そし【祖師】
最初に教えを垂れた人。宗派の開祖。特に、禅宗で達磨、日蓮宗で日蓮のこと。「お―様」
祖師、開祖というところで、例として、日蓮が上げられていますが、やはり、祖師、開祖にふさわしい人物とみなされているということでしょうね。それだけ、強烈な印象を与えた人物ということでしょう。
せっかくですから、仏教関連の語句を引いてみました。
まんだら【曼陀羅・曼荼羅】
@色彩があざやかな絵図。「愛欲―」▽(2)の転。
A〔仏〕仏の悟った境地や、その境地に備わる功徳を絵にしたもの。また、悟りのための道場や壇。▽梵語。
通常、曼荼羅は、上記の説明の通り、絵や図のことを表わします。ただ、日蓮の曼荼羅は、絵や図ではなく、文字なのですね。文字曼荼羅となっています。
文字によって、仏の悟った境地を表わし、仏の境地に備わる功徳を表わしています。
また、文字曼荼羅を掛けるところは、道場や壇となります。壇ということですから、「戒壇」であるわけですが、岩波国語辞典で引いてみましょう。
かいだん【戒壇】
〔仏〕僧尼となる者に戒を授けるために作った壇。
戒を授けられる場が戒壇ということですね。
文字曼荼羅を掛けたところが戒壇となり、その場で勤行、唱題を行う者は、戒を授けられていると考えてもよいでしょう。
その後、我々としては、どうあるべきか。再び、岩波国語辞典を引いてみましょう。
はらみつ【波羅蜜】
〔仏〕迷いの世界である此岸(=俗世)から仏陀の悟りの境地である彼岸に至ること。仏になるための菩薩の修行。▽梵語。「波羅蜜多」とも言う。
戒を授けられただけでは、仏の次元に至りませんので、仏の次元に至るよう修行をしなければなりません。
それも菩薩の修行というわけですね。この菩薩の修行を行うことを波羅蜜という。
そして、波羅蜜は、仏の次元に至ることも表わしており、まさに、波羅蜜を行い、波羅蜜であるべきということです。
仏教信仰において、根本の目的は仏の次元に至ることです。波羅蜜を外して仏教信仰はあり得ないですね。