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2018年05月27日

副業解禁に関する所感:会社側の建前や私の考え



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副業に関する事実

 今回は個人的にかなり注目している、副業(兼業)の話題です。
 ちょうど先日、国会でも大筋合意となったニュースがありました。

  ・働き方法案修正で合意 自公維希、21日夕にも正式決定 (日経新聞)


 まず事実として、日本政府は副業を推進しようとしています。
 その証拠の一つが、就業規則のガイドラインの変更。

 「会社の許可なく起業し、または他社の業務に従事しないこと」
 という就業規則のモデルが、
 「勤務時間外であれば、他社の業務に従事することができる」
 と変わりました。

 このモデル就業規則の変更で、政府としては「企業で副業を容認しているのは15%」という現状が変わる
 ことを期待しているようですが、一筋縄ではいかないでしょう。
 当たり前ですが、会社の本音は副業なんてやってほしくないからです。

 20180521ETC1.png
 (http://www.chusho.meti.go.jp/koukai/nyusatsu/2016/161128kengyo1.pdf より引用)

会社側の建前と私の意見

 本音はともかく、会社側が副業を肯定しようとしない建前は以下のようなものがある、と思っています。
 (他にも何かあるかもしれませんが・・・)

  @本業が疎かになる

  A情報が漏洩する恐れがある

  B長時間労働に繋がる



 このうち@は、そもそも会社の管理能力の無さを露呈している言い訳です。
 本業が疎かになれば、その分評価を下げ、給与を下げればいいだけのことでしょう。
 ただし、給与を下げるというのはそれ相応の証拠が求められます。
 しかしそれは、労務管理や目標成果管理をきっちりやっていれば可能なことのはずです。

 労務管理や目標成果管理は会社側の問題であり、労働者の自発的な取り組みを求めるものではありません。
 これらの事がマトモにできていない会社が、その責任を「本業を疎かにしないこと」という曖昧なルールで
 社員に転嫁しているに過ぎないわけです。

 極言、懲戒や処分と引き替えにするのなら、社員には「仕事をサボる」という選択肢があります。
 そして、仕事をサボってもバレない状態、もしくはバレてもろくな懲罰がない状態においては、当然ながら
 「仕事をサボる」という選択肢は最適解となってしまいます。
 これをどう防ぐかは、会社側が自らの責任と負担で考えるべきものでしょう。


 Aはもっと簡単です。
 「副業しようがしまいが、情報漏洩のリスクはある」で終わりでしょう。
 私見ですが、日本の多くの会社では「情報漏洩はどうしたって起こる」という見地が欠けています。

 「情報漏洩をしないように」などと呼びかけても、リスクリターンの天秤が傾けば情報を売る人はいます。
 「ペナルティと引き替えに、社員には情報漏洩する選択肢がある」のです。
 漏洩を防ぐ仕組みや抑止する方策が重要なのですが、これらは会社側の負担になることなので、できれば
 そんな費用や工数はかけたくない。
 だから、「情報漏洩をするな」とただ精神論で呼びかけるだけなのだと思います。


 最後にBについて。
 これは確かにその通りですが、そもそも会社側が考えることでもないでしょう。
 また、残業代を確実に支払っているのならともかく、少しでもサービス残業を社員に強いている会社が
 こんな事を言っても、「お前が言うな」で終わりです。

 確かに、複数の会社に雇用されるケースでは、残業管理や労災などの法整備が未熟です。
 これについては今後、きっちり協議していく必要があるでしょう。
 ただ、「副業をしない」という選択肢が常にある以上、長時間労働に伴う弊害は労働者側の責任です。


 ということで、Bについては労働者側の問題ですが、@とAは単なる会社側の甘えです。

 (業種にもよりますが)例えば私の勤めている製造業の会社では、国際競争に打ち勝つため、という名目で
 全く余裕のないヒト・モノ・カネの配備をしています。
 そんな状況では副業など言語道断と経営層が考えるのは当然で、また、そういう考えは会社の風土や空気に
 如実に反映されることになります。

 それは必ずしも悪いとは言えないかもしれません。
 ですが、そういった考え方は、人間である前に会社人である事を強いる考え方です。
 それは、「時間と金の交換作業」という仕事の本質を忘れた、ただの傲慢でしかありません。


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副業に対する考え方

 副業解禁に揺れているのは、会社だけではありません。
 ネット上にある各種の記事も賛否両論。
 投資関連のコラムニストの記事を読んでいると、その当人のスタンスが良く分かって面白いです。
 
 確かに、副業をするかしないかは各個人に委ねられています。
 しかし、国がこの方針を打ち出した以上、世の中はこちらに進んでいく可能性が高いでしょう。
 となれば、副業・兼業が推進されると仮定して戦術を練った方が、勝率は高くなるということです。

  ・日本全体で人手不足が言われる中、人的資源の活用
  ・本業の給与が伸びない中、貧困による国家予算とセーフティネットの消耗を防ぐ
  ・日本経済発展の手段、(+税制アップの手段)
  ・年金の後ろ倒しによる無収入期間への対応策


 副業・兼業を推進する理由(建前と本音が混ざっていますが)は、ちょっと考えてもこれだけあります。
 また会社員の立場からしても、今勤めている会社が10年後どうなっているかわからない以上、会社に対し
 過度に依存するのは危険です。
 もしくは会社はあったとしても、今の業務が10年後に無くなっている可能性は高いでしょう。
 そうなってから始めて対応策を考えても、うまくいくとは限りません。


 何か副業推進セミナーの講師のような内容ですが、以上が副業肯定派としての私の考えです。
 付け加えるなら、どうせ副業をするのなら、本業とは違う雇用形態がいいのではないかと思います。
 本業で雇われて、副業でも雇われているのでは面白くないでしょう。

 雇われではどうしても責任がありますし、時間的拘束もあります。副業として選ぶなら、自分の好き勝手に
 できる自営業、もしくはフリーランサーの働き方がいいのではないか、と思います。


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この記事へのコメント
inadak 様
会社が社員の生活を保障できないのはその通りなのですが、日本の場合はかつて終身雇用・年功序列の時代は確かにあったわけで、それが崩壊しているにも関わらず、その当時と同等の忠誠を社員に求めている会社が多いのが問題なのだと思います。
あと、公務員を増やすのはなんとなくギリシャの二の舞になりそうなので、私はどちらかと言うと反対します。むしろ根幹のサービス以外は民間委託をするべき、という考えを持っています。

労働所得超えはすごいですね。私の場合、まだ副業が労働所得を超えてはいません。
もう少し頑張れば何とかなる気もしますが、そもそも頑張らないために副業を始めているのに頑張ったら本末転倒なので、このままで流れに任せようと思っています。
Posted by SALLOW at 2018年05月28日 09:11
そもそも論として、
余程余裕のある会社でない限り従業員の生活なんて保障していませんから、
どうしても副業がけしからんというならば、
日本人を全員公務員にすればいいんですよ。
それも嫌というから、
投資や不動産等で自分で食っていくやつが現れるのでは ?
私もその一人ですけれどもね。
私の場合、不労所得が労働所得を超えるまで時間がかかりましたけどね。
見事に、類は友を呼んでいますね。
Posted by inadak at 2018年05月27日 15:43
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