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2016年05月03日
「バロン住友春翠−邸宅美術館の夢」
明治、大正時代に住友グループを発展させた住友家15代当主春翠(しゅんすい)(1864〜1926年)は、古今東西の美術品の収集に情熱を注いだ文化人でもありましたた。今展は、その豊かなコレクションの歩みを2部構成で振り返るものです。 欧米文化にあこがれた春翠。パリやロンドンを訪れ、神戸の須磨海岸に洋館を建設。
第1部は明治編です。
春翠は1864年、公家の徳大寺家に生まれ、1892(明治25)年に住友家に入り翌年15代住友吉左衛門となり、号を春翠とした。西園寺公望は実兄。春翠は文化振興にも力を入れ、1897(明治30)年には自ら欧米を巡遊し、モネの作品などを購入。その後も画家の鹿子木孟郎の留学を支援し、洋画収集を依頼するなどして絵画などの収集を行います。1903(明治36)年には神戸に本格的な洋館建築の「須磨別邸」を建設、ここはコレクションを展示して私設美術館のようにするとともに、欧米の来賓をもてなす迎賓館としての役割も。
展覧会では「須磨別邸」の精巧な再現模型をはじめ、邸内を飾ったモネの「モンソー公園」や歴史画の大家、ジャン=ポール・ローランスの絵画、アングルの模写など、興味深い作品が展示されています。
春翠は、内外の洋画や近代工芸、さらには中国文物までを邸内に飾り愛でました。それは西欧文化と東洋の文人趣味も融合した独特の世界観を映しだし、あたかも邸宅美術館の様相を呈しました。須磨別邸は惜しくも昭和20年の戦災で焼失しましたが、青年期の春翠の美意識と文化貢献への志がよくわかる展示でした。
「文人への憧れ」と題したコーナーでは、村田香谷などの文人画や陶磁器のコレクションが充実していました。
第1部「バロン住友春翠−邸宅美術館の夢」
2016年2月27日(土)〜5月8日(日)
≪前期≫2月27日(土)〜3月21日(月・祝)
≪後期≫3月23日(水)〜5月8日(日)
開館時間 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(3月21日開館、3月22日休館)
第1部は明治編です。
春翠は1864年、公家の徳大寺家に生まれ、1892(明治25)年に住友家に入り翌年15代住友吉左衛門となり、号を春翠とした。西園寺公望は実兄。春翠は文化振興にも力を入れ、1897(明治30)年には自ら欧米を巡遊し、モネの作品などを購入。その後も画家の鹿子木孟郎の留学を支援し、洋画収集を依頼するなどして絵画などの収集を行います。1903(明治36)年には神戸に本格的な洋館建築の「須磨別邸」を建設、ここはコレクションを展示して私設美術館のようにするとともに、欧米の来賓をもてなす迎賓館としての役割も。
展覧会では「須磨別邸」の精巧な再現模型をはじめ、邸内を飾ったモネの「モンソー公園」や歴史画の大家、ジャン=ポール・ローランスの絵画、アングルの模写など、興味深い作品が展示されています。
春翠は、内外の洋画や近代工芸、さらには中国文物までを邸内に飾り愛でました。それは西欧文化と東洋の文人趣味も融合した独特の世界観を映しだし、あたかも邸宅美術館の様相を呈しました。須磨別邸は惜しくも昭和20年の戦災で焼失しましたが、青年期の春翠の美意識と文化貢献への志がよくわかる展示でした。
「文人への憧れ」と題したコーナーでは、村田香谷などの文人画や陶磁器のコレクションが充実していました。
第1部「バロン住友春翠−邸宅美術館の夢」
2016年2月27日(土)〜5月8日(日)
≪前期≫2月27日(土)〜3月21日(月・祝)
≪後期≫3月23日(水)〜5月8日(日)
開館時間 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(3月21日開館、3月22日休館)
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2016年05月02日
「安田靫彦展」
歴史上の人物や場面を描いたことで知られる日本画家・安田靫彦(ゆきひこ、1884-1978)の展覧会が東京国立近代美術館(千代田区北の丸公園3-1)で開かれています。
同美術館では76年以来、40年ぶりの回顧展となり、靫彦の画業80年におよぶ作品100点以上を展示(一部作品の展示替えあり)。源頼朝・義経兄弟の運命の再会を描いた重要文化財『黄瀬川陣』や切手にもなった『飛鳥の春の額田王』(4月19日〜5月15日)、『卑弥呼』(4月17日まで展示)などの代表作のほか、これまであまり紹介されてこなかった明治期や戦時期の作品など、幅広い年代の作品が鑑賞できます。
彼は戦中、戦後に活躍した日本画家です。
1884年に日本橋の、江戸時代から続く由緒ある料亭の四男として生まれますが
12歳ころに父親が亡くなり、料亭を離れて上野に住み始めます。
人生の転落とも思える事柄ですが
実は、安田靫彦、上野にある美術作品に触れる機会を得て、ここで横山大観や下村観山の作品に出会い、画家を志すことになります。
14歳で画家の弟子入りをし、生涯にわたり、歴史上の人物をテーマに描き続けた安田靫彦。
「やはり強い人間活動というか、そういうものを絵にする場合には、歴史上の人物を扱うのが、題材として最も面白い。」という言葉も残しているのだとか。
本展では、安田靫彦の芸術を示すのに3つのキーワードが挙げられています。「美しい線」と「澄んだ色彩」、そして「無駄のない構図」です。「えらい前人の仕事には、芸術の生命を支配する法則が示されている」と考え、研究熱心でもあり、古典の題材、残された美術品などを分析し、自らの作品に活かしていきます。
年齢順に展示されているので画風の変化がよくわかりました。15歳ころの絵はただうまい!という感じ。
40歳ころから自分なりの画風を確立していきます。
今回の展示では、ポスターで宣伝されている《黄瀬川陣》の源頼朝と義経の屏風絵がやはり素晴らしかったです。安田靫彦の魅力に改めて開眼した展覧会でした。
「安田靫彦展」
会期:2016年3月23日(水)〜2016年5月15日(日)
開館時間:10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜(3/28、4/4、5/2は開館)
会場:東京国立近代美術館
同美術館では76年以来、40年ぶりの回顧展となり、靫彦の画業80年におよぶ作品100点以上を展示(一部作品の展示替えあり)。源頼朝・義経兄弟の運命の再会を描いた重要文化財『黄瀬川陣』や切手にもなった『飛鳥の春の額田王』(4月19日〜5月15日)、『卑弥呼』(4月17日まで展示)などの代表作のほか、これまであまり紹介されてこなかった明治期や戦時期の作品など、幅広い年代の作品が鑑賞できます。
彼は戦中、戦後に活躍した日本画家です。
1884年に日本橋の、江戸時代から続く由緒ある料亭の四男として生まれますが
12歳ころに父親が亡くなり、料亭を離れて上野に住み始めます。
人生の転落とも思える事柄ですが
実は、安田靫彦、上野にある美術作品に触れる機会を得て、ここで横山大観や下村観山の作品に出会い、画家を志すことになります。
14歳で画家の弟子入りをし、生涯にわたり、歴史上の人物をテーマに描き続けた安田靫彦。
「やはり強い人間活動というか、そういうものを絵にする場合には、歴史上の人物を扱うのが、題材として最も面白い。」という言葉も残しているのだとか。
本展では、安田靫彦の芸術を示すのに3つのキーワードが挙げられています。「美しい線」と「澄んだ色彩」、そして「無駄のない構図」です。「えらい前人の仕事には、芸術の生命を支配する法則が示されている」と考え、研究熱心でもあり、古典の題材、残された美術品などを分析し、自らの作品に活かしていきます。
年齢順に展示されているので画風の変化がよくわかりました。15歳ころの絵はただうまい!という感じ。
40歳ころから自分なりの画風を確立していきます。
今回の展示では、ポスターで宣伝されている《黄瀬川陣》の源頼朝と義経の屏風絵がやはり素晴らしかったです。安田靫彦の魅力に改めて開眼した展覧会でした。
「安田靫彦展」
会期:2016年3月23日(水)〜2016年5月15日(日)
開館時間:10:00-17:00 (金曜日は10:00-20:00)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜(3/28、4/4、5/2は開館)
会場:東京国立近代美術館
2016年05月01日
出光美術館開館50周年記念 美の祝典 T
出光美術館で開催中の「開館50周年記念 美の祝典1ーやまと絵の四季」を見てきました。
1966年、実業家の出光佐三の収集した美術品を公開するために開館した出光美術館。今年でちょうど開館50周年を迎えました。その「記念企画」(解説より)です。同美術館の誇る日本の美術品を3期に分けて紹介します。今回は1期目の「やまと絵」。
まず「美の祝典」展のハイライト、出光が誇る国宝の「伴大納言絵巻」。全長27メートルの画面の中にかの「応天門の変」を題材とした歴史物語を表しています。866年、平安京内裏の応天門に大納言伴善男(とものよしお)(伴大納言)が放火したとされる「応天門の変」を題材に、平安末期に描かれた絵巻です。絵の作者は12世紀の宮廷絵師の常盤光長、詞書は能書家の藤原教長とする説が有名ですが、定かではありません。う。ただ、実在した政治家を主人公に野心や謀略、失脚を描いたストーリーは単純に面白い。実は伴大納言絵巻は上巻だけ詞書が現存しません、説話集『宇治拾遺物語』に収録のエピソードで内容はたどれます。
現在の第1期は上巻。検非違使の出勤から応天門の炎上、そして藤原良房が天皇を諌める場面までが描かれています。
絵巻はほかと区切られた専用のスペースで展示でされています。先にあるのは解説パネル。かなり詳細に情景を記しています。それを踏まえた上で実際の絵巻を見る流れです。
燃えさかる炎のダイナミックな表現に加え、群衆ひとりひとりの豊かな表情や個性的な面立ち、多様な動きにも注目目で追っていくと、人々の声が聞こえてくるような、雑踏の音が聞こえてくるような臨場感があります。
気になるのは、炎上をひとり遠目に眺める衣冠束帯姿の男。状況から放火犯を思わせますが、後ろ姿でよくわからない。伴大納言なのか、それとも別の真犯人か−。不自然な紙の継ぎ目が指摘されるなど、最もミステリアスな場面です。
屏風は、桃山期の「宇治橋柴舟図屏風」と「吉野龍田図屏風」が展示されています。前者のモチーフは文字通りに宇治橋。金色の空間に堂々たる橋が架かっています。右隻には、左右から右上かけて対角線状にゆるい弧を描きながら、金色に輝く橋が架かる。橋の下を流れる川面には、柴を積んだ舟が二艘。画面全景には水車が配され、水流を受けて回っている。水車よりこぼれ落ちる水は、本来は銀色でしたが経年のため黒くなっています。橋と水車というモチーフより、本作品の主題が宇治の情景であることは明らかです。
後者は春の桜と秋の紅葉を表したもの。桜は満開そのものです。紅葉も画面いっぱいに埋め尽くしています。木の幹は逞しく、重量感があります。枝ぶりも左右に震えるかのように大胆です。等伯の楓図を思い出しました。
絵巻ではほか「絵因果経」、「西行物語絵巻」、「長谷寺縁起絵巻」なども展示。元々は絵巻であった「佐竹本三十六歌仙絵」も「柿本人麿」と「僧正遍照」の2幅が出ています。
「絵因果経」とは、求那跋陀羅(ぐなばつだら)訳「過去現在因果経」を絵画化した絵巻物のこと。中国からもたらされ、日本でも盛んに書き写されたといいます。
いこの経典は釈迦の前世においてなしえた善行を説くことから始まり、さらに現世における釈迦の生涯から、舎利仏・目連・大迦葉ら弟子たちの出家に到るまでを記しています。現存する絵因果経の中でも、制作時期が奈良時代まで遡る伝本を「古因果経」と称し、現在五種が知られていますが、その中の一種が本作品である。
絵巻の下段に経文、上段にそれに対応する絵が描かれている。釈迦が前世でどんな修行や善行を積み、なぜ最終的に悟りを得たのかという物語を、わかりやすく伝えてくれる。平安以降に発達する「絵巻」の原初的作品と位置づけられますが、文字と絵を上下に配するスタイル自体は踏襲されませんでした。以降、日本で絵巻は、詞と絵を交互に配してストーリーを紡ぐ形式が定着していきます。釈迦を取り巻く人物が皆、中国・唐時代ふうの装いをしているのが面白い。人獣のような風神雷神も愛嬌たっぷりでかわいいです。
ラストは伝宗達などの初期琳派です。うち伝宗達の「月に秋草図屏風」と伊年印の「四季草花図屏風」が横並びになる様は見事の一言。「月に秋草図屏風」は宵闇に浮かぶ半月の下、可憐に咲く萩や薄、桔梗や撫子などの秋の草花を描き出した屏風である。本作品には俵谷宗達(生没年不詳)の工房で制作されたことを示す「伊年印」印が捺されています。図録では「琳派がその後数多く制作した草花図屏風の中でも最も初発的な作例であり、かつ一群の草花図屏風の中でも群を抜いた傑作である」と述べています。月を示す、銀板が印象的です
「月に秋草図屏風」 右隻(部分) 伝 俵屋宗達 江戸時代
「四季草花図屏風」 「伊年」印 六曲一双 江戸時代 この1画は草花が咲いて金色の空間を華麗に彩っています。
日曜日の夕方前に出かけましたが、館内は思いの外に空いていました。現段階でしたら「伴大納言絵巻」もゆっくり観覧出来ると思います。
続くII期の展示も楽しみです。
開催期間 4月9日(土) 〜 5月8日(日)
休館日 月曜日
開館時間 10:00 〜 18:00(入館は17:30分まで)
金曜日の延長開館は無し
入館料 一般 1000円
1966年、実業家の出光佐三の収集した美術品を公開するために開館した出光美術館。今年でちょうど開館50周年を迎えました。その「記念企画」(解説より)です。同美術館の誇る日本の美術品を3期に分けて紹介します。今回は1期目の「やまと絵」。
まず「美の祝典」展のハイライト、出光が誇る国宝の「伴大納言絵巻」。全長27メートルの画面の中にかの「応天門の変」を題材とした歴史物語を表しています。866年、平安京内裏の応天門に大納言伴善男(とものよしお)(伴大納言)が放火したとされる「応天門の変」を題材に、平安末期に描かれた絵巻です。絵の作者は12世紀の宮廷絵師の常盤光長、詞書は能書家の藤原教長とする説が有名ですが、定かではありません。う。ただ、実在した政治家を主人公に野心や謀略、失脚を描いたストーリーは単純に面白い。実は伴大納言絵巻は上巻だけ詞書が現存しません、説話集『宇治拾遺物語』に収録のエピソードで内容はたどれます。
現在の第1期は上巻。検非違使の出勤から応天門の炎上、そして藤原良房が天皇を諌める場面までが描かれています。
絵巻はほかと区切られた専用のスペースで展示でされています。先にあるのは解説パネル。かなり詳細に情景を記しています。それを踏まえた上で実際の絵巻を見る流れです。
燃えさかる炎のダイナミックな表現に加え、群衆ひとりひとりの豊かな表情や個性的な面立ち、多様な動きにも注目目で追っていくと、人々の声が聞こえてくるような、雑踏の音が聞こえてくるような臨場感があります。
気になるのは、炎上をひとり遠目に眺める衣冠束帯姿の男。状況から放火犯を思わせますが、後ろ姿でよくわからない。伴大納言なのか、それとも別の真犯人か−。不自然な紙の継ぎ目が指摘されるなど、最もミステリアスな場面です。
屏風は、桃山期の「宇治橋柴舟図屏風」と「吉野龍田図屏風」が展示されています。前者のモチーフは文字通りに宇治橋。金色の空間に堂々たる橋が架かっています。右隻には、左右から右上かけて対角線状にゆるい弧を描きながら、金色に輝く橋が架かる。橋の下を流れる川面には、柴を積んだ舟が二艘。画面全景には水車が配され、水流を受けて回っている。水車よりこぼれ落ちる水は、本来は銀色でしたが経年のため黒くなっています。橋と水車というモチーフより、本作品の主題が宇治の情景であることは明らかです。
後者は春の桜と秋の紅葉を表したもの。桜は満開そのものです。紅葉も画面いっぱいに埋め尽くしています。木の幹は逞しく、重量感があります。枝ぶりも左右に震えるかのように大胆です。等伯の楓図を思い出しました。
絵巻ではほか「絵因果経」、「西行物語絵巻」、「長谷寺縁起絵巻」なども展示。元々は絵巻であった「佐竹本三十六歌仙絵」も「柿本人麿」と「僧正遍照」の2幅が出ています。
「絵因果経」とは、求那跋陀羅(ぐなばつだら)訳「過去現在因果経」を絵画化した絵巻物のこと。中国からもたらされ、日本でも盛んに書き写されたといいます。
いこの経典は釈迦の前世においてなしえた善行を説くことから始まり、さらに現世における釈迦の生涯から、舎利仏・目連・大迦葉ら弟子たちの出家に到るまでを記しています。現存する絵因果経の中でも、制作時期が奈良時代まで遡る伝本を「古因果経」と称し、現在五種が知られていますが、その中の一種が本作品である。
絵巻の下段に経文、上段にそれに対応する絵が描かれている。釈迦が前世でどんな修行や善行を積み、なぜ最終的に悟りを得たのかという物語を、わかりやすく伝えてくれる。平安以降に発達する「絵巻」の原初的作品と位置づけられますが、文字と絵を上下に配するスタイル自体は踏襲されませんでした。以降、日本で絵巻は、詞と絵を交互に配してストーリーを紡ぐ形式が定着していきます。釈迦を取り巻く人物が皆、中国・唐時代ふうの装いをしているのが面白い。人獣のような風神雷神も愛嬌たっぷりでかわいいです。
ラストは伝宗達などの初期琳派です。うち伝宗達の「月に秋草図屏風」と伊年印の「四季草花図屏風」が横並びになる様は見事の一言。「月に秋草図屏風」は宵闇に浮かぶ半月の下、可憐に咲く萩や薄、桔梗や撫子などの秋の草花を描き出した屏風である。本作品には俵谷宗達(生没年不詳)の工房で制作されたことを示す「伊年印」印が捺されています。図録では「琳派がその後数多く制作した草花図屏風の中でも最も初発的な作例であり、かつ一群の草花図屏風の中でも群を抜いた傑作である」と述べています。月を示す、銀板が印象的です
「月に秋草図屏風」 右隻(部分) 伝 俵屋宗達 江戸時代
「四季草花図屏風」 「伊年」印 六曲一双 江戸時代 この1画は草花が咲いて金色の空間を華麗に彩っています。
日曜日の夕方前に出かけましたが、館内は思いの外に空いていました。現段階でしたら「伴大納言絵巻」もゆっくり観覧出来ると思います。
続くII期の展示も楽しみです。
開催期間 4月9日(土) 〜 5月8日(日)
休館日 月曜日
開館時間 10:00 〜 18:00(入館は17:30分まで)
金曜日の延長開館は無し
入館料 一般 1000円
春らんまんの日本画まつり@MOMATコレクション
今会期は特集「春らんまんの日本画まつり」と題して、水面に散る桜を描いた名作、川合玉堂《行く春》をはじめ、菱田春草《賢首菩薩》《王昭君》(寄託作品、善寳寺蔵、3月23日から5月15日までの期間限定展示)など重文が一挙公開されています。年に一度きりのチャンスです。
4階は重要文化財の川合玉堂《行く春》(1916年)や、今村紫紅《春さき》(1916年)など、春を彩る作品が展示
3階は3月23日から5月15日までの期間限定で、菱田春草《王昭君》(1902年、重要文化財、寄託作品、善寳寺蔵)が、寄託後初めて公開!加えて春草の重要文化財、《賢首菩薩》(1907年)も展示されるなど、今会期に展示される春草作品は、なんと全部で約10点!ミニ春草展の装いです。
企画展「安田靫彦展」(3月23日−5月15日)に関連して、靫彦がコメントを寄せた作品や画家を選び、4階1室と3階10室に展示されていました。このコメントが面白い!
菱田春草《王昭君》1902(明治35)年
絹本彩色 中国・前漢の元帝の時代、匈奴の王へ嫁すことになった後宮一の美女、王昭君。絵師に賄賂を贈らなかったために肖像画を醜く描かれたこの高潔な美女を、さまざまな感情を秘めた後宮の女性たちが見送る場面を描いています。線描を用いない、いわゆる「朦朧体」の試みがもたらした実りの一つで、巧みな暈しがなめらかな質感と夢想的な雰囲気を与えています。
山形県鶴岡市の善寳寺が所蔵するこの作品は、寄託先である鶴岡市の致道博物館が工事のため、2014年秋以降、期間限定で当館に寄託されています
菱田春草 《賢首菩薩》
1907(明治40)年 絹本彩色 軸
賢首菩薩は華厳宗(けごんしゅう)第三祖のこと。唐の則天武后(そくてんぶこう、在位690-705年)の問いに対し、庭にあった黄金の獅子を例に華厳の教えを述べたと伝えられています。この作品では、点描で彩色した上に、細かく模様を描き入れているのが特徴的です。線を用いずに色彩の濃淡で空気や光線を表現する描き方を一歩進め、色調の微妙な変化で遠近感や立体感を表現しています。
重要文化財の川合玉堂《行く春》(1916年)や、今村紫紅《春さき》(1916年)など、春を彩る作品が展示
晩春の桜花が散りゆく渓谷。川に繋留されている3隻の水車舟。玉堂は前年の秋と同年の早春にスケッチ旅行で秩父の長瀞(ながとろ)を訪れ、川下りを楽しんでいます。その時の風景を出発点として、小雪のように舞う桜をあしらったのがこの《行く春》です。
川合玉堂 《行く春》1916(大正5)年 紙本彩色 屏風 6曲1双
作者は繰り返し同じリズムでまわる水車に特に興味をおぼえ、その動きを伝えようと、勢いよく水が流れるさまを表現するのに最も苦心したといいます。自然の 雄大さと季節の移ろいが見せる繊細さ、そうした自然の多様な表情とそこに生きる人々の生活とを結びつけながら、詩情豊かな世界を描き出しています。
奥村土牛 鴨
横山大観 或る日の太平洋
今村紫紅 「印度旅行スケッチ帳」より 鎮江(ちんこう)金山寺
菱田春草 鎌倉時代闘牛の図
菱田春草 林和靖
菱田春草 王昭君
菱田春草 松に月
菱田春草 賢首菩薩
菱田春草 秋木立
菱田春草 水辺初夏(鷺)
菱田春草 四季山水
菱田春草 雀に鴉
菱田春草 梅に雀
今村紫紅 時宗
速水御舟 丘の並木
鏑木清方 弥生の節句 端午の節句
最後に皇居の初夏を
4階は重要文化財の川合玉堂《行く春》(1916年)や、今村紫紅《春さき》(1916年)など、春を彩る作品が展示
3階は3月23日から5月15日までの期間限定で、菱田春草《王昭君》(1902年、重要文化財、寄託作品、善寳寺蔵)が、寄託後初めて公開!加えて春草の重要文化財、《賢首菩薩》(1907年)も展示されるなど、今会期に展示される春草作品は、なんと全部で約10点!ミニ春草展の装いです。
企画展「安田靫彦展」(3月23日−5月15日)に関連して、靫彦がコメントを寄せた作品や画家を選び、4階1室と3階10室に展示されていました。このコメントが面白い!
菱田春草《王昭君》1902(明治35)年
絹本彩色 中国・前漢の元帝の時代、匈奴の王へ嫁すことになった後宮一の美女、王昭君。絵師に賄賂を贈らなかったために肖像画を醜く描かれたこの高潔な美女を、さまざまな感情を秘めた後宮の女性たちが見送る場面を描いています。線描を用いない、いわゆる「朦朧体」の試みがもたらした実りの一つで、巧みな暈しがなめらかな質感と夢想的な雰囲気を与えています。
山形県鶴岡市の善寳寺が所蔵するこの作品は、寄託先である鶴岡市の致道博物館が工事のため、2014年秋以降、期間限定で当館に寄託されています
菱田春草 《賢首菩薩》
1907(明治40)年 絹本彩色 軸
賢首菩薩は華厳宗(けごんしゅう)第三祖のこと。唐の則天武后(そくてんぶこう、在位690-705年)の問いに対し、庭にあった黄金の獅子を例に華厳の教えを述べたと伝えられています。この作品では、点描で彩色した上に、細かく模様を描き入れているのが特徴的です。線を用いずに色彩の濃淡で空気や光線を表現する描き方を一歩進め、色調の微妙な変化で遠近感や立体感を表現しています。
重要文化財の川合玉堂《行く春》(1916年)や、今村紫紅《春さき》(1916年)など、春を彩る作品が展示
晩春の桜花が散りゆく渓谷。川に繋留されている3隻の水車舟。玉堂は前年の秋と同年の早春にスケッチ旅行で秩父の長瀞(ながとろ)を訪れ、川下りを楽しんでいます。その時の風景を出発点として、小雪のように舞う桜をあしらったのがこの《行く春》です。
川合玉堂 《行く春》1916(大正5)年 紙本彩色 屏風 6曲1双
作者は繰り返し同じリズムでまわる水車に特に興味をおぼえ、その動きを伝えようと、勢いよく水が流れるさまを表現するのに最も苦心したといいます。自然の 雄大さと季節の移ろいが見せる繊細さ、そうした自然の多様な表情とそこに生きる人々の生活とを結びつけながら、詩情豊かな世界を描き出しています。
奥村土牛 鴨
横山大観 或る日の太平洋
今村紫紅 「印度旅行スケッチ帳」より 鎮江(ちんこう)金山寺
菱田春草 鎌倉時代闘牛の図
菱田春草 林和靖
菱田春草 王昭君
菱田春草 松に月
菱田春草 賢首菩薩
菱田春草 秋木立
菱田春草 水辺初夏(鷺)
菱田春草 四季山水
菱田春草 雀に鴉
菱田春草 梅に雀
今村紫紅 時宗
速水御舟 丘の並木
鏑木清方 弥生の節句 端午の節句
最後に皇居の初夏を
東京国立博物館2016-4-29
東京国立博物館4月26日の鑑賞記録です。
大原御幸図屏風 6曲1隻 長谷川久蔵筆 安土桃山時代・16世紀
藤棚図屏風 6曲1双 狩野伯円筆 江戸時代・18世紀
洛中洛外図屏風(右隻) 6曲1隻 筆者不詳 江戸時代・17世紀
木曾街道・蕨之驛 戸田川渡 1枚 渓斎英泉筆
浮世人物図巻 下巻 1巻 伝菱川師宣筆 江戸時代・17世紀
着物
土偶
聖徳太子絵伝(部分) 南北朝時代・14世紀 川合玉堂氏寄贈
熊やカエルが歩いてます。
四季山水図屏風(部分) 伝周文筆 室町時代・15世紀
人物山水図巻 1巻 黄慎筆 中国 清時代・雍正5年(1727)
山水図冊 1帖 李世倬筆 中国 清時代・18世紀
泰山刻石 1帖 李斯筆 中国 秦時代・前219年 !
篆書玄妙観重脩三門記巻題 1巻 趙孟頫筆 中国 元時代・14世紀
隷書詩書巻跋 1巻 文徴明筆 中国 明時代・弘治13年(1500)
大原御幸図屏風 6曲1隻 長谷川久蔵筆 安土桃山時代・16世紀
藤棚図屏風 6曲1双 狩野伯円筆 江戸時代・18世紀
洛中洛外図屏風(右隻) 6曲1隻 筆者不詳 江戸時代・17世紀
木曾街道・蕨之驛 戸田川渡 1枚 渓斎英泉筆
浮世人物図巻 下巻 1巻 伝菱川師宣筆 江戸時代・17世紀
着物
土偶
聖徳太子絵伝(部分) 南北朝時代・14世紀 川合玉堂氏寄贈
熊やカエルが歩いてます。
四季山水図屏風(部分) 伝周文筆 室町時代・15世紀
人物山水図巻 1巻 黄慎筆 中国 清時代・雍正5年(1727)
山水図冊 1帖 李世倬筆 中国 清時代・18世紀
泰山刻石 1帖 李斯筆 中国 秦時代・前219年 !
篆書玄妙観重脩三門記巻題 1巻 趙孟頫筆 中国 元時代・14世紀
隷書詩書巻跋 1巻 文徴明筆 中国 明時代・弘治13年(1500)