2012年07月03日
変化
だいぶ、話が逸れてしまったようだ今は別になれそめを語りたいわけじゃない。
結婚してわかったのだが、実はそのBさんの家も、資産家というわけではないが、比較的裕福な家庭だった。彼女は結婚まで自分の親が経営する会社で働いていた。
結婚生活は平穏だった。やはり彼女は温厚な性格だったし、私を立ててくれる人だった。会話だって共通点が多い。二人の間には、結婚してすぐに子供ができ、無事に生まれてきてくれた。
子供が生まれてだんだんアクションを起こすようになると、夜更かししがちな私に、「パパにおやすみ言いなさい」とか言って子供に手を振らせる。正直幸せな家庭生活だった。仕事以外には、私は満たされるようになった。
「人間の幸せってこういうものだよな」
だが、やはりこの子のためにも、私が死んだ目をして仕事に行く姿を見せたくないと感じ始めていた。だんだんこの子も物心がつき、父親の様子を察するだろう。まだ1歳6か月にしかすぎない今でも、両親の表情を読み取るのだ。
親が怒っている時には反省の態度を示し、にこやかな時には、まさに天使のような顔で微笑む顔も、誰が見ても私にそっくりだと言う。事実、私の幼少の頃の写真と比べてもほぼ同じ顔をしている。親ばかだが、私はこの子がかわいくてかわいくてしょうがない。この子の誇れる父親になりたい。ますますそういう思いが強くなった。
私は日ごろ、市民からノミ・ダニ・シロアリ・ゴキブリみたいな言われ方をすることが多い。
そういや、つい最近もそんなドラマが始まった。
そんなに公務員が悪いのか?世の中、悪徳公務員はいるのかもしれないが、少なくとも真面目にやっている人はいる。いや、それが大多数だ。しかし、ちょっと公務員の不祥事が出ると、十把一からげに攻撃されることが多い。電話を受けると、その瞬間から怒鳴り散らす人もいる。こちらが一言も発する前に。
どうやら、一部の市民にとって、ここは何でも聞いてくれるストレス解消の場になっているようだ。そんな人たちばかりじゃないのはわかっている。でも、こういう電話を実際によく受けていると、みんなそう思ってると錯覚してくる。
今の世の中、特に文句を言わなくても反感を持っている人は多いだろう。先輩職員たちは結構あしらうのも上手い。だが、私は結構まともに受け止めてしまう。まともに受け止めて、落ち込む。
「税金で食ってるってことで、なんでここまで人間以下の扱いを受けないといけないんだ?」先輩職員の中には、長い公務員生活の中で『死んだふり』なる技術を見出した人がいる。{ドクロ}ほんと、死んだふりなり、眠ったふりなり、聞いてないふりなりできないとやってられない。それほどの罵詈雑言が日常的に飛び交う。
ある意味では仕方ないのかもしれない。例えば、客と店との関係は、客が不満を感じるのなら、その店を利用しないだけで済む。しかし、行政と市民との関係はそうではない。市民は、その居住地にいる以上、選択可能性がないのだ。だから、逃げ場のない市民は、その行政を攻撃する。
私は、悩みに悩んでいた。家庭には恵まれてるけど、これがあと25年続くのか?夢も希望もないな。ひょっとしたら、今の年金制度からすると私が定年する頃には65歳定年制になっているかもしれない。そうしたら、あと30年か。人生って長いよな。
長い人生、悔いを残さないように生きたいよな。俺のもともとの夢って・・・・・・・。そう考え始めた。
やっぱり、俺は独立して開業したい。もともと法律頑張って勉強してきたんだ。その法律系の国家資格でも取って、もう一度チャレンジしよう。
しかし、独立開業型の国家資格を取るとなると、そう甘いものではない。それは学生時代に司法試験を経験しているだけに身にしみている。今回は弁護士になろうとするのではないが、それでもちゃんとした勉強時間は必要だ。
そこで、そういう旨を妻には十分に説明して、納得してもらった上で、今年3月いっぱいで仕事を辞めた。ただ、公務員という仕事の不満に関してはあまり口にしなかった。あまりぐちを言うのは男らしくないし、妻にそういうかっこ悪いのも見せたくない。何より、自分としても積極的転身のつもりでしかない。
仕事を辞めて、4月は平穏に過ぎた。いつもと変わらない幸せな日々だ。子供の無邪気な笑顔に癒される。妻の様子も何も変わらない。
ただ、ちょっと気になったことはあった。仕事を辞めることについて、相手のご両親には話していなかった。
基本的には夫婦の問題だと思っていたし、まあ事後承諾でいいのかと思っていたのが甘かった。
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