が亡くなったりとか、いろんな問題があるんで…」「一概に人間のせいだけにするわけにもいかない…『じゃあ、みんなで面倒みよう』みたいな…」
私(よしろう)が糸井重里さんの名前を初めて知ったのは矢沢永吉さんの「成り上がり」のインタビュアーとしてでした。
その後、80年代を迎えるとあらゆるところに「糸井重里」という名前が…。ご本人の作品のみならず、「糸井重里」という名前があると、「大丈夫です、この〇〇」みたいな、いわば「保証書」のような役割を果たしていた気もします。
バブルが崩壊し、時代が変わると、糸井さんの出番は少し減ったかのような気がしたのですが、また強烈な形で出てきました。「ほぼ日刊イトイ新聞」です。
矢沢永吉さんと対談し、吉本隆明さんを引っ張り出し、谷川俊太郎さんに声をかけ…、「言いまつがい」を出版し、「ほぼ日手帳」をヒットさせ…。もうやりたい放題で、本当にこの人からは目を離せません。
京都の街を歩きながら、「糸井さんの京都のお宅はどこだろう?」などと夢想する私です。
2014年05月14日
471. 伊集院静 最強ボールペン・大人の流儀・愛犬・奥様 「いっぷく!」
「いやあ、番組が締まる!」と国分さん。(笑)
1950年2月9日生まれ。64歳。山口県出身。
1992年「受け月」で直木賞受賞。「大人の流儀」シリーズは累計120万部を突破。
作詞家(伊達歩)としても活動。「ギンギラギンにさりげなく」「愚か者」等多数。
「ぼくのイメージでは夜のイメージがあるんですが、朝はお強いですか?」と国分さん。
「そうだね…。起こされりゃ起きますよ」と伊集院さん。(笑)「…6時7時はちょうど仕事が終わる時間なんで…」「昨日は早く寝たの」「…いろんな人が『遅刻するな』って言うし…」
「ぼくらも困りますしね…」と国分さん。
作詞家として
「ギンギラギンにさりげなく」「愚か者」はどちらも近藤真彦さんの大ヒット曲ですが。
「ぼく、すごく気になっていたんですけども…」と国分さん。「ギンギラギンは、さりげなくないと思うんですよ」(笑)
「…時々、打ち合わせでアーティスト本人に聞くことがあるのね。『どんな歌がうたいたい?』って…」「彼、まだ若かったし、『ギンギンの、ギンギンの』、それしか言わないんだよ」(笑)「他に日本語知らないのか、っていう…」(笑)
ディレクターは「もう少しさらっとしてほしい…」。「そこで両方合わせたら、『ギンギラギンにさりげなく』でいいんじゃないか…」
今でも近藤さんとはお付き合いがあるそうです。
「ちゃんとした大人になりましたね…。だいたい上手くいかないんだけど…」と伊集院さん。社長の目を盗んで遊ぼうという人が多かったのだとか。
「今はみんなしっかりしてますから」
近藤さんにとって伊集院さんはもっとも信頼できる相談相手だそうです。
愛用のボールペン
「ぷく袋」から出てきたのはボールペンと原稿用紙。
「これが一番使いやすいですね…たぶん世界の中でもかなり優秀な商品だと思いますけどね」と紹介したのは「UNI」の「JETSTREAM」というボールペン。私(よしろう)はここでドキッと…。実は私も愛用しているボールペンなのです。いろいろ試しましたが、これが最高だと思います。
作家というと万年筆、というイメージがありますが、万年筆はインクの切れが早いので使わないそうです。
「これだと2日くらい保つ」と伊集院さん。2日!書く量がすごい…。
このボールペンは不良品が少ないと伊集院さん。「すごく優秀ですね」
更に名前入りの原稿用紙を紹介。
「パソコンは電源のコードが要るでしょ?そうすると、どこでも書けなくなる」
「許す力」
著書「許す力」について語りました。
「…最初に『許さなくていいから』って書いてあるだけなの」と伊集院さん。「『私は心が狭いんじゃないか?』とか『どうして私、許せないんだろう?』ということで悩む人が多いの。女性100人のうち、80人くらいが『許せないこと』を持っている。近しい人で…」
「許せない」と思うことは必ず起こる、と伊集院さん。「それを経験して乗り越えていくことで成長していくのね」「許す、というのは傲慢なことでもあるから、『許してあげてもいい』『許しちゃおうかな?』という感じで持てるようになったら、すごく楽になって、楽になると、ちょっと力が湧いてくる、という人が多いのよ…」
愛犬
伊集院さんは2匹の犬を飼っているそうです。「亜以須(アイス)14歳」と「乃歩(のぼる)10歳」の2匹。
「ペットというか、飼い犬だね」と伊集院さん。
酒場で「アイス持ってこい」とよく言うので、覚えやすいように「亜以須」。「乃歩(のぼる)」は正岡子規の幼名から付けたそうです。
正岡子規の小説を書こうと考えた伊集院さん、「この犬が生きている間に書こうと思って…」
「犬の散歩とか行くんですか?」と国分さん。
「犬の散歩とか、正常な男はしませんよ」(笑)「それは他の人がやるよ」「普通の男は料理したり、散歩したり、ダイエットしたりしないから…」と持論が炸裂。
一方で奥様の言うことはよく聞くそうです。「何でも聞いてりゃいいんです。間違いないから…」
奥様との共通の趣味は「無い」と言いながら、ゴルフが共通の趣味であることが判明。「じゃあ、ゴルフ」と伊集院さん。
「おもたせ」は
「う八の叵(うはちのは)」(1箱8枚入り 1,080円) 六本木 与太呂 (東京都・港区)
蓮根を宇治抹茶や和三盆とともに焼き上げ、付属のこしあんを挟んでいただくととてもおいしい一品。
名前がユニークですが、名付けたのは伊集院さんん。知人の息子さんで、京都の料亭で修業した方がこのお菓子を作ったそうです。
蓮根は「穴が大事」。穴という漢字を分解して「う八」と名付けたのだとか。
「あんこ、嫌いだから…」とせんべいだけを食べる伊集院さん。
「ぼくも嫌いなんですよ!」と国分さん。(笑)
「そういうことで共通点求めるの、やめてくれる?」と伊集院さん。(笑)
硬派の伊集院さんに、例の「いっぷくポーズ」を求めるのではないかとハラハラして見ておりましたら、やはり要求する国分さん。しぶしぶ(?)応じる伊集院さん…。国分さん、やりましたね!
2014年04月02日
443. 阿川佐和子A 趣味・ゴルフ・体重計・「聞く力」・お嫁さん・蜂蜜・翻訳 「いっぷく!」
1953年11月1日生まれ。東京都出身。著書「聞く力」は140万部のベストセラー。
「ご無沙汰しています」とご挨拶。国分さんとは「オーラの泉」以来。国分さんが司会を務める「オーラの泉」にアガワさんが出演したのでした。そのころから国分さんの司会者としての力量に一目置いていたのだとか。
そして岩下さんに「どうしてこの番組に出るようになったんですか?」と尋ねるアガワさん。「何してんですか、ここで?」
岩下さんは「サワコの朝」に出演しました。気心が知れているからか、聞きにくいことを…。アガワさんって結構危険な人かもしれない…。
話題は一転、スポーツの話へ。
「本当はやるほうが好きなんです…。今はゴルフ…」とアガワさん。「ゴルフというにんじんをぶら下げて仕事してるんです」」「来週行くから頑張る!」
「ぷく袋」から出てきたもの
大きな袋「ぷく袋」からゲストにまつわるものを取り出しますが、出てきたものは1足のハイヒール。
「かなり、これ…」と国分さんが言いかけると、「汚いから触らないで…」と靴を取り上げたアガワさん。(笑)
「これはだいぶ時代物ですね…」と岩下さん。
「アガワさん、言ってましたけど、汚いですね、これ」と国分さん。(笑)
自分のことを「ケチ」だと言うアガワさん。ハワイのデパートで40年前に買ったハイヒールを「大事にして、今でも履いて…」「『もう捨てよう』と思っても、直せば履けるので…」「モノと仲良くすると、『捨てないで!』と言ってる気がする…」(笑)
流行が変わっても「また巡ってくるだろう…」と思うそうです。お母さんが20歳のころに愛用していたブラウスも着ているのだとか。
「捨てられない性質ですね…。ダメな人間ですよ…」とアガワさん。
美しさの秘訣は体重計
去年還暦を迎えたというアガワさんですが、美しく可愛らしい…。美の秘訣を尋ねますと…
「切ったり張ったりしてませんよ」と顔をパタパタ。(笑)
「召し上がりものとか?」と岩下さん。
「召し上がりものも不規則だしね…。体重計に1日何回も乗る…。ほとんど趣味…。だって楽しいじゃない?」「昨日すごく食べちゃった、と思って朝乗ると、ダーンと増えてたり…」「(食べたいのを)頑張って食べなかった日の翌日の朝は、体重計に乗ると、いい数値が出てる…」
シャワーを浴びたり、ご飯を食べたりするたびに乗ることもあるそうです。
「特にダイエットとかしませんけど、体重の数値が動いていることを自覚すると…」とアガワさん。
10年くらい前からよく量るようになったそうです。
少女時代
子どものころは大変活発だったそうです。
外を走り回り、虫を採り、木に登り、缶けりを好み…。
「道なき道に入っていくのが好きで…」
お兄さんは学究肌で、家で読書をするのを好むタイプ。小学校の宿題では、お兄さんが国語や社会を担当し、アガワさんは昆虫採集を引き受けたのだとか。
「『虫愛づる姫』と呼ばれていたけど…」とアガワさん。「『男の子だったらよかった』と思っていました」
しかし、夢は「お嫁さんになること」だったそうです。
電車の中で、着物を着ている女性を見ると全部お嫁さんだと思い、「およめ―!」と指さして叫び、お母さんに止められたのだとか。(笑)
「お姫様になれるみたいな感じがして…」
男の子になりたいと思いつつ、お嫁さんに憧れる少女だったのですね。
「おもたせ」は
「コッツウォルド・ハニー」(液状 454g 2,500円、結晶状 454g 2,600円 税別価格)
エイチ・アンド・アイ (東京都・中央区)
このハチミツはもともとお母さんのお気に入りで贈答用に購入していたそうです。多く買いすぎたときにアガワさんのもとに来て食べたところ、「『や!これはおいしい…』と思って、今は大好きなんですが…」
結晶状は液体状のハチミツを大きな鍋で撹拌しながら1週間かけて冷やして作るのだとか。
「うん、お上品な甘さですね」と国分さん。
「絹のベールのような舌触り…」と舛田アナ。
「さすがね…。抜擢されたアナウンサーは違うわね」とアガワさん。(笑)
「あなたよく、アガワさんの前でそんなこと言うわね…」と岩下さん。(笑)
そしてお別れのとき、国分さんに、
「大変ですね…。なんでこの番組引き受けたの?」とアガワさん。(笑)
「それは今度『サワコの朝』で…」と国分さん。(笑)
トーク番組のホストがゲストで喋ると、けっこう過激で面白い…。タモリさんしかり黒柳さんしかり、そしてアガワさんも。
「サワコの朝」とは違った表情を見せてくれたアガワさんでした。
2014年03月08日
422. 吉田類 酒場詩人・黒が好き・映画・昆虫 「サワコの朝」
「今日は飲んでないんですか?」とアガワさん。
「朝からは飲まないんです」と吉田さん。
「番組と同じ服」と、アガワさんは吉田さんの黒い装いを指摘。
「小っちゃいころから黒が好きだったんですよ…」
いろいろと問いかけるアガワさんに吉田さんはタジタジの様子。
「なんなら飲んでいただいてもいいんですよ」とアガワさん。
「いえいえ、そんな…」
「酒場詩人」吉田類さんは高知県出身。
BS-TBSで毎週月曜日9時から放送されている「吉田類の酒場放浪記」は一人で気軽に飲めるお店を紹介する番組。
中高年に人気で「おやじの月9」と呼ばれているそうです。放送開始10周年を迎えました。
20代のころは画家を目指し、パリで生活。帰国後イラストレーターに転身。
俳句の会「舟」を主宰する俳人でもあり、「酒場詩人」として、数々の著書をお持ちです。
「酒場詩人」のいわれは?
「小っちゃいころから何もやってないんですよ…。絵を描くか、詩を書くか…」
「出身は高知?」
「はい、山なんですけど…」
「詩はいくつのころから?」
「子どものころから…」
「山の中から天才芸術少年…みたいな?」とアガワさん。
「うん、まあ、神童と…」(笑)「自分で言うな、っていうの」「まあ、そんな感じだったですね…」「あと、映画少年だったんです」「(映画館まで)何時間もかけて…」
「記憶の中で今もきらめく曲」は
「イルカに乗った少年」ジュリーロンドン 映画「島の女」の主題歌
「10代のころに見て…」と吉田さん。
私(よしろう)はテレビで見ました。ずいぶん昔。ソフィアローレンが本当にきれいで…。
「最初は画家になりたいと?」とアガワさん。
「昔でいう、『西洋かぶれ』だったんですよ…」
「パリでは独学なさって?」
「そうですね…」
パリにいたのは2年ほどで、その後はあちこち旅を続けたそうです。
「日本にいても、絵と向き合うことはできない…」と考えていたとか。「行ったら、夜はワインを飲んでました」「フランス最高のホテルのバーで、っていうのが夢、というか、習慣でしたね」
「その資金源は?」
「まあ、いろいろ…」
「謎の部分があるんですね」とアガワさん。
「酒場放浪記」
パリから帰って引き受けたのが、イラスト・ルポの仕事。そこから下町への興味がわいてきたのだとか。
それが「酒場放浪記」という番組につながります。
「なんで、こんなにおいしいのに、今まで食べなかったんだろう?」という発見があったそうです。
「いい酒場は?」
「顔で分かりますね…」と吉田さん。「入口、外側…、客の笑い声が聞こえてきたり…、回転もいい。厨房もガンガンまわってますから、気温も高いと思います」
逆に「あまりよくない店」は、
「(店主が)喋りすぎる人は、経験上、あまり腕がよくなかったりする…」
「よかった店は?」
東京・神田界隈では、「淡路町・みますや」、「神保町・兵六(ひょうろく)」。
「一人で飲むコツは?」
「カッコつけないことでしょうね。自分はこの店に来たのは初めてだし…。最初に聞けばいいんじゃないですかね?」「常連といえども、最初は一見さんからですから、すべて…」
店に入る前に情報はすべて忘れて、尋ねるようにしているという吉田さん。
酒量とみそぎ
「何杯目くらいで酔うんですか?」
「1升いったくらいだと思いますね…。そこから2升とかにいっちゃったらあまり覚えてないですね」と吉田さん。「5軒行ったら、2軒は覚えてないですね」
本格的に酔うと寝てしまうそうです。
「情報機器一式、盗まれてしまいました」と吉田さん。「でも、バージョンアップしました」(笑)「だから盗まれたおかげでこっちを使ってんで…」ポジティブな方です。「カメラも5台ほど…」
こんなこともあるそうです。
朝の5時まで新宿で飲んで、電車に乗り、気づいたら「高尾山登山口」。
「みそぎのつもりで登ります。頂上まで行ったらお酒が全部抜けます。…次の峰まで行くと、茶店があって、冷えたビールで喉を潤して、下りたらおいしいお寿司屋さんがあります。日本酒で…」
スゴイですね…。私もアルコールが好きで、いろいろとムチャをしましたが、ここまでは…。
「休肝日は?」
「あります…。一応、中ジョッキ3杯までは休肝日…」「食事をするのにお酒無しでするというのが分からないですね…。できないです」
お酒の種類は決まってないそうです。
「旅をしていると、飲んだこともないお酒に出会う…。それを先入観作って、(銘柄をあれこれ)言ってる方はあまり酒を飲んでないですね…。無限にあると考えていいと思います。」
昆虫との会話
小学生のファンが増えつつあるそうです。「講演会すると、黒い服でハンティング帽かぶって、ウロウロしている」。
そして、吉田という苗字で、子どもに「類」という名前を付ける人も多くなっているそうです。
「知ってるだけで10人」
「酒場詩人」というだけではなく、吉田さんの数々の著書を通じてファンになったそうです。そして、もう一つの顔が「昆虫と話ができる」。
「彼らは人間に対する言葉を持っていないので、ぼくが代弁できるかな、と思っています」
「最近、チョウチョはなんと言ってますか?」
「人工植林が多すぎて、花が無い、と…。自然と協調してほしいと言ってます…。これ、ぼくが言ったんですけど…」
「チョウチョと一緒に飲むことはありますか?」とアガワさん。
「夜のチョウですか?」(笑)
古田新太さんも酒豪ですが、吉田さんは番組を持ってるだけあって、さすが…。高尾山のくだりでは驚嘆しました。元気でご活躍を…。