2019年03月27日
事業承継は事前準備が大切だ!
事業承継で急な相談があった。電気工事関係の会社で業歴20年、社長一代で年商8億円の会社に成長させ、堅実経営の効果で内部留保金も3億円ある会社だ。社長の希望はその3億円の内部留保金を使って5000万位の電気工事会社を2〜3社買収して経営基盤を盤石にして、後継者である息子にバトンタッチしたいとの事であった。社長の年齢が70歳と既に引退年齢だが、予定後継者は25歳と若い。高齢で出来た子は可愛いと言うが、甘く育てたのか年齢以上に中身が若い後継者であった。大学を卒業し、広告代理店に就職していたが、この度、現社長が肝臓を患い急遽、後継ぎとしてやってくれとの家族からの要請で連れ戻されたというよくあるパターンだ。畑違いの会社で仕事をしていたこともあり、実務能力も専門知識もない状態で入社することとなる。せめて会社を継ぐという覚悟と意欲を持って臨むように最初にあった時には伝えた。全く事業承継の準備をしておらず急なことである。もちろん準備が遅すぎる感は否めないがやるしかない。
後継者である息子は弱々しいイメージがあり、当然に自信もなさそうである。この調子でいきなり二代目社長だと紹介しても、従業員がついてくるはずがないし、周囲の協力が得られるとも思えない。また現社長の体調いかんではいつまで後継者教育ができるか先が読めず、現社長に不測の事態が発生しいきなり「明日から社長」をやってくれということになるかもしれないし悠長なことを言っておれない。
会社は現社長の番頭役として創業期から一緒にやってきた40歳後輩の幹部が二人いるので、運営自体は問題ないが、従業員・取引先・顧客・銀行(借入なし、決済のみの関係)など利害関係者とのことを考えたら、後継者としての紹介ができるように、ある程度の教育は必要なことは当然である。
後継者も幼い頃から「いつかは」と意識して育っていてだろうがこれが現実になるとちょっとビビってしまうものである。経営者としての器や資質がない子には尚更であろう子供だから継ぐのは当然と周りが見るかも知れないが、子供は相当なプレッシャーなのだ。たぶん自分なりに父の会社のことを心配はしていたと思うが、今の70歳はまだまだ若いとあまく考えていたのであろう。人間いつどうなるかわからないので不測の事態に備えて徹底した事前準備の必要性が分かったであろう。
事業承継で後継者には特に「経営ビジョン、継ぐ覚悟と意欲、実務能力、人間性」など認識することが重要である。だがこれら全てを兼ね揃えた後継者を期待すると不可能に近い。
じっくりと「父の後を引き継いで頑張ります」と利害関係者たちに胸を張って挨拶できるようにこれから事業承継計画を実施していきたいと思う。
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