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2020年08月07日

【解消】加工食品に対する不安要素

加工食品の定義と種類


 加工食品とは、食品になんらかの加工を施したものです。種類は、水産練り製品、肉加工品、乳加工品、嗜好食品、調味料、菓子、冷凍食品、レトルト食品、缶詰、インスタント食品など多岐にわたります。加工食品は、法律によって食品表示が義務付けられており、適切に選び扱うことが必要です。





 普段なにげなく食べている食品は、動物や植物由来の天然の物のみならず、これらに加工を施したものが多く使用されています。食品の多くは長期間保存することができません。そのため、食品の品質保存や有効利用、安定供給を目的として、さまざまな方法を用いて食品を加工したものが加工食品です。昨今では栄養素の改善や色、香り、味などの嗜好性を高めるだけではなく、簡便性、調理の短縮化を図ることなども目的としています。





 加工食品の種類は、水産練り製品、肉加工品、乳加工品、野菜加工品、果実加工品、油脂、嗜好食品、調味料、菓子、冷凍食品、レトルト食品、缶詰、びん詰め食品・インスタント食品など多岐にわたります。最近は時間的、経済的な理由から冷凍食品、レトルト食品、インスタント食品といった調理済み、あるいは半調理済みの食品の使用が増えています。これらの加工食品は、食品の加工過程での栄養素量の低下や食品の味や色等の低下が考えられ、その分を調味料や食品添加物などで補い、品質を整えています。調理済みもしくは半調理済みの加工食品は手軽で、経済的にみても比較的安価であるといった利点がありますが、使用頻度が高くなるとカロリーや脂質、塩分などの過剰摂取につながるといった問題点もあり、食生活のなかで上手く使用することが重要です。





 販売されている加工食品のうち、容器や袋で包装された加工食品には、名称や原材料名(食品添加物の表示・アレルギー物質を含む食品の表示・遺伝子組み換え食品の表示なども含む)、内容量、期限表示、保存方法、製造者及び販売者などの食品表示が法律によって義務付けられています。また、栄養成分表示としてその加工食品に含まれるエネルギー量や栄養素量が表示されているものもあります。加工食品の表示には、さまざまな情報が載っています。



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加工食品の不安要素となる食品添加物とその性質


 日本政策金融公庫による平成 26 年度消費者動向調査のなかで、約8割の方が加工食品に対して不安を感じていると いう結果になり、食の安全に対する関心の高さが浮き彫りになりました。その不安の要因としては、食品添加物が突出しており、遺伝子組み換え、原産地が続きます。





 食品添加物とは、食品の製造工程において、食品の加工もしくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものです。多くの加工食品には、食品添加物が使用されることで、リーズナブルで安定した食品の流通と食品のさまざまな味や風味、食感などを実現しています。





 食品添加物は化学的な合成品と天然物があり、厚生労働大臣が指定したものを指定された量だけを使用することができます。未指定の食品添加物の製造、使用、販売はできません。





 食品添加物の役割は大きく4つに分類されます。





1 食品の製造や加工のため





 豆乳を固めて豆腐を製造する際に食品添加物のにがり、つまり豆腐凝固剤を使用します。





2 食品の保存性向上のため





 アミノ酸のグリシンなど数日間の変敗を抑える日持ち向上剤、世界各国で使われている安息香酸やソルビン酸などの保存料は、食品の腐敗や食中毒を防ぎます。また、ビタミンEやローズマリー抽出物は、食品中の脂肪が酸化され、有害な過酸化脂質になることを防ぎます。





3 食品の栄養強化のため





 加工食品の製造工程で失われたビタミンやミネラル、あるいは食生活で不十分な栄養を強化するためにビタミン類、ミネラル、アミノ酸などが栄養強化剤として使用されます。





4 食品の外観や味を改善するため





 着色料や発色剤、漂白剤によりハムなどの食品の色合いが改善されます。甘味料や調味料で食品の味、香料で香り、乳化剤や増粘剤で分離の防止や食感が改善され、嗜好性や品質が向上します。



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 食品添加物の安全性評価は、内閣府にある食品安全委員会が行っています。動物実験で得た毒性試験結果など科学的根拠に基づき、一生涯食べ続けても、健康への悪影響がないとされる1日摂取許容量(ADI)を決めています。また、実際に市場から仕入れた食品中の添加物の種類と量を検査し、1日許容摂取量(ADI)の範囲内にあるかどうかを確認しています。





 厚生労働省では薬事・食品衛生審議会において審議し、食品ごとの使用量や使用基準、純度や成分についての規格などを決めています。





 食品添加物として指定されるための条件は、安全性が実証あるいは確認されたもの、使用により消費者に利点を与えるものです。





 食品添加物の表示は、消費者が理解しやすい日本語で、簡単に見ることができる場所に表示することが義務付けられています。使用したすべての食品添加物は、ソルビン酸やビタミンEなどの物質名で表示します。



食品添加物無添加は体に良いという誤解


 昨今食品添加物無添加という表示をうたっている食品をよく見かけます。食品添加物無添加表示は特に定められたルールがありません。食品添加物の体に良くないイメージが独り歩きし、食品添加物を使用しないことが、あたかも体に良いかのような表現です。食品添加物無添加と書かれているだけで、体に良い食品と誤解してしまうことも少なくありません。食品添加物が入った食品より、食品添加物無添加の食品の方が安全という考え方に、科学的な根拠はありません。食品添加物無添加は、安全なものと信じてしまうことが、紛らわしい表示を助長しています。一部のメディアなどに流され、思い込みで食品を選ぶのではなく、安全かどうかを判断できる正しい知識を得ることが肝要です。

まとめ


 加工食品とは、食品になんらかの加工を施したものです。種類は、水産練り製品、肉加工品、乳加工品、嗜好食品、調味料、菓子、冷凍食品、レトルト食品、缶詰、インスタント食品など多岐にわたります。加工食品は、法律によって食品表示が義務付けられており、適切に選び扱うことが必要です。





 本政策金融公庫による平成 26 年度消費者動向調査のなかで、約8割の方が加工食品に対して不安を感じていると いう結果になり、食の安全に対する関心の高さが浮き彫りになりました。その不安の要因としては、食品添加物が突出しています。





 食品添加物は、食品の製造工程において、食品の加工もしくは保存の目的で、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用するものです。多くの加工食品には、食品添加物が使用されることで、リーズナブルで安定した食品の流通と食品のさまざまな味や風味、食感などを実現しています。





 食品添加物の安全性評価は、内閣府にある食品安全委員会が行っています。動物実験で得た毒性試験結果など科学的根拠に基づき、一生涯食べ続けても、健康への悪影響がないとされる1日摂取許容量(ADI)を決めています。





 昨今は食品添加物無添加を表示している食品をよく見かけます。食品添加物無添加の食品の方が安全という考え方に、科学的な根拠はありません。食品が安全かどうかを判断できる正しい知識を得ることが大切ではないでしょうか。




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