「かつて私が一流の先生がたに教えていただいた「これが絶対だ」と思えるようなものを身につけることが歌舞伎役者にとっての必要条件だと思います」(坂田藤十郎『坂田藤十郎 歌舞伎の真髄を生きる』世界文化社 154頁)
歌舞伎役者と同様、それぞれの分野において、「これが絶対だ」と思えるようなものを身に付けることが必要です。
「これが絶対だ」というものは、難しいものや込み入った複雑なものではなく、基礎的なもの、基本的なもの、中心的なもの、根本的なもののことと思われます。
どの分野でも「これが絶対だ」といえるものがあり、それを「一流の先生」から学ぶのが一番良いでしょう。
ただ、坂田藤十郎丈のように「一流の先生」が身近にいればいいのですが、ほとんどの人にとって「一流の先生」との接点はないというのが現状です。
同時代を生き、近い空間で生きている「一流の先生」はいないかもしれませんが、時代の制限、空間の制限を超え、有史以来の全世界から「一流の先生」を探し出せばよいでしょう。
その際、手掛かりになるのが書籍等です。
この有史以来の全世界からの書籍群から、自分にとっての「一流の先生」を探し出し、その「一流の先生」から「これが絶対だ」というものを、じっくりとみっちりと学び、基礎をたたき込んでおけば、どのような状況でも柔軟性をもって生きていけるものと思われます。