2017年02月16日
メジャー仕様意識 日ハム大谷が狙う“40発打法”の落とし穴
メジャー仕様意識 日ハム大谷が狙う“40発打法”の落とし穴
「これまでのバッティングを変えようとしていると聞きました。打球の飛距離を伸ばし、本塁打を増やす狙いだそうです」
日本ハムのさるOBがこう言った。「バッティングを変える」とは大谷翔平(22)のことだ。右足首痛で別メニュー調整の大谷は14日、屋内練習場で約40分間の打ち込み。ティー、フリー、マシン打撃で汗を流した。
「初のマシン打撃で安心した? 安心はしてません。いっぺんには前に進めない。とりあえずバックはしていない。ゆっくりとやっていって欲しいね」とは栗山監督だ。
昨季は104試合で22本塁打。約4.7試合に1本の計算だが、それでも本人は22本という数字について、「満足していない」と話した。
今季は30本、いや、ひょっとしたら40本を目指しているのではないか。前出のOBがこう言った。
「大谷はもともと、球をとらえるポイントが捕手寄り。球をふところまで呼び込んでから、打つタイプです。そのミートポイントを、投手寄りに置く打法に変えようと試みているといいます。ミートポイントを前に置けば、その分、体の反動を使って打つことができる。打球を遠くに飛ばせると考えているのです」
■目指すはメジャー仕様
大谷は投手として、昨季から左足を踏み出す際の歩幅を広げた新フォームの習得に取り組んでいる。昨年は自身のもつプロ野球記録を更新する165キロをマークしたが、今季はさらに球速を上げたい。要するに本人はとにかく速い球を投げ、打球を遠くに飛ばすことにこだわっているようなのだ。
「投打ともメジャー仕様にしたいのでしょう。それが自身のレベルアップにつながると考えているのではないか」とはOB氏だ。
「大谷は昨年11月のWBC強化試合で、右中間上段に特大の本塁打と、ドームの天井に吸い込まれる二塁打を放った。使用したボールはメジャー公認球と一緒で、プロ野球の統一球と比べて打球の飛距離は出ない。いわば飛ばないボールをあそこまで飛ばしたのは大谷くらいでしたが、メジャーの一線級投手は球速も球質も球のキレもケタ違いですからね。彼らが相手でも通用する打撃を身に付ければ、プロ野球でもいま以上の成績を残せるし、ひいてはチームの勝利につながると思っているのでしょう」
とはいえ、飛距離アップを狙った打撃改造は、もろ刃の剣ではないか。
■確率が下がり安定性を欠く
ミートポイントが捕手寄りにあるのは、大谷の長所でもあった。ボールを体の近くまで呼び込める分、確実性は増し、中堅より左への長打も多かった。だが、ポイントを投手寄りに置けば、打球の飛距離は伸びるかもしれないが、持ち味でもある左方向への打球は減る。球を手元まで見極めない分、正確にとらえる確率も下がる。
投手としての球速アップを目的としたフォーム改造にしても同様で、歩幅を広げれば反動が付く分、球速は上がるかもしれないが、安定性に欠ける。いま以上に制球に苦しむかもしれないのだ。
実際、昨季はブルペンで新たなフォームを試したらしいが、球はとっ散らかって、とてもじゃないが実戦で使えるレベルではなかったといわれている。必要以上に球速や打球の飛距離にこだわるあまり、結果としてプラスよりマイナス部分が膨らむようでは意味がない。
「これまでのバッティングを変えようとしていると聞きました。打球の飛距離を伸ばし、本塁打を増やす狙いだそうです」
日本ハムのさるOBがこう言った。「バッティングを変える」とは大谷翔平(22)のことだ。右足首痛で別メニュー調整の大谷は14日、屋内練習場で約40分間の打ち込み。ティー、フリー、マシン打撃で汗を流した。
「初のマシン打撃で安心した? 安心はしてません。いっぺんには前に進めない。とりあえずバックはしていない。ゆっくりとやっていって欲しいね」とは栗山監督だ。
昨季は104試合で22本塁打。約4.7試合に1本の計算だが、それでも本人は22本という数字について、「満足していない」と話した。
今季は30本、いや、ひょっとしたら40本を目指しているのではないか。前出のOBがこう言った。
「大谷はもともと、球をとらえるポイントが捕手寄り。球をふところまで呼び込んでから、打つタイプです。そのミートポイントを、投手寄りに置く打法に変えようと試みているといいます。ミートポイントを前に置けば、その分、体の反動を使って打つことができる。打球を遠くに飛ばせると考えているのです」
■目指すはメジャー仕様
大谷は投手として、昨季から左足を踏み出す際の歩幅を広げた新フォームの習得に取り組んでいる。昨年は自身のもつプロ野球記録を更新する165キロをマークしたが、今季はさらに球速を上げたい。要するに本人はとにかく速い球を投げ、打球を遠くに飛ばすことにこだわっているようなのだ。
「投打ともメジャー仕様にしたいのでしょう。それが自身のレベルアップにつながると考えているのではないか」とはOB氏だ。
「大谷は昨年11月のWBC強化試合で、右中間上段に特大の本塁打と、ドームの天井に吸い込まれる二塁打を放った。使用したボールはメジャー公認球と一緒で、プロ野球の統一球と比べて打球の飛距離は出ない。いわば飛ばないボールをあそこまで飛ばしたのは大谷くらいでしたが、メジャーの一線級投手は球速も球質も球のキレもケタ違いですからね。彼らが相手でも通用する打撃を身に付ければ、プロ野球でもいま以上の成績を残せるし、ひいてはチームの勝利につながると思っているのでしょう」
とはいえ、飛距離アップを狙った打撃改造は、もろ刃の剣ではないか。
■確率が下がり安定性を欠く
ミートポイントが捕手寄りにあるのは、大谷の長所でもあった。ボールを体の近くまで呼び込める分、確実性は増し、中堅より左への長打も多かった。だが、ポイントを投手寄りに置けば、打球の飛距離は伸びるかもしれないが、持ち味でもある左方向への打球は減る。球を手元まで見極めない分、正確にとらえる確率も下がる。
投手としての球速アップを目的としたフォーム改造にしても同様で、歩幅を広げれば反動が付く分、球速は上がるかもしれないが、安定性に欠ける。いま以上に制球に苦しむかもしれないのだ。
実際、昨季はブルペンで新たなフォームを試したらしいが、球はとっ散らかって、とてもじゃないが実戦で使えるレベルではなかったといわれている。必要以上に球速や打球の飛距離にこだわるあまり、結果としてプラスよりマイナス部分が膨らむようでは意味がない。
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