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2020年09月22日
仏の智慧の把握の仕方
其智慧門 難解難入 一切声聞 辟支仏 所不能知
其の智慧の門は、難解難入なり。一切の声聞、辟支仏の知ること能わざる所なり。
妙法蓮華経 方便品第二
仏の智慧の門は、入り難いという。甚深無量という智慧なのですから、そう簡単に入ることはできないでしょう。
どれほど入り難いのかというと、声聞、縁覚(辟支仏)の位にある人間でも理解できないほどの難しさという。
声聞、縁覚とは、所謂、二乗と呼ばれる人々のことですが、端的に言うと、知識層であり、芸術方面においても優れた感性を持った人々であり、世の中で一番聡明で、物事の是非を見抜く力のある人々といえます。最高の知性、芸術的センスをもってしても、仏の智慧の門に入ることができないとは、相当な智慧と言わなければなりません。
まず、我々としては、仏の智慧がそこら辺の智慧とは次元が違うということを把握することですね。大変な智慧であるということを認識すべきでしょう。
その上で、知性の面で第一級の人間ですら理解できない仏の智慧であっても、我々は、それを強い信仰でもって獲得するのだという覚悟が必要ですね。何のための信仰か。それは、仏の智慧を得て、自らの仏を開くためですから、声聞、縁覚クラスの人間が理解できないから凡夫が理解できるわけがないという一般的なものの考え方の次元に留まるのではなく、信仰の次元でもって、仏の智慧を得るべきでしょう。ポイントは、信仰の次元で物事を進めることですね。自分の頭の中だけで処理できる事柄はわずかといってよいでしょう。仏の智慧の次元は、信仰の次元をもってしか把握できないといえます。
まずは、信仰が大切ですね。その信仰も、自分が仏の智慧を得ることができるという絶対的な自己肯定の信仰である必要があります。なんとなくの信仰ではなく、強い揺るぎのない信仰でなければ意味がありません。信力、行力とは、よくいったものですが、信仰には、力が必要です。力のない信仰は、信仰とはなり得ないといえましょう。
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2020年04月04日
諸仏智慧 甚深無量
爾時世尊 従三昧 安詳而起 告舎利弗 諸仏智慧 甚深無量
爾の時、世尊は、三昧従り、安詳として起ちて、舎利弗に告げたまわく、
諸仏の智慧は甚深無量なり。
妙法蓮華経 方便品 第二
法華経において、世尊の台詞が初めて出てくるところですね。
法華経の序品において、世尊が大乗経を説いた、とはありますが、具体的な台詞は示されていません。
よって、方便品において、世尊の説法が具体的に始まったといってよいでしょう。
世尊が話しかけるのが舎利弗です。舎利弗は、十大弟子の中でも智慧第一とされる高弟であり、その舎利弗に対し「諸仏の智慧は、甚だ深く無量である」というのですから、諸仏の智慧というものは、我々が考えている次元を超えているとみてよいでしょうね。
諸仏ということですから、複数ですね。たった一人の仏ではないということです。ここがキリスト教などの一神教との違いですね。
たくさんの仏がいるということは、様々な個性を持った仏がいるということであり、多様性が感じられます。
また、仏の願いが、衆生を仏にすることであることからすれば、我々も、この諸仏の仲間に入るべきといえましょう。
ただ、智慧が足りないならば、仏になり得ませんので、甚だ深い無量の智慧を得なければなりませんが、そうなりますと、仏への道は、果てしなく、到達できない感覚になりますね。
甚深無量とまで行かなくとも、少なくとも智慧者にはなるべきでしょう。この方便品の文からも分かるように、仏教は智慧の法門です。智慧を主軸に信仰を行うことですね。
単なるおすがり信仰ではなく、仏にすべてを頼るのではなく、自らの内側から智慧を湧き出させるのが仏教のあり方であり、その智慧は、際限がなく無量であるというのが方便品のメッセージですね。とことんまで智慧を出していく、それも止めどなく出していくというのが仏教信仰者のあり方といえましょう。
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