爾時世尊 従三昧 安詳而起 告舎利弗 諸仏智慧 甚深無量
爾の時、世尊は、三昧従り、安詳として起ちて、舎利弗に告げたまわく、
諸仏の智慧は甚深無量なり。
妙法蓮華経 方便品 第二
法華経において、世尊の台詞が初めて出てくるところですね。
法華経の序品において、世尊が大乗経を説いた、とはありますが、具体的な台詞は示されていません。
よって、方便品において、世尊の説法が具体的に始まったといってよいでしょう。
世尊が話しかけるのが舎利弗です。舎利弗は、十大弟子の中でも智慧第一とされる高弟であり、その舎利弗に対し「諸仏の智慧は、甚だ深く無量である」というのですから、諸仏の智慧というものは、我々が考えている次元を超えているとみてよいでしょうね。
諸仏ということですから、複数ですね。たった一人の仏ではないということです。ここがキリスト教などの一神教との違いですね。
たくさんの仏がいるということは、様々な個性を持った仏がいるということであり、多様性が感じられます。
また、仏の願いが、衆生を仏にすることであることからすれば、我々も、この諸仏の仲間に入るべきといえましょう。
ただ、智慧が足りないならば、仏になり得ませんので、甚だ深い無量の智慧を得なければなりませんが、そうなりますと、仏への道は、果てしなく、到達できない感覚になりますね。
甚深無量とまで行かなくとも、少なくとも智慧者にはなるべきでしょう。この方便品の文からも分かるように、仏教は智慧の法門です。智慧を主軸に信仰を行うことですね。
単なるおすがり信仰ではなく、仏にすべてを頼るのではなく、自らの内側から智慧を湧き出させるのが仏教のあり方であり、その智慧は、際限がなく無量であるというのが方便品のメッセージですね。とことんまで智慧を出していく、それも止めどなく出していくというのが仏教信仰者のあり方といえましょう。
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