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2018年12月23日

「朝食を摂ると余計に太るんじゃない?」という患者さん

「朝食を摂ると余計に太るんじゃない?」という患者さん
公開日:2017/11/21 企画・制作 ケアネット

Dr. 坂根がレクチャーする糖尿病外来でのNGワードシリーズ。「こんな言葉、患者さんにかけちゃいけません」
「こんなフォローで指導しましょう」
という事例を交え、コンパクトにお伝えします。
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■外来NGワード
「そんなことはありません…」
(頭から否定の指導)

「食事は3食、規則的にすることが大切です」
(理想論を展開する指導)

「朝食を必ず摂るようにしなさい!」
(朝食欠食の理由を確認しない指導)

■解説

肥満を伴う糖尿病の患者さんから「今は朝食を摂っていないが、朝食を摂ったら余計に太るんじゃない?」と質問されることがあります。
朝食を抜いている人に対して、朝食を摂るようにしてもらうためには、どのように指導したらいいのでしょうか。

『朝食を摂らない』習慣があると、
『肥満していたり、体重が増加しやすい』
ことは横断研究やコホート研究ですでに示されています1)。

そして、習慣的に朝食を摂らない人には、
何らかの理由があります。

夕食の時間が遅い、
または夕食の量が多い、
朝食を摂る時間がない、
朝は空腹でない、
朝食を作ってくれる人がいない、
などなど考えられます。

『時間栄養学』の観点では、
同じカロリーの食事であっても遅い時間帯に食事をすると脂肪や血糖に悪影響を及ぼすことがわかっています2)。

まずは、朝食を摂らない理由(夜の食事が遅い、ドカ食いなど)を確認します。
次に、そんな人でもできるダイエット法があることを説明します。
そして、夜の食事を早めに、あるいは少な目にし、おいしく朝食が摂られる対策を患者さんと一緒に立てることができるようになるといいですね。

■患者さんとの会話でロールプレイ
患者 今よりも朝食でカロリーを摂ったら、
   余計に太るんじゃないですか?
医師 そう思われている人も多いですね。
患者 そうじゃないんですか?
医師 中には朝食を摂るようにしたら、
   痩せてきた人もいますよ!
患者 えっ、その違いは何ですか?
医師 まずは、朝食を摂らない理由を教えてもらっても
   いいですか?
患者 仕事で夜の食事が遅いので、
   朝はあまりお腹が空いていないんですよね。
   それに朝は、ゆっくりと食べる時間もなくて…。
医師 確かに、それだと朝は食べる気が起きませんよね
   (共感)。
患者 そうなんです。
医師 最近、「時間栄養学」という考え方があって、
   同じカロリーのものでも、食べる時間帯によって
   脂肪や血糖に与える影響が違うそうです
   (「時間栄養学」という専門用語をわざと用いて、
   食べるタイミングが大切であることを説明)。
患者 やっぱり、夜遅い食事がよくないんですね。
   何とかしないと…
   痩せた人はどんな風にされたんですか?
医師 その人は仕事でどうしても夕食が遅くなるので、
   空腹で家に帰るとドカ食いされていました。
患者 あっ、それ私です!
医師 ところが、夕方におにぎりを食べて、
   家に帰ってからは少な目の夕食にされたんだそうです。
   奥様に頼んで軽めの夕食を用意してもらっていたら、
   朝にはきちんとお腹が空いて食べられるようになった
   そうです(第三者の話として伝える)。
患者 なるほど。それぐらいなら、できそうです。
   うちに帰って嫁と相談してみます。

■医師へのお勧めの言葉
「中には朝食を摂るようにしたら、痩せてきた人もいますよ!」

参考文献
1)Horikawa C, et al. Prev Med.2011;53:260-267.
2)Garaulet M, et al. Physiol Behav.2014;134:44-50.

2018年12月22日

「かぜには抗菌薬が効く」と認識する患者が約半数、どう対応すべきか

「かぜには抗菌薬が効く」と認識する患者が約半数、どう対応すべきか
提供元:ケアネット 公開日:2018/11/14

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 一般市民対象の抗菌薬に関する意識調査の結果、
約半数が「かぜやインフルエンザなどのウイルス性疾患に対して抗菌薬が効く」と誤った認識をしていることが明らかになった。

AMR臨床リファレンスセンターは10月30日、
「抗菌薬意識調査2018」の結果を公表し、
「薬剤耐性(AMR)対策の現状と取り組み 2018」と題した
メディアセミナーを開催した。

セミナーでは大曲 貴夫氏
(国立国際医療研究センター病院 副院長/国際感染症センター長/AMR臨床リファレンスセンター長)、
具 芳明氏(AMR臨床リファレンスセンター 情報‐教育支援室長)らが登壇し、
意識調査結果や抗菌薬使用の現状などについて講演した。

抗菌薬で熱が下がる? 痛みを抑える?

 「抗菌薬意識調査2018」は、
2018年8〜9月に、
10〜60代の男女721人を対象に実施された
インターネット調査1)。
「抗菌薬・抗生物質という言葉を聞いたことがあるか」
という質問に対し、
94.2%(679人)が「ある(66.7%)」
あるいは「あるが詳しくはわからない(27.5%)」と回答した。

「抗菌薬・抗生物質はどのような薬だと思うか」
と複数回答で聞いた結果、
「細菌が増えるのを抑える」と正しく回答した人はうち
71.9%(488人)。

一方で「熱を下げる(40.9%)」、
「痛みを抑える(39.9%)」など、
直接の作用ではないものを選択する人も多く、
抗菌薬に対する誤った認識が浮き彫りとなった。

 「抗菌薬・抗生物質はどのような病気に有用か知っているか」という質問に対しては、
「かぜ」と答えた人が49.9%(339人)で最も多く、
2番目に多かった回答は「インフルエンザ(49.2%)」であった。

正しい回答である「膀胱炎」や「肺炎」と答えた人はそれぞれ26.7%、25.8%に留まっている。

「かぜで受診したときにどんな薬を処方してほしいか」という質問にも、
30.1%の人が「抗菌薬・抗生物質」と回答しており、
“ウイルス性疾患に抗菌薬が効く”と認識している人が一定数いる現状が明らかになった。

抗ウイルス薬を約3割の人が抗菌薬と誤解

 さらに、抗菌薬5種類を含む全12種類の薬品名を挙げ、
「あなたが思う抗菌薬・抗生物質はどれか」と複数回答で尋ねた質問では、
多かった回答上位5種類のうち3種類が抗菌薬以外の薬剤であった。

最も多かったのは抗ウイルス薬のタミフルで、29.3%(199人)が抗菌薬だと誤解していた。
他に、鎮痛解熱薬のルル(18.1%)やバファリン(14.4%)も抗菌薬だと回答した人が多かった。

 本調査結果を解説した具氏は、
「医療従事者が思っている以上に、
一般市民の抗菌薬についての知識は十分とは言えず、
適応や他の薬剤との区別について誤解が目立つ結果なのではないか。
このギャップを意識しながら、十分なコミュニケーションを図っていく必要がある」と話した。
 
“不必要なことを説明して、納得してもらう”ために

 医師側も、一部でこうした患者の要望に応え、
抗菌薬処方を行っている実態が明らかになったデータがある。

全国の診療所医師を対象に2018年2月に行われた調査2)で、
「感冒と診断した患者や家族が抗菌薬処方を希望したときの対応」について聞いたところ(n=252)、
「説明しても納得しなければ処方する」と答えた医師が50.4%と最も多かった。
「説明して処方しない」は32.9%に留まり、
「希望通り処方する」が12.7%であった。

 大曲氏は、「薬剤耐性(AMR)対策アクションプランを取りまとめる過程で検討したデータからも、
感冒をはじめとした急性気道感染症や下痢症など、
本来抗生物質をまず使うべきでないところで多く使われている現状が明らかになっている」と話し、
必要でないケースでは医師側が自信を持って、
ときには繰り返し患者に説明していくことの重要性を強調した。

2018年度の診療報酬改定で新設された、
「小児抗菌薬適正使用支援加算」3)は、
不必要な抗菌薬を処方するのではなく、
患者への十分な説明を重視したものとなっている。

そのためのツールの1つとして、
2017年発行の「抗微生物薬適正使用の手引き 第一版」や、
センターが運用している「薬剤耐性(AMR)対策eラーニングシステム」4)などの活用を呼び掛けている。

※薬剤耐性(AMR)ー安直に抗菌薬を使っていると、抗菌薬が効かない耐性菌が出現しやすい。
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、VRSA(バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)、MDRP(多剤耐性緑膿菌)、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)など、耐性菌の出現スピードが加速化している。

■参考
1)国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター プレスリリース
2)日本化学療法学会・日本感染症学会合同外来抗菌薬適正使用調査委員会「全国の診療所医師を対象とした抗菌薬適正使用に関するアンケート調査」2018.
3)厚生労働省「第3回厚生科学審議会感染症部会薬剤耐性(AMR)に関する小委員会 資料5」
4)国立国際医療研究センター病院 AMR臨床リファレンスセンター情報サイト「かしこく治して、明日につなぐ」

2018年12月20日

知らずに食べている超悪玉脂肪酸、動脈硬化学会が警鐘

知らずに食べている超悪玉脂肪酸、動脈硬化学会が警鐘
提供元:ケアネット 公開日:2018/11/12

 農林水産省がトランス脂肪酸(TFA)に関する情報を掲載してから早10年。

残念なことに、トランス脂肪酸に対する日本の姿勢には進展が見られない。

2018年10月31日、動脈硬化学会が主催するプレスセミナー
「トランス脂肪酸について」が開催され、
丸山 千寿子氏(日本女子大学家政学部食物学科教授)、
石田 達郎氏(神戸大学大学院医学研究科特命教授)が
TFA摂取によるリスクに警鐘を鳴らした。

トランス脂肪酸はどうやって体内に取り込まれるのか

 TFAと飽和脂肪酸を同量摂取して比較した場合、
TFAは飽和脂肪酸と比べ動脈硬化の発症を10倍も増やし、
糖尿病の原因となるインスリン抵抗性の悪化などを引き起こす

そのため、TFAは超悪玉脂肪酸とも呼ばれている。

にもかかわらず、
なぜ、TFAがいまだに食品に使用されているのだろうか。

石田、丸山の両氏は「現時点では日本人において、直接その有害性を証明した根拠が少ないため」とコメント。

 さらに、勘違いされやすいが、
TFAは食品などに直接注入される添加物ではない。

シス型天然の液体植物油であるオレイン酸やリノール酸
工場などの食品加工の過程において、
トランス型固形油のエライジン酸やリノエライジン酸に変換・生成されるのである。

ただし石田氏は、
「家庭での一般の調理過程ではほとんど生じない」
と家庭内調理の安全性を伝えた。

TFAの新たな測定法と臨床研究の今後の展望

 これまで日本でのTFA摂取量の検討は、
摂取量に関するアンケート調査を実施し、
それに基づいて推測することが多かった。

石田氏らは、TFAの血中濃度について、
ガスクロマトグラフィー質量分析計を用いて
直接測定することに成功。

その結果、TFA摂取量がLDL-C値やTG値と正相関
HDL-C値と逆相関することを明らかにした。

これは海外の疫学研究と結果が類似しており、
石田氏は、「この研究において、
TFA血中濃度とBMIや年齢の関係を見ると、
高齢者(75歳以上)ではメタボ有無による差はないものの、
若年層(60歳未満)のメタボ群では有意にTFA血中濃度が高値を示した。
また、冠動脈疾患を有する患者でも同様の傾向を示した。

ただし、この研究は入院患者、病院食摂取後、早朝空腹時で測定しているため、
これでもTFAのリスクは過小評価されている可能性がある」
と述べ、

「今回われわれが行った約1,000例を対象とした試験の結果は、
海外で証明されたTFAの有害性と酷似している。

つまり、海外で証明された知見は日本人においても当てはまると考えることが妥当」

とし、「日本の大規模臨床試験がなくても、
TFAがリスクだと認識するべきだ」とコメントした。

異なる見解を示す消費者庁と農林水産省、2023年までにトランスフリーなるか

 摂取過多が認められた国々では、TFAの摂取削減や表示義務が課されている。
実際、アメリカでは加工食品に含まれる脂質の含有量のみならず、
その内容を重視し、total fatに加えてtrans fatが記載されている。

残念ながら日本ではこのような表示義務がないため、食品を製造する各企業の努力に頼らざるを得ない。

 そんな中、WHOは『Make the world trans fat free by 2023』という目標を掲げ、TFAによる冠動脈疾患の削減に取り組む具体策を講じている。

丸山氏は、「一般の人だけでなく、各企業がTFAについての理解があるかどうかも問題」と、啓蒙活動の重要性を語った。

 また、日本でのTFA削減が足踏みしている理由として、
丸山氏は各省庁の対応を指摘。

「消費者庁は“脂質の含有量だけではなく内容にも留意すること”を丁寧に提示している。

一方の農林水産省は、ホームページに“食品中のTFAを減らす努力をしています”と記載していながらも、
“TFAだけを必要以上に心配せず、脂質全体の摂取量に十分配慮”と記している」と、
TFA摂取による健康被害に根拠がないとも読み取れる説明文に、同氏は悲憤した。

 アメリカでは表示が義務化されたことでTFAの摂取が78%も減少したそうである。
日本では、いくら“TFAをとらないで!”と言っても、
何にどれくらい含まれているのかがわからないため、
避けることができない。

これを踏まえ両氏は、
「日本人は表示されればそれを避ける傾向があるので、
表示義務化が実現すればTFAの摂取量は減少するかもしれない。
われわれは各省庁にお願いを続けていく」と、
摂取規制実現へ向き合っていく姿勢を示した。

■参考
日本動脈硬化学会:栄養成分表示に関する声明
農林水産省:トランス脂肪酸に関する情報
消費者庁:トランス脂肪酸に関する情報

■関連記事
不眠症になりやすい食事の傾向
トランス脂肪酸の禁止で冠動脈疾患死2.6%回避/BMJ
(ケアネット 土井 舞子)

2018年12月19日

「血圧の薬は一生飲み続ける」と思い込む患者さん

「血圧の薬は一生飲み続ける」と思い込む患者さん
CareNetから転記

血圧が高いのに医療機関を受診せず、
薬を飲むのを嫌う患者さんがいます。

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その理由の1つとして「血圧の薬を飲み始めると、
一生飲み続けなければいけない」
と思い込んでいることが挙げられます。

しかし、血圧コントロールが良好な患者さんでは、
降圧薬を中止しても血圧が正常範囲に保たれる割合が
40%程度存在したとの報告があります1)。

こういった患者さんには、もともと軽症の高血圧(I度高血圧)だった、

減塩・減量などで生活習慣を改善できた、
1種類の降圧薬で良好な血圧コントロールができた若年者などのパターンがあると考えられます。

また、血圧には季節変動があることが知られており、
夏季に血圧が低下する患者さんでは、
一時的に降圧薬の減量あるいは休薬を考慮してもよいです。

一方、冬季には血圧が上昇して増量や追加が必要になることも少なくありません。

患者さん一人ひとりの血圧変動に合わせた服薬調整が大切です。

血圧を良好に保つことが将来的な動脈硬化を防ぎ、
脳血管疾患、心血管疾患、認知症などの予防につながることを強調して説明してみてはいかがでしょうか。

■患者さんとの会話でロールプレイ

医師 今まで、血圧の薬を飲んだことはありますか?
  (服薬歴の確認)
患者 ありません。
   血圧の薬を飲み始めると、
   一生やめることができないんでしょう?
医師 そんなことはありませんよ。
   薬を飲み始めても、食事や運動などに気を付けて、
   血圧が落ち着いたら薬の量を減らすことや、
   お休みすることもできます。
患者 えっ、そうなんですか?
医師 それに、血圧の薬を飲むことは血圧を下げるためだけ
   でなく、動脈硬化を予防するためでもあるんです。
患者 動脈硬化を予防するということは…?
医師 動脈硬化の予防は、脳卒中や心筋梗塞、
   そして認知症の予防に
もつながりますよ。
患者 なるほど…。
医師 ただし、薬ですから、副作用が起こることもあります。
   血圧の薬はたくさんありますから、
   自分に合った薬を見つけることが大切です。
患者 そうなんですよね。
   副作用が心配で、なかなか気が進まなくて…。
医師 それでは、血圧の薬について、
   どういう種類があるか説明させてもらいますね。
患者 はい。よろしくお願いします。

■医師へのお勧めの言葉
「血圧の薬を飲み始めても、食事や運動などに気を付ければ、
薬の量を減らせたり、お休みできたりする人もいます」

「血圧を正常範囲に保つことは、動脈硬化の予防になります。
脳卒中や心筋梗塞、さらには認知症の予防にもつながりますよ」

参考文献
1)Nelson M, et al. Am J Hypertens. 2001;14:98-105.

講師紹介
坂根 直樹  ( さかね なおき ) 氏
京都医療センター 臨床研究センター 予防医学研究室長

2018年12月13日

本庶佑氏、ストックホルムでも子宮頸がんワクチン問題に警鐘 「マスコミはきちんとした報道をしていただきたい」

m3ニュースから
本庶佑氏、ストックホルムでも子宮頸がんワクチン問題に警鐘
「マスコミはきちんとした報道をしていただきたい」
オピニオン 2018年12月11日 (火)配信村中璃子(医師、ジャーナリスト)

 2018年ノーベル医学生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑特別教授は、現地時間の12月8日13時半より、ストックホルム市内のホテルにてノーベル・スピーチ後、初となる記者会見を開いた。

 会見の最後にNHKの記者が、子宮頸がんワクチン問題を含む日本の医療政策における課題に関するコメントを求めると本庶氏は、「NHKさんがこの問題を取り上げることは非常にいいことだと思う。
マスコミはきちんとした報道をしていただきたい」と述べた。

 また、「子宮頸がんワクチンの副作用というのは一切証明されていない。
日本でもいろいろな調査をやっているが、因果関係があるという結果は全く得られていない。
厚労省からの(積極的接種)勧奨から外されて以来、接種率は70%から1%以下になった。
世界で日本だけ若い女性の子宮頸がんの罹患率が増えている。
一人の女性の人生を考えた場合、これは大変大きな問題だ。
マスコミはワクチンによる被害を強く信じる一部の人たちの科学的根拠のない主張ばかりを報じてきた」と続けた。

 医学や科学の問題について論じる際にマスコミ関係者に注意してほしい点として、「科学では『ない』ということは証明できない。
これは文系の人でも覚えておいてほしいが、科学では『ある』ものが証明できないことはない。
『証明できない』ということは、科学的に見れば、子宮頸がんワクチンが危険だとは言えないという意味だ」と述べ、「なぜこれを報道しないのか。
先日学会でも講演したが、ルワンダなど(リソースの少ない国)でもワクチンを導入して子宮頸がんが減っている」とコメント。

 「このことに関し、はっきり言ってマスコミの責任は大きいと思う。
大キャンペーンをやったのは、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞。メジャーなところが全部やった。
そしてNHKも責任の一端があると思う。
今からでも遅くないから、きちんと報道してほしい。
実害が生じている」と述べ、主要報道機関が誤った情報を広げたことにより、日本人女性が必要なワクチンの接種を差し控えている現状について警鐘を鳴らした。

 本庶氏は10月5日に藤田保健衛生大学(現藤田医科大学)で行われたノーベル賞受賞決定後の初講演でも子宮頸がんワクチン問題について取り上げ、「国際的にみても恥ずかしい状況」とコメント。
10月11日には根本厚労大臣を訪問し、子宮頸がんワクチンの積極的接種の勧奨再開の要請を行った。
また以前より、医療経済やQOLの観点からワクチンをはじめとする予防医療の重要性を繰り返し訴えているが、30分という短い会見のうち子宮頸がんワクチン問題に関するコメントは約7分に及び、本庶氏のこの問題への懸念と関心の高さを改めてうかがわせた。

 関係者によれば、どのメディアの記者も子宮頸がんワクチン問題に関する本庶氏の発言を真剣な面持ちで聞いていたというが、12月11日現在、この問題に触れたメディアはない。

 なお12月7日、ノーベルレクチャーの直後に行われたメディア非公開のレセプションで本庶氏は、子宮頸がんワクチン問題についての著作のある筆者に「(子宮頸がんワクチン問題に関する)報道は変わりましたね」と声をかけた。

 それだけに、ノーベル医学生理学賞受賞者が時間を割いて強調した、わが国の重要な医療問題に対するこうしたメディアのありようは残念でならない。

2018年12月12日

もったいない!厚労省よ、お役所過ぎくない?

もったいない!厚労省よ、お役所過ぎくない?

糖尿病リスク予測ソフト、
公開翌日に厚労省「未承認の医療機器」指摘で中止に

〔読売新聞〕  2018年11月05日 16:01

 国立国際医療研究センター(東京都)が、
糖尿病の発症リスク予測ソフトを開発して
サイトに公開したところ、
厚生労働省から「未承認の医療機器に当たるのでは」と
指摘され、中止する事態となっている。

医療機器の提供には国の承認など法的な手続きが必要だ。
同センターは「診断でなくリスク予測なのに」と困惑している。

 問題となったのは、身長、体重、腹囲、最高・最低血圧、喫煙習慣などを入力すると、
糖尿病の3年以内の発症リスクが予測できるソフト。

3万人のデータを基に人工知能(AI)を活用して開発した。

発症リスクは「%」で示され、「あなたへのアドバイス」として「糖尿病予備軍に該当」などと表示される。

 10月24日に同センターのサイトにソフトを公開したが、
翌日に厚労省から「医薬品医療機器法に触れる可能性がある」と指摘されたため中止した。

 同センター疫学・予防研究部の 溝上(みぞうえ)哲也部長は
「予測結果を参考に生活習慣を改善するためのもの。
医療機器とみなされるとは」と驚く。

 ただ、予測結果の表現を修正すれば済む可能性もあるという。

厚労省は「『あなた』と個人を特定して発症リスクを表示しているため診断行為になる。
同じ健康状態の人の発症リスクとして示すなら問題ない」と説明。同センターは再公開に向けて、修正作業を進めている。

 厚労省は「病気の予測ソフトは増えているが、診断と混同される可能性がある。
国民に誤解を与えないよう注意が必要」としている。

2018年12月11日

フレイルとは?

フレイルとは?
 フレイルとは、体がストレスに弱くなっている状態のことを指しますが、
早く介入をすれば元に戻る可能性があります。

サルコペニアとは、骨格筋量に焦点をしぼったフレイル状態と同義語と考えてください。

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フレイルとは
 フレイルとは、海外の老年医学の分野で使用されている「Frailty(フレイルティ)」に対する日本語訳です。

「Frailty」を日本語に訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」などになります。

日本老年医学会は高齢者において起こりやすい「Frailty」に対し、正しく介入すれば戻るという意味があることを強調したかったため、多くの議論の末、「フレイル」と共通した日本語訳にすることを2014年5月に提唱しました。

 フレイルは、厚生労働省研究班の報告書では
「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、
複数の慢性疾患の併存
などの影響もあり、
生活機能が障害され、
心身の脆弱性が出現した状態であるが、

一方で適切な介入・支援により、
生活機能の維持向上が可能な状態像」1)とされており、
健康な状態と
日常生活でサポートが必要な介護状態
の中間
を意味します。

 高齢者が増えている現代社会において、
フレイルに早く気付き、正しく介入(治療や予防)する
ことが大切
です。

フレイルの基準

 フレイルの基準には、さまざまなものがありますが
Friedが提唱したものが採用されていることが多いです。

Friedの基準には5項目あり、
3項目以上該当するとフレイル
1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。

『体重減少』:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少
疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる
歩行速度の低下
『握力の低下』
身体活動量の低下

 フレイルには、体重減少や筋力低下などの身体的な変化だけでなく、
気力の低下などの精神的な変化や社会的なものも含まれます

次に、フレイル状態に至るとどのようなことが起きるか説明します。

フレイル状態に至るとどうなるか

 フレイルの状態になると、
死亡率の上昇や身体能力の低下が起きます。

また、何らかの病気にかかりやすくなったり、
入院するなど、ストレスに弱い状態になっています。

例えば健常な人が風邪をひいても、
体の怠さや発熱を自覚するものの数日すれば治ります。

 しかし、フレイルの状態になっていると
風邪をこじらせて肺炎を発症したり、
怠さのために転倒して打撲や骨折をする可能性があります。

また、入院すると環境の変化に対応できずに、
一時的に自分がどこにいるのかわからなくなったり、
自分の感情をコントロールできなくなることもあります。

転倒による打撲や骨折、病気による入院をきっかけにフレイルから寝たきりになってしまうことがあります。

 フレイルの状態に、
家族や医療者が早く気付き対応することができれば、
フレイルの状態から健常に近い状態へ改善したり、
要介護状態に至る可能性を減らせる可能性があります


 公益財団法人長寿科学振興財団 財団ホームページから

参考文献
厚生労働科学研究費補助金(長寿科学総合研究事業) 総括研究報告書 後期高齢者の保健事業のあり方に関する研究 研究代表者 鈴木隆雄

2018年12月06日

テオフィリン(気管支拡張の飲み薬)が推奨されない理由が、よくわかった! テオフィリンは過去のクスリか?

テオフィリン(気管支拡張の飲み薬)が推奨されない理由が、よくわかった!
テオフィリンは過去のクスリか?
(解説:倉原 優 氏)−940
提供元:臨床研究適正評価教育機構 公開日:2018/10/29

倉原 優( くらはら ゆう ) 氏 近畿中央呼吸器センター

オリジナルニュース/JAMA(2018/10/29掲載)
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 テオフィリンを安定期COPDに用いて1秒量が少し上がった人はいるが、
症状が劇的に改善したりCOPD増悪を抑制したり、という経験は個人的にはない。

吸入薬が台頭している現在、
安定期COPDに対してテオフィリンを処方する医師は減ったが、
それでも内服という手軽さもあって、ベテラン医師からの人気は根強い。

 ちなみに、海外ではキサンチン誘導体の処方はかなり減っている。
これには明確な理由がある。

効果と副作用のバランスがとれていないからだ。
効果が少ないわりに副作用リスクが大きいのである。

 少し古いが、16年前のコクランレビュー1)では、
安定期COPDに対するテオフィリンは、プラセボと比較して肺機能改善をもたらしたものの、
COPD増悪を抑制できるほどの効果は認められなかった
そして、残念ながら嘔気のリスクが有意に上昇することが示されたのである。

 このTWICS試験は、
吸入ステロイドに低用量テオフィリンを加えることの是非を問うものだ。

テオフィリンを低用量にすることで、
血中濃度の上昇を抑えることができるため、
嘔気などの副作用が出にくくなる。

また、ステロイドとテオフィリンの間にはシナジー効果があることがわかっており(テオフィリンの効果を何倍にも上げるらしい)、
副作用が出ない状態でCOPD増悪を抑制できるかもしれない。
そういう理念で立案された研究だ。

 結果、
低用量テオフィリンを吸入ステロイドと併用しても、
プラセボと比較して1年間のCOPD増悪数を減らすことはできなかった


つまり、テオフィリンのCOPD増悪に対する有効性はほぼ否定された形となり、
積極的に投与すべき薬剤とは言えなくなった。

ただ、1秒量に対する有効性は、まだ議論の余地があるとは思う。

 しかしながら、
テオフィリンの血中濃度を測定せずに、
漫然と投与されている高齢者のCOPD患者をよくみかける(実際、紹介されてくる)が、
下手をすればリスクを与えているだけということになりかねないので注意が必要だ。

参考文献はこちら
1)Ram FS, et al. Cochrane Database Syst Rev. 2002;4:CD003902.

2018年12月03日

『良性発作性頭位めまい症』一番多いめまい症です. 脳外科の先生,わかりやすいです

『良性発作性頭位めまい症』一番多いめまい症です.
脳外科の先生,わかりやすいです

スキンヘッド脳外科医 Dr. 中島の 新・徒然草(244)
公開日:2018/10/25 企画・制作 ケアネット

スキンヘッド脳外科医 中島 伸氏が、日々の診療のよしなし事を、そこはかとなく書きつくるエッセー。

大阪より、いとをかしき噺をお届けします。

二百四十四の段 電話を使って一発解決!
つい先日のこと。10年以上前に手術した患者さん(50代、女性)から切羽詰まった様子のメールが来ました。

なんでも1週間ほど前からふらついて困っているとのこと。

最初に耳鼻科にいったら、
「それは頸が原因かもしれないから整形外科だ」と言われ、

整形外科にいったら「頭位性めまいかもしれない」と言われたそうです。

また、現在抗がん剤治療を受けている外科の先生からは
「今使っている薬が原因になっている可能性がないわけではない」
と言われたそうで大混乱しているようでした。

すでに地方の実家に引っ越しておられるので、
大阪まで来てもらうと1泊2日になってしまいます。

それでも実際に診ないことには分かりません。

とりあえず「いつでも都合のつくときに来てください」と
いうメールを返信しました。

メールを送ってから、
ふと「これは直接に話をした方が早いかもしれん」と思い、
携帯電話にかけてみました。

患者「ああ、先生!」
中島「調子悪いですか」
患者「ええ、頭を動かすとふらついてしまって」
中島「ひょっとして頭を動かさなかったら大丈夫とか」
患者「そうですね」

おおっ! 案外、電話だけで決着がつくかも。
良性発作性頭位めまい症、
いわゆるBPPV(Benign Paroxysmal Positional Vertigo)
ではないでしょうか。

中島「頭を左右に動かしたらどうなりますか?」
患者「ええっ? 左右…ですか」
中島「ちょっとやってみましょう。左右確認みたいに」
患者「はい」
中島「まず、右を向いて」
患者「向きました」
中島「次に左を向いて」
患者「はい」
中島「どうですか、目が回りましたか」
患者「何ともありません」

1歩、手がかりに近づいた!
水平半規管型のBPPVではなさそう。

中島「次はね、洗濯物を干すような姿勢を
   とってみてください」
患者「やらなくても分かります。
   それをするとすごくふらつくんですよ」
中島「おおーっ! では、次に椅子に座って、
   靴の紐を結ぶ動作をしてみましょう」
患者「あっとっとっと。目が回ります。すごく回ります!」

どうやら決まりですね。
典型的な後半規管型のBPPVです。
左右の患側を決めることができないのが
いささかもどかしくはありますが。

中島「夜中にトイレに行くときとかどうですか?」
患者「ふらつきます」
中島「顔を洗うときは?」
患者「それもダメです。こけそうになります」

顔を洗うときは必然的に目を閉じるので、
視覚情報が遮断されてふらつきが強くなるわけです。
暗い家の中でトイレに行くときも同じ理屈ですね。

中島「おめでとうございます。治りますよ、それ」
患者「ホントですか!」
中島「いわゆる良性発作性頭位めまい症という奴で、
   耳の奥の三半規管に耳石が入り込むことによって
   起こるのです」
患者「良、良性? 発作性?」
中島「名前が長いので我々はBPPVと略して
   呼んでいますけどね。
   三半規管に入り込んだ耳石は
   そのうちどこかに出ていってしまうので、
   放っておいても勝手に治るんです」
患者「そうなんですか! 薬とかあるんですか?」
中島「ありません。
   今年中に治るので大阪にも来なくていいです」

私は通常、初診のBPPVの患者さんに耳石置換は
やっていません。
放っておいても治るからです。

だから、今回もわざわざ大阪まで来てもらう必要も
ありません。

患者「先生、鍼灸とか行ってもいいですか?」
中島「ダメダメダメ! 皮膚の下にね、
   脳とおなかをつなぐシャントが入っているんだから、
   そんなところを鍼で刺してしまったら手術のやり直し
   になってしまいますよ」
患者「分かりました」

何を言い出すやら。ちょっとビビリました。

中島「ちなみに1番ふらつきが強かったときを100とすると、
  今日はどのくらいですか?」
患者「ちょっとマシになって70か60くらいです」
中島「それがだんだん良くなるはずですから、
   時々メールで症状を教えてください。『50になった』とか『30になった』って」
患者「分かりました!」

というわけで一件落着。

翌日には「安心しました。感謝します」という
お礼のメールが来ていました。

「放っておいても大丈夫!」と力強く言ってあげるのも、
ある意味、立派な医療ではないかと私は思います。

とはいえ、本当に治ってくれるのかな?
今回の顛末については、
あらためて報告させていただこうと思います。

最後に1句

電話聴き 自信を持って 放置する

中島 伸 ( なかじま しん ) 氏
独立行政法人国立病院機構大阪医療センター 脳神経外科、総合診療科

[略歴]
昭和34年神戸市生まれ。昭和59年大阪大学医学部卒業。麻酔科、脳神経外科、放射線科、救急などで研修する。平成6年〜9年の間、米国ボストンのハーバード大学およびブリガム・アンド・ウイミンズ病院に留学した。

2018年11月28日

なぜ高齢者にインフルワクチンが必要か

なぜ高齢者にインフルワクチンが必要か
サノフィ・メディアラウンドテーブル開催 2018年10月19日 06:10

 国立感染症研究所の調査によると、日本における昨シーズン(2017年9月〜18年4月)のインフルエンザ感染者は2,230万人を超え、
1999年の統計開始以来、最高となった(関連記事:「インフルエンザ3週連続で過去最高更新」)。

特に免疫力が低下している65歳以上の高齢者では、
インフルエンザウイルス感染により入院や死亡のリスクが高く、
専門医からはワクチン接種率向上の必要性が指摘されている。

9月5日、サノフィが東京都で開催したメディアラウンドテーブルでは、
米・Brown UniversityのStefan Gravenstein氏と
国立病院機構東京病院の永井英明氏が講演し、
高齢者がインフルエンザワクチンを接種する意義などについて説明した。

インフルエンザ感染が急性心筋梗塞のリスクに

 65歳以上の高齢者では循環器疾患などの慢性基礎疾患を抱えていることが多く、
インフルエンザウイルス感染はそれらを悪化させ、重症化の原因となることが珍しくない。

最初にGravenstein氏が、循環器疾患に対する影響を中心に、インフルエンザワクチン接種の有効性を説明した。

 高齢者では、加齢、糖尿病などの慢性疾患や、インフルエンザ、市中肺炎、帯状疱疹といった感染症の罹患に伴い、血栓が生じやすくなる。

特にインフルエンザに感染すると、頻脈、低酸素症、急性炎症、血栓形成を来し、急性心筋梗塞のリスクが高まる。

 同氏によると、インフルエンザワクチンの接種は、こうした急性心筋梗塞の予防に有効だという。
心血管リスクを有する6,735例(平均年齢67歳)を対象としたメタ解析で、
インフルエンザワクチンの接種が心血管イベント発現を36%低下させたとの報告(JAMA 2013; 310: 1711-1720)を紹介。

「ワクチンの接種により入院が減少し、医療費を抑制するというベネフィットも得られる」と述べ、
医療経済の観点からもワクチン接種の勧奨は重要であるとした。

 日本のインフルエンザワクチン接種率は、小児で59.2%、一般成人で28.6%、高齢者で58.5%とされるが、先進諸国と比べて決して高い水準にあるとはいえない。
こうした現状について、Medical Tribuneでは同氏に追加取材を行い、その考えについて聞いた。

 「ワクチン後進国」などとも呼ばれる日本の現状について、
同氏は「抗原量を増やした高用量ワクチンでなく、まず標準用量のワクチン接種率を向上させる必要があるのではないか」と指摘。

その上で、「米国でも、『ワクチンが悪い』とメディアで報道されることがある。
しかし、その年の流行を防げなかったとしても、ワクチンの有効性を示す試験結果は出ている」と話し、メディアなどを通じてワクチン接種の意義を啓発する重要性を強調した。

接種率上昇には公費助成の適応拡大を

 続いて登壇した永井氏は、日本の高齢者におけるインフルエンザワクチン接種の現状を説明した。

 インフルエンザによる入院と死亡は高齢になるほど増加するが、
その死因の多くは、うっ血性心不全、慢性閉塞性肺疾患、喘息、糖尿病などの慢性基礎疾患の悪化として分類される。

これらの疾患は、いずれも日本人の死因の上位を占めるものだが、
同氏は「高齢者の死因として、インフルエンザは過小評価されているのではないか」と話す。

 では、インフルエンザワクチン接種による予防は、死亡数を減少させることができるのか。

同氏は、1950〜2000年の日本と米国における肺炎およびインフルエンザによる超過死亡数とワクチン接種量の関係を調べた研究を紹介。
米国ではワクチン接種量の増加に伴い超過死亡数が減少している一方、
日本では1994年の任意接種化を契機に超過死亡数が増加していると指摘した
(図、 N Engl J Med 2001; 344: 889-896)。

図. 肺炎とインフルエンザによる超過死亡数およびワクチン接種量
なぜ高齢者にインフルワクチンが必要か|医療ニュース|Medical Tribune.jpg


 このように有効性が示されているインフルエンザワクチンだが、
日本で使用可能なものは標準用量の4価不活化ワクチンのみで、
抗原量を増やした高用量ワクチンが承認された米国と比べ、
選択肢は限定される。

また、公費助成の対象となるのは、
65歳以上または
60〜64歳で基礎疾患(身体障害者手帳1級相当の障害)を有する人のみである。

2010年に、生後6カ月以上の全国民が接種対象と位置付けられた米国に比べ、非常に厳しい基準が設けられているのだ。

 こうした状況を踏まえ、同氏は「インフルエンザワクチン接種による重症化予防効果は明らかなので、高齢者は積極的に接種してほしい」と述べ、「公費助成の対象を60歳未満にも拡大すべきだ」と訴えた。
(平山茂樹)
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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