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2018年10月21日

【コラム】西武ライオンズが日本シリーズ進出できなかった5つの理由

2018年のパ・リーグ優勝を果たした埼玉西武ライオンズ。

しかし、CSファイナルでソフトバンクに敗れて日本シリーズの進出を逃してしまった。

なぜ西武ライオンズは負けてしまったのだろうか。

その理由を紐解いていきたい。



短期決戦は投手力がモノを言う



クライマックスシリーズ(以下CS)は短期決戦だ。

長いレギュラーシーズンと全てが異なる世界。

甲子園だって強いチームがまさかの敗戦をすることは多々あるのだ。

その中でも短期決戦は投手力がモノを言う。

軸になるエースの存在と先発投手陣の安定感だ。

今年の西武ライオンズのチーム防御率は4.24だ。

そして対ソフトバンク戦はさらに悪く4.82というところ。

とはいえ、そんなソフトバンクも対西武の防御率は5.38とはるかに悪い。

しかし面白いのは両チームの対戦打率だ。

西武はソフトバンク戦で打率.248とチーム打率を下回る悪さ。

ソフトバンク戦では打てないのだ。

一方のソフトバンクは西武戦の打率が.265と平均打率とほぼ同じ。

それなのに対戦成績はほぼ五分だ。

この数字の差はどこにあるのだろうか・・・。

そう、実は四球の数なのだ。


ソフトバンクが86個の四球に対して、ライオンズは109個もの四球を選んでいるのだ。

打率では下回っていても、四球が得点に絡んでるというところだ。

しかし、このCSではどうだったろうか。

第2戦の勝った試合以外はほとんど四球を取れていない。

つまり、相手投手が自滅してくれなければ厳しいということだ。

このシリーズで無駄な四球を与えなかったソフトバンク投手陣の安定感は素晴らしかった。

中4日という苦しい台所事情であったが、早めの継投も功を奏した。

そして先手必勝と言わんばかりの初回に得点したのが実に3戦もあった。

先発投手は先制点があるだけでだいぶ投球が楽になる。

このへんは立ち上がりから得点を許すライオンズ投手陣との大きな差が感じられた。

打線は水物



打ち勝つ野球を主体とした今年のライオンズ。

しかし、打線は水物だとよく言うだろう。

まさにこのシリーズでも言えることだった。

打ち勝つためには打線が機能しなければいけない。

すべての試合で5得点以上記録したソフトバンクに対して、

ライオンズは4点以下が3試合とむしろ打ち勝つ野球をされた感は否めない。

打ち勝つといっても前述したように打率はソフトバンク戦は悪く、

四球を貰えない限りは得点力がだいぶ下がるということだ。

短期決戦での打ち勝つ野球というスタイルは投手力が伴っていないと厳しいと改めて痛感したところだろう。

状態の良い選手と悪い選手



なんといっても最大の誤算は秋山だろう。

最多安打の球界屈指のヒットメーカーである秋山がなんと1割台だ。

第4戦までは0割台というまさかの不調だった。

そして主に6番に入る中村も同じく打てなかった。

1番と6番という打線の肝にもなる二人が全く機能しなかったのは痛い。

短期決戦では状態が良い選手と悪い選手が必ず出てくる。

レギュラーシーズンでは我慢して起用し続けることが結果を出すが、

短期決戦は我慢している余裕などない。

その結果が勝ち負けとして表れてしまうのだ。

状態が微妙な松田をスタメンから外したソフトバンク。


最後まで主力選手は替えなかったライオンズ。

秋山と中村が結果を出したときには時すでに遅しといったところだろう。

レギュラーシーズンからの調整という部分を含めて改めて難しいと感じるところだ。

短期決戦では我慢や優しさは仇となることもある。

封じられた機動力



機動力をほとんど活かせなかったのは痛かった。

というのもソフトバンクの正捕手・甲斐は球界屈指の強肩。

盗塁阻止率を考えてもなかなか走れないところだ。

両リーグ合わせて断トツの132盗塁しているのに、

なんとこのシリーズでは盗塁ゼロだった。

というのもソフトバンク戦はなんと盗塁はシーズンで13回しか成功していない。

このへんは相手を楽に戦わせている要因のひとつと言えるだろう。

油断大敵



最後に感じたのは油断だ。

対策もそこまで出来ていたのだろうかと思うくらいだ。

本拠地で1勝というアドバンテージがあり、誰もが勝てるはずだと思っていただろう。

それだけに対策がおろそかだったのかと言わざるを得ないところだ。

シリーズ前に秋山が某インタビューで「勝ちゃあいい」と発言していた。

シーズン中にはいろいろ考えて打席に入ってるのを抜きにするだとか。

逆に結果を見れば、これが秋山自身の状態も悪くしたということだろうか。

このへんに対策のなさを感じざるを得ない。

ソフトバンク戦で今季最多の4敗を喫してる十亀が3試合目で炎上した。

この2回で8失点という大炎上がその後のソフトバンク打線に自信を持たせたと言えるだろう。


そもそもなぜ十亀を投げさせたのすら疑問に感じたところだ。

そして前半戦のソフトバンク戦の立役者であるカスティーヨ。

一時は抑えも任せたが、シリーズでは出てきませんでしたね。

調整不足もあるかもしれないが、ソフトバンクとの相性を考えればチャンスあっても良かったように感じる。

そして実に半分以上の3試合で二桁の三振を喫している。

元々、三振の多いチームではあるがシーズンでもソフトバンクにはリーグ最多の202三振を喫している。

チーム防御率4位のソフトバンク相手に一番三振を献上しているというのは不思議なところだろう。

これは相手がいかに西武ライオンズの打線の抑え方をよく知っているかというところだ。

まとめ



CSファイナルは本拠地にも関わらず1勝しかできずに敗退してしまった。

結果は受け止めるしかない。

ただ、いろいろ考えてみると、負けるべくして負けたのかなというところだ。

リーグ優勝する力と短期決戦を制する力は別物だ。

両方を制するのはそう簡単ではない。

リーグ優勝をした事実は変わらないし、今年のパ・リーグを制したのは間違いなく埼玉西武ライオンズだ。

昨年の広島ですら日本シリーズ進出が叶わなかったくらいだ。

来季はより強い西武ライオンズを期待したい。

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