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2017年08月19日

新規クラウドファンディング業者の情報と推測(ビットリアルティ、GoAngel)



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情報源はLCレンディング社長のブログです

 先日、祝:累積募集金額100億円突破となったLCレンディング。
 その社長はお忙しいだろう中、毎営業日ブログを更新され、貴重な情報をシェアいただいています。

  ・融資型クラウドファンディング「LCレンディング」社長のblog

 その中で、近日中にサービスを開始する新規クラウドファンディング業者の話がありましたので、
 少し掘り下げて記事にしたいと思います。

 それにしても、最近は新規クラウドファンディング業者の話題が多く、全力投資している身としては
 選択肢が増えて喜ばしい限りです。
 このブログでも最近は、以下のようなクラウドファンディング事業者を記事として取り上げました。

  ・2017/07/30 「CAMPFIREレンディング」がサービス開始しました
   タイプ:暫定的に、融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

  ・2017/08/08 沖縄発 新ソーシャルレンディングサービス「Pocket Funding」
   タイプ:融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)

  ・2017/08/09 投資型クラウドファンディング「Sony Bank GATE」登場
   タイプ:投資型(応援型?)クラウドファンディング

@ビットリアルティ

 一つ目は、ケネディクスと野村総合研究所が協業して設立した「ビットリアルティ」です。

  ・プレスリリース (ケネディクス株式会社)

 クラウドファンディングのタイプは、「不動産投資型クラウドファンディング」
 これは、TATERU FUNDINGやクラウドリアルティと同じタイプです。

 (正確性を欠くかもしれませんが)不動産投資型のクラウドファンディングを分かりやすく言えば、
 値動きのないREITや不動産対象の投資信託へ投資するようなものです。

 不動産担保型のソーシャルレンディングと比較すると、不動産投資型のクラウドファンディングは
 以下のような違いを持つと考えています(間違いがあれば、指摘お願いします)。

  ・担保は存在しない代わりに、出資した物件を区分所有することになる
   →実際の不動産を区分所有するため、ある意味ではソーシャルレンディングよりも
    強固な保全と言えなくもない?

  ・実不動産への投資という性質上、ソーシャルレンディングと比べ運用期間は長くなりがち
   →リファイナンスという考え方もないため、運用期間の分散もできない。

  ・一方で、実不動産を所有するため、第三者への譲渡はソーシャルレンディングより簡単
   →不動産は「姿のあるモノ」なので、譲渡や相続はそれほど難しくはない

ビットリアルティの運営母体

 さて、このビットリアルティですが、まず運営母体はケネディクスと野村総合研究所ということで
 事業者そのもののリスクは限りなく低いと思われます。
 (ケネディクス:一部上場、資本金約400億円、時価総額1,400億円超、直近経常利益約100億円。
  野村総合研究所:一部上場、資本金約185億円、時価総額1.14兆円超、直近経常利益約600億円)

 ただ裏を返せば、これは「なんでわざわざクラウドファンディング?」ということでもあります。
 先ほどのプレスリリースで、新会社設立の背景は以下のように書いてありました。

 新会社設立により、専門家による目利きをもとに、従来は機関投資家に限られていた不動産への投資の機会を様々な投資家に提供する仕組みを創出します。
 さらに、地方創生や都市再生に貢献する可能性を秘めた不動産と、なにかを応援したいという、志のある投資家の資金をマッチングする仕組みを創出することで、個人金融資産の有効活用が進み、不動産市場の活性化につながると期待しています。

 つまり、「機関投資家」にはこれまでも投資の機会があったということです。
 それ以外の投資家に投資の機会を提供することは、私のような個人投資家にとっては嬉しい事ですが
 この2社にとってはどんなメリットがあるのでしょうか。

ビットリアルティに関するネガティブな推察

 以下は完全に、私の勝手な(ネガティブな)推察です。

 先のプレスリリースに、このような一文がありました。
 「これにより、投資家は賃料収入などのキャッシュフローを享受することができます」
 賃料収入など、とは言っていても、転売収益とは書いていません。

 これはもしかすると、不動産の転売収益そのものはこれまで通り会社と機関投資家で独占しておき、
 転売に比べて旨味が少なく、収益も安定せず、出口戦略も曖昧な賃料収入の部分だけ、個人投資家に
 クラウドファンディングという形で提供しようという、新手のマンション投資なのではないでしょうか?


 繰り返しますが、現時点では何の裏付けもない、言いがかりのようなものです。
 これからの展開と実際の案件に注目したいと思います。

AGoAngel

 二つ目は、株式型クラウドファンディング「GoAngel」
 FUNDINNOに続く、日本では二番目の株式型クラウドファンディング会社の登場です。

  ・プレスリリース (PR TIMES)

 DANベンチャーキャピタルが運営するクラウドファンディングの会社で、ベンチャー企業の未公開株式に
 出資を行い、首尾良く上場となればその恩恵を受ける事ができます。
 その特徴は一言。「ハイリスクハイリターン」。これに尽きます。

  ・そもそもベンチャーのうち、上場できる企業の割合は極めて少ない(1%以下では?)

  ・もちろん、担保は存在しない
   (出資の対価として未公開株は入手できるか、売れる市場が存在しない)

  ・ただし上場すれば、一攫千金のチャンスはある

GoAngelの運営母体

 DANベンチャーキャピタルの創業は2015年で、代表取締役は公認会計士/税理士の出縄良人氏。
 出縄氏はグリーンシート投資を主とした、ディー・ブレイン証券も創業されていました。
 (ちなみにグリーンシート制度は2018年3月で終了する事が決まっており、それに代わる非上場株式への
  金融アクセスの一つが、この株式型クラウドファンディングなのだそうです)

 なお、このディー・ブレイン証券は現在のクラウド証券(クラウドバンク)です。

  ・出縄良人氏 プロフィール (出縄公認会計士事務所 Webサイト)

  ・ごあいさつ(トップページ) (出縄公認会計士事務所 Webサイト)

 元クラウドバンクの役員であったという事実から一番心配なのは、クラウドバンクが2回の行政処分を
 受ける原因となった杜撰な管理体制の構築に関わっていたかどうか、だと思います。


 これについては確実な情報がなく、状況証拠のみになりますが、私の推測は
 「もしかしたら一部関わっている可能性はあるが、大きな責任はないのではないか」
 というものです。

 理由は、出縄氏がクラウドバンク役員であった期間です。
 2013年にクラウドバンクの代表取締役会長に就任、2014年に退任しています。
 一方でクラウドバンクが案件募集を開始したのは2013年の年末。これと前後する形で、日本クラウド証券の
 もう一つの柱であったグリーンシート事業は閑古鳥状態であったと推測されます。

 *少なくとも、2015年3月に日本証券業協会が公表した
  「グリーンシート銘柄の新規指定に関する考え方について」
  の後は新規の指定を行っておらず、ビジネスとしては成立していません。

 出縄氏が一貫してベンチャーキャピタル畑を歩んで来られた事と併せて考えると、日本クラウド証券が
 ソーシャルレンディングに舵を切ったタイミングで役員を退任されたと推定できるのではないでしょうか。
 であれば、当初は少し関わっていたかもしれませんが、その後の責任は軽いと考えられます。

株式型への投資は検討中

 プレスリリースでは8/3から投資家会員の登録も受け付けているという内容が書かれていましたが、
 現時点でWeb検索をしたところ、誰もが登録できるようなものは見つかりませんでした。
 *その代わり、企業側の問い合わせフォームはDANベンチャーキャピタル内にありました。

  ・【GoAngel】エントリーフォーム

 GoAngelは今後、9月中に2社の募集を開始し、18社が資金調達にエントリーしているとのことです。

 私は今のところ、株式型クラウドファンディングに投資するかどうかは決めていません。
 安定したインカムゲインが欲しくてソーシャルレンディング投資を始めたわけですので、ハイリスク・
 ハイリターンの極みのような株式型クラウドファンディングはニーズが合わないと感じています。

 いつかそのうち、本当に応援したい企業が出てくれば、その時は宝くじを買うようなつもりで投資を
 行うかもしれません。


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