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2016年07月03日

メアリー・カサット展 @横浜美術館 夜間特別鑑賞会レポート


19世紀後半のパリで活躍したアメリカ出身の印象派の画家、メアリー・カサットの回顧展が横浜美術館で開かれています。印象派を代表するアメリカ人女性画家、メアリー・カサット(1844〜1926年)の初期から晩年にいたる画業の全貌を紹介する回顧展の夜間特別鑑賞会に参加しました。

代表作である母子像の名品の数々のほか、カサットが日本の浮世絵版画に感銘を受け女性の日常を主題とする多色刷り銅版画に加え、エドガー・ドガ、ベルト・モリゾなど交流のあった画家たちの作品、カサットが愛した日本の浮世絵版画や屏風絵など約100点が紹介され、初期から晩年にいたるまでのカサットの画業の全貌をがわかる内容になっています。

展示は、第1章「画家としての出発」、第2章「印象派との出会い」、第3章「新しい表現、新しい女性」の3構成。

メアリー・カサット バルコニーにて(1873年)フィラデルフィア美術館蔵 セルビアで描いたごく初期の絵だそうです。右側の女性の右手にも注目を。
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メアリー・カサット 浜辺で遊ぶ子供たち(1884)ワシントン・ナショナル・ギャラリー 無心で遊ぶ子どもの様子がとても愛らしいですね。
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メアリー・カサット 桟敷席にて (1878) ボストン美術館 劇を見る女性。その姿を遠くからオペラグラスで男性に観られているが、気にしない近代的な女性を描いています。
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メアリー・カサット 眠たい子どもを水浴させる母親(1880)ロサンゼルス郡立美術館。
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まどろみながら母親に身をゆだね心地よさそうな子供と、わが子を優しく見つめる母親のまなざし。沐浴という日常の一瞬に幸福感がにじみ出ています。

メアリー・カサット 母の愛撫(1896)フィラデルフィア美術館 
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メアリー・カサット 果実をとろうとする子供(1893)ヴァージニア美術館
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1892年にシカゴ万博が開催され、そのときに女性館の壁画を担当し、現代の女性を描きました。この90年代は、母子像を中心に描き、カセットの全盛期といわれています。
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メアリー・カサット 母親と二人の子供(1905)ウエストモアランドアメリカ美術館
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1890年、パリのエコール・デ・ボザールで開催された浮世絵版画展にインスピレーションを受け、10点余りの多色刷りの版画を作成し、油彩画にも浮世絵の影響がみられるようになります。自身でも、歌麿、北斎らの版画を蒐集しています。

近代版画の傑作と言われる10点組の多色刷り銅版画のシリーズが全点揃っての公開は、非常に貴重な機会です。
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喜多川相説 秋草花図屏風(17世紀中期)ファイラデルフィア美術館
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葛飾北斎 富嶽三十六景(1830-32)デ・ヤングサンフランシスコ美術館
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葛飾北斎 諸国滝巡り (1831-1832)左 メトロポリタン美術館 右 フィラデルフィア美術館
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母子像をテーマに独自の画境を切り開いたカサットですが、女性が職業画家として生きるには厳しい時代でした。19世紀後半のフランスのエコール・デ・ボザール(国立美術学校)は、女性の入学を許さず、カサットはいくつもの美術館を訪ね巨匠の作品をひたすら模写して腕を磨いたそうです。現代では女性芸術家は特別な存在ではありませんが、彼女のような先達の活躍があってこそなのでしょう。晩年は白内障のため制作から遠ざかりますが、女性画家のパイオニアとして、彼女の名は歴史に残ることでしょう。

関連イベントとして、カサット研究者で美術史家のナンシー・モウル・マシューズさんのシンポジウム「印象派の広がり」(7月31日)、学芸員によるギャラリートーク(7月8日、8月5日、9月2日)なども実施される予定です。
日本で作品を所蔵する美術館は少なく、カサットの作品を見る機会はほとんどありません。国内では35年ぶりの回顧展となる本展をお見逃しなく!


会期:2016年6月25日(土)〜9月11日(日)
休館日:木曜日 ※ただし2016年8月11日(木・祝)は開館
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
※夜間開館:2016年9月2日(金)は20時30分まで開館(入館は20時まで)
一般:1,600円(前売・団体 1,400円)
大学・高校生1,100円(前売・団体 900円)
中学生600円(前売・団体 400円)
小学生以下無料
65歳以上1,500円(要証明書、美術館券売所でのみ対応) 
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