2018年05月21日
グランクレスト戦記 18話感想 性質を貫いて立つアレクシスに強いカタルシス
18話 盟主
あらすじ
アルトゥーク条約はテオを盟主とし、連合・同盟・条約の三勢力の拮抗を目指すことになる。
北方の戦線では連合の主力であるルクレール伯・クルートがドーソン侯の裏切りにより命を落とす。
テオはシルーカとハルーシアに渡り、連合盟主アレクシスと個人的な会談の席を設ける。
アレクシスはテオに連合盟主の座に就くように懇願するが、テオは拒絶しアレクシスに奮起を促す。
マリーネの真意を聞かされたアレクシスはついに立ち上がり、ドーソン侯討伐の軍を動かす。
感想
「アルトゥーク条約は連合から独立する!」
あ、まだ独立してなかったのか。まあ公式HPの勢力図ではずいぶん前から3色で分けられていたので今エピソードから名実ともにということだろう。
テオを好きすぎるラシックとそれがおもしろくないモレーノの描写が毎回きっちりはさまれるのが可笑しい。今やラシックの地位も条約ナンバー2という相当なものなので、モレーノ先輩はラシックの立身が阻まれた不満というよりは完全にテオに嫉妬しているようにしか見えない。
「マルザに帰った俺の側に……君がいることだ。」
「私はテオ様と出会ったときに永遠の忠誠を誓っております。」
英雄のプロポーズを真正面から受けるのはかなり危険だ、だからこうして臣下の態度ではじく……さすがシルーカ策士である。しかし渾身のキメ台詞をかわされてもめげずに念押しするテオ様のほうが上手だった。かっこいい。難聴系や優柔不断なハーレム主人公とは一線を画する甲斐性を感じる。
しるかわマーーーックス!アゲイン!!!
やはり顔を赤らめていると破壊力が違う。「私より先に死なないで下さい」で”めぞん一刻”を思い出した人おじさんorおばさんも多いだろう。わたしもです。
序盤にちょっとだけ触れられた、プリシラの特別性についての言及。言われてみれば他の君主の聖印は平面的なのにプリシラの聖印だけ立体的である。残り話数も少ないが彼女にもこれからスポットが当たるのだろうか。教義に対するテオとシルーカの評価で一喜一憂の反応を示すプリシラがかわいい。ぷりかわ。
シルーカはこの顔である。しるかわ番外編。当然と言えば当然だが安全に気をつけるよう忠告に来るあたり、アイシェラを救ってもらってからそれなりに仲良くなっているように思えるのが微笑ましい。
ああ、ルクレール伯がついに壮絶な……ナレ死かーい!!尺がないから仕方のないところだろうが、好きなタイプのキャラだったので散るシーンだけでも映像化してほしかった。まあしるかわシーンのほうが重要と言われると反論の余地もないが。原作ではかなり長く描写が割かれているらしいので8巻購入が楽しみである。
「俺はマリーネ様が心を殺して戦いを続けていることが許せない!!」
よくないと思う、とかじゃなくて許せない、という言葉を選ぶのがスゴい。おせっかいの極みである。しかしながらこの発言、世界に影響を行使できるようなマクロな立場になっても、個々人の心情というミクロなものを重視するテオの人間性が伝わってくる。指導者の統治スタイルにもいろいろあると思うが、一個の民を尊重するテオのスタイルがこの発言ときっちりリンクしている点が個人的に好ましい。
合理性と可能性をうったえるシルーカの説得はまるで効かなかったが、テオの「マリーネ様のためにしっかりしろ」で奮起するあたりがアレクシスらしく、これまでを否定する”変節”ではなく”進化・覚醒”である一貫性がいい。そういうところもマリーネと正反対というのも面白い。テオシル・マリアレペアはどちらも女性が現実的で男性が夢想的な感性をしているように思う。テオたちのほうがポジティブな印象だがアレクシスたちも惨劇前はそうだったと思うと、テオたちはアレクシスたちの悲劇を否定しリトライする存在というのが運命的に見えてくる。
一瞬入る8話のカットが効果的。マリーネの「待っていて」というセリフから察するに結婚にこぎつけたのはマリーネの尽力が大きかったのだろう。女性側にイニシアチブがあることの面白さを感じるセリフだったが、時を経て18話、ならば今度はアレクシスのターンだろう、という気持ちにさせてくれる。決意が定まった瞬間に流れる勇壮なBGMがアツい。
アレクシスの侍女であるノエリアさん。原作ではアレクシスとマリーネの出会いエピソードにも登場していた。20代くらいに見えるが原作設定によれば30半ば〜後半でシルーカ養父アウベストあたりの年代と思われる。主従のパターンが広いのがこの作品の魅力の一つで、この笑み1カットに主への想いが見えるのがいい。
「アレクシス様が立ち上がられただと!?」
「はっ、今さらか。だが面白い!」
この騎士のセリフ一言にアレクシスがどう思われていたかが全て詰まっているように思う。軟弱な態度でも愛されるだけの優しさがあるアレクシス、不服に思っていても強い忠誠がある臣下たち。主君も臣も、多面的な人物描写が面白い。
出たドーソン候!!久しぶり!!よりにもよってルクレール伯を裏切って死なせたらしい。もはやヘイトが貯まりすぎて逆に登場が待ち遠しかったレベル。いかに惨めに負けてくれるか楽しみである。CVの横堀悦夫さんの演技が相変わらず素晴らしい。こういう声質の人がしっかり脇を固めると作品が締まるように思う。
「同盟が勝利しマリーネが皇帝となれば、よりよい世界になると思っていた。だが、それで彼女が傷つくというなら……私は!」
女性のような細い声色がかつてなく勇ましくなるアレクシス。シルーカの説得に対してネガティブな反応を繰り返したところがストレスだっただけにこの瞬間のカタルシスが凄まじい。9話の感想でCVの井口祐一さんのツイートを紹介したが、その時のアレクシスとマリーネへの思い入れが形になったような演技で、比喩抜きで涙ぐんだ瞬間だった。
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タグ:グランクレスト戦記
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