アフィリエイト広告を利用しています
最新記事
プロフィール
keenedge1999さんの画像
keenedge1999
市井の料理研究家兼ミリタリー研究家です。思いついたことを書いていきます。
プロフィール
カテゴリーアーカイブ
写真ギャラリー

2023年02月05日

あのバルーンを撃て

・F-22は気球を近距離からLOBLで撃ったようだ

・気球をレーダーで捉えるのは難しい

・出来るPはより確実な状態(条件)を作ってミサイルを発射する


珍しくナウでホットな話題を掘り下げます(^^)


U.S. downs suspected spy balloon

某国のものとみられるバルーンを、大西洋上でF-22がAIM-9Xで撃墜したとされるシーンです。このシーンから思うところを述べてみます。

まず、F-22はかなり近距離でミサイルを撃っています。これはミサイルのロケットモーターの燃焼が終わってから余り間を置かずに命中しているところからも分かります。意外に思われるかもしれませんが、一般的にミサイルの燃焼時間はそれほど長くはありません。(参考例: 81式短SAM-1C 5.5秒)

では何故近距離で撃ったかというと以下の理由が考えられます。
(追記)
こちらの記事では5nm(約9km)先から発射したようです。映像をストップウォッチで測ってみましたが、発射から命中まで6.5秒程度、モーターの燃焼時間は3-4秒程度なので、距離的にはそんなもんだろうと思います。

1. 確実を期すため相手を目視できる距離まで接近した。
2. LOBL(発射前ロックオン)で発射した。
3. 上記に関連して相手がコールドガスを使ったバルーンだったためロックオンレンジが短かった。


まぁ1は兎も角として、2と3について説明します。

LOBLで発射するのは確実を期すためです。その際、シーカーポジションが目標に向いているかどうかをHUD上で確認します。なお、一般的に赤外線誘導の空対空ミサイルでは、特に周囲にノイズ源がある場合などの際は意図する目標へのロックオンを確認するため、UNCAGE(レーダーとの連動を解除する)してシーカーをセルフ・トラックさせるべきとされています。これによりHUD上でシーカーポジションが意図した目標へ向いているかどうかを確認出来ます。これでレーダーとシーカーのロックオンが確認出来ればFCSからシュートキューというお墨付きが得られます。

SRMモードの画像が無かったので、以下の写真で雰囲気だけ味わってください。F-18がGunモードでF-22を捉えている様子です。Pipperはオンターゲットしていますが、タマの残弾0なのでGunは使えない状態です。IN LARはLaunch Acceptability Regionの略で、既に選択した兵器の有効範囲内にあることを意味しています。

F-18_HUD_gun_symbology.jpeg
引用元: By e2a2j - US Navy, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=4280111

3のロックオンレンジが短かった件については、相手が赤外線をガンガン発生するジェット機ではなくコールドガスを使ったバルーンであるため背景との赤外線コントラスト差が少なく、シーカーがロックオンし難かったと考えられます。ただ、目標の高度が高いため背景の温度は低く、また雲のようなノイズ源も少ないこと、昼間の為に太陽の輻射熱によりバルーンの赤外線を捉えやすかった面もあります。

あと、もう一つ気にかかるのは機上のレーダーでこのバルーンを捉える件です。バルーンですから高速で移動している訳でもなく、通常のパルスドップラーモードではノイズとして処理されてしまいます。従って目標をを捉えるためにはパルスモードでサーチしたのでしょう。パルスモードの場合は目標をルックアップで見る必要がありますが(クラッター防止のため)、この場合相手は高空ですからこの辺りは問題ありません。

では、管理人が考えた今回の迎撃手順です。

1. データリンク又は管制官の誘導により目標へ向かう。
2. 目標より高度を下げ、レーダーをパルスモードで目標を捜索する。
3. 目標を捉えた後に目視で確認する。
4. 司令部より撃墜の許可を得て、Master ArmをオンにしてSRMモードにてロックオンさせる。
5. ミサイルを機外へ出し、シーカーをアンケージしてセルフトラックでシーカーポジションを目標へ向けさせる。
6. ミサイルが目標を捉え、チャーピングトーンが鳴り出す。
7. HUD上のシーカーポジションから確実にシーカーが目標を捉えていることを確認する。
8. シュートキューが出ていれば発射する。

なお、出来るPはより確実な状態(条件)を作ってミサイルを発射しようとします。

しかし、偵察のため相手国へバルーンを飛ばすってのはどうなんでしょうね。

<追記>
鮮明な映像がありました。これを見るとバルーンと釣り下がっている観測機器の間で爆発しているように見えます。ここを狙って撃ったという言説もありましたが、恐らくはmiss distanceじゃないかと思います。ミサイルがバルーンと観測機器のどちらを捉えていたのかは分かりません。


https://twitter.com/rawsalerts/status/1621980596346953729?s=20&t=4854B7r2enH3tK_rfrskMQ

F-22ラプター最新版 (イカロスmook) [ Jウイング編集部 ]

価格:1,527円
(2023/2/5 16:54時点)
感想(1件)



1/48 F-22 ラプター プラモデル(再販)[ハセガワ]《発売済・在庫品》

価格:4,737円
(2023/2/5 16:54時点)
感想(0件)






最新コメント
最新トラックバック
検索
記事ランキング
  1. 1. 【緊急投稿】P-1はダメな子っぽい
  2. 2. アクティブ・デコイはミサイルへと向かう
  3. 3. 誘導爆弾は重いで(思い出)
リンク集
タグクラウド
ファン
QRコード