2020年08月05日
【糸引き抜群】美食家北大路魯山人も好んだ納豆
美食家として知られる北大路魯山人は、納豆を400回以上混ぜてネバネバになった状態が美味いとのことです。
北大路魯山人の納豆の食べ方は、
- 小粒のわら納豆1人分を、深い器にあけ、何も足さずに、円を描くようにひたすら300回かき回わします。
- 適宜しょう油を加えて50回かき回わし、みじん切りのネギをお好みで混ぜ込み、お好みの量のからしを加えて、さらに50回かき回してできあがりです。
納豆のネバネバは、納豆菌が大豆のたんぱく質を分解してできたグルタミン酸と糖の1種からできています。グルタミン酸は昆布などに含まれるうま味の成分です。納豆のネバネバはグルタミン酸がつながっており、この構造が要因といわれています。
納豆は、蒸煮した大豆に納豆菌が増殖し、独特な粘質物ができるとともに、納豆特有のにおいを有した食品です。納豆菌が大豆のたんぱく質を分解することで、吸収しやすくするとともに、ビタミン類なども生成し、栄養の豊富な食品となります。納豆の発酵は、みそやしょう油と異なり、短時間となります。納豆の発酵時間は、納豆菌を蒸煮した大豆に噴霧してから20〜22時間程度です。製造開始から出荷までの工程は、最短で3日間です。 納豆の製造工程について、紹介します。
1 原料大豆
納豆用大豆には粒の大きさが、極大粒から極小粒までさまざまな種類があります。主に小粒と極小粒が使われています。小粒と極小粒の納豆が好まれるのは、ご飯の粒と納豆の粒の大きさに差が少ないため、ご飯にからみやすく、口あたりが良いからだそうです。また、大豆の粒が小さいほど表面積が増加し、納豆菌が付着しやすく、生成する粘質物やうま味成分も多くなり、味も良くなるためです。
2 洗浄
原料となる大豆は、さまざまな選別機により、割れている大豆や着のついた大豆を異物と共に取り除きます。次に洗浄機で、付着している土などを水で洗い流します。
3 浸漬
洗浄した大豆を水に浸します。この作業が浸漬です。大豆に水を吸収させることにより、次の蒸煮工程で熱のとおりがよくなり、風味や固さなどを均一に仕上げることが可能となります。大豆は水を吸うことで2倍以上の重さになります。
浸漬時間は、水温によって変動します。冬場は低温のため、18時間程度となり、夏場は8時間程度です。加える水の量は、大豆の3倍程度です。浸漬時間は粒の大きさによっても異なります。
4 蒸煮
大豆に十分水を吸わせた後、圧力釜で蒸しあげます。蒸煮で大豆はやわらかくふっくらとした煮豆に仕上がります、蒸煮により納豆菌は、大豆の成分を分解することが容易になり、増殖しやすい環境となります。食品メーカーは、大豆の品種や産地によって蒸煮時間と蒸煮温度を調整しています。
5 納豆菌の噴霧
培養した納豆菌を蒸煮した大豆に噴霧することで、大豆の表面に付着させます。納豆菌は耐熱性があり、大腸菌や黄色ぶどう球菌などの雑菌の混入を防ぐために、大豆の温度が80℃前後で接種するのが理想的です。
6 容器に充填
容器は発泡スチロールや紙カップなどがあります。納豆菌の噴霧工程と同様に雑菌の混入を防ぐために、大豆が熱い状態のまま充填を行います。また、納豆菌の増殖には酸素が必要になるため、空気の通りを良くし納豆菌の増殖を促します。
7 発酵
容器に充填した大豆を発酵室に入れ、38〜42℃で16〜24時間じっくりと発酵させます。16〜24時間発酵させたのち、発酵室から搬出し、温度を下げて発酵を止め、品温が室温まで下がったら冷蔵室に移します。なお、発泡スチロールに比べ保温性に劣る紙カップで発酵するときは、納豆菌がつくりだす熱が容器の外に逃げるため、大豆の温度があまりあがらないことで、納豆菌の増殖と納豆菌の酵素の働きが低下します。そのため、容器によって、発酵室の温度や湿度を調整しています。
8 熟成
発酵が終わった納豆を室温程度まで温度を下げ、冷蔵庫に移し熟成させます。熟成は、通常5℃以下で行います。熟成中に納豆菌が再び増殖しないように、温度には十分注意を払います。納豆の品質は、発酵から熟成までの温度管理がポイントとなります。
9 包装
熟成を終えた納豆は、製品ラベルをつけて出荷されます。発泡スチロールの場合は3段重ね、紙カップは3個入りの包装が主流です。包装された製品は、ダンボール箱に詰められ、冷蔵庫で出荷まで保管されます。
10 出荷
冷蔵車にて小売店などに納品します。輸送中でも品温が上昇すれば、納豆菌が再び発酵をはじめ、不快臭が発生するなど品質の劣化をきたします。そのため、輸送には冷蔵車を使い、品質の劣化に細心の注意をはらっています。
納豆などの大豆発酵食品に多く含まれているポリアミンは、様々な生物に存在しており、細胞の生まれ変わりに必要不可欠な成分です。ポリアミンがなければ、細胞は分裂や増殖を行うことができないため、肌を若々しく維持するなど新陳代謝を正常に行うことができなくなります。また、ポリアミンは血管壁の炎症を予防し、動脈硬化を予防する効果などが期待されている成分です。
ポリアミンはアミノ酸の1種であるアルギニンやオルニチンによって体内で合成できる成分ですが、20歳頃をピークにポリアミン合成に関与する酵素の活性が低下するため、加齢に伴って体内のポリアミンの量は減少していき、ポリアミンが不足すると、老化が加速するといわれています。人の体内に存在するポリアミンは、分子量が非常に小さく、食品から摂取しても、腸まで届き、吸収されるという報告があります。そのため、年齢により不足をきたした場合でも、ポリアミンは食品から補うことで、効果を発揮することが可能とのことです。
納豆の成分ポリアミンに期待される効果です。
・細胞の生まれかわりを正常化
・新陳代謝を促進
・血管壁の炎症を抑制し、動脈硬化の予防
納豆は、蒸煮した大豆に納豆菌が増殖し、独特な粘質物ができるとともに、納豆特有のにおいを有した食品です。納豆菌が大豆のたんぱく質を分解することで、吸収しやすくするとともに、ビタミン類なども生成し、栄養の豊富な食品となります。納豆の発酵は、みそやしょう油と異なり、短時間となります。納豆の発酵時間は、納豆菌を蒸煮した大豆に噴霧してから20〜22時間程度です。製造開始から出荷までの工程は、最短で3日間です。
納豆などの大豆発酵食品に多く含まれているポリアミンは、様々な生物に存在しており、細胞の生まれ変わりに必要不可欠な成分です。ポリアミンがなければ、細胞は分裂や増殖を行うことができないため、肌を若々しく維持するなど新陳代謝を正常に行うことができなくなります。また、ポリアミンは血管壁の炎症を予防し、動脈硬化を予防する効果などが期待されている成分です。
美食家の北大路魯山人も好んだ納豆を毎日の食生活に取り入れることで、健康の維持がよりいっそう期待できます。
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