2017年08月09日
投資型クラウドファンディング「Sony Bank GATE」登場
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今度は「購入型」クラウドファンディング業者です
直前の記事が「Pocket Funding」登場、というものだったのですが、まさか立て続けに新しい業者の
紹介をすることになるとは思いませんでした。
今回は私がメインで投資しているソーシャルレンディング(貸付型クラウドファンディング)ではなく、
「投資型」のクラウドファンディング業者です。
そのため、少し本ブログの守備範囲からは外れてしまうのですが、クラウドファンディング繋がりという
事で記事にさせていただきます。
・Sony Bank GATE
ソニー銀行がサービスをしていますので、運営母体の心配は無用でしょう。
(http://moneykit.net/visitor/sbg/ より転載)
クラウドファンディングを分類すると「寄付型」「購入型」「投資型」「貸付型」「株式型」の5種類に
分けられ、前の2つが「金銭的リターンを求めないもの」、後の3つが「リターンを求めるもの」に
なります。
このうち、「貸付型」クラウドファンディングがソーシャルレンディングと言われ、国内における
クラウドファンディングのうち、金額ベースで大半(7〜8割?)を占めます。
今回のSony Bank GATEは何らかの事業に投資し、その事業が成功すればリターンを受け取れるもの。
さらに、事業によっては金額的リターン以外にも製品を受け取れることもあります。
第一号案件
第一号案件は昨日、8/8にスタートしましたが、既に「一時停止」のステータスになっています。
残り投資口数もゼロになっていますので、これは当初予定金額を集め終えたということでしょうか。
(http://moneykit.net/visitor/sbg/ より転載)
スマートフォンやWiFiとの連携で、「赤外線リモコンが付いている家電」であれば、遠隔操作をする事が
できるIoT(Internet of Things)デバイス、とのことです。
今の暑い季節なら、家に帰る少し前に冷房をONにしておくなどの使い方ができそうです。
この機器のポイントは、「旧型の家電でも、リモコンさえあれば使える」という点だと思います。
IoTは確かに可能性を秘めていると思いますが、欠点として「最新家電への買い換えが必要になる」
という事が挙げられます。
IoTによる利便さと、最新家電への買い換えによる出費が天秤にかけられてしまうわけで、興味はあっても
そこまでの出費はしたくない層には刺さりにくく、結果として利用の裾野が広がらないと予想されます。
この「eRemote Pro」は、旧型家電とIoTの橋渡し役と呼べるのではないでしょうか。
投資条件は、1口5万円で会計期間は2018年7月末(およそ1年間)。
当初事業計画(その妥当性については明確ではありませんが)通りに売り上げた場合、投資額に対して
税引き前7.3%程度の利益が出るという計算です。
ただし逆に、当初計画の94%を切った場合は、出資金に損失が発生します。
この金銭的リターンとは別に、4口(20万円)ごとに、eRemote Pro完成品が1台もらえます。
物品の小売り予定価格は18,000円ですので、そのまま利率換算すれば年9%に相当します。
(製造者利益の乗っている小売り価格を、利率に換算することの妥当性は横においておきますが)
感想
ここまでの情報を基にした私の素直な感想は、
「これは投資とは呼べないな」です。
当然のことですが、モノになるベンチャーというのは全体のほんの一握り。
この案件がそうである保証はどこにもありません。
事業計画の妥当性は未検証、株式会社リンクジャパンがいくら出資するのかも公表されていません。
事業計画売上高は42,480,000円、ファンドの募集額は10,000,000円ですので、全額をファンドで賄おうと
いうわけではなさそうですが、詳細情報が公開されていないのは問題点です。
さらに、(あたりまえですが)担保も保証も設定されていません。
この状態で、20万円投資して事業計画を達成してもリターンは税引前7.4%+本体1個。
リスクに対して、リターンが釣り合っていないのではないでしょうか。
ですからこれは投資ではなく、応援ファンドだと思うべきです。
「どうせこの製品が出たら買う」という人なら、事業計画85.5%達成までであれば元本損害は¥18,000で
済みますので、製品を1台買ったと思えばいいでしょう。
私はこの製品にあまり魅力を感じませんので出資はしませんが、もし魅力を感じるような案件が出れば
その時は「応援するつもりで」出資を検討します。
投資型クラウドファンディングを広めるために
ソニー銀行がクラウドファンディングを始めたというのは大きなニュースだと思いますが、残念ながら
この案件で投資型クラウドファンディングが一気に広まるかと言うと、それは微妙だと思います。
本案件を貸付型に置き換えれば、投資商品としての魅力のほどは良く分かります。
「実績無し、無担保、無保証のベンチャーへ融資。無検証の事業計画通りなら、期間1年で年率7.3%」
この条件のソーシャルレンディング案件を募集したら、商品付きでも出資を集めるのは難しいでしょう。
「投資型」を名乗るのであれば、リスクに見合うリターンがある事が絶対条件です。
今後、投資型クラウドファンディングが大きく広がっていくには、「商品の魅力」や「意義」だけでなく
「リターンを得られる投資商品としての魅力」を追求していく必要があるのではないでしょうか。
もちろん、今のままの「投資型(と言いつつ、実は応援型)」を続けるのも、選択肢の一つです。
それでも一定の投資家は集まるでしょうし、一定の盛り上がりは見せるでしょう。
ただ、せっかくソニー銀行という大物がプレイヤーとして参加したのですから、これまでの延長ではない
投資型クラウドファンディングのブレイクの端緒となってもらえれば、と願います。
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posted by SALLOW at 12:50
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