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2011年12月31日

瞋るは地獄

日蓮は、「観心本尊抄」において、「瞋るは地獄」と言っています。

「瞋る」状態は、地獄の状態と言っているわけですが、自分自身を含め世の中を見渡してみると「瞋る」状態の人々が多いのではないかと感じられます。

本当に瞋らなければならない時には、「瞋る」べきですが、そのような時が一生のうちに何度あるのか。

ほとんどなく数回程度でしょう。

ちょっとしたことでいちいち瞋っていることが多いように思われますし、瞋る必要もないことにいちいち瞋っているように感じられます。

地獄に落ちる必要もないのにいちいちご丁寧に瞋って地獄に落ちているようです。

ここでいう地獄は、何事に対しても苦しむ最低の生命状態のことをいっています。

自分自身の心掛けとして、本当に「瞋る」必要な事柄なのかとよくよく吟味することですね。

ほとんどの事柄が「瞋る」必要がなく、ただ単に認識し、改善すべきは改善すればよいということに落ち着きます。

また、適切に対処すればよいということに落ち着くでしょう。

自分自身がしっかりしても、気を付けなければならないのは、「瞋り」を煽る人々がいることです。

何がおもしろいのか一生懸命、人の生命に「瞋り」の感情を起こそうと必死な人々がいます。

このような人々の悪い影響は排除しておかなければなりません。

また、変に瞋っている人にも気を付けなければなりません。

悪い生命状態、苦しむ生命状態、最低の生命状態の影響を受けてしまします。

上手にかわすことも大切です。

ゲーテの詩の中に「めったに腹を立てぬこと」とありましたが、いちいち腹を立て、瞋っている場合ではないでしょう。

もっと冷静にならなければなりません。

また、他人がどうのこうのという癖は直しておいた方がよいでしょう。

他人を責めたところで何にもなりません。

自分自身ができることをひとつひとつ行っていくことが肝要です。

いずれにいたしましても、「瞋るは地獄」との言葉を肝に銘じておきたいと思います。

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『坂田藤十郎 歌舞伎の真髄を生きる』(2)

「特に武智先生から受けた薫陶で「一番いいものを見て、一番いいものの中に育っていないと芸が貧しくなる」ということの意味は、生涯を通して実感しています。すべて一流に行くことを勧めてくださった先生のおかげで、私は本物に出会うことができました。そして本物に触れたことで、役者としての自覚も芽生えたように思います」(坂田藤十郎『坂田藤十郎 歌舞伎の真髄を生きる』世界文化社 51頁)

「一番いいもの」「本物」に触れることは非常に重要ですね。

ひとかどの人を観察してみると「一番いいもの」や「本物」に触れる機会が多いようですし、そのような機会を自ら求めているようです。

どの分野でも「一番のもの」「本物」がありますので、まずは、その「一番のもの」「本物」を見つけて、身に付けておくことですね。

この「一番のもの」「本物」という軸がしっかりしていれば、その他のどのようなものに触れようとも、びくともしないと共にその他の事柄をすべて生かしていけると思われます。

歌舞伎役者が映画に出たり、洋物の演劇に出たりしても、歌舞伎の中での「一番のもの」「本物」を身に付けている役者は、映画、洋物の演劇をすべて自分の中で消化し、歌舞伎にも生かし切っているように思えます。

このことと同様に、自分にとっての「一番のもの」「本物」を身に付けておけば、何事にも応用がきき、消化もでき、自分の本業や自分のフィールドでの仕事に生かすことができるでしょう。

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松本幸四郎「私の履歴書」

「演劇は総合芸術だというが、それは一つの知識しか持っていないスタッフ、キャストを10人集めることではない。一人の中に10の知識が詰まっている演劇人を10人集めるということだ。役者一人一人が演劇人としての素養をあふれるほど持っていなければ舞台に厚みが出てこない」(松本幸四郎「私の履歴書」日本経済新聞 平成23年12月31日付)

歌舞伎の舞台を拝見し思うことは、同じ演目であっても演じる役者によって、舞台の厚みが違うということです。

端的に言えば、坂田藤十郎丈、尾上菊五郎丈、松本幸四郎丈、片岡秀太郎丈の舞台には厚みがあると同時に花があります。

歌舞伎の面白さを堪能させてくれる舞台です。

ひと月の興行で何度か拝見してしまうほどです。

坂東玉三郎丈の舞台には、厚み、花があると同時に、緊張感があります。

ピンと張りつめた空気があります。

他の役者にはないものですね。

また、今年お亡くなりになった中村富十郎丈、中村芝翫丈の舞台も厚み、花、品がありました。

観ていてほっとするような感じを与えてくれます。

充実したものがありました。

松本幸四郎丈が言うように一つの知識しかない人間の寄せ集めではなく、10の知識を持っている人間の集合体がよい演劇を生み出します。

舞台を拝見すると一目瞭然です。

特に、主役だけでなく、脇役、端役の役者の方が充実している場合、その舞台は素晴らしく、主役が一段と引き立ちます。

そうでない場合、いまいちですね。

ましてや、主役の役者の芸がパッとしない場合、その舞台には何の価値もありません。

歌舞伎において、時折、そのような舞台があるので残念です。

花形歌舞伎で若手の歌舞伎役者の舞台も、厚みがあり花のある舞台を期待して拝見しています。

これからもいい舞台を拝見していきたいと思います。

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2011年12月30日

『坂田藤十郎 歌舞伎の真髄を生きる』

「かつて私が一流の先生がたに教えていただいた「これが絶対だ」と思えるようなものを身につけることが歌舞伎役者にとっての必要条件だと思います」(坂田藤十郎『坂田藤十郎 歌舞伎の真髄を生きる』世界文化社 154頁)

歌舞伎役者と同様、それぞれの分野において、「これが絶対だ」と思えるようなものを身に付けることが必要です。

「これが絶対だ」というものは、難しいものや込み入った複雑なものではなく、基礎的なもの、基本的なもの、中心的なもの、根本的なもののことと思われます。

どの分野でも「これが絶対だ」といえるものがあり、それを「一流の先生」から学ぶのが一番良いでしょう。

ただ、坂田藤十郎丈のように「一流の先生」が身近にいればいいのですが、ほとんどの人にとって「一流の先生」との接点はないというのが現状です。

同時代を生き、近い空間で生きている「一流の先生」はいないかもしれませんが、時代の制限、空間の制限を超え、有史以来の全世界から「一流の先生」を探し出せばよいでしょう。

その際、手掛かりになるのが書籍等です。

この有史以来の全世界からの書籍群から、自分にとっての「一流の先生」を探し出し、その「一流の先生」から「これが絶対だ」というものを、じっくりとみっちりと学び、基礎をたたき込んでおけば、どのような状況でも柔軟性をもって生きていけるものと思われます。

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京鹿子娘道成寺

歌舞伎舞踊の中で上演回数が多く、人気もあるのが「京鹿子娘道成寺」です。

これまで舞台においては、合計9回、拝見しました。どの舞台も素晴らしいものでございました。

大阪松竹座 坂田藤十郎(平成18年7月)(2回)

京都南座  中村勘三郎(平成18年12月)(1回)

歌舞伎座  坂田藤十郎(平成20年3月)(3回)

博多座   坂田藤十郎(平成20年6月)(3回)

DVDでは、坂東玉三郎の「京鹿子娘道成寺」があり、よい出来でありました。

今後も「京鹿子娘道成寺」を拝見したいと思っています。

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ゲーテ「処世のおきて」

ゲーテの「処世のおきて」という詩は、その題名の通り、いかに世の中を生きていくかを明確に示してくれています。

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処世のおきて

気もちよい生活を作ろうと思ったら、

済んだことをくよくよせぬこと、

めったに腹を立てぬこと、

いつも現在を楽しむこと、

とりわけ、人を憎まぬこと、

未来を神にまかせること。

(『ゲーテ詩集』高橋健二訳 新潮文庫)

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この詩では、過去、現在、未来に関してどのように処していくべきかを指摘してくれています。

過去「済んだことをくよくよせぬこと」

現在「いつも現在を楽しむこと」

未来「未来を神にまかせること」

また、感情面については、2つ指摘しています。

「めったに腹を立てぬこと」

「とりわけ、人を憎まぬこと」

たった数行の詩でありながら、処世のおきての全てが網羅されているようです。

この詩の通り実践できれば、気持ちよい生活となるでしょう。

特に、最後の「未来を神にまかせること」は、潔さを感じさせます。

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西條八十「ぼくの帽子」

西條八十の詩に「ぼくの帽子」という詩があります。

森村誠一の『人間の証明』に出てくる詩であり、『人間の証明』は角川映画で映画化もされましたのでご存知の方も多いと思います。

情感豊かな詩であり、イメージが湧いてきます。

いかにも自分がその場にいるような錯覚に陥ります。

そして、母子間の愛情も豊かに描かれています。

暖かみもありますが、切なさも感じさせます。

いい詩ですね。

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ぼくの帽子   西條 八十

母さん、僕のあの帽子どうしたでしょうね?
ええ、夏、碓氷から霧積へゆくみちで、
谿底へ落したあの麦稈帽子ですよ。

母さん、あれは好きな帽子でしたよ、
僕はあの時、ずいぶんくやしかった、
だけど、いきなり風が吹いてきたもんだから。

母さん、あのとき、向から若い薬売が来ましたっけね。
紺の脚絆に手甲をした。
そして拾おうとして、ずいぶん骨折ってくれましたっけね。
けれど、とうとう駄目だった、
なにしろ深い谿で、それに草が
背たけぐらい伸びていたんですもの。

母さん、ほんとにあの帽子、どうなったでしょう?
あのとき傍に咲いていた、車百合の花は
もうとうに、枯れちゃったでしょうね。そして
秋には、灰色の霧があの丘をこめ、
あの帽子の下で、毎晩きりぎりすが啼いたかも知れませんよ。

母さん、そして、きっと今頃は、 今夜あたりは、
あの谿間に、静かに雪が降りつもっているでしょう、
昔、つやつやひかった、あの以太利麦の帽子と、
その裏に僕が書いた
Y・Sという頭文字を
埋めるように、静かに、寂しく。

(『名作童謡 西條八十100選』上田信道編 春陽堂書店 117頁〜119頁) 

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この詩を読んでいくと、本人でもないにもかかわらず、帽子はどこへ行ったのだろうかと思いに耽ってしまいます。

一行目から引き込まれます。

その後、冷静な感じで帽子のことを説明しているところは、知性的な風情を感じさせます。

帽子をなくして悔しかったとの感情もあらわにしながら、帽子をなくしたのは風がいきなり吹いてきたせいであり、どうしようもなかったとしているところなど、諦観した雰囲気もあります。

帽子を探してくれた若い人のことに触れながら、やはり、帽子は見つからなかったと再び諦観の風情があらわれます。

どこかへ行ってしまった帽子と共に移り変わりゆく夏、秋、冬の季節を情感豊かに美しく述べます。

最後は、静かに、寂しく、との言葉で、それこそ、静かに、寂しくという感覚を読者に強く印象付けながら、この詩を締めくくっています。

何とも言えない風情、雰囲気、感覚がある不思議な詩です。

魅力的であると共に魅惑的ともいえましょう。

そして、美しい日本語です。

日本の中にはこの詩のように美しいものがたくさんありますので、ひとつひとつ見つけていきたいですね。

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十界互具(生命状態の変化)

十界(地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人界・天界・声聞界・縁覚界・菩薩界・仏界)は、それぞれ別々に存在しているというのではなく、それぞれの界にまた十界があります。これが十界互具ですね。

固定的ではなく流動的なものと考えると分かりやすいでしょう。

日々刻々、生命状態は変化しますが、いかようにも変化するということです。

ずっと一緒の状態ではありえないということです。

日蓮は、「観心本尊抄」において、それぞれの界が十界を具えていることを「法華経」を通して明らかにしています。

@ 地獄界「提婆達多乃至天王如来」(提婆達多品)

A 餓鬼界「一を藍婆と名け乃至汝等但能く法華の名を護持する者は福量るべからず」(陀羅尼品)

B 畜生界「竜女乃至成等正覚」(提婆達多品)

C 修羅界「婆稚阿修羅王乃至一偈一句を聞いて・阿耨多羅三藐三菩提を得べし」(法師品)(序品)

D 人界「若し人仏の為の故に乃至皆已に仏道を成ず」(方便品)

E 天界「大梵天王乃至我等も亦是くの如く・必ず当に作仏することを得べし」(譬喩品)

F 声聞界「舎利弗乃至華光如来」(譬喩品)

G 縁覚界「其の縁覚を求むる者・比丘比丘尼乃至合掌し敬心を以て具足の道を聞かんと欲す」(方便品)

H 菩薩界「地涌千界乃至真浄大法」(神力品)

I 仏界「或説己身或説他身」(寿量品)

十界互具の勘所は、どの界の状態であっても「仏界」に繋がっていることを強調することにあります。

しかし、このことは、どの界の状態であっても「地獄界」に繋がっていることでもあります。

注意しなければなりません。

変化変化の連続の中で自身のあり様を如何にするか。

固定的に物事を考えずにフレキシブルに物事に対処していきたいですね。

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posted by lawful at 15:36| 十界論

2011年12月29日

ブログの心得

ゲーテは文章を書く心得を以下のように述べています。

「百万の読者を期待しないような人間は、一行だって書くべきではないだろうね」(エッカーマン『ゲーテとの対話』(上)山下肇訳 岩波文庫 203頁)

実際に読者がほとんどいなくても、百万の読者に向かう心意気で文章は紡ぐべきでしょう。

そして、いずれは、百万の読者を得るように日々精進という姿勢が好ましく思われます。

もちろん、あまり肩に力が入りすぎてもよくありませんので、ほどよく、リラックスした感じで文章を紡いでいきたいですね。

ゲーテのこの言葉を、ブログの心得としておきたいと思います。

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本音の中小企業経営・弱者の戦略

「世の中に紹介されている情報の9割は大企業のもの。大企業経営者でないあなたは、それをあなたのビジネスに適用してもムダである」(竹田陽一『小さな会社・儲けのルール』フォレスト出版 30頁)

手厳しいですが、その通りですね。

「日本経済新聞」等で大きな経済の流れを理解することは必要でしょう。

しかし、「日本経済新聞」等の情報は大企業中心であり、中小企業関係者がビジネスに活用するにはあまり役には立ちません。

「日本経済新聞」を読んでいて、大企業関係者でもないため、ビジネスに関しては役に立ちそうもないなと疑問に思っていましたが、これほどまでにはっきり言っていただくとすっきりします。

「日本経済新聞」は、経済全般を理解するためや株式投資のために読むものだと目的をはっきりさせれば意味があります。

自分のビジネスに関連する情報は、自らが努力して見つけることですね。

本書においては、「時間」に関しても興味深い指摘をされています。

「凡人は、長時間労働しないと、何事も成し遂げることができません」(同書 256頁)

これもはっきりしたもの言いです。すっきりしますね。

著者によると、1日の労働時間を7時間とした場合、人の2倍働くには、7時間の2倍ではなく、√2をかけて、約10時間働けばよいといいます。

実際は、1日の労働時間は8時間でしょうから8時間で計算してみましょう。

人の2倍働く場合、8時間×√2=約11時間

人の3倍働く場合、8時間×√3=約14時間

人の4倍働く場合、8時間×√4= 16時間

人の2倍、3倍働くといっても、24時間を超えるわけでもなく、できないことはありません。

「普通の人が、人にできないものを身につけるには1万時間は必要でしょう」(同書 257頁)とも指摘します。

ある一定の時間は必要ということですね。

それも長時間です。冷静に考えれば、何かを身に付ける際、短時間でできるわけはありません。

当たり前のことを当たり前に理解することですね。

最低限の努力をした上で、効率は生きてくることでしょう。

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