2019年06月25日
「試験は水物」中小企業診断士の試験は更に水物!
中小企業診断士の一次試験まであと一か月強となった。受験生の皆さんはこの一年頑張ってきた成果をこの二日間で総てを発揮しなければならない。試験は水物で、努力したら必ず結果が出せるとは限らないもの。特にこの中小企業診断士の試験はそんなに甘いものではない。
試験範囲が広すぎてかなりの学習時間量が必要な試験で、運・不運も大きく関連してくる。この夏の暑い中、科目別で合格を狙っている人はともかく、2日間にも渡るきつい登竜門である。私が合格した翌年から科目別制度が導入されて、受験者の負担が軽減されているようだが、地獄のような試験制度しか知らない私は本当にこの2日間を苦労したことを覚えている。
関連性のない科目の組合せでもあり、試験が終わった時の疲労感は相当で、よく激しい運動をした時に起きる吐き気と同様な状態になる。事実、試験途中に気分を悪くして退場する人もいる。「行政書士」などは「法律系資格」という大きな括りで、憲法・行政法・民法・会社法などが試験問題となっているが、「中小企業診断士」は、経済学・財務会計・企業経営理論(経営戦略、組織戦略、マーケティング、労務管理)・運営管理・経営法務・経営情報システム・中小企業経営や政策といったように経営全般を体系的・理論的に学習させる試験であり、それぞれに深い知識ボックスが必要となる。
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私は科目別合格制度のなかった時に受験したので、7科目ある試験で1科目でも足切りされたら総てが水の泡だ。他の得意科目で余裕あるくらいの得点数を確保してもダメな残酷な試験である。
真夏の暑い真っ盛りにある試験本番。その日に合わせて最後の追い込みをする為の勉強に集中できる場所の確保にも苦労したものであった。私はまだ子供が小さくて家では落ち着いて勉強することができず、図書館や職場の休憩所を活用し、集中力を高めて勉強したものである。今から考えたら細切れ時間の一気集中させた学習の方が効果あったと思う。
「試験は水物」=その時の状況により変わりやすく予想しがたいものである。また「結果は下駄を履くまでわからない」で、自分の経験上、最後の科目である「中小企業経営・中小企業政策」を受ける前まで完璧で余裕点もあったのに、不覚にも最後の試験で落としてしまう考えられない事態に陥ったこともあった。
私が思うに、運営管理は生産管理と店舗・販売管理が中心となるが、店舗販売管理は普段の買い物などからも学習することも可能でイメージが湧きやすい。しかし生産管理などは工場などに勤務した経験を持つ人は少ないだろうし、座学だけでは中々頭に入らず、イメージも湧きにくく困難を極めるのではと思う。
イメージできなければ、IEの基礎となる「作業研究」に必要な「方法研究」や「作業測定」を理解するのは難しいし、当然に方法研究の工程分析や動作研究も理解できないと思う。「運営管理」は二次試験にもあるので、本来なら「IE手法」の基礎を頭に叩き込んだ上で応用しなくてはならないものだ。
この試験はやれば切りがないが、試験当日までに十分な学力と十分な精神状態を持って臨まなければならない。特に知識などは、一次試験は最後の最後までインプットをし続ける人も多いだろう。未練がましい一面もあるが、この試験が人生の大きな分岐点と不退転の決意で挑んでいる人が多いから最後まで粘るのも当然だと思う。
私も一度、経営情報システムの前に、教官に「参考書を片付けて下さい」と言われるまでぎりぎりまで粘って、記憶したキーワードが問題に出ており、ラッキーだった思い出がある。これを言い出したら切りがないが、1年に一度の試験、これまでの集大成にふさわしい試験にするには必要なことである。試験が終わって後悔するよりはマシであろう。
思い起こせばこの頃が一番勉強したと思う。頭の中に7段(昔は8段)の引き出しを準備し、広く深くの知識を格納していく作業は大変である。年齢を重ねるに連れ、忘却曲線の傾斜度合いが高まり、うまくイメージで捉えるんど右脳をうまく活用せねば、知識を入れても入れても引き出しに残っていないこともある。あれだけ時間をかけて記憶したのに記憶の仕方が悪く引き出しに残っていなかったら、時間をかけただけ無駄となり腹立たしいものだ。
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私の場合は独学だったから教材選定も苦労した。また電卓なしの財務分析にも戸惑った。でも一番やりがいがあった時期だったと思う。努力を重ねて結果的に時間は要したが、ビジネスマンが最も取得したい国家資格である「中小企業診断士」の資格も獲得できて苦労が報われる瞬間をみんなにも味わってもらいたい。
一次試験はマークシートだから試験後すぐに発表される各予備校の模範解答を見れば、自分の合否は分かるだろうが、二次試験は協会の発表までは分からず、その発表で自分の受験番号を発見した時の喜びは、受けたものしか分からないだろう。でもこれができるのも周りの人の協力があったからできた事で感謝の気持ちを忘れてはならない。
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