2019年08月08日
砂糖入り飲料、がんのリスク増大/BMJ
(100%果物ジュースはからだにいいと思ってた。
確かに、過量な果糖は代謝できないし、
どの代謝経路に入るかわかっていないから
ほどほどに、ということみたい)
砂糖入り飲料、がんのリスク増大/BMJ
提供元:ケアネット 公開日:2019/07/22
砂糖入り飲料の消費は、
全がんおよび乳がんの
リスクを増加させ、
100%果物ジュースも
全がんのリスクと
関連することが、
フランス・パリ第13大学のEloi Chazelas氏らの調査で明らかとなった。
研究の成果は、BMJ誌
2019年7月10日号に
掲載された。
砂糖入り飲料の消費は
最近10年で世界的に
増加しているという。
砂糖入り飲料と肥満リスクには明確な関連が認め
られ、肥満は多くのがんの
強力なリスク因子とされる。
10万人以上の住民を対象とするフランスのコホート研究
研究グループは、
100%果物ジュースを含む砂糖入り飲料および人工甘味料入り飲料と、
がんのリスク
との関連の評価を目的とする
住民ベースの前向きコホート研究を行った
(フランス保健省などの助成による)。
解析には、フランスで2009年にWebベースで登録が開始された
NutriNet-Santeコホートの2018年までのデータ(10万1,257例)を用いた。
砂糖入り飲料および人工甘味料入り飲料の消費の評価には、
3,300項目の食品および飲料に関して、
参加者の日常的な消費状況が記録されるようデザインされた
反復的24時間食事記録法を用いた。
飲料のタイプごとに、男女別の消費量を
それぞれ4段階に分けて解析した。
主要アウトカムは、
飲料の消費と
全がん、乳がん、前立腺がん、大腸がんの関連とした。
競合リスクを考慮し、多変量で補正した
FineとGrayのハザードモデルを用いて評価を行い、
部分分布のハザード比(HR)を算出した。
がん予防における修正可能なリスク因子である可能性
10万1,257例(平均年齢42.2[SD 14.4]歳)のうち、
女性が7万9,724例(78.7%)を占め、
男性は2万1,533例(21.3%)であった。
飲料のタイプ別の割合は、
砂糖入り飲料(100%果物ジュースを除く)が36%、
100%果物ジュースが45%で、
人工甘味料入り飲料は19%だった。
追跡期間中央値5.1年(49万3,884人年)の間に、
2,193例が初発のがんを発症した。
内訳は、
乳がんが693例(閉経前283例、閉経後410例)、
前立腺がんが291例、
大腸がんは166例で、
診断時の平均年齢は58.5±12.0歳だった。
砂糖入り飲料の消費は、
全がん(消費量100mL/日増加の部分分布HR:1.18、
95%信頼区間[CI]:1.10〜1.27、p<0.001)および
乳がん(1.22、1.07〜1.39、p=0.004)のリスクと
有意な関連が認められた。
乳がんは、閉経前(p=0.02)が閉経後(p=0.07)よりも
関連性が明確であったが、
砂糖入り飲料の消費量中央値は、
閉経期(88.2mL/日)のほうが閉経前(43.2mL/日)に比べ多かった。
砂糖入り飲料の消費は、
前立腺がんおよび大腸がんとは関連がなかった。
また、肺がんにも関連は認めなかったが(p=0.1)、
統計学的検出力がきわめて低かった。
人工甘味料入り飲料の消費は、
がんのリスクとは関連しなかったが、
全サンプルに占める消費の割合が相対的に低かった
ことから、統計学的検出力が不十分であった可能性がある。
サブ解析では、
100%果物ジュースの消費は全がん
(消費量100mL/日増加の部分分布HR:1.12、
95%CI:1.03〜1.23、p=0.007)
のリスクと有意な関連を示した。
著者は、
「これらの結果は、
他の大規模な前向き研究で再現性を検証する必要がある」とし、
「欧米諸国で広く消費されている砂糖入り飲料は、
がん予防において除去可能なリスク因子である」と指摘している。
(医学ライター 菅野 守)
原著論文はこちら
Chazelas E, et al. BMJ. 2019;366:l2408
確かに、過量な果糖は代謝できないし、
どの代謝経路に入るかわかっていないから
ほどほどに、ということみたい)
砂糖入り飲料、がんのリスク増大/BMJ
提供元:ケアネット 公開日:2019/07/22
砂糖入り飲料の消費は、
全がんおよび乳がんの
リスクを増加させ、
100%果物ジュースも
全がんのリスクと
関連することが、
フランス・パリ第13大学のEloi Chazelas氏らの調査で明らかとなった。
研究の成果は、BMJ誌
2019年7月10日号に
掲載された。
砂糖入り飲料の消費は
最近10年で世界的に
増加しているという。
砂糖入り飲料と肥満リスクには明確な関連が認め
られ、肥満は多くのがんの
強力なリスク因子とされる。
10万人以上の住民を対象とするフランスのコホート研究
研究グループは、
100%果物ジュースを含む砂糖入り飲料および人工甘味料入り飲料と、
がんのリスク
との関連の評価を目的とする
住民ベースの前向きコホート研究を行った
(フランス保健省などの助成による)。
解析には、フランスで2009年にWebベースで登録が開始された
NutriNet-Santeコホートの2018年までのデータ(10万1,257例)を用いた。
砂糖入り飲料および人工甘味料入り飲料の消費の評価には、
3,300項目の食品および飲料に関して、
参加者の日常的な消費状況が記録されるようデザインされた
反復的24時間食事記録法を用いた。
飲料のタイプごとに、男女別の消費量を
それぞれ4段階に分けて解析した。
主要アウトカムは、
飲料の消費と
全がん、乳がん、前立腺がん、大腸がんの関連とした。
競合リスクを考慮し、多変量で補正した
FineとGrayのハザードモデルを用いて評価を行い、
部分分布のハザード比(HR)を算出した。
がん予防における修正可能なリスク因子である可能性
10万1,257例(平均年齢42.2[SD 14.4]歳)のうち、
女性が7万9,724例(78.7%)を占め、
男性は2万1,533例(21.3%)であった。
飲料のタイプ別の割合は、
砂糖入り飲料(100%果物ジュースを除く)が36%、
100%果物ジュースが45%で、
人工甘味料入り飲料は19%だった。
追跡期間中央値5.1年(49万3,884人年)の間に、
2,193例が初発のがんを発症した。
内訳は、
乳がんが693例(閉経前283例、閉経後410例)、
前立腺がんが291例、
大腸がんは166例で、
診断時の平均年齢は58.5±12.0歳だった。
砂糖入り飲料の消費は、
全がん(消費量100mL/日増加の部分分布HR:1.18、
95%信頼区間[CI]:1.10〜1.27、p<0.001)および
乳がん(1.22、1.07〜1.39、p=0.004)のリスクと
有意な関連が認められた。
乳がんは、閉経前(p=0.02)が閉経後(p=0.07)よりも
関連性が明確であったが、
砂糖入り飲料の消費量中央値は、
閉経期(88.2mL/日)のほうが閉経前(43.2mL/日)に比べ多かった。
砂糖入り飲料の消費は、
前立腺がんおよび大腸がんとは関連がなかった。
また、肺がんにも関連は認めなかったが(p=0.1)、
統計学的検出力がきわめて低かった。
人工甘味料入り飲料の消費は、
がんのリスクとは関連しなかったが、
全サンプルに占める消費の割合が相対的に低かった
ことから、統計学的検出力が不十分であった可能性がある。
サブ解析では、
100%果物ジュースの消費は全がん
(消費量100mL/日増加の部分分布HR:1.12、
95%CI:1.03〜1.23、p=0.007)
のリスクと有意な関連を示した。
著者は、
「これらの結果は、
他の大規模な前向き研究で再現性を検証する必要がある」とし、
「欧米諸国で広く消費されている砂糖入り飲料は、
がん予防において除去可能なリスク因子である」と指摘している。
(医学ライター 菅野 守)
原著論文はこちら
Chazelas E, et al. BMJ. 2019;366:l2408
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