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2018年11月27日
「鼻炎薬または抗ヒスタミン成分を含む薬剤は、 6歳未満児に処方すべきではなく、 6〜12歳児には慎重
「鼻炎薬または抗ヒスタミン成分を含む薬剤は、
6歳未満児に処方すべきではなく、
6〜12歳児には慎重に処方
オーストラリア・University of QueenslandのMieke L. van Driel氏らは、
かぜの治療に用いられる各種薬剤の効果をランダム化比較試験(RCT)のシステマチックレビューで検証し、
「鼻粘膜充血除去薬(鼻炎薬)は6歳未満児に処方すべきでない。
小児では鼻症状を緩和するという明確なエビデンスがなく、安全性は不明」
との結果をBMJ(2018; 363: k3786)に発表した。
「薬を飲まなくてもかぜの症状は数日で消えると説明して、患者や保護者を安心させるのがよい」としている。
成人でも効果は小さく副作用の懸念
一般にかぜはウイルスによって引き起こされ、その大半は7〜10日で症状が消失して自然に治癒するが、
就労や学業、医療サービスの利用、薬剤費に大きな影響を及ぼす可能性がある。
1年当たりの発症回数は小児で6〜8回、成人で2〜4回に上るという。
van Driel氏らはCochrane reviewに登録された研究を用いてメタ解析を実施。
その結果、成人に関しては、最長3〜7日間の鼻炎薬の単独使用または抗ヒスタミン薬や鎮痛薬との併用が鼻症状に有効である可能性を示唆するエビデンスが認められた。
ただし、その効果は小さく、副作用として不眠、傾眠、頭痛、胃不調のリスクが上昇する可能性があり、
長期使用は難治性の慢性鼻閉塞を引き起こす可能性もあることが示された。
さらに、同氏らは「疼痛緩和のためにアセトアミノフェン(パラセタモール)および非ステロイド抗炎症薬(NSAID)が処方される場合があるが、
これらは鼻閉塞や鼻水を改善しないと思われる」と指摘。
蒸気吸入、エキナセア(キク科の多年草でハーブとしてかぜ治療に広く用いられている)、ヴィックス ヴェポラッブ、ユーカリオイル、水分摂取量増加などはかぜ症状に効果がないか、全く検討されていなかった。
他の薬剤や家庭療法も含めエビデンスが不足
一方、かぜによる負担が最も大きい12歳未満児に関しては試験が不足していた。
そのため、van Driel氏らは「鼻炎薬または抗ヒスタミン成分を含む薬剤は、
6歳未満児に処方すべきではなく、
6〜12歳児には慎重に処方した方がよい。
これらの治療薬には鼻症状を緩和するというエビデンスがなく、
傾眠や消化器不調などの副作用を生じる可能性があり、
2歳未満児では痙攣、心拍数増加、死亡との関連が認められる」との見解を示している。
さらに同氏は「その他によく用いられる一般用医薬品をはじめ、加温加湿器、鎮痛薬、ユーカリオイル、エキナセアなどの家庭で用いられる治療法を支持するエビデンスはなかった。
生理食塩液による鼻洗浄やドロップは安全に使用できるが、期待するような症状緩和効果は得られない可能性がある」と述べている。
その上で現在進行中の研究がかぜの治療に関する新たなエビデンスを提供したり、疑問を解明したりする可能性は低いとし
「成人では短期間の鼻炎薬使用により鼻閉塞が多少軽減する可能性はあるが、
現時点のエビデンスに基づき、かぜの症状は数日で自然に消えると説明して患者や保護者を安心させることが最善策だ」と結論している。(太田敦子)
6歳未満児に処方すべきではなく、
6〜12歳児には慎重に処方
オーストラリア・University of QueenslandのMieke L. van Driel氏らは、
かぜの治療に用いられる各種薬剤の効果をランダム化比較試験(RCT)のシステマチックレビューで検証し、
「鼻粘膜充血除去薬(鼻炎薬)は6歳未満児に処方すべきでない。
小児では鼻症状を緩和するという明確なエビデンスがなく、安全性は不明」
との結果をBMJ(2018; 363: k3786)に発表した。
「薬を飲まなくてもかぜの症状は数日で消えると説明して、患者や保護者を安心させるのがよい」としている。
成人でも効果は小さく副作用の懸念
一般にかぜはウイルスによって引き起こされ、その大半は7〜10日で症状が消失して自然に治癒するが、
就労や学業、医療サービスの利用、薬剤費に大きな影響を及ぼす可能性がある。
1年当たりの発症回数は小児で6〜8回、成人で2〜4回に上るという。
van Driel氏らはCochrane reviewに登録された研究を用いてメタ解析を実施。
その結果、成人に関しては、最長3〜7日間の鼻炎薬の単独使用または抗ヒスタミン薬や鎮痛薬との併用が鼻症状に有効である可能性を示唆するエビデンスが認められた。
ただし、その効果は小さく、副作用として不眠、傾眠、頭痛、胃不調のリスクが上昇する可能性があり、
長期使用は難治性の慢性鼻閉塞を引き起こす可能性もあることが示された。
さらに、同氏らは「疼痛緩和のためにアセトアミノフェン(パラセタモール)および非ステロイド抗炎症薬(NSAID)が処方される場合があるが、
これらは鼻閉塞や鼻水を改善しないと思われる」と指摘。
蒸気吸入、エキナセア(キク科の多年草でハーブとしてかぜ治療に広く用いられている)、ヴィックス ヴェポラッブ、ユーカリオイル、水分摂取量増加などはかぜ症状に効果がないか、全く検討されていなかった。
他の薬剤や家庭療法も含めエビデンスが不足
一方、かぜによる負担が最も大きい12歳未満児に関しては試験が不足していた。
そのため、van Driel氏らは「鼻炎薬または抗ヒスタミン成分を含む薬剤は、
6歳未満児に処方すべきではなく、
6〜12歳児には慎重に処方した方がよい。
これらの治療薬には鼻症状を緩和するというエビデンスがなく、
傾眠や消化器不調などの副作用を生じる可能性があり、
2歳未満児では痙攣、心拍数増加、死亡との関連が認められる」との見解を示している。
さらに同氏は「その他によく用いられる一般用医薬品をはじめ、加温加湿器、鎮痛薬、ユーカリオイル、エキナセアなどの家庭で用いられる治療法を支持するエビデンスはなかった。
生理食塩液による鼻洗浄やドロップは安全に使用できるが、期待するような症状緩和効果は得られない可能性がある」と述べている。
その上で現在進行中の研究がかぜの治療に関する新たなエビデンスを提供したり、疑問を解明したりする可能性は低いとし
「成人では短期間の鼻炎薬使用により鼻閉塞が多少軽減する可能性はあるが、
現時点のエビデンスに基づき、かぜの症状は数日で自然に消えると説明して患者や保護者を安心させることが最善策だ」と結論している。(太田敦子)
2018年11月26日
心肺停止後の社会復帰率、日本は10%
心肺停止後の社会復帰率、日本は10%
応急処置を躊躇させる理由
(1)応急手当の方法がわからない、
(2)処置後の法的責任に不安がある。
(1)については、
AEDを扱える人を講習会などの開催で今後増やすと同時にAEDの設置場所について明示を工夫していく。
また、(2)については、
救命処置に対しわが国では、
「刑法第37条【緊急避難】と
民法第698条【緊急事務管理】で
刑事・民事ともに結果への責任が免責されているが、一般的に知られていない
提供元:ケアネット 公開日:2018/10/09
2018年9月18日、株式会社フィリップス・ジャパンは、都内において同社が推進する「Heart safe city構想」に関する記者発表会を行った。この構想は、心肺停止からの社会復帰率「世界一」を目指すもので、発表会では今後の計画と心肺蘇生に関するわが国の現状が解説された。
全国のAEDの使用率は約5%
はじめに同社代表取締役社長の堤 浩幸氏が、
わが国の心停止の救命の現状と今回の「Heart safe city構想」について説明した。
わが国には自動体外式除細動器(以下「AED」と略す)が約60万台普及しているにもかかわらず、
その使用率は約4.7%に過ぎず、
年間約7万5,000人の命が突然死により失われている。
そこで同社は、「Heart safe city構想」を掲げ、「心肺停止から社会復帰率“世界一”の実現を目指し、自治体との協働を行う」という。
わが国の心肺停止からの平均生存率は
10%前後であるのに対し、
欧米は60〜70%と非常に高い。
また、全国都道府県別の心肺停止からの生存率と社会復帰率では、地域格差もみられる。
生存率、社会復帰率の低さの原因として、
「初動対応の遅れ」
「AED実施率の低さ」
「救急需要の増加」
の3点が挙げられ、
「これらの課題の解決が急がれる」と同氏は語る。
具体的な今後の取り組みとしては、
AEDの適正配置、
継続可能な教育(人材育成として最初にAED操作をするファーストレスポンダーの育成)、
行政・自治体との協働による体制作りにより、
前述の課題解決に努めるという。
おわりに同氏は、
「今後『Heart safe city構想』に賛同を示した自治体などと連携し、
『救命の連鎖』
『自助×共助×公助』
のために継続的なサポートを行っていく」と
抱負を語り、説明を終えた。
救命処置に躊躇は不要
つぎに田中 秀治氏(国士館大学 救急システム研究科 研究科長・教授)が
「心肺蘇生に関する日本の実態について」をテーマに、
わが国の心肺蘇生とその後の社会復帰について解説を行った。
心臓に起因する突然死を起こす患者像として
50〜70代の男性が多く、
また、心停止の発生場所としては
自宅(75%)
が圧倒的な比率を占め、つぎに
公共屋外(11%)、
医療施設(9%)、
公共屋内(4%)
と続いていると説明した。
そして、
心停止で倒れて
3〜5分以内にAEDが使用できれば
70%近くの救命が可能だが、
10分を経過すると低酸素脳症により救命はほぼ難しく、
5分以内にAEDを使用できるかどうか、
AED設置の施設内ではすぐ使える体制にあるかが重要だと指摘する。
また、救急車の出動要請から現場到着まで
平均で8.6分
(2017年総務省レポート)、
そして患者への処置まで含めると13.6分程度の時間がかかるとの報告もあり、
現場の市民による心肺蘇生、AEDの使用が大切だと繰り返し語った。
具体例として、2009年の東京マラソン中に急性心筋梗塞で倒れたコメディアンの松村 邦洋氏を挙げ、「約7分の胸骨圧迫後にAEDを使用し、心拍が再開した。
現在、後遺症もなく、AEDの早期使用は有用であることを示す一例だった」と説明した。
しかしながら、市民の側にこうした応急処置を躊躇させる理由があると指摘。
(1)応急手当の方法がわからない、
(2)処置後の法的責任に不安があるとなどの理由を挙げた。
(1)については、AEDを扱える人を講習会などの開催で今後増やすことで、
ファ−ストレスポンダ−の育成とAEDの普及を目指すと同時に
AEDの設置場所についてもわかりやすく明示されるように工夫をしていくという。
また、(2)については、
救命処置に対しわが国では、
「刑法第37条【緊急避難】と
民法第698条【緊急事務管理】で
刑事・民事ともに結果への責任が免責されているが、
一般的に知られていないのが問題。
この不安感解消に向けても啓発を行っていきたい」と語り、講演を終えた。
■参考
株式会社フィリップス・ジャパン AED
(ケアネット 稲川 進)
応急処置を躊躇させる理由
(1)応急手当の方法がわからない、
(2)処置後の法的責任に不安がある。
(1)については、
AEDを扱える人を講習会などの開催で今後増やすと同時にAEDの設置場所について明示を工夫していく。
また、(2)については、
救命処置に対しわが国では、
「刑法第37条【緊急避難】と
民法第698条【緊急事務管理】で
刑事・民事ともに結果への責任が免責されているが、一般的に知られていない
提供元:ケアネット 公開日:2018/10/09
2018年9月18日、株式会社フィリップス・ジャパンは、都内において同社が推進する「Heart safe city構想」に関する記者発表会を行った。この構想は、心肺停止からの社会復帰率「世界一」を目指すもので、発表会では今後の計画と心肺蘇生に関するわが国の現状が解説された。
全国のAEDの使用率は約5%
はじめに同社代表取締役社長の堤 浩幸氏が、
わが国の心停止の救命の現状と今回の「Heart safe city構想」について説明した。
わが国には自動体外式除細動器(以下「AED」と略す)が約60万台普及しているにもかかわらず、
その使用率は約4.7%に過ぎず、
年間約7万5,000人の命が突然死により失われている。
そこで同社は、「Heart safe city構想」を掲げ、「心肺停止から社会復帰率“世界一”の実現を目指し、自治体との協働を行う」という。
わが国の心肺停止からの平均生存率は
10%前後であるのに対し、
欧米は60〜70%と非常に高い。
また、全国都道府県別の心肺停止からの生存率と社会復帰率では、地域格差もみられる。
生存率、社会復帰率の低さの原因として、
「初動対応の遅れ」
「AED実施率の低さ」
「救急需要の増加」
の3点が挙げられ、
「これらの課題の解決が急がれる」と同氏は語る。
具体的な今後の取り組みとしては、
AEDの適正配置、
継続可能な教育(人材育成として最初にAED操作をするファーストレスポンダーの育成)、
行政・自治体との協働による体制作りにより、
前述の課題解決に努めるという。
おわりに同氏は、
「今後『Heart safe city構想』に賛同を示した自治体などと連携し、
『救命の連鎖』
『自助×共助×公助』
のために継続的なサポートを行っていく」と
抱負を語り、説明を終えた。
救命処置に躊躇は不要
つぎに田中 秀治氏(国士館大学 救急システム研究科 研究科長・教授)が
「心肺蘇生に関する日本の実態について」をテーマに、
わが国の心肺蘇生とその後の社会復帰について解説を行った。
心臓に起因する突然死を起こす患者像として
50〜70代の男性が多く、
また、心停止の発生場所としては
自宅(75%)
が圧倒的な比率を占め、つぎに
公共屋外(11%)、
医療施設(9%)、
公共屋内(4%)
と続いていると説明した。
そして、
心停止で倒れて
3〜5分以内にAEDが使用できれば
70%近くの救命が可能だが、
10分を経過すると低酸素脳症により救命はほぼ難しく、
5分以内にAEDを使用できるかどうか、
AED設置の施設内ではすぐ使える体制にあるかが重要だと指摘する。
また、救急車の出動要請から現場到着まで
平均で8.6分
(2017年総務省レポート)、
そして患者への処置まで含めると13.6分程度の時間がかかるとの報告もあり、
現場の市民による心肺蘇生、AEDの使用が大切だと繰り返し語った。
具体例として、2009年の東京マラソン中に急性心筋梗塞で倒れたコメディアンの松村 邦洋氏を挙げ、「約7分の胸骨圧迫後にAEDを使用し、心拍が再開した。
現在、後遺症もなく、AEDの早期使用は有用であることを示す一例だった」と説明した。
しかしながら、市民の側にこうした応急処置を躊躇させる理由があると指摘。
(1)応急手当の方法がわからない、
(2)処置後の法的責任に不安があるとなどの理由を挙げた。
(1)については、AEDを扱える人を講習会などの開催で今後増やすことで、
ファ−ストレスポンダ−の育成とAEDの普及を目指すと同時に
AEDの設置場所についてもわかりやすく明示されるように工夫をしていくという。
また、(2)については、
救命処置に対しわが国では、
「刑法第37条【緊急避難】と
民法第698条【緊急事務管理】で
刑事・民事ともに結果への責任が免責されているが、
一般的に知られていないのが問題。
この不安感解消に向けても啓発を行っていきたい」と語り、講演を終えた。
■参考
株式会社フィリップス・ジャパン AED
(ケアネット 稲川 進)
2018年11月10日
5秒で正確判定可能なインフルエンザ検査機器を発売 大塚製薬とデンカ生研
5秒で正確判定可能なインフルエンザ検査機器を発売
大塚製薬とデンカ生研、
昨年7月発売の検査キット「クイックナビ−Flu2」の専用品
化学工業日報2018年10月17日 (水)配信
大塚製薬とデンカ生研は、
最短5秒でインフルエンザ検査を行える
医療機器「クイックナビリーダー」を10月23日に発売する。
喉や鼻腔から採取した検体中に
インフルエンザウイルスが含まれているかどうかを
デジタル表示で正確に判定する。
昨年7月に発売した検査キット「クイックナビ−Flu2」の専用品で、
目視判定に加えて機器判定が可能になる。
Flu2はイムノクロマト法に基づく
手のひらサイズのプレート。
穴に検体を滴下し、現れるラインの本数に基づいて感染の有無を判断する。
だが目視で本数を調べる場合、感じる色の濃さなどが異なるため、
判定者によってばらつきが生じることがある。
今回発売するクイックナビリーダーは、
Flu2を差し込むと陽性か陰性かをデジタル表示する。
ラインの本数に頼らないため正確性が高い。
ライン目視と同じくA型ウイルスとB型ウイルスとの判別も可能。
4万円前後の競合品に対し、2万8000円と価格も抑えた。
使い方は2種類から選べる。
検体滴下から十分な時間が経過したFlu2を挿入して5秒で判定するのがモード1。
一方、検体滴下直後のFlu2を挿入して1分間で判定するのがモード2。
ライン目視の代替ならモード1が、大量の検体を同時に調べるような場合はモード2が向く。
大塚製薬とデンカ生研は「クイックナビ」シリーズとして
インフルエンザウイルスのほか
ノロウイルス、
アデノウイルスなどの検査試薬を展開している。
デジタル表示キットはインフルエンザウイルス向けが初めて。新製品の製造はデンカ生研が、販売は両社が行う。
大塚製薬とデンカ生研、
昨年7月発売の検査キット「クイックナビ−Flu2」の専用品
化学工業日報2018年10月17日 (水)配信
大塚製薬とデンカ生研は、
最短5秒でインフルエンザ検査を行える
医療機器「クイックナビリーダー」を10月23日に発売する。
喉や鼻腔から採取した検体中に
インフルエンザウイルスが含まれているかどうかを
デジタル表示で正確に判定する。
昨年7月に発売した検査キット「クイックナビ−Flu2」の専用品で、
目視判定に加えて機器判定が可能になる。
Flu2はイムノクロマト法に基づく
手のひらサイズのプレート。
穴に検体を滴下し、現れるラインの本数に基づいて感染の有無を判断する。
だが目視で本数を調べる場合、感じる色の濃さなどが異なるため、
判定者によってばらつきが生じることがある。
今回発売するクイックナビリーダーは、
Flu2を差し込むと陽性か陰性かをデジタル表示する。
ラインの本数に頼らないため正確性が高い。
ライン目視と同じくA型ウイルスとB型ウイルスとの判別も可能。
4万円前後の競合品に対し、2万8000円と価格も抑えた。
使い方は2種類から選べる。
検体滴下から十分な時間が経過したFlu2を挿入して5秒で判定するのがモード1。
一方、検体滴下直後のFlu2を挿入して1分間で判定するのがモード2。
ライン目視の代替ならモード1が、大量の検体を同時に調べるような場合はモード2が向く。
大塚製薬とデンカ生研は「クイックナビ」シリーズとして
インフルエンザウイルスのほか
ノロウイルス、
アデノウイルスなどの検査試薬を展開している。
デジタル表示キットはインフルエンザウイルス向けが初めて。新製品の製造はデンカ生研が、販売は両社が行う。
2018年11月05日
起こりがちな患者との思いの“ズレ
起こりがちな患者との思いの“ズレ
【患者コミュニケーション塾】
公開日:2017/01/20 企画・制作 ケアネット
「録音していいですか?」と聞く患者の真意とは!
今回から連載コラム「患者コミュニケーション塾」を執筆することになりました
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの山口育子と申します。
これまでに経験してきた全国の患者さんからの相談内容を踏まえて、
患者さんと医療者がよりよい関係を構築していくためのヒントとなるような
さまざまな事例を紹介してまいります。
どのような場合でも、立場が違えば同じ事柄でも捉え方が異なりがちです。
とくに医療現場では患者と医師の思いのズレが起こりやすいと感じています。
最近、病院の院内研修会での講演に招かれた際、
医師からよく受ける質問として
「患者さんに説明しようとしたら、
『録音していいですか?』と言う人が増えてきました。
これは認めないといけないと思いますか?」という内容があります。
「説明内容を録音されると証拠を取られているようで、
話に制約がかかる」、
「揚げ足を取られないように非常に気を遣う」
と医師の方々は言います。
私もこれまで患者さんから電話相談を受けるなかで、
相談終了時になって「今の相談のやりとりを録音していたのですが、家族に聞かせていいですか?」
と言われたことが何度かあります。
最初に「録音していいですか?」と言い出しにくいために、
終了間際に言ったのだろうと頭では理解できるものの、
正直なところ「後から言われてもなぁ…」という気持ちは生じますので、
医師の方々が抵抗を覚える気持ちもわかります。
でも、まだ「言ってくださるだけありがたい」と考え、
今ではどの相談でも録音されていることを気持ちの上では前提にして対応するようにしています。
患者が録音したい理由は「証拠を取るため」ではない
ところが、患者側にしてみると、
録音したい理由は必ずしも「証拠を取るため」ではないのです。
電話相談で「医師の説明を録音してもいいでしょうか?」と聞かれることがあります。
その際、理由を問うと、ほとんどの場合「1回聞いただけでは理解できないので、
何度も聞き直したい」
「説明の場に同席できない家族に同じ内容の説明を聞かせたい」
ということなのです。
おそらく、証拠を取りたくて録音する人は、
胸のポケットなどにICレコーダーやスマートフォンをしのばせてこっそり録音するでしょう。
最近の機器は性能が良いので、机上に置かなくても小さな音声まで拾ってくれます。
そう考えると、あらかじめ録音の是非を問う人は、何らかの理由があるはずなのです。
そのため、患者が録音を希望した際には、「何のためですか?」と確認していただくと、
このようなズレが生じることもなくなるのではないかと思います。
かつて大きな誤解があった「セカンドオピニオン」も今や当たり前に
最近では患者、医師共に随分抵抗がなくなってきたセカンドオピニオンに関しても、
思いのズレがありました。
患者が「セカンドオピニオンを求めたい」と望むと、
かつては「この患者は私に不信感を抱いているのか」と受け止める医師が少なからずいました。
でも、患者としては治療を受ける大きな決断をするときに、
もう1人専門家の意見を聞いて「確認したい」というのが本音です。
今では、セカンドオピニオンは患者の当然の権利と考える医師や、
「セカンドオピニオンを受けてもらったほうが私への信頼を厚くして戻って来る」
と言う医師まで登場しました。
もちろん、時代の変化が後押ししている部分は大きいでしょう。
でも、患者の要求や行動の理由を理解することができれば、物事は前向きに捉えられるのだと思います。
どのようなときに思いのズレが生じるのか、
患者と医師がもう一歩踏み込んだコミュニケーションを取ることによって、
お互いの本音が出し合え、お互いの理解につながると思います。
山口 育子 ( やまぐち いくこ ) 氏
認定NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML理事長
[略歴]
大阪市生まれ。自らの患者体験から、患者の自立と主体的医療への必要性を痛感していた1991年11月COMLと出会う。
活動趣旨に共感し、1992年2月にCOMLのスタッフとなり、
相談、編集、渉外などを担当。
2002年4月に法人化したNPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの専務理事兼事務局長を経て、
2011年8月理事長に就任。
著書に『賢い患者』(岩波新書)。
【患者コミュニケーション塾】
公開日:2017/01/20 企画・制作 ケアネット
「録音していいですか?」と聞く患者の真意とは!
今回から連載コラム「患者コミュニケーション塾」を執筆することになりました
認定NPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの山口育子と申します。
これまでに経験してきた全国の患者さんからの相談内容を踏まえて、
患者さんと医療者がよりよい関係を構築していくためのヒントとなるような
さまざまな事例を紹介してまいります。
どのような場合でも、立場が違えば同じ事柄でも捉え方が異なりがちです。
とくに医療現場では患者と医師の思いのズレが起こりやすいと感じています。
最近、病院の院内研修会での講演に招かれた際、
医師からよく受ける質問として
「患者さんに説明しようとしたら、
『録音していいですか?』と言う人が増えてきました。
これは認めないといけないと思いますか?」という内容があります。
「説明内容を録音されると証拠を取られているようで、
話に制約がかかる」、
「揚げ足を取られないように非常に気を遣う」
と医師の方々は言います。
私もこれまで患者さんから電話相談を受けるなかで、
相談終了時になって「今の相談のやりとりを録音していたのですが、家族に聞かせていいですか?」
と言われたことが何度かあります。
最初に「録音していいですか?」と言い出しにくいために、
終了間際に言ったのだろうと頭では理解できるものの、
正直なところ「後から言われてもなぁ…」という気持ちは生じますので、
医師の方々が抵抗を覚える気持ちもわかります。
でも、まだ「言ってくださるだけありがたい」と考え、
今ではどの相談でも録音されていることを気持ちの上では前提にして対応するようにしています。
患者が録音したい理由は「証拠を取るため」ではない
ところが、患者側にしてみると、
録音したい理由は必ずしも「証拠を取るため」ではないのです。
電話相談で「医師の説明を録音してもいいでしょうか?」と聞かれることがあります。
その際、理由を問うと、ほとんどの場合「1回聞いただけでは理解できないので、
何度も聞き直したい」
「説明の場に同席できない家族に同じ内容の説明を聞かせたい」
ということなのです。
おそらく、証拠を取りたくて録音する人は、
胸のポケットなどにICレコーダーやスマートフォンをしのばせてこっそり録音するでしょう。
最近の機器は性能が良いので、机上に置かなくても小さな音声まで拾ってくれます。
そう考えると、あらかじめ録音の是非を問う人は、何らかの理由があるはずなのです。
そのため、患者が録音を希望した際には、「何のためですか?」と確認していただくと、
このようなズレが生じることもなくなるのではないかと思います。
かつて大きな誤解があった「セカンドオピニオン」も今や当たり前に
最近では患者、医師共に随分抵抗がなくなってきたセカンドオピニオンに関しても、
思いのズレがありました。
患者が「セカンドオピニオンを求めたい」と望むと、
かつては「この患者は私に不信感を抱いているのか」と受け止める医師が少なからずいました。
でも、患者としては治療を受ける大きな決断をするときに、
もう1人専門家の意見を聞いて「確認したい」というのが本音です。
今では、セカンドオピニオンは患者の当然の権利と考える医師や、
「セカンドオピニオンを受けてもらったほうが私への信頼を厚くして戻って来る」
と言う医師まで登場しました。
もちろん、時代の変化が後押ししている部分は大きいでしょう。
でも、患者の要求や行動の理由を理解することができれば、物事は前向きに捉えられるのだと思います。
どのようなときに思いのズレが生じるのか、
患者と医師がもう一歩踏み込んだコミュニケーションを取ることによって、
お互いの本音が出し合え、お互いの理解につながると思います。
山口 育子 ( やまぐち いくこ ) 氏
認定NPO法人 ささえあい医療人権センターCOML理事長
[略歴]
大阪市生まれ。自らの患者体験から、患者の自立と主体的医療への必要性を痛感していた1991年11月COMLと出会う。
活動趣旨に共感し、1992年2月にCOMLのスタッフとなり、
相談、編集、渉外などを担当。
2002年4月に法人化したNPO法人ささえあい医療人権センターCOMLの専務理事兼事務局長を経て、
2011年8月理事長に就任。
著書に『賢い患者』(岩波新書)。
2018年10月23日
「細切れでも、とびとびでも運動は、効果がありますよ」
「細切れでも、とびとびでも運動は、効果がありますよ」
「仕事が忙しくて、運動する時間がない」という患者さん【糖尿病外来NGワード】
公開日:2016/12/06 企画・制作 ケアネット
Dr. 坂根がレクチャーする糖尿病外来でのNGワードシリーズ。
■外来NGワード
「運動する時間をつくりなさい!」
「休みの日なら運動できるでしょ!」
「運動できないなら、もっと食事に気を付けなさい!」
■解説
「仕事が忙しくて、運動する時間がない」という言葉の裏には、
「運動したいと思っているが、まとまって運動する時間がとれない」という気持ちがあります。
まずは、「若いころはどんなスポーツや運動をやっていたのですか?」
と過去の運動歴を確認してみましょう。
運動習慣がある人なら、ウォーキングや筋トレなどの運動方法は、熟知しているはずです。
次に、「運動は20分以上しないと効果がない」と勘違いしていないかを確認します。
もし、「20分以上、運動しないと脂肪は燃えない」と勘違いしているようなら、
最新の運動に関するエビデンスを紹介し、
1回10分×3回の細切れ運動でも、1回30分の運動と同等の体力や減量に効果があることを説明します。
運動は習慣化が重要です。
最初は1日に2回の細切れ運動からスタートします。
「1日の中で10分の運動ができる時間帯はありますか?」と尋ねてみます。
1駅前で降りることで、通勤時の行き帰りに10分×2回の運動ができる人がいます。
休み時間に運動の時間をつくる人もいます。
これらの患者の心理とエビデンスを知ったうえで、「仕事が忙しくて、運動する時間がない」という患者さんには、次のように話してみてはいかがでしょうか?
■患者さんとの会話でロールプレイ
医師:運動のほうはいかがですか?
患者:運動不足なのはよくわかっているんですが、運動する時間がなかなかとれなくて…。
医師:なるほど。若いころはどんなスポーツや運動をされていましたか?(過去の運動歴の確認)
患者:学生時代はサッカーをしていました。
医師:そうでしたか。それなら、走れる体力はありそうですね。
患者:それが、なかなか走れる時間がとれなくて…。
医師:なるほど。それなら、いい方法がありますよ。
患者:それは何ですか?(興味津々)
医師:「昔は20分以上、運動しないと脂肪は燃えない」と考えられていたんですが、
実はそうではないんです。
患者:私もそう思っていました。
医師:1回30分の運動でも、1回10分の運動を3回する細切れ運動でも、
トータルで30分なら同じような効果が得られるそうですよ(細切れ運動を紹介)。
患者:そうなんですか!?
医師:そうなんです。それを週に5回行うことができれば、
週に150分の運動となり、減量や血糖改善に効果が上がると思いますよ
(週当たりの目標を説明)。
患者:それなら、スキマ時間に歩くようにしてみます(うれしそうな顔)。
■医師へのお勧めの言葉
「細切れ運動でも効果がありますよ!」
参考文献
1)Murohy MH, et al. Med Sci Sports Exerc. 1998;30:152-157.
2)Schmidt WD, et al. J Am Coll Nutr. 2001;20:494-501.
3)Jakicic JM, et al. Int J Obes Relat Metab Disord. 1995;19:893-901.
4)Jakicic JM, et al. JAMA. 1999;282:1554-1560.
5)Vlachopoulos D, et al. BMC Public Health. 2015;15:361.
6)Eguchi M, et al. Ind Health. 2013;51:563-571.
7)Samuels TY, et al. Prev Med. 2011;52:120-125.
講師紹介
坂根 直樹 ( さかね なおき ) 氏
京都医療センター 臨床研究センター 予防医学研究室長
「仕事が忙しくて、運動する時間がない」という患者さん【糖尿病外来NGワード】
公開日:2016/12/06 企画・制作 ケアネット
Dr. 坂根がレクチャーする糖尿病外来でのNGワードシリーズ。
■外来NGワード
「運動する時間をつくりなさい!」
「休みの日なら運動できるでしょ!」
「運動できないなら、もっと食事に気を付けなさい!」
■解説
「仕事が忙しくて、運動する時間がない」という言葉の裏には、
「運動したいと思っているが、まとまって運動する時間がとれない」という気持ちがあります。
まずは、「若いころはどんなスポーツや運動をやっていたのですか?」
と過去の運動歴を確認してみましょう。
運動習慣がある人なら、ウォーキングや筋トレなどの運動方法は、熟知しているはずです。
次に、「運動は20分以上しないと効果がない」と勘違いしていないかを確認します。
もし、「20分以上、運動しないと脂肪は燃えない」と勘違いしているようなら、
最新の運動に関するエビデンスを紹介し、
1回10分×3回の細切れ運動でも、1回30分の運動と同等の体力や減量に効果があることを説明します。
運動は習慣化が重要です。
最初は1日に2回の細切れ運動からスタートします。
「1日の中で10分の運動ができる時間帯はありますか?」と尋ねてみます。
1駅前で降りることで、通勤時の行き帰りに10分×2回の運動ができる人がいます。
休み時間に運動の時間をつくる人もいます。
これらの患者の心理とエビデンスを知ったうえで、「仕事が忙しくて、運動する時間がない」という患者さんには、次のように話してみてはいかがでしょうか?
■患者さんとの会話でロールプレイ
医師:運動のほうはいかがですか?
患者:運動不足なのはよくわかっているんですが、運動する時間がなかなかとれなくて…。
医師:なるほど。若いころはどんなスポーツや運動をされていましたか?(過去の運動歴の確認)
患者:学生時代はサッカーをしていました。
医師:そうでしたか。それなら、走れる体力はありそうですね。
患者:それが、なかなか走れる時間がとれなくて…。
医師:なるほど。それなら、いい方法がありますよ。
患者:それは何ですか?(興味津々)
医師:「昔は20分以上、運動しないと脂肪は燃えない」と考えられていたんですが、
実はそうではないんです。
患者:私もそう思っていました。
医師:1回30分の運動でも、1回10分の運動を3回する細切れ運動でも、
トータルで30分なら同じような効果が得られるそうですよ(細切れ運動を紹介)。
患者:そうなんですか!?
医師:そうなんです。それを週に5回行うことができれば、
週に150分の運動となり、減量や血糖改善に効果が上がると思いますよ
(週当たりの目標を説明)。
患者:それなら、スキマ時間に歩くようにしてみます(うれしそうな顔)。
■医師へのお勧めの言葉
「細切れ運動でも効果がありますよ!」
参考文献
1)Murohy MH, et al. Med Sci Sports Exerc. 1998;30:152-157.
2)Schmidt WD, et al. J Am Coll Nutr. 2001;20:494-501.
3)Jakicic JM, et al. Int J Obes Relat Metab Disord. 1995;19:893-901.
4)Jakicic JM, et al. JAMA. 1999;282:1554-1560.
5)Vlachopoulos D, et al. BMC Public Health. 2015;15:361.
6)Eguchi M, et al. Ind Health. 2013;51:563-571.
7)Samuels TY, et al. Prev Med. 2011;52:120-125.
講師紹介
坂根 直樹 ( さかね なおき ) 氏
京都医療センター 臨床研究センター 予防医学研究室長
2018年10月19日
40歳以上の日本人の20人に1人が緑内障、 9割のひとが気づいていない
2018年10月17日
1979年4月1日以前に生まれた男性と1962年4月1日以前に生まれた女性は定期接種機会なし
1979年4月1日以前に生まれた男性と1962年4月1日以前に生まれた女性は定期接種機会なし
風疹は小児の場合通常あまり重くない病気ですが、
妊娠20週頃までの妊婦、特に妊娠初期の女性が風疹にかかると、
胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、精神運動発達遅滞などをもった、
いわゆる先天性風疹症候群の児が出生する可能性があります。
また、風疹にかかるとまれに脳炎、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血などの軽視できない合併症をおこすことがあります。
大人が感染した場合は発熱や発疹の期間が小児に比べて長く、関節痛がひどいことがあり、
一週間以上仕事を休まなければならない場合もあります。
多くの人が予防接種をうけると、個人が風疹から守られるだけでなく、ほかの人に風疹をうつすことが少なくなり、社会全体が風疹から守られることになります。
風疹は小児の場合通常あまり重くない病気ですが、
妊娠20週頃までの妊婦、特に妊娠初期の女性が風疹にかかると、
胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、精神運動発達遅滞などをもった、
いわゆる先天性風疹症候群の児が出生する可能性があります。
また、風疹にかかるとまれに脳炎、血小板減少性紫斑病、溶血性貧血などの軽視できない合併症をおこすことがあります。
大人が感染した場合は発熱や発疹の期間が小児に比べて長く、関節痛がひどいことがあり、
一週間以上仕事を休まなければならない場合もあります。
多くの人が予防接種をうけると、個人が風疹から守られるだけでなく、ほかの人に風疹をうつすことが少なくなり、社会全体が風疹から守られることになります。
2018年10月10日
職場の風疹対策,大人の「学級閉鎖も必要」
職場の風疹対策,大人の「学級閉鎖も必要」
風疹の予防対策はMRワクチン接種以外にないが、妊婦は接種できない。
風疹抗体(ー)の妊婦が妊娠20週ごろまでに風疹ウイルスに感染した場合、
胎児の眼や耳、心臓に障害を来す先天性風疹症候群のリスク!
風疹の感染予防対策については、夫婦やカップル、同居の家族だけでなく職場にも求められる。
主な風疹感染者は、抗体がない者が多いとされる30〜50歳代の男性で、
症状が軽微だと休暇を取得せずに出勤を続けることで、
職場や通勤経路で感染を拡大させている。
職場などの健康管理者に対し就労中の妊婦を風疹感染から保護する適切な対応策を施行する努力が必要。
風疹の予防対策はMRワクチン接種以外にないが、妊婦は接種できない。
風疹抗体(ー)の妊婦が妊娠20週ごろまでに風疹ウイルスに感染した場合、
胎児の眼や耳、心臓に障害を来す先天性風疹症候群のリスク!
風疹の感染予防対策については、夫婦やカップル、同居の家族だけでなく職場にも求められる。
主な風疹感染者は、抗体がない者が多いとされる30〜50歳代の男性で、
症状が軽微だと休暇を取得せずに出勤を続けることで、
職場や通勤経路で感染を拡大させている。
職場などの健康管理者に対し就労中の妊婦を風疹感染から保護する適切な対応策を施行する努力が必要。
2018年09月30日
日本の近い将来! 米で性感染症の拡大と淋菌の薬剤耐性化進む CDC調査
日本の近い将来!
米で性感染症の拡大と淋菌の薬剤耐性化進む CDC調査
国際医学短信2018年9月10日 (月)配信 産婦人科疾患腎・泌尿器疾患感染症投薬に関わる問題
米国では2017年に淋病や梅毒、クラミジア感染症と
診断された症例は230万人近くと前年を大きく上回り、
4年連続で性感染症(STD)の拡大が続いていることが米疾病対策センター(CDC)の調べで分かった。
また、淋菌の抗菌薬耐性化が急速に進んでいることも懸念されたことから、
CDCのSTD予防部門長を務めるGail Bolan氏は
「淋病の新たな治療選択肢の開発が緊急に求められる」と指摘している。
調査結果の詳細はSTD予防会議(2018 STD Prevention Conference、8月27〜30日、米ワシントンD.C.)で発表された。
CDCの報告書によると、
淋病の診断数は2013年の33万3,004人から2017年には55万5,608人へと67%増加した。
男性ではほぼ倍増し、女性も3年連続で増加している。
また、梅毒の診断数は同期間に1万7,375人から3万664人へと76%増加し、
感染者の7割は男性の同性愛者あるいは両性愛者であった。
最も頻度が高いクラミジア感染症は、
2017年には170万人以上が診断されており(2016年には160万人)、
45%は15〜24歳の若い女性であった。
さらに、アジスロマイシン耐性の淋菌の割合は2013年には1%だったのに対し、
2017年には4%以上にまで増加し、淋菌の抗菌薬耐性化が急速に進んでいることも明らかになった。
STDはいずれも抗菌薬で治療できるが、未治療のまま放置している患者も多い。
STDを治療せずに放置すると妊娠能力に影響し、
子宮外妊娠や死産の原因にもなるほか、骨盤や腹部の慢性疼痛を引き起こし、
HIV感染リスクも増大するため適切な治療が必要となる。
STD拡大の要因には、
特に若年層での検診や性教育が不十分であることが考えられると、
専門家らは指摘している。
また、連邦政府は近年、STD対策の財政支援を縮小してきたが、
こうした支援縮小後にSTDの急増が認められていることも分かった。
「州や地域の保健局は、事実上15年前の半分の予算でSTD対策を講じている」と
NCSD(National Coalition of STD Directors)の理事を務めるDavid Harvey氏は述べている。
淋菌は長きにわたって各種抗菌薬に耐性を獲得しており、
米国では現在、セフトリアキソンが淋菌に高い有効性を示す唯一の抗菌薬とされている。
2015年以降、
淋病治療にはセフトリアキソンの静脈注射単回投与とアジスロマイシン経口投与の併用が推奨されているが、
この併用療法もいずれは効かなくなる可能性があると専門家らは危惧している。
CDCは医師に対し、患者とSTDについて率直に話し合う機会を持ち、
早期発見、早期治療を実現することでSTDの拡大阻止に努めるよう強く呼び掛けている。
HealthDay News 2018年8月28日
Copyright2018 HealthDay. All rights reserved.
米で性感染症の拡大と淋菌の薬剤耐性化進む CDC調査
国際医学短信2018年9月10日 (月)配信 産婦人科疾患腎・泌尿器疾患感染症投薬に関わる問題
米国では2017年に淋病や梅毒、クラミジア感染症と
診断された症例は230万人近くと前年を大きく上回り、
4年連続で性感染症(STD)の拡大が続いていることが米疾病対策センター(CDC)の調べで分かった。
また、淋菌の抗菌薬耐性化が急速に進んでいることも懸念されたことから、
CDCのSTD予防部門長を務めるGail Bolan氏は
「淋病の新たな治療選択肢の開発が緊急に求められる」と指摘している。
調査結果の詳細はSTD予防会議(2018 STD Prevention Conference、8月27〜30日、米ワシントンD.C.)で発表された。
CDCの報告書によると、
淋病の診断数は2013年の33万3,004人から2017年には55万5,608人へと67%増加した。
男性ではほぼ倍増し、女性も3年連続で増加している。
また、梅毒の診断数は同期間に1万7,375人から3万664人へと76%増加し、
感染者の7割は男性の同性愛者あるいは両性愛者であった。
最も頻度が高いクラミジア感染症は、
2017年には170万人以上が診断されており(2016年には160万人)、
45%は15〜24歳の若い女性であった。
さらに、アジスロマイシン耐性の淋菌の割合は2013年には1%だったのに対し、
2017年には4%以上にまで増加し、淋菌の抗菌薬耐性化が急速に進んでいることも明らかになった。
STDはいずれも抗菌薬で治療できるが、未治療のまま放置している患者も多い。
STDを治療せずに放置すると妊娠能力に影響し、
子宮外妊娠や死産の原因にもなるほか、骨盤や腹部の慢性疼痛を引き起こし、
HIV感染リスクも増大するため適切な治療が必要となる。
STD拡大の要因には、
特に若年層での検診や性教育が不十分であることが考えられると、
専門家らは指摘している。
また、連邦政府は近年、STD対策の財政支援を縮小してきたが、
こうした支援縮小後にSTDの急増が認められていることも分かった。
「州や地域の保健局は、事実上15年前の半分の予算でSTD対策を講じている」と
NCSD(National Coalition of STD Directors)の理事を務めるDavid Harvey氏は述べている。
淋菌は長きにわたって各種抗菌薬に耐性を獲得しており、
米国では現在、セフトリアキソンが淋菌に高い有効性を示す唯一の抗菌薬とされている。
2015年以降、
淋病治療にはセフトリアキソンの静脈注射単回投与とアジスロマイシン経口投与の併用が推奨されているが、
この併用療法もいずれは効かなくなる可能性があると専門家らは危惧している。
CDCは医師に対し、患者とSTDについて率直に話し合う機会を持ち、
早期発見、早期治療を実現することでSTDの拡大阻止に努めるよう強く呼び掛けている。
HealthDay News 2018年8月28日
Copyright2018 HealthDay. All rights reserved.
2018年09月26日
梅毒が昨年上回るペースで増加中、原因不明の発疹には疑いを
梅毒が昨年上回るペースで増加中、原因不明の発疹には疑いを
提供元:ケアネット 公開日:2018/09/10
梅毒の届け出数は、2014年頃から急激な増加傾向にあり、昨年は年間報告数が44年ぶりに5,000例を超えた。
今年は昨年をさらに上回るペースで増加しており、国立感染症研究所の発表によると、累積報告数は8月22日集計時点ですでに4,221例となっている1)。
日本医師会は9月5日の定例記者会見で、感染経路を含む発生動向について解説するとともに、感染拡大への注意を促した。
都市部で圧倒的に多い報告数、背景にあるのは?
梅毒の年間報告数は長く1,000例以下で推移していたが、2011年頃から徐々に増加し、2014年頃からは男女ともに急激に増加している。
2017年の報告数を都道府県別にみると、東京都が1,777例と圧倒的に多く、次いで大阪府(840例)、愛知県(339例)、神奈川県(322例)と、都市部で多い。
年齢別では、男性では20〜40代、女性では20代の感染が目立っている2)。
感染経路ごとの報告数をみると、2014年頃までは同性間性交渉で感染した男性の増加が目立っていたが、以降は異性間性交渉で感染した男女がともに大きく増加している3)。
このことから、2014年以降の急激な増加の背景には、異性間性交渉による感染があるとみられるという。
また、2014年以降に報告数が急増した岡山県岡山市での調査4)では、2017年に異性間性交渉で感染した男性のうち、過去数ヵ月以内に風俗店の利用のあった患者は71.2%を占めており、女性では25.9%がCSW(コマーシャルセックスワーカー)であった。
厚生労働省では、梅毒の発生動向をより詳細に把握することを目的として、来年を目途に届出基準を改正する見通し。
新たに届出事項として、性風俗産業の従事歴・利用歴や梅毒既往歴、妊娠の有無などを加える予定としている。
診断が難しく、無症候期でも感染力あり
このような状況から日本医師会では今年8月、日本性感染症学会と協力して「梅毒診療ガイド」のダイジェスト版5)を会員医師に配布している(下記リンクページから閲覧可能)。
梅毒は感染後、典型的には3週間前後の潜伏期間を経て、
まず侵入部位(外性器や口内など)に無痛性のしこり・潰瘍ができるが(第1期)、
じきに消失するため、見逃されやすい。
さらに、3ヵ月後頃には発疹(全身性だが、
しばしば手のひらや足の裏に発現)がみられることが多いが(第2期)、
こちらも自然に消失する。
登壇した平川 俊夫常任理事は、「この症状があれば梅毒だと鑑別することは難しく、症状がない期間も感染力はある」と説明し、「全診療科の医師が、梅毒が増えているということを念頭において、非特異的な皮膚病変、あるいは皮膚以外でも説明がつかないような臓器病変を診たら、積極的に抗体検査を行って、梅毒の可能性を除外していくようにしてほしい」と呼びかけた。
また陽性の場合には、パートナーの受診を医療従事者が積極的に推奨することも重要だという。
■参考
1)NIID国立感染症研究所「IDWR 感染症発生動向調査週報(2018年第33週)」
2)砂川富正ほか. 感染症発生動向調査からみた国内の性感染症の動向・先天梅毒の調査. 厚生労働科学研究費補助金「性感染症に関する特定感染症予防指針に基づく対策の推進に関する研究」. 分担研究報告書;2018.
3)厚生労働省「第5回厚生科学審議会感染症部会エイズ・性感染症に関する小委員会」資料
4)兒玉とも江ほか. IASR. 2018;39: 86-88.
5)日本性感染症学会・厚生労働科学研究「性感染症に関する特定感染症予防指針に基づく対策の推進に関する研究」班発行.日本医師会協力.梅毒診療ガイド(ダイジェスト版);2018.
提供元:ケアネット 公開日:2018/09/10
梅毒の届け出数は、2014年頃から急激な増加傾向にあり、昨年は年間報告数が44年ぶりに5,000例を超えた。
今年は昨年をさらに上回るペースで増加しており、国立感染症研究所の発表によると、累積報告数は8月22日集計時点ですでに4,221例となっている1)。
日本医師会は9月5日の定例記者会見で、感染経路を含む発生動向について解説するとともに、感染拡大への注意を促した。
都市部で圧倒的に多い報告数、背景にあるのは?
梅毒の年間報告数は長く1,000例以下で推移していたが、2011年頃から徐々に増加し、2014年頃からは男女ともに急激に増加している。
2017年の報告数を都道府県別にみると、東京都が1,777例と圧倒的に多く、次いで大阪府(840例)、愛知県(339例)、神奈川県(322例)と、都市部で多い。
年齢別では、男性では20〜40代、女性では20代の感染が目立っている2)。
感染経路ごとの報告数をみると、2014年頃までは同性間性交渉で感染した男性の増加が目立っていたが、以降は異性間性交渉で感染した男女がともに大きく増加している3)。
このことから、2014年以降の急激な増加の背景には、異性間性交渉による感染があるとみられるという。
また、2014年以降に報告数が急増した岡山県岡山市での調査4)では、2017年に異性間性交渉で感染した男性のうち、過去数ヵ月以内に風俗店の利用のあった患者は71.2%を占めており、女性では25.9%がCSW(コマーシャルセックスワーカー)であった。
厚生労働省では、梅毒の発生動向をより詳細に把握することを目的として、来年を目途に届出基準を改正する見通し。
新たに届出事項として、性風俗産業の従事歴・利用歴や梅毒既往歴、妊娠の有無などを加える予定としている。
診断が難しく、無症候期でも感染力あり
このような状況から日本医師会では今年8月、日本性感染症学会と協力して「梅毒診療ガイド」のダイジェスト版5)を会員医師に配布している(下記リンクページから閲覧可能)。
梅毒は感染後、典型的には3週間前後の潜伏期間を経て、
まず侵入部位(外性器や口内など)に無痛性のしこり・潰瘍ができるが(第1期)、
じきに消失するため、見逃されやすい。
さらに、3ヵ月後頃には発疹(全身性だが、
しばしば手のひらや足の裏に発現)がみられることが多いが(第2期)、
こちらも自然に消失する。
登壇した平川 俊夫常任理事は、「この症状があれば梅毒だと鑑別することは難しく、症状がない期間も感染力はある」と説明し、「全診療科の医師が、梅毒が増えているということを念頭において、非特異的な皮膚病変、あるいは皮膚以外でも説明がつかないような臓器病変を診たら、積極的に抗体検査を行って、梅毒の可能性を除外していくようにしてほしい」と呼びかけた。
また陽性の場合には、パートナーの受診を医療従事者が積極的に推奨することも重要だという。
■参考
1)NIID国立感染症研究所「IDWR 感染症発生動向調査週報(2018年第33週)」
2)砂川富正ほか. 感染症発生動向調査からみた国内の性感染症の動向・先天梅毒の調査. 厚生労働科学研究費補助金「性感染症に関する特定感染症予防指針に基づく対策の推進に関する研究」. 分担研究報告書;2018.
3)厚生労働省「第5回厚生科学審議会感染症部会エイズ・性感染症に関する小委員会」資料
4)兒玉とも江ほか. IASR. 2018;39: 86-88.
5)日本性感染症学会・厚生労働科学研究「性感染症に関する特定感染症予防指針に基づく対策の推進に関する研究」班発行.日本医師会協力.梅毒診療ガイド(ダイジェスト版);2018.