2021年02月22日
看護師・医療従事者の糖尿病の人ににナッツ摂取させたら、 心筋梗塞と全死亡者数が減った :大規模前向きコホート
看護師・医療従事者の糖尿病の人に
ナッツを摂取させたら、心筋梗塞と全死亡者数が減った
:大規模前向きコホート
心筋梗塞や脳卒中、足の動脈がつまる閉塞性動脈硬化症ナッツを摂取させたら、心筋梗塞と全死亡者数が減った
:大規模前向きコホート
(心血管疾患:CVD)そして早期死亡を
ナッツ類(とくに木の実)を摂取することで、予防できる。
しかも、糖尿病と診断された後でも遅くない。
これまで、CVDをはじめとした慢性疾患発症に対する
ナッツ摂取の効果が報告されてきたが、
2型糖尿病とすでに診断された患者に対する
ナッツ摂取の長期的ベネフィットについては、
エビデンスが十分ではなかった。
米国・ハーバードT.H.Chan
公衆衛生大学院のGang Liu氏らが、
看護師健康調査(1980〜2014年)と
医療従事者追跡調査(1986〜2014年)の参加者のうち、
ベースライン時あるいは追跡期間中に
2型糖尿病と診断された1万6,217例について
行った試験で明らかにしたもので、
Circulation Research誌オンライン版
2019年2月19日号で発表された。
本研究は、ナッツ摂取量と
冠動脈疾患(CHD)や脳卒中を含むCVDリスク、
全死因死亡率と疾患特異的死亡率の関連を
調べることを目的として行われた。
ナッツ摂取は総量のほか、
木の実やピーナッツといった、
特定種類の摂取量についても検討された。
なお、ナッツ摂取量は
食物摂取頻度調査票(FFQ)を
用いて評価され、2〜4年ごとに更新された。
主な結果は以下のとおり。
・延べ追跡期間は22万3,682〜25万4,923人年。
その間に3,336例がCVDを発症し、5,682例が死亡した。
・総ナッツ摂取量の増加は、CVD発生率および死亡率低下と関連した。
・週5サービング以上のナッツ摂取量が多い参加者は、
月に1サービング未満の少ない参加者と比較して、
(1サービング:手のひらに軽く1杯くらいの量=28g)
総CVD発生率(多変量調整後のハザード比[HR]:0.83、
95%信頼区間[95%CI]:0.71〜0.98、傾向のp=0.01)、
CHD発生率(HR:0.80、95%CI:0.67〜0.96、傾向のp=0.005)、
CVD死亡率(HR:0.66、95%CI:0.52〜0.84、傾向のp<0.001)、
全死因死亡率(HR:0.69、95%CI:0.61〜0.77、傾向のp<0.001)が低かった。
・木の実(クルミ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、
マカダミア、ヘーゼルナッツなど)の摂取量が多いほど、
総CVDおよびCHD発生率、CVDとがんによる死亡率、全死因死亡率が低下していた。
一方、ピーナッツ摂取量の増加は、全死因死亡率の低下のみと関連していた
(すべて、傾向のp<0.001)。
・糖尿病と診断後に
総ナッツ摂取量を変えなかった参加者と比較して、
診断後に摂取量を増やした参加者は、
CVDリスクが11%、CHDリスクが15%低かった。
また、CVD死亡率は25%、全死因死亡率は27%低かった。
・これらの関連は、性別/コホート、
糖尿病診断時のBMI、喫煙状態、
糖尿病罹患期間、糖尿病診断前のナッツ摂取量、
または食事の質によって
層別化されたサブグループ分析においても持続した。
参考文献
提供元:ケアネット記事 遊佐 なつみ
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