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2020年08月11日
【口溶けなめらか】アイスクリーム
アイスクリームの市場規模は、2019年度で5,151億円となります。2011年度以降、2018年度まで7年連続で市場の拡大を果たしていますが、2019年度は7月の天候不順の影響を受け販売が落ち込み、前年比99.3%と8年連続の規模拡大とはなりませんでした。アイスクリーム業界は天候要因の占めるウェイトが大きいと言われています。今年3月以降は、感染症の影響を受け、業務用製品は大幅に売上が縮小しています。
種類別実績としては、アイスクリームやアイスミルク、ラクトアイスが前年を下回り、氷菓が僅かながら上回っています。形態別実績としては、その他一般、モナカ、マルチタイプの順です。その他一般とは、1口タイプやサンドタイプ、もちアイス、飲むタイプ、ケーキが該当し、アイスクリーム市場で従来の形態にとらわれない製品が多く、継続的に市場が伸びています。 モナカはワンハンドでの食べやすさ、マルチタイプは家庭での買い置き需要の定着が要因のようです。
2020年度も7月は低温と長雨に見舞われ、前年をさらに下回る状況です。1年で1番アイスが売れるのが7月、2番目が8月という最需期に向け、食品メーカーは春先から、早々に作りだめを行っており、倉庫は満杯の状態が続いています。
アイスクリームには、厳しい規格に適合した原材料が使用されています。
・牛乳及び乳製品
アイスクリームの主な原材料は、牛乳と乳製品です。乳製品には、クリームやバター、脱脂濃縮乳や脱脂粉乳があります。アイスクリームにミルクの風味やコク、口溶けのなめらかさを付与します。
・糖質
アイスクリームを作るためには、適度な甘さはかかせません。砂糖やブドウ糖、水あめなどを使用します。糖質は、アイスクリームの口溶けをなめらかにします。
・植物油脂
乳脂肪の代替となる原材料です。主にヤシ油やパーム油などが用いられます。すっきりとした口あたりになります。
・風味を付与する成分
さまざまな風味を作るために、チョコレートやストロベリー、抹茶、あずきなどの原材料が使われています。
・食品添加物
ローカストビーンガムやグアガム、ゼラチン、寒天、ペクチンなどの安定剤は、形状を維持する役割があります。レシチンやグリセリン脂肪酸エステルなどの乳化剤は、水と油を均一に分散させる役割があり、脂肪と氷と細かい空気の泡からできているアイスクリームの成分を均一にする働きがあります。バニラエッセンスや果物から抽出したフレーバーは、アイスクリームの香りを引き立たせます。クチナシや野菜色素などの着色料は、アイスクリームに鮮やかな色を添えます。
一般的なアイスクリームの製法を紹介します。
1 原材料の計量
レシピに基づき、牛乳やクリーム、バターなどの乳製品、糖質、植物性油脂などを計量します。
2 原材料の混合
混合タンクに原材料を投入し、加温溶解します。
3 ろ過
混合した原材料から、不純物などを取り除くために、ろ過装置を通します。
4 均一化
混合した原材料をホモゲナイザーという設備で細かくし、成分を均一にします。
5 殺菌及び冷却
混合した原材料を68℃以上で30分間加熱殺菌し、0〜5℃まで冷やします。
6 エージング
0〜5℃でしばらく貯蔵し、質感をなめらかにします。
7 フリージング
混合した原材料を撹拌し、空気を混入させながら、急速に冷却し、半凍結の状態にします。この工程で水分が細かい氷の結晶となり、なめらかな食感になります。
8 充填
半凍結の状態で、カップなどの容器に充填します。
9 硬化
マイナス30℃以下のトンネルフリーザーで連続的に凍結させます。
10 検査
重量や異物混入の有無、成分検査、菌検査を行います。
11 保管
マイナス25℃以下の冷凍庫で保管します。
12 出荷
冷凍車にて出荷します。
ちなみにアイスクリームを製造する工場には、たいてい社員食堂などに大きなショーケースがあり、好きなだけタダでアイスを楽しむことができます。
乳成分量によって、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓の4つに分類されます。定義と成分規格は、食品衛生法によって定められています。
1 種類別アイスクリーム
乳固形分15.0%以上、うち乳脂肪分8.0%以上となり、乳固形分と乳脂肪分が最も多く含まれています。
2 種類別アイスミルク
乳固形分10.0%以上、うち乳脂肪分3.0%以上となり、乳固形分と乳脂肪分はアイスクリームに比べて少なくなっています。植物油脂が使われることもあります。
3 種類別ラクトアイス
乳固形分3.0%以上となり、乳固形分は種類別アイスミルクよりさらに少なく、植物油脂が使われることもあります
4 種類別氷菓
乳固形分はほぼありません。果汁などを凍らせたアイスやかき氷などがあります。
アイスクリームは、マイナス18℃以下で保管することで、温度管理がきちんとされていれば、細菌が増えることはなく、長期間保存しても品質変化は極めてわずかです。消費者庁 食品表示基準の規定により、アイスクリーム類にあっては期限及びその保存方法を省略することができると定められています。
また、家庭の冷凍庫に保管し、扉の開閉が多い場合、庫内の温度変化が大きくなります。このような状態で長期保管すると氷の結晶が大きくなり、食べたときになめらかさが失われ、おいしくなくなります。
アイスクリームを食べたとき、キーンとくる頭痛には、2つの説が有力とされています。ひとつは、冷たい物が喉を通るとき、喉にある神経が刺激され、その伝達信号を脳が痛みと勘違いして頭痛が生じるとのことです。もうひとつは、冷たいものを食べると急に喉や口の中が冷えるため、人間の身体は一時的に血流量を増やして温めようとし、脳につながる血管が膨張して頭痛が起きるとのことです。
ゆっくり時間をかけて食べることでこの頭痛は、生じにくくなります。
アイスクリームの市場規模は、2019年度で5,151億円となります。アイスクリーム業界は天候要因の占めるウェイトが大きいと言われています。
アイスクリームには、厳しい規格に適合した原材料が使用されています。アイスクリームの主な原材料は、牛乳と乳製品です。乳製品には、クリームやバター、脱脂濃縮乳や脱脂粉乳があります。アイスクリームにミルクの風味やコク、口溶けのなめらかさを付与します。
アイスクリームのなめらかさに影響する製法のポイントは、原材料を均一化することとフリージングで混合した原材料を撹拌し、空気を混入させながら急速に冷却することです。ホモゲナイザーで原材料を均一化すること、そして攪拌しながら半凍結させることで空気が多量に含まれ、口溶けのなめらかなアイスクリームができあがります。
乳成分量によって、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓の4つに分類されます。定義と成分規格は、食品衛生法によって定められています。
アイスクリームは、マイナス18℃以下で保管することで、温度管理がきちんとされていれば、細菌が増えることはなく、長期間保存しても品質変化は極めてわずかです。消費者庁 食品表示基準の規定により、アイスクリームは賞味期限表示を省略することができます。
アイスクリームは、ゆっくり時間をかけて食べることで、頭痛が生じにくくなります。
2020年08月10日
【任意】食品の製品開発に役立つ資格と業界の現状
食品メーカーで新製品の開発に取り組むのは、製品開発部門です。生活に密着した切り離すことのできない食に、消費者の要望や会社の方針、イメージ、自身の考えを反映させ、食品という形に作り上げて、市場に提供するとてもやりがいのある仕事です。
製品開発担当者には、さまざまな専門的知識が求められますが、まずは熱と動機だけも十分かもしれません。必須となる資格は特にありませんが、持っていると仕事に活かせる資格はあります。
この食品の製品開発に役立つ資格をご紹介します。
・食品衛生管理者
食品衛生管理者は、食品の製造及び加工を衛生的に管理するための国家資格です。食品衛生法で指定された食品の製造及び加工を行う工場などの施設において、専任の食品衛生管理者の配置が義務付けられています。食品衛生管理者は、専門学校や大学などで畜産学、農芸学などを履修すると卒業時に取得することができます。そのほかに食品や添加物の製造及び加工についての衛生管理業務に3年以上従事し、講習会を受講する方法もあります。食品の製造及び加工などを行う食品メーカーにとっては、必須となる資格のため、この資格を持っていることで優遇される場合があります。
・栄養士及び管理栄養士
栄養の管理指導を行うために必要な資格です。栄養士と管理栄養士はともに食品や栄養に関する専門家です。栄養士は、専門学校や短大などで栄養士養成科目を履修すると卒業時に取得することができます。管理栄養士は、国家資格となり、卒業後に試験に合格しなければならないことなど、より専門性の高い知識が求められます。主な仕事としては、給食施設や学食、社員食堂などで、対象者に合わせたカロリー計算や栄養バランスを考えた献立の作成などがあります。管理栄養士は、医師の指導のもと、医療従事者として病態に合わせた栄養指導も行うことが可能です。食品の製品開発において、これらの資格自体は要求されませんが、栄養に関する知識が役立つ場面は多々あります。
・調理師
食品の栄養や衛生、適切な調理法など幅広い知識を持ち、調理の実務に従事することができる国家資格です。調理師学校などの養成施設を卒業すること、あるいは飲食店などで2年以上実務経験を積んで、調理師試験に合格すれば免許を取得することができます。食品メーカーでのレシピ開発や小売りなどの流通に対してのプレゼンテーションなどで資格が大いに役立ちます。
・フードアナリスト
食についての情報を総合的に解説するための知識を身につけた専門家として認定される民間資格です。レストランなどの料理やサービス、雰囲気などを評価分析し、食の情報専門家として、食文化やトレンドなどの情報を発信することができます。1級から4級までの4段階のレベルがあり、検定試験に合格することで資格取得が可能となります。
・TOEIC
国内市場規模の縮小は確実なため、食品メーカーも海外に積極的に進出し、海外市場のマーケティングや販路の拡大、工場の設置を模索あるいは進めています。ですので、英語ができた方が食品メーカーに歓迎されます。また、食品についての英語の文献を調査することもあります。
・パソコン関係
資格までは必要ありませんが、食品メーカーではレシピの作成にExcel、社内社外文書の作成にWord、説得力あるストーリー性を伴ったプレゼンテーションにPowerPoint、データベースにAccessを使用することが多いです。最近はスマートフォンに慣れており、パソコンの操作が苦手な人も散見されます。
持っていると食品の製品開発に役立つ資格ではありますが、これらの資格を持っているからと言って、就職が有利になるということではありません。しかし、食品の製品開発を行う際には、資格や知識が大いに役立ちます。食品の製品開発に興味があれば、まずはこれらの資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
食品メーカーは、食品の開発、原材料調達、製造、検査、出荷、販売などを行います。食品なので、消費者が食べることを目的としています。食べるということは、食中毒や異物によるリスクもあり、最悪の場合は、命に関わることさえあります。そのため、食品メーカーでは原材料の調達や品質管理などに厳しく対応しなければなりません。
加工食品の国内市場規模は22〜23兆円で推移しており、ほかの業界に比べて市場が巨大であり、大手企業が多い業界です。この業界で生き残るためには、消費者の要望をいち早く捉え、製品開発などのイノベーションを創出していかなければなりません。
食品メーカーが危惧しているのは、国内市場の縮小です。日本では少子高齢化が進んでおり、それに伴う人口の減少は確実です。そのため、食品メーカーも活路を求めて海外進出を行っています。中でもアジアへの進出が先行し、インドネシアやベトナム、中国などには多くの食品メーカーが、資本参加や工場の立ち上げを含め、参入しています。
食品メーカーで新製品の開発に取り組むのは、製品開発部門です。生活に密着した切り離すことのできない食に、消費者の要望や会社の方針、イメージ、自身の考えを反映させ、食品という形に作り上げて、市場に提供するとてもやりがいのある仕事です。
製品開発担当者には、さまざまな専門的知識が求められますが、まずは熱と動機だけも十分かもしれません。必須となる資格は特にありませんが、食品衛生管理者や栄養士、調理師、TOEICなど持っているとその知識を仕事に活かせることは間違いありません。
資格スクール特集
2020年08月09日
【リアル】健康食品に対する不満と期待
ある調査研究によると健康食品に対して、消費者がどのような不満を感じているかが明らかとなっています。
健康食品に対する消費者のリアルな不満ランキングです。
1位 効果の不満
健康食品に対する不満で最も多かったのが、効果についてです。健康食品をあてにしているが、実際に効果を感じることができずに不信感を募らせていることが多いです。消費者としては、企業の販促効果もあって期待はとても高いことがうかがえます。
2位 販促の不満
年齢を重ねるごとに体内のある成分が少なくなるとか、体内では作れないからと不安を煽るような宣伝文句に踊らされ、恐怖心もともなって、初回半額をきっかけになかば強制的に継続購入しているようです。あれもこれも買っていたら、毎月それなりの金額になります。また、表現が制限されていることもあり、どういう効果があるかなど必要な情報が少なく、「効果には個人差があります」の表記が小さすぎて、誰も気づかないことにも不満をつのらせています。
3位 企業への要望
風邪をひきにくくなる健康食品を販売して欲しい、肌が弱いので肌が強くなるような健康食品を開発してほしい、白髪が黒くなる健康食品を開発してほしい、青汁やコラーゲンの入った食べやすく美味しいものを開発してほしい、骨が若返る、声が若返る、元気が出る健康食品を販売してほしいなど不満ではなくさまざまな要望があります。
4位 味やにおい、形状の不満
毎日の継続的な摂取を妨げているのは、味やにおい、形状です。大きすぎて健康食品を飲み込むことが難しい子供や高齢者にも配慮した形状が望まれます。また、成分を重視するあまり苦味が強いこと、あるプラセンタドリンクやあるコラーゲンドリンクのように、においがきつく飲む気力が失われることもあります。ただ、味やにおいをカバーするために糖によるコーティングや甘味料、香料を過剰に盛り込むと、本末転倒となってしまうこともあります。せめて錠剤タイプから粉末タイプにすることで、大きさや形状による飲みやすさは解消され、飲料などに混ぜて摂取することができるようになります。
5位 価格の不満
圧倒的に多いのは価格が高いことです。継続的に購入したい一方、安くはない健康食品を続けるのは経済的に無理というのが本音のようです。体のあちこちに不調が出てくる中高年は、健康食品への期待は高いものの、あれこれと不調に合わせて購入するのは、現実的ではありません。そのため、効果を得られない場合の返金保証や毎日続けられるように安く販売してほしい、気に入っており家族も使うため大容量のお買い得品を出してほしいといった要望があります。
6位 身体への安全性の不満
健康食品の安全性に疑問を感じる方は多く、健康食品を摂取したことで返って不調になったという声も散見されます。美容ドリンクや健康食品は原材料の安全性がわからない、健康食品は成分表示だけでなく原材料の産地や残留農薬についても開示して欲しいなどの声があがっています。
7位 表示や容器の不満
健康食品を効果的に摂取する方法、何がどう体に良いのか、1回の摂取量などの情報が分かりにくく、明解な表示が求められています。ボトルに入っている健康食品はどれも似ているため一目見ただけで確認ができること、健康食品を飲んでいる途中でなんのために飲んでいるのかわからなくなること、いつどのタイミングで何錠ずつ飲めばいいのか不明確といった意見があります。
8位 選び方に悩む不満
健康食品の市場にさまざまな製品や情報があまりにも多いことから、購入の躊躇や継続購入の障壁となっています。売れ筋のランキングだけでなく、健康食品の品質を判断できる基準や、適したものをすすめてくれる方法や専門家の意見を聞きたいという要望があがっています。実際の声としては、健康食品を飲みたいけれど、種類が多く安全性も不明で、適量がどれくらいかわからず、結局飲むことができません。そのため、インターネットの不確かな情報を頼りにするしかない状況です。
健康食品は、業界内で競合がひしめき合う状況となっており、他社にはない新たな機能性成分を探し求めること、他社の製品よりも有効な成分を1つでも多く配合すること、認知度の高まりつつある成分に他社よりも多くのプロモーション戦略を展開し、他社からシェアを奪うことしか考えていないかもしれません。つまり、競合のことばかりを考え、本質となる悩みを抱える消費者に、「悩みを解決するために何が」、「どのような効果があって」、「どれくらいの量で」、「いつ摂取すれば」、「どんな悩みが解決するか」を説明あるいは提案することを忘れているかもしれません。表示を含め規制はありますが、可能な限り分かりやすく伝えることが重要であり、伝わらなければ何の意味もありません。
不満がたくさんあるということは、消費者が健康食品に期待を寄せていることの証左でもあります。
業界としても、最初からできないと決めつける前に、不満や要望から新たな切り口を模索し、表示や容器も含めた改良や新製品の提案などをとおして、少しずつでも消費者から支持を得ることが、業界の発展、そしてなによりも消費者が健康に対する悩みの改善から生まれる豊かなライフスタイルを実現できます。
ある調査研究によると健康食品に対して、消費者がどのような不満を感じているかが明らかとなっています。健康食品に対する不満で最も多かったのが、効果についてです。健康食品をあてにしているが、実際に効果を感じることができずに不信感を募らせていることが多いです。また、年齢を重ねるごとに体内のある成分が少なくなるとか、体内では作れないからと不安を煽るような宣伝文句に踊らされ、恐怖心もともなって、初回半額をきっかけになかば強制的に継続購入しているようです。さらに味やにおい、形状への配慮、継続的に購入するための価格設定、安全性、用法などが続きます。
業界としても、競合他社の動向にとらわれることなく、本質である消費者の健康に対する悩みの改善とそこから生まれる豊かなライフスタイルの実現について、改めて考える時期に差し掛かっているのではないでしょうか。
2020年08月08日
【対策】口臭の原因と食品による改善方法
口臭の主な原因は口の中にあります。ひとつは、舌苔(ぜったい)という、舌に付着した白い苔状の細菌や食べカスが付着したものです。現在は自然な生体反応の1つとの認識で、舌の粘膜の保護の観点から、物理的除去よりも根本原因の解決を図ることが多くなっています。除去の方法としては、舌ブラシなどです。もうひとつは、歯周病です。歯周病とは、歯と歯ぐきの間に繁殖する細菌に感染し、歯の周りに炎症が起こる病気です。炎症が歯ぐきのときは歯肉炎、それ以上進行すると歯周炎(歯槽膿漏)と呼ばれます。はじめは自覚症状がないまま進行し、歯周炎になると歯が抜け落ちるだけでなく、全身に影響が及ぶことがあります。口臭は自己識別が難しいため、気にする人が多い一方で無自覚な人も多い健康上の問題です。
口臭は、口あるいは鼻を通して出てくる気体のうち、社会的容認限度を超える悪臭と定義されています。正常な食生活によるにんにく臭やアルコール臭などは、この定義では口臭には含まれないようです。
口臭の大部分は、口腔内の気体に由来するものであり、主な原因となる物質は揮発性硫黄化合物の硫化水素やメチルメルカプタンなどで、おおよそ90%を占めています。これらの揮発性硫黄化合物は、口の内で生育に酸素を必要としない細菌が唾液や食べカス中の硫黄を含むアミノ酸を分解することで産生されます。産生場所としては、舌苔と歯周病がほとんどを占め、この2つでは舌苔からの産生の方が多いといわれています。通常は硫化水素の割合が多く、歯周病ではメチルメルカプタンの割合が高くなります。
厚生労働省の2016年の歯科疾患実態調査によると、15歳以上の約10%が、口臭が気になると回答しています。口臭のように鼻周囲で常時発生するにおいは嗅覚順応という生体反応のため、自己評価しにくくなっています。そのため強い口臭を持つ人を無自覚にさせてしまいます。 かなり前となりますが、1992年に一般的な日本人の口臭の実態を把握するために、2,672名(18歳〜64歳)の口腔疾患や口腔環境、生活習慣などの調査と併せて口臭原因物質、つまり揮発性硫黄化合物測定を分析機器により行ったところ、以下のことが報告されています。
・口臭には日内でも変動があり、食事やうがいなどの口腔活動から時間が経過するほど揮発性硫黄化合物濃度が高くなる
・揮発性硫黄化合物濃度の平均に男女感での有意な差は認められない
・年齢が高いほど揮発性硫黄化合物濃度は高い傾向にあるが、揮発性硫黄化合物産生に寄与する原因の影響を排除すると年齢で有意な差は認められない
・口臭に関係するのは、舌苔と歯周病であり、その強さは舌苔の方が歯周病より大きい。一方で、歯垢やむし歯、歯磨き習慣、喫煙の影響はほとんどない
・口臭の自己評価と実際の口臭の有無とは相関関係にない
・社会的容認限度を越える強さの口臭を持つ成人は、測定時間帯にもよるが6〜23%存在する
また、大学病院の統計によると、口臭検査で来院された人の約1/3が口腔内の清掃状態不良に伴う口臭で、1/3が歯周病に由来する口臭と報告されています。
口臭には3つの種類があります。
1 病的口臭
鼻や喉、呼吸器系、消化器系の病気などが原因で口臭が発生する場合もありますが、病的口臭の90%以上は、舌苔や歯周病など口の中に原因があります。
2 生理的口臭
誰にでもあることで、起床時や空腹時、ストレスにより特に口臭は強まります。これは唾液の分泌が減少し、細菌が増殖して口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物がたくさん作られるためです。歯みがきで細菌や揮発性硫黄化合物を取り除いたり、食事をしたり、水分をとるようことで唾液の量が増加すれば、口臭は弱まります。つまり、生活習慣の改善でよくなります。
3 食品による口臭
にんにくやねぎ、玉ねぎ、アルコールなどによる口臭は一時的なもので、時間の経過とともに臭いもなくなります。
水は口臭予防にもっとも効果的です。口の中を洗い流し、口の中の乾燥を防ぐために小まめに水を飲むだけで、口臭の予防になります。
食品の中には、口の中をきれいにし、唾液の分泌量を促すものがあります。レタスやゴボウなどの食物繊維が豊富な野菜は、食物繊維の働きで、口内に残った食べカスをからめ取る効果があるといわれています。梅干やレモン、シュガーレスガムなどは、唾液の分泌を促し、唾液の抗菌作用と自浄力作用により、口臭を予防します。ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、口内の細菌を減少させる報告があります。
口臭の主な原因は口の中にあり、舌苔(ぜったい)と歯周病で90%以上を占めています。これらは病的口臭のため、病院でみてもらう必要があります。
病的口臭のほかに、生理的口臭と食品による口臭があります。生理的口臭は、誰にでもあることで、起床時や空腹時、ストレスにより特に口臭は強まります。唾液の分泌が減少し、細菌が増殖して口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物がたくさん作られることに起因します。食品による口臭は、にんにくやねぎ、玉ねぎ、アルコールなどによる口臭で一時的なものです。
水で口の中を洗い流し口の中の乾燥を防ぐこと、食物繊維の多い食品を摂り口内に残った食べカスをからめ取ること、抗菌作用と自浄力作用を有する唾液の分泌を促進する食品を摂取すること、そして歯みがきで細菌や揮発性硫黄化合物を取り除くことで、口臭は改善されます。
口臭は自身の思い込みも影響するようです。どうしても気になるようであれば、水や食物繊維の多い食品、唾液の分泌を促進する食品の摂取、そして歯みがきとあわせて歯科医師監修のもと開発した歯みがきジェルや口臭対策のサプリメントを試してみてはいかがでしょうか。
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2020年08月07日
【解消】加工食品に対する不安要素
加工食品とは、食品になんらかの加工を施したものです。種類は、水産練り製品、肉加工品、乳加工品、嗜好食品、調味料、菓子、冷凍食品、レトルト食品、缶詰、インスタント食品など多岐にわたります。加工食品は、法律によって食品表示が義務付けられており、適切に選び扱うことが必要です。
普段なにげなく食べている食品は、動物や植物由来の天然の物のみならず、これらに加工を施したものが多く使用されています。食品の多くは長期間保存することができません。そのため、食品の品質保存や有効利用、安定供給を目的として、さまざまな方法を用いて食品を加工したものが加工食品です。昨今では栄養素の改善や色、香り、味などの嗜好性を高めるだけではなく、簡便性、調理の短縮化を図ることなども目的としています。
加工食品の種類は、水産練り製品、肉加工品、乳加工品、野菜加工品、果実加工品、油脂、嗜好食品、調味料、菓子、冷凍食品、レトルト食品、缶詰、びん詰め食品・インスタント食品など多岐にわたります。最近は時間的、経済的な理由から冷凍食品、レトルト食品、インスタント食品といった調理済み、あるいは半調理済みの食品の使用が増えています。これらの加工食品は、食品の加工過程での栄養素量の低下や食品の味や色等の低下が考えられ、その分を調味料や食品添加物などで補い、品質を整えています。調理済みもしくは半調理済みの加工食品は手軽で、経済的にみても比較的安価であるといった利点がありますが、使用頻度が高くなるとカロリーや脂質、塩分などの過剰摂取につながるといった問題点もあり、食生活のなかで上手く使用することが重要です。
販売されている加工食品のうち、容器や袋で包装された加工食品には、名称や原材料名(食品添加物の表示・アレルギー物質を含む食品の表示・遺伝子組み換え食品の表示なども含む)、内容量、期限表示、保存方法、製造者及び販売者などの食品表示が法律によって義務付けられています。また、栄養成分表示としてその加工食品に含まれるエネルギー量や栄養素量が表示されているものもあります。加工食品の表示には、さまざまな情報が載っています。
日本政策金融公庫による平成 26 年度消費者動向調査のなかで、約8割の方が加工食品に対して不安を感じていると いう結果になり、食の安全に対する関心の高さが浮き彫りになりました。その不安の要因としては、食品添加物が突出しており、遺伝子組み換え、原産地が続きます。
食品添加物とは、食品の製造工程において、食品の加工もしくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものです。多くの加工食品には、食品添加物が使用されることで、リーズナブルで安定した食品の流通と食品のさまざまな味や風味、食感などを実現しています。
食品添加物は化学的な合成品と天然物があり、厚生労働大臣が指定したものを指定された量だけを使用することができます。未指定の食品添加物の製造、使用、販売はできません。
食品添加物の役割は大きく4つに分類されます。
1 食品の製造や加工のため
豆乳を固めて豆腐を製造する際に食品添加物のにがり、つまり豆腐凝固剤を使用します。
2 食品の保存性向上のため
アミノ酸のグリシンなど数日間の変敗を抑える日持ち向上剤、世界各国で使われている安息香酸やソルビン酸などの保存料は、食品の腐敗や食中毒を防ぎます。また、ビタミンEやローズマリー抽出物は、食品中の脂肪が酸化され、有害な過酸化脂質になることを防ぎます。
3 食品の栄養強化のため
加工食品の製造工程で失われたビタミンやミネラル、あるいは食生活で不十分な栄養を強化するためにビタミン類、ミネラル、アミノ酸などが栄養強化剤として使用されます。
4 食品の外観や味を改善するため
着色料や発色剤、漂白剤によりハムなどの食品の色合いが改善されます。甘味料や調味料で食品の味、香料で香り、乳化剤や増粘剤で分離の防止や食感が改善され、嗜好性や品質が向上します。
食品添加物の安全性評価は、内閣府にある食品安全委員会が行っています。動物実験で得た毒性試験結果など科学的根拠に基づき、一生涯食べ続けても、健康への悪影響がないとされる1日摂取許容量(ADI)を決めています。また、実際に市場から仕入れた食品中の添加物の種類と量を検査し、1日許容摂取量(ADI)の範囲内にあるかどうかを確認しています。
厚生労働省では薬事・食品衛生審議会において審議し、食品ごとの使用量や使用基準、純度や成分についての規格などを決めています。
食品添加物として指定されるための条件は、安全性が実証あるいは確認されたもの、使用により消費者に利点を与えるものです。
食品添加物の表示は、消費者が理解しやすい日本語で、簡単に見ることができる場所に表示することが義務付けられています。使用したすべての食品添加物は、ソルビン酸やビタミンEなどの物質名で表示します。
昨今食品添加物無添加という表示をうたっている食品をよく見かけます。食品添加物無添加表示は特に定められたルールがありません。食品添加物の体に良くないイメージが独り歩きし、食品添加物を使用しないことが、あたかも体に良いかのような表現です。食品添加物無添加と書かれているだけで、体に良い食品と誤解してしまうことも少なくありません。食品添加物が入った食品より、食品添加物無添加の食品の方が安全という考え方に、科学的な根拠はありません。食品添加物無添加は、安全なものと信じてしまうことが、紛らわしい表示を助長しています。一部のメディアなどに流され、思い込みで食品を選ぶのではなく、安全かどうかを判断できる正しい知識を得ることが肝要です。
加工食品とは、食品になんらかの加工を施したものです。種類は、水産練り製品、肉加工品、乳加工品、嗜好食品、調味料、菓子、冷凍食品、レトルト食品、缶詰、インスタント食品など多岐にわたります。加工食品は、法律によって食品表示が義務付けられており、適切に選び扱うことが必要です。
本政策金融公庫による平成 26 年度消費者動向調査のなかで、約8割の方が加工食品に対して不安を感じていると いう結果になり、食の安全に対する関心の高さが浮き彫りになりました。その不安の要因としては、食品添加物が突出しています。
食品添加物は、食品の製造工程において、食品の加工もしくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものです。多くの加工食品には、食品添加物が使用されることで、リーズナブルで安定した食品の流通と食品のさまざまな味や風味、食感などを実現しています。
食品添加物の安全性評価は、内閣府にある食品安全委員会が行っています。動物実験で得た毒性試験結果など科学的根拠に基づき、一生涯食べ続けても、健康への悪影響がないとされる1日摂取許容量(ADI)を決めています。
昨今は食品添加物無添加を表示している食品をよく見かけます。食品添加物無添加の食品の方が安全という考え方に、科学的な根拠はありません。食品が安全かどうかを判断できる正しい知識を得ることが大切ではないでしょうか。
2020年08月06日
【カラクリ】味や品質は正規品と同様の「訳あり食品」
訳あり食品は、製造過程でどうしても出てしまう切れ端や形の不揃い、賞味期限の迫った食品、正規品としては販売できない傷などがあり見た目に難がある食品です。そのため、味や品質には問題はなくとも、お買い得な激安価格で販売されています。食品ロスの防止の観点からも、家庭用にいかがでしょうか。
今やインターネットによる通販でも、便利でお買い得が当たり前となっています。なかでもさらにお買い得なものが、訳あり食品です。全国各地の美味しい食品を、インターネットで手軽にお取り寄せできるのはもちろん、正規品とまったく同じ味にもかかわらず、切れ端や形の不揃い、賞味期限が迫っているなどといった理由で、格安で販売されています。そのお買い得感もあり、リピーターになる方が続出し、注目の食品は発売直後に売り切れてしまうことも珍しくありません。
正規品は高価なため、なかなか手が出せない高級ブランド和牛、カニや魚卵などの魚介類、高級フルーツ、野菜まで驚きの低価格で味わうことができるのが訳あり食品です。このような訳あり食品の特徴や安さの理由を紹介します。
チョコレートやクッキーなどの食品を製造するにあたり、どうしても発生してしまう切れ端、割れ、欠け、傷などがあるものやケーキなどの生もので賞味期限が間近なものは、贈答用に適切ではありません。しかし、家庭で食べるには見た目に少々難があっても気にならないという方も多いのではないでしょうか。こうしたチョコレートやケーキなどのスイーツは正規品として販売できないため、訳あり食品として、既存の商流とは異なるルートで、ブランド価値の毀損を防ぎながら、販売されることがあります。ケーキやクッキー、マカロン、チョコレート、ラスクといった食品は、製造過程で切れ端や一部に割れ、欠けが生じたものが出てしまいます。インターネットネット通販では、これらをひとくくりにし、安価で販売することがあります。高級スイーツをお買い得価格でまとめ購入できることから、多くの注文を集めているようです。今まで食べたことのない未知のスイーツや話題の高級スイーツも販売されており、リーズナブルな価格で試してみることは、最高にときめく瞬間です。訳あり食品を利用することで、さまざまな種類をたくさん楽しめるだけでなく、普段よりもワンランク上のスイーツでも試しやすくなり、新たな感動を得られるかもしれません。
ただし、賞味期限が迫っていることには注意が必要です。もちろん鮮度が落ちることもありますが、食品としての問題はありません。
高級ブランド和牛、カニや魚卵などの魚介類、メロンやマンゴーといった高級フルーツも、味や品質に問題なくお買い得価格で入手できるのであれば試してみる価値は十分にあります。訳あり食品では、正規品で手が出しにくい高級品が手ごろな価格で購入できたり、毎日食べたい野菜などをリーズナブルにまとめ買いできたりと、お得な食品がそろっています。
訳あり食品と聞くと、味が劣っているかもしれない、賞味期限が目前に迫っているかもしれないと口にいれるのをためらう方もいるかもしれませんが、これはかならずしもそうではありません。訳あり食品には、明確な理由があります。フルーツや野菜の場合、贈答品用に生産したけれども、サイズが規格外なため、味や風味が正規品と変わらなくても、規格外扱いとなり、訳あり食品として販売されます。逆に大きすぎるから規格外になってしまうこともあります。日持ちするフルーツの缶詰なども、シーズンが外れたという理由で訳あり食品になることがあります。すなわち、訳あり食品は、品質に問題がある訳ではなく、小売業者などの流通の都合に左右され、訳あり食品とされてしまったものが多く、味はもちろん安全性も正規品なんらかわりません。それどころか、正規品をよりリーズナブルに手に入れられるので、普段の予算でより品質の高い食品を購入できるのです。
高級ブランド和牛となると当然値段も跳ね上がり、普段はなかなか食べられません。ところが、訳あり食品であれば、この高級ブランド和牛をより手軽に楽しむことができます。高級ブランド和牛の訳あり食品の多くは、加工時のカットの段階で形状が不ぞろいだったり、加工時にどうしても出てしまう切れ端をまとめたりしたものです。すなわち、大きさはさまざまとなりますが、もちろん味は正規品と変わりません。高級ブランド和牛だけではなく、ブランド豚などもそろっています。ハムや生ハム、ソーセージも同じ理由から訳あり食品があります。
魚介類にも訳あり食品が多数あります。もっとも有名なのが明太子です。明太子は浸漬工程やパッケージに詰めるときに明太子の皮が破れてしまい、贈答用などの正規品として販売できなくなります。これらは訳あり食品として集められ、まとめて販売されています。同様に形が不ぞろいという理由で、数の子や筋子も訳あり食品として販売されています。カニの場合は、脚が欠損しているという理由だけで訳あり食品となります。ウニは、色が悪く見栄えがよくないので訳あり食品となります。見た目は正規品に見劣りするかもしれませんが、十分美味しく何よりもお買い得です。
野菜に目を向けると希少価値が高く、糖度の高いブランドトマトなどは、規格が厳しいことから、規格外になることが多くあります。このブランドトマトも訳あり食品であれば、気軽に購入することができます。その他の多くの野菜も同様に規格が理由となります。松茸の場合もサイズが小さく、湾曲しているものは規格から外れてしまいます。
高級フルーツでは、アップルマンゴーが代表例です。ジューシーな味わいは一切変わりませんが、アップルマンゴーの皮が均一に赤くなっていないため、訳あり食品となります。同様にサイズが規格外、あるいは傷があることなどを理由に、味や品質とは無関係にメロンやリンゴなどのフルーツが訳あり食品として販売されています。
訳あり食品の多くは、正規品と比較して味や品質は変わりません。訳あり食品は、製造過程でどうしても出てしまう切れ端や形の不揃い、賞味期限の迫った食品、正規品としては販売できない傷などがあり見た目に難がある食品です。そのため、味や品質には問題はなくとも、お買い得な激安価格で販売されています。
スイーツやブランド和牛、魚介類、高級フルーツ、野菜など豊富なラインアップがあります。普段は手の届かないこのような食品も、訳あり食品を利用することで、いつもよりもお得に、そして手軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。
2020年08月05日
【糸引き抜群】美食家北大路魯山人も好んだ納豆
美食家として知られる北大路魯山人は、納豆を400回以上混ぜてネバネバになった状態が美味いとのことです。
北大路魯山人の納豆の食べ方は、
- 小粒のわら納豆1人分を、深い器にあけ、何も足さずに、円を描くようにひたすら300回かき回わします。
- 適宜しょう油を加えて50回かき回わし、みじん切りのネギをお好みで混ぜ込み、お好みの量のからしを加えて、さらに50回かき回してできあがりです。
納豆のネバネバは、納豆菌が大豆のたんぱく質を分解してできたグルタミン酸と糖の1種からできています。グルタミン酸は昆布などに含まれるうま味の成分です。納豆のネバネバはグルタミン酸がつながっており、この構造が要因といわれています。
納豆は、蒸煮した大豆に納豆菌が増殖し、独特な粘質物ができるとともに、納豆特有のにおいを有した食品です。納豆菌が大豆のたんぱく質を分解することで、吸収しやすくするとともに、ビタミン類なども生成し、栄養の豊富な食品となります。納豆の発酵は、みそやしょう油と異なり、短時間となります。納豆の発酵時間は、納豆菌を蒸煮した大豆に噴霧してから20〜22時間程度です。製造開始から出荷までの工程は、最短で3日間です。 納豆の製造工程について、紹介します。
1 原料大豆
納豆用大豆には粒の大きさが、極大粒から極小粒までさまざまな種類があります。主に小粒と極小粒が使われています。小粒と極小粒の納豆が好まれるのは、ご飯の粒と納豆の粒の大きさに差が少ないため、ご飯にからみやすく、口あたりが良いからだそうです。また、大豆の粒が小さいほど表面積が増加し、納豆菌が付着しやすく、生成する粘質物やうま味成分も多くなり、味も良くなるためです。
2 洗浄
原料となる大豆は、さまざまな選別機により、割れている大豆や着のついた大豆を異物と共に取り除きます。次に洗浄機で、付着している土などを水で洗い流します。
3 浸漬
洗浄した大豆を水に浸します。この作業が浸漬です。大豆に水を吸収させることにより、次の蒸煮工程で熱のとおりがよくなり、風味や固さなどを均一に仕上げることが可能となります。大豆は水を吸うことで2倍以上の重さになります。
浸漬時間は、水温によって変動します。冬場は低温のため、18時間程度となり、夏場は8時間程度です。加える水の量は、大豆の3倍程度です。浸漬時間は粒の大きさによっても異なります。
4 蒸煮
大豆に十分水を吸わせた後、圧力釜で蒸しあげます。蒸煮で大豆はやわらかくふっくらとした煮豆に仕上がります、蒸煮により納豆菌は、大豆の成分を分解することが容易になり、増殖しやすい環境となります。食品メーカーは、大豆の品種や産地によって蒸煮時間と蒸煮温度を調整しています。
5 納豆菌の噴霧
培養した納豆菌を蒸煮した大豆に噴霧することで、大豆の表面に付着させます。納豆菌は耐熱性があり、大腸菌や黄色ぶどう球菌などの雑菌の混入を防ぐために、大豆の温度が80℃前後で接種するのが理想的です。
6 容器に充填
容器は発泡スチロールや紙カップなどがあります。納豆菌の噴霧工程と同様に雑菌の混入を防ぐために、大豆が熱い状態のまま充填を行います。また、納豆菌の増殖には酸素が必要になるため、空気の通りを良くし納豆菌の増殖を促します。
7 発酵
容器に充填した大豆を発酵室に入れ、38〜42℃で16〜24時間じっくりと発酵させます。16〜24時間発酵させたのち、発酵室から搬出し、温度を下げて発酵を止め、品温が室温まで下がったら冷蔵室に移します。なお、発泡スチロールに比べ保温性に劣る紙カップで発酵するときは、納豆菌がつくりだす熱が容器の外に逃げるため、大豆の温度があまりあがらないことで、納豆菌の増殖と納豆菌の酵素の働きが低下します。そのため、容器によって、発酵室の温度や湿度を調整しています。
8 熟成
発酵が終わった納豆を室温程度まで温度を下げ、冷蔵庫に移し熟成させます。熟成は、通常5℃以下で行います。熟成中に納豆菌が再び増殖しないように、温度には十分注意を払います。納豆の品質は、発酵から熟成までの温度管理がポイントとなります。
9 包装
熟成を終えた納豆は、製品ラベルをつけて出荷されます。発泡スチロールの場合は3段重ね、紙カップは3個入りの包装が主流です。包装された製品は、ダンボール箱に詰められ、冷蔵庫で出荷まで保管されます。
10 出荷
冷蔵車にて小売店などに納品します。輸送中でも品温が上昇すれば、納豆菌が再び発酵をはじめ、不快臭が発生するなど品質の劣化をきたします。そのため、輸送には冷蔵車を使い、品質の劣化に細心の注意をはらっています。
納豆などの大豆発酵食品に多く含まれているポリアミンは、様々な生物に存在しており、細胞の生まれ変わりに必要不可欠な成分です。ポリアミンがなければ、細胞は分裂や増殖を行うことができないため、肌を若々しく維持するなど新陳代謝を正常に行うことができなくなります。また、ポリアミンは血管壁の炎症を予防し、動脈硬化を予防する効果などが期待されている成分です。
ポリアミンはアミノ酸の1種であるアルギニンやオルニチンによって体内で合成できる成分ですが、20歳頃をピークにポリアミン合成に関与する酵素の活性が低下するため、加齢に伴って体内のポリアミンの量は減少していき、ポリアミンが不足すると、老化が加速するといわれています。人の体内に存在するポリアミンは、分子量が非常に小さく、食品から摂取しても、腸まで届き、吸収されるという報告があります。そのため、年齢により不足をきたした場合でも、ポリアミンは食品から補うことで、効果を発揮することが可能とのことです。
納豆の成分ポリアミンに期待される効果です。
・細胞の生まれかわりを正常化
・新陳代謝を促進
・血管壁の炎症を抑制し、動脈硬化の予防
納豆は、蒸煮した大豆に納豆菌が増殖し、独特な粘質物ができるとともに、納豆特有のにおいを有した食品です。納豆菌が大豆のたんぱく質を分解することで、吸収しやすくするとともに、ビタミン類なども生成し、栄養の豊富な食品となります。納豆の発酵は、みそやしょう油と異なり、短時間となります。納豆の発酵時間は、納豆菌を蒸煮した大豆に噴霧してから20〜22時間程度です。製造開始から出荷までの工程は、最短で3日間です。
納豆などの大豆発酵食品に多く含まれているポリアミンは、様々な生物に存在しており、細胞の生まれ変わりに必要不可欠な成分です。ポリアミンがなければ、細胞は分裂や増殖を行うことができないため、肌を若々しく維持するなど新陳代謝を正常に行うことができなくなります。また、ポリアミンは血管壁の炎症を予防し、動脈硬化を予防する効果などが期待されている成分です。
美食家の北大路魯山人も好んだ納豆を毎日の食生活に取り入れることで、健康の維持がよりいっそう期待できます。
2020年08月04日
【熾烈】野菜のマーケティングと生存戦略
最近ブロッコリーを食べたのはいつですかと聞かれれば、多くの人が1カ月以内に食べましたと答えるのではないでしょうか。では、最近カリフラワーを食べたのはいつですかと聞かれると、いかがでしょうか。いつ食べたか定かではないという人が少なくないかもしれません。ブロッコリーとカリフラワーは、どちらも地中海の原産で、キャベツの仲間です。花のつぼみを食べることも共通しています。
ところが、人気の高いのがどちらかといえば、圧倒的にブロッコリーが優勢です。40年以上前はカリフラワーの方がポピュラーでしたが、いまやその形勢は逆転しています。年間の出荷量は、ブロッコリーがカリフラワーと比べて断然多くなっています。
カリフラワーがブロッコリーに敗北を喫したのは、その色が要因のようです。1980年代からの健康ブームで、緑黄色野菜を食べましょうということが盛んにいわれるようになりました。そういわれるたびに白いカリフラワーは敬遠され、緑色のブロッコリーが売り上げを伸ばしていきました。カリフラワーは、色が白い野菜であっても、ビタミンCはオレンジ以上、カリウムも豊富に含んでいます。しかし、消費者の健康志向の前に、白色のカリフラワーは白旗をあげざるを得なかったようです。
沖縄を舞台としたNHK朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」をきっかけにゴーヤは全国区となりました。ゴーヤは本土ではニガウリと呼ばれている野菜の沖縄での呼び名です。2001年の東京の大手卸売業者が扱ったゴーヤの量は、テレビの影響もあり前年の1.7倍となりました。スーパーのお惣菜売り場にもゴーヤチャンプルやゴーヤのサラダが目立つようになり、夏野菜の定番の地位を確立しています。ゴーヤといえば沖縄のイメージが強いですが、首都圏や大阪で食べているゴーヤの半分は沖縄産ではなく、九州産となります。
もちろん、ゴーヤの最大の産地は沖縄ですが、県外への出荷はそれほど多くありません。しかも、沖縄産の出荷のピークは6月で、それ以降は九州産が中心となります。
沖縄のゴーヤは、やや太めで苦みが少ないのに対し、九州産のゴーヤは、細長くて苦みが強い傾向です。形や味に違いはありますが、たいていの人は気づきません。
いつのまにか、ホウレンソウの葉っぱの形状が変わっています。といってもホウレンソウのおひたしくらいしか見ない人には、ぴんとこないかもしれません。昔のホウレンソウの葉には、たくさんの切れ込みがあってギザギザになっていました。今のホウレンソウの葉には、浅い切れ込みが2〜3あるだけです。
これは40年以上前に日本で栽培されるホウレンソウの品種が変わったからです。もともとホウレンソウの原産地は、ロシアのコーカサス地方で、そこから広がりました。日本には江戸時代初期に中国から伝わり、以来和種としてホウレンソウが栽培されてきました。ところが1970年代から、ホウレンソウの種類が、従来の和種から和種と西洋種をかけあわせたものへと切り替わりはじめました。西洋種は、原産地のロシアからヨーロッパへと伝わり、その葉の形は切れ込みのない丸い葉です。つまり、現在のホウレンソウの葉は、ギザギザの和種と丸い葉の西洋種の中間の形をしているのです。
ちなみに和種と西洋種が掛け合わされたのは、西洋種がホウレンソウの大敵である「べと病」に強い遺伝子をもっていたからです。
また、収穫期は秋から早春の和種と春から夏の西洋種を掛け合わせたことで、ホウレンソウは1年中栽培することが可能になりました。
ブロッコリーとカリフラワーは、どちらも地中海の原産で、キャベツの仲間です。花のつぼみを食べることも共通しています。カリフラワーがブロッコリーに敗北を喫したのは、その色が要因です。緑黄色野菜を食べましょうということが盛んにいわれるようになり、そのたびに白いカリフラワーは敬遠され、緑色のブロッコリーが売り上げを伸ばしていきました。
ゴーヤはテレビの影響もあり、スーパーのお惣菜売り場にもゴーヤチャンプルやゴーヤのサラダが目立つようになり、夏野菜の定番の地位を確立しています。
ホウレンソウはいつのまにか形状が変わりました。現在のホウレンソウの葉は、ギザギザの和種と丸い葉の西洋種の中間の形をしています。和種と西洋種を掛け合わせることで、ホウレンソウの大敵であるべと病に強い遺伝子を獲得しています。
野菜も情報に左右されることで、野菜同士の戦いが繰り広げられたり、知名度が向上するころで、人気が爆発したりします。また、掛け合わせにより病気に強い遺伝子を獲得し、進化を遂げています。
2020年08月03日
【こだわり】ラーメン店の自家製麺と自家製スープ
行列のできるラーメン店は、麺にもこだわります。信頼できる製麺所から仕入れるところもあれば、手打ちのところもあります。うまい麺づくりは、まず小麦粉選びから始まります。腕のいいラーメン職人ほど国産小麦にこだわっていると思われがちですが、実はそうではありません。こだわり派ほど輸入小麦を使っています。ひと口に小麦粉といっても、食パン用の強力粉からお菓子やてんぷらに使う薄力粉まで、さまざまな種類があります。そのうちラーメンに向いているのは、グルテンの量が11%以上の準強力粉です。グルテンの量が11%より少ないと、コシが弱く弾力に欠けた麺になってしまいます。
また、小麦粉は含まれる灰分の量によって3つの等級に分かれ、ラーメン用は最も灰分の少ない1等級が最適とされています。つまり、ラーメンに向くのは、グルテン量が多く、灰分の少ない小麦粉ということになります。ところが、国産の小麦粉はグルテンの量が少ない種類です。うどんやてんぷらに使われる小麦粉が中心です。そのため、ラーメンにはオーストラリア産のスタンダードホワイトやアメリカ産のウェスタンホワイト、ハードレッドウィンターなどの種類が使われています。
牛丼1杯の値段は大きく変わらず、そばやカツ丼、天丼も同様の傾向です。ところが、値上がりを続けているのが、ラーメンです。いまや1杯800円は当たり前で、チャーシュー麺などは1,000円を越えることもしばしばです。
かつては気軽に食べられる庶民の味方だったラーメンが、相対的に高級化しているのは、こだわりのラーメン職人が増えているからです。いまでもセントラルキッチンで製造したものを誰できるようにマニュアル化し、ラーメンを手軽に提供してくれるところもあります。しかし、こだわりのラーメン職人は、例えば化学調味料を一切使わず、天然の原材料を煮込むことでうま味を引き出すため、どうしても1杯あたりの値段は高くなってしまいます。ご存知のようにラーメンのスープは、鶏ガラや豚骨、魚介類、野菜など複数の原材料からとります。しかも、こだわり派のラーメン職人は、そのひとつひとつの原材料を吟味するため、どうしても原材料費がかさんでしまいます。
また、納得のいくスープをつくるためには、寝る時間も惜しんでスープの番をしなければなりません。手間をかければかけるほどコストがかかり、ラーメンの値段はますます高くなります。もっともラーメン好きの舌も肥えてきたので、化学調味料のみに頼った単調なスープでは、客足が遠のきつぶれてしまうところも多いです。ラーメン店が生き残るためには、味にこだわるしかないけれども、こだわればこだわるほど1杯あたりの値段は高くなる宿命にあるのです。
ラーメン店でもっとも大変な仕事は、スープの仕込みです。ラーメン職人のこだわりはこのスープの仕込みにこそ発揮されます。もっとも多くのラーメン店では、専門業者から濃縮スープを購入しています。それをのばしたり、ブレンドしたり、店舗で炊きだしたスープの調整用として使用しています。一方、行列のできるような名店では、基本的にオリジナルな味にとことんこだわって、自家製スープをつくっています。
この自家製スープがつくってみると意外にコストがかかります。鶏ガラや豚骨、魚介類など原材料にこだわれば、それだけコストが上がるのは当然だが、それ以外にもかなりの出費を覚悟しなければなりません。とくに鶏ガラは、血管や内臓の取り残しがあると、てきめんにスープが濁ってしまいます。そのため、水を出しっぱなしにして、丁寧に洗い落とす必要があります。たいていはその店で修業中の若い人の仕事ですが、大量の鶏ガラを洗い終えるのに毎日数時間かかります。水道代もばかになりません。
さらにスープを取り終えた鶏ガラや豚骨は、その後大量のゴミとなります。一般用のゴミ置場に出すわけにもいかず、コストをかけて業者に処分してもらう必要があり、こちらも月数万円かかります。そのほかに廃水や悪臭を処理する費用を合わせると月数十万円のコストとなります。そのため、最初は自家製スープづくりに燃えていたものの採算が合わず、泣く泣く業務用濃縮スープを使用するラーメン店もあります。
食品メーカーの販売するこの業務用濃縮スープは、工場で数トンから数十トン単位で炊きだしています。もちろん原材料や炊き出し温度、時間などの管理はきちんとなされています。炊きだしたのち、ろ過や濃縮工程を経て、小分け包装し、冷却の上、倉庫に保管されます。大量に製造するため、コストを抑えることが可能となります。
ラーメンに向いているのは、グルテンの量が11%以上の準強力粉です。グルテンの量が11%より少ないと、コシが弱く弾力に欠けた麺になってしまいます。国産の小麦粉はグルテンの量が少ない種類のため、ラーメンには輸入小麦が使われています。
こだわりのラーメン職人は、鶏ガラや豚骨、魚介類、野菜など複数の原材料からとります。しかも、そのひとつひとつの原材料を吟味するため、どうしても原材料費がかさんでしまい1杯の値段は高くなってしまいます。スープをとり終えた鶏ガラや豚骨の処理にもかなりのコストが発生します。このコストを抑えるために食品メーカーは業務用濃縮スープを販売しています。
食品メーカーの販売する業務用濃縮スープは、トン単位で炊きだしています。原材料や炊き出し温度、時間などの管理はきちんとなされており、炊きだした香りやスープの味は名店の自家製スープに引けをとらないレベルです。ただし、そのあとのろ過や濃縮、保存の過程で、風味は残念ながら徐々に失われてしまいます。
※お試しとその行動から得られる納得感
最近は味や香り、食感を実感してもらうために、低額でお試しができることが増えています。大きな負担なく気軽に試すことができるので、気になるときは体験してみることもありです。体験して納得できれば、リピートや友人などにも紹介することで喜ばれます。まずは最初の行動です。行動しなければ、何も始まりません。行動することが何よりも一番の近道です。もしも、味や香り、食感に十分満足できなければ、その知見をもとに納得して次回は別のものを試すことができます。
人気&有名店のラーメン・つけ麺をお取り寄せ 宅麺.com
2020年08月02日
【昔は輸出世界一】日本産フカヒレとフカヒレスープ
世界3大スープは、中国のフカヒレスープ、タイのトムヤムクン、フランスのブイヤベースといわれています。
中華料理を代表するスープがフカヒレスープです。フカヒレを鶏がらスープで戻し、とろみをつけたスープで食べます。ゼラチン質が豊富なフカヒレの食感は、ほかの世界3大スープにはありません。中国では結婚式や宴会などの特別な機会に、あるいは豪華な贈答品として提供されています。フカヒレスープは、何世紀も前の宋もしくは明の時代に始まり、宮廷の人々に提供されていました。中国の所得水準が高まるにつれて、フカヒレスープは非常に人気の高いメニューとなっています。
トムヤムクンは、唐辛子とハーブの風味、魚貝類のうま味を凝縮させた、辛味と酸味の強いタイのスープです。「トム 」は煮る、「ヤム 」は混ぜる、「クン 」はエビの意味です。タイで最も辛いプリッキーヌという唐辛子の辛さとイネ科の植物のレモングラス、柑橘系の強い香りを持つコブミカン、ショウガ科で清々しい芳香と爽やかな風味のガランカルーなどのハーブの酸味、魚醤のナンプラーやエビ由来のうま味が複雑なスープの味を作り出し、美味しさはタイの気候にマッチしています。
ブイヤベースはフランスの港町マルセイユ発祥の漁師料理です。数種類の白身魚やエビ、貝などをトマトやジャガイモ、ニンニク、白ワインを入れて煮込み、サフランやフェンネル、ローズマリー、ディル、パセリなどのハーブで香りを付けます。魚介類の濃厚なスープが特徴です。マルセイユにはブイヤベース憲章なるものが存在し、同憲章によるとブイヤベースには、カサゴやホウボウ、オコゼ、マトウダイ、クモエビ、アンコウ、アナゴなどの魚介類を4種類使用しなければならないとあります。また、ブイヤベースは、いったん魚介類を鍋から出し、スープと別の皿に盛りつけ、テーブルに運ぶようです。つまり、スープを先に供して風味を楽しませ、テーブルで切り分けることで目を楽しませてくれます。
近年ではシンガポールやインドネシアでの生産量が多くなっていますが、以前は日本が世界一のフカヒレ輸出国であり、香港などへ出荷していました。日本のフカヒレの漁獲量が多い理由のひとつは、遠洋マグロはえ縄漁業が盛んなことに起因しています。遠洋に出かけ、マグロを狙う網にサメがしばしばかかります。そのときにたいていの場合、乗組員たちはサメのヒレだけを切り取って、残りは海に捨ててしまうようです。海に捨ててしまうのは、サメの肉がマグロに比べると、ただ同然の価格にしかならないためです。マグロ漁にとってサメはいわゆる外道で、ただ同然のサメの肉を冷凍庫に入れて、はるばる日本まで持ち帰っても、採算が合いません。
さらにせっかくかかったマグロにサメが食いつき、傷物にしてしまう可能性もあります。また、甲板に上げると暴れてとても危険です。
もちろんヒレだけ切り取るのは、中華料理の高級食材として、高値で売れるからです。このヒレによる収入は、いわばマグロ漁の乗組員の臨時収入です。切り取って船上で乾燥させた後、日本に持ち帰って、あるいは海外の寄港地でフカヒレ業者に売られることになります。
日本のフカヒレの輸出量が減ったのは、日本国内で消費されるフカヒレの量が増えたこととマグロ漁の乗組員に外国人が増え、下船地で売りさばくため、日本の港まで持ち帰るフカヒレの量が減少したことが原因です。
もうひとつの理由として、宮城県の気仙沼市は日本有数のサメの水揚げ量を誇ります。世界3大漁場のひとつとなる三陸沖漁場があり、多種多様な魚が水揚げされています。
特にサメは日本有数の水揚げを誇る港町として知られており、日本一の水揚げを誇るサメは、国内で水揚げされる90%以上が気仙沼で水揚げされており、フカヒレ生産日本一のまちとして、全国でその名が知られています。
気仙沼港に水揚げされる主なサメは、ヨシキリザメとネズミザメです。ヨシキリザメは、全体の約80%、ネズミザメが約15%でこの2種が水揚げ量のほとんどを占めます。気仙沼に多くのサメが水揚げされる理由は、近海マグロはえ縄漁が盛んで、そのマグロを追って来るサメが混獲されるからです。
サメのヒレはフカヒレ、皮は革製品、肉は練り製品、骨は健康食品、内臓からとれる脂は肝油などいろいろな製品に使用されています。残った部位は飼料や肥料として活用されています。
世界3大スープは、中国のフカヒレスープ、タイのトムヤムクン、フランスのブイヤベースといわれています。
中華料理を代表するスープがフカヒレスープです。フカヒレを鶏がらスープで戻し、とろみをつけたスープで食べます。ゼラチン質が豊富なフカヒレの食感は、ほかの世界3大スープにはありません。
以前は日本が世界一のフカヒレ輸出国であり、香港などへ出荷していました。日本のフカヒレの漁獲量が多い理由のひとつは、マグロはえ縄漁業が盛んなことに起因しています。