欠陥住宅のトレードマーク！床にパチンコ玉を転がしてみた

2015年08月21日

欠陥住宅のトレードマーク！床にパチンコ玉を転がしてみた

「これ持ってきたのですけど、転がしていいですか？」
持ってきたのは、大量のパチンコ玉。

私はいつも「いいですよ」と答える。
たとえ、内心かなりドキドキしていてもね。

これは、テレビでやっている「欠陥住宅」の最たる例。
私も、実際にテレビで見たことがある。
「ザーーーーーー」っと勢い良く転がっていくパチンコ玉。
誰が見ても、床が斜めになっていることが分かる。

でも、
大抵の場合、そんなに転がらない。
転がっても、ゆっくり転がって少し進んで止まる。

「ああ、良かった～。ここの床はまっすぐだ」
「そうですよ。」

と、お互い胸をなでおろす。

良かった～。
転がらなくて～。
安堵の瞬間。

やっぱり、そんなに転がらないだろうと
頭でわかっていても、その瞬間はドキドキするね。

では、
何故転がりにくいのか？

秘密は…。
と書き出してあることに気が付いた。

理由は、地域性がある。

・関東の方の物件は、２重床といってフローリングの下が
　コンクリートでないことが多い。
　フローリングの下地を、木材などで組むので精度が良い。

・私の仕事をしている、関西より西の方は
　コンクリートの上に直接(実際には直接ではないが)
　フローリングを貼っている。
　だから、２重床より斜めになりやすい。

　でも、
　コンクリートとフローリングの間に「セルフレベリング材」
　という、事前に水平になる水みたいなセメントのような特殊な材料で
　ガタガタを調整するのだ。

その他の地域は、
申し訳ない。分かりません。

でも、大抵この２つのどちらか。

実際、
コンクリートを打設後は、それなりに真っ直ぐではない。
だって、コンクリートを打設している時はドロドロだから。
それを、人の手でコテなどで真っ直ぐにするのだから。

ちなみに、実際のコンクリート打設の状況はこちら

この、ドロドロ系の材料が固まっていくのを
タイミング良く、左官さんが平らに均して、ピカピカにする。

でも、
最初から固いものを敷き並べている訳ではないので誤差が出る。

少し技術的な話をすると、
打設した後は、レベルで確認してフラットでも
固まっていくうちに、中の水分が浮いてきて少し沈下する。
その「沈下のし具合」は均一ではない。
ある意味、神のみぞ知る。

その辺りは、もう左官屋さんのセンス。

だから、
基準書でも「３ｍにつき７ｍｍ」とか施工誤差として認められている。
れっきとした本に書いてあるのだが、

購入者の人に納得してもらうのはまた別！

「何で、あの辺は真っ直ぐなのに、ここだけ凹んでいるの？」
私も何度となく経験してきた。

これを、納得してもらうのはメチャメチャ疲れる。
皆も同じように感じているせいか、当たり前のように
「セルフレベリング材」は仕様に入っている。

だから、転がりにくい。

つまり

フローリングにパチンコ玉を転がされても
転がりにくいのには、それなりの理由がある。

でも
人間のすることなので、ある程度の誤差があること
を認識しておくことは必要。

あっ

施工誤差については、以下の記事でも書いているよ。
まだ読んでなければ、一度読んでほしい。

↓　　↓　　↓

マンション内覧会の前に知っておいてもらいたい「施工誤差」の話