仏教において、生命の状態を10種類に分類したのが十界論です。
自分の生命状態がどのような状態かを把握する際に参考になる知見です。
自分自身を客観視することができます。
@ 地獄界 何事に対しても苦しむ最低の生命状態です。
怒りの状態に囚われているという特徴があります。
A 餓鬼界 欲望にまみれており、その欲望が満たされていない生命状態です。
人のものをむやみに欲しがるという特徴があります。
B 畜生界 獣と同レベルの本能のままの生命状態です。
何が正しいか間違っているかの判断ができず、強い者には媚び諂い、弱い者をいじめるという特徴があります。
C 修羅界 争いや競争を好み、勝とう勝とうと焦っている生命状態です。
勝ち負けにこだわりすぎ、表面を繕うことことに熱心で、心がひん曲がっているという特徴があります。
D 人界 通常の穏やかな生命状態です。
物事の判断が正しくできるという特徴があります。
E 天界 欲望が満たされ喜んでいる生命状態です。
ただし、その喜びもそう長くは続かず、ほどなくして消えてしまうという特徴があります。
F 声聞界 物事を聴き理解する学識のある生命状態です。
知識人、学者、評論家、文化人と言われるような人々をイメージすると理解しやすいでしょう。
G 縁覚界 感覚が優れ、縁によって独自に道を切り開いていける生命状態です。
画家、音楽家などの芸術家や、プロスポーツ選手などのアスリートなどの人々をイメージすると理解しやすいでしょう。
H 菩薩界 自らを磨きながら、人のため、社会のために貢献しようとする生命状態です。
家族のために家事等を行う主婦などの人々や社会において仕事をしている人々が該当するといえるでしょう。
I 仏界 最高、完全な悟りの生命状態です。
どのような状況であっても自由自在であり、強運をも兼ね備えた状態といえるでしょう。
仏教ですから目指すべき状態は仏界ですが、なかなか仏界に至るというのは難しいものです。
また、仏界だけに囚われるのではなく、十界すべての生命状態を活かしていくという姿勢の方が重要です。