サノさんは居酒屋Sで知り合った。そこでは多くの人と知り合ったが、ほとんど遅い時期だったか。それでも3年くらいは週に1,2度来ていたように思う。あっ、途中に単身赴任があったか。
上場企業の執行役員、色んな話をした。酔うと我が出て目が座る人だった。
それでも仲良く楽しく一緒に時間を過ごした。
昨日、地下鉄のエレベーターを上がり信号を渡ろうとすると向こうから歩いてきた。大きな体は相変わらずだ、やはり少し老けたか。なんか周りと違うなと思ったらマスクを一人だけしていない。
サノさん!と声をかける。サノさんも気づいていたようだ。道端でオバサンのように近況などを立ち話する。
前はいつ会っただろう。確か家の前だ。サノさんは駅から僕の家を通って5分くらいのマンションだ。その前は地下鉄の車中で会った。定年後も長く仕事を続けていた。70歳位まで仕事をしたのではないか。
僕の身に起きたことは知っている。何とか普通に見えるよう努力していることを伝える。
今は何をしているの?と聞くと、毎日ヒマで歩いているという。飲みに出かけることもなく、家飲みだという。コトバコトバに“ヒマだから”が出る。
次の日の予定のない毎日ってそうなのかもしれない。
自分が仕事を辞めた後のことは何度も想像している。
故郷に戻ることは決めている。受傷前は、図書館とジム、平日に2回くらいゴルフと思っていた。いや、ゴルフは1日おきでもいいかとも。
受傷後も何度も考える。一人でゴルフは無理かな。前は一人で知らない人と廻っても、それなりのゴルフができた。知らない人と廻ってもすぐ仲良くなれただろう。今はそんな実力はない。
「前はダウンブローで打って、バックスピンをかけて…、でもケガで…」など言いながらゴルフはしたくない。友達とやるくらいだろう。
毎日ジム。これもどうだろう。無駄に筋肉が付きそうだ。図書館、ページをめくるのがイラつく手になってしまった。
毎日デイトレで過ごすか。いや、そんな才覚もない。先週買った株だけで5,6万マイナスだ。
何か仕事といっても、どうだろう。安い給料で働きたくないという変なプライドや、身体を使う仕事は無理だろうというネガティブな気持ちになる。
その時にならないと解らないだろう。気力と体力というが、それに身体の調子が加わる。今できることは元通りの身体にどれだけ近づけられるかだろう。
明日、ウチの会社の一人が定年退職で最終出社になる。60歳だ。継続雇用の制度はあるが、定年後の仕事の処遇が気に入らなく退職する。仕事は何かやりたくて探しているようだが、何も決まっていないという。
身体の調子は月曜ほど好調ではないか。だが不調ではない。適度な痺れ、適度な疼痛。適度であれば脳は異常だと反応しないようになっている。
しっかり歩けた感覚も、少し“浮いた”ような感覚になる。昨日の“締まった”感覚と何の要因でかわるのかを解明することが必要だ。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image