少年サッカーを見守るブログ

　『アーリーヒット（early hit）』と言う言葉が、サッカーにはあります。

　以前にも少し触れましたが、これは『技術』です。

　単にフィジカルコンタクトと言う場合とは、少し性格が違う物です。

　一例を挙げると・・・ボールが自分に向かって、もしくは自分の前のスペースへ転がって来ます。

　当然、そのボールを自分のコントロール下に起きたいので、ボールに走り寄って行きますよね。

　相手チームも同様にボールに走り寄って来るのが見えます。

　ここでどうするか・・・？

　子供達の多くは、相手とボールを挟んで対峙する方法を選択します。

　常に前を向いてボールを扱う様に指導されていれば当然の選択です。

　自分が明らかに先にボールをコントロール下に置く事ができるのなら、これで正しい選択と言えるかも知れません。

　では、ほぼ同着となるかも知れない場合・・・これで良いのでしょうか？

　そう言ったシーンでこの技術は使われます。

　先に、ボールと相手の間に自分を入れてしまうのです。

　同時に、しっかりと重心を低くして構え相手に体（肩やお尻、腰等）を先に当てて弾いてしまうのですね。

　こうする事で、ボールを自分の物とします。

　サッカーの審判の判定基準として『どちらが先にそこに居たか』と言う物があります。

　それを利用するのですね。

　先に、その場所の所有権を得てしまえば、後からチャージしてくる方が反則を取られ易い状況が生まれます。

　理屈は簡単で、ぶつかってくるかも知れない相手をただ待っている馬鹿はいませんよね。

　体を使って自分を守る事は反則とまでは言えないのです。

　その為、お尻を突き出して相手の突進に対処する様な事も大目に見てくれます。（笑）

　こうして、相手より先に体を当てて行く事で自分に有利な展開を生み出す技術がアーリーヒットです。

　他にも、スペースを有効利用する為に、この技術を使う場合もあります。

　マークしている相手選手をパスをもらう前に軽く弾いてしまう場合がそうです。

　背後に居るマーカーに軽く体を預けてしまう事で、相手を少し後方へ押し返します。

　その直後にパスを受ける為に前のスペースに飛び込むと言う寸法です。

　相手マーカーは、少し出遅れますから・・・振り向き正面を向いて対峙する事も、シュートやパスを打つ事も可能となります。

　これは、反則ギリギリです（と言うか厳密には反則なのでしょう・・・）が、審判もファウルを殆ど取りません。

　ポイントは、過度の力で行わない事です。

　過剰な力で押せば、間違い無くファウルを取られます（もちろん見られればですが・・・）。

　軽く何気なく行う事（相手が転倒してしまう様ではいけません）が大事です。

　他にも用途はありますが、この様な技術を身に付ける事は、無用な怪我を防止すると言う意味でも必要かなと思います。

　実際の映像を見てもらうのが一番良いのですが・・・。

　中田英寿元選手のプレーを見ると良く使われていますので、動画で検索できるかと思います。

　できれば、修得したい技術ですね。