2017年02月19日
江戸東京博物館 特別展「江戸と北京 18世紀の都市と暮らし」へ行ってきました
もう何度めかの江戸東京博物館。
今度の特別展は江戸と北京と言う二つの都市の生活文化と言う事で、江戸東京博物館のコレクションに主に北京にある首都博物館のコレクションを加え、両都市の生活の違いを比べよう見たいなテーマ(一部故宮博物院蔵)。
行ったのは土曜日の夜、混雑は大した事はなかったです。
目玉として乾隆八旬万寿慶典図巻と言う乾隆帝の80歳を記念した式典を描いた絵巻物と、それの影響があるとされる江戸の街中を描いた熈代勝覧と言う絵巻物が並行して展示されています。
とりあえず入ってすぐに挨拶、最初は当時の両都市の様子を描いた絵図類や、乾隆帝が来ていたという黄色い服(皇帝にしか許されていない色)や乾隆帝が使っていた刀等が置かれている、プロローグ的なものになります。
それ以降は本番である都市生活史。2つのメインの絵巻物が飾られ、そこから話が展開していくスタイル。乾隆八旬万寿慶典図巻と熈代勝覧の二つから当時の都市の様子を思い描く事から始まります。
当時日本では唐土名勝図会なるガイドブックのような本が出版されており、中国における名勝を紹介する本が出ていたようで、それが展示されています。とは言え直接取材出来るような時代ではなく、書くために参考にしたモノのの中に乾隆八旬万寿慶典図巻が入っているみたいで、その図案がそのまま反映されているとか。
そして両都市の一般的な家屋の模型。中国における建物の構造は四合院と呼ばれるスタイルが主体となっており、中庭の四方に建物を配置したスタイルで、庶民の建物から宮殿までだいたい四合院スタイルだった模様。北京は川が多くそこまで綺麗な区画ができなかったらしく、区画は込み入ったものになっている模様。
江戸はというと、有名な長屋、クオリティの高い模型なら江戸東京博物館より深川江戸資料館が美味しい(中に入れる為)。
街といえば商業、と言う事で当時使われていた商売道具類の展示が行われており、江戸からは棒手振り商人の箱、箱に商品を入れて売り歩いた模様。他は飛脚や看板類、そろばんとかをモチーフにした看板等が置かれています。
北京における商店の看板、金貸と両替屋は銭マークなのは当然として、帽子屋は何故か猿の木像、そして酢屋、塩屋、質屋は全部瓢箪型と言う謎。全部何かしらの漢字が書かれているものの、酢なんかは読めるものの、それ以外は日本とはニュアンスが違うためイマイチわからない。そして靴屋はブーツ状の靴看板のみで、文字は書かれていません。後は回教徒向けの料理屋の看板、通常の中華は食べられない回教徒向けに清められた羊肉等が出てくる店の看板も有り、特に目立った特徴はなく普通の看板に文字と言うシンプルなもの。
他甘い茶を売っていた行商人の薬缶や、辻医者の薬箱(流しの医者がおり、漢方や鍼治療を行ったらしい)等。
また北京在住者の職業絵図みたいなものがあり、普通の農民商人から、芸人見たいなものまでいろいろといたらしい、中にはパントマイマー+後ろにセリフを読み上げる声優と言う芸人もいたらしい。
その後は両都市の生活や行事等、生活感のある話題にテーマは移ります。江戸では雛人形や縁起物の食器類等。北京では布団たたきや圧勝銭と言う、銭をかたどったお守り的なものや、魔除けの絵的なもの等、北京で使われていた縁起物達。
次は学問絡み、科挙が行われていた時代ゆえに、科挙の回答や科挙用の細かいカンペ、乾隆帝用に造られたらしい筆や炭等。江戸はと言うと科挙こそなかったものの、昌平坂学問所などでの試験の成績が出世に影響する等はあったそうで、他は寺子屋の風景、江戸周辺の寺子屋は教える側の女性率が高かったのが特徴だとか。
他は芸能類、北京からは京劇の衣装やキセル等。江戸からは相撲や歌舞伎の浮世絵等が飾られています。
最後の方は清代北京の芸術文化として当時の掛け軸や陶器類(壺等)が有りますが、北京の首都博物館の紹介も兼ねているっぽい感じ。
映像資料
そして映像、江戸城と紫禁城のCG再現映像でその城の中心部の思想や構造を解説する映像が有り。江戸城本丸は大奥、中奥、表に別れており、大奥は男子禁制のあの有名な大奥なれど、史料不足で詳細不明。奥は普通の将軍の生活スペース、表は政治や儀礼の場として使われ、大広間と言う所で将軍が政治を執り行った。建物の構造は室町時代等から見られるものが様式が変化して引き継がれていると言う事らしい。また表には能舞台もあり、重要な神事として、また娯楽として能が行われた模様、そしてその能には江戸庶民も見る事が出来るものもあり、その様子を描いた絵も流れる、なんとも押すな押すなの一大イベントの様子が絵から伝わってきてなんとも。
紫禁城はというと、周礼や風水、陰陽の思想から計画的に造られた宮殿で、概ね左右対称、建物の数も全てそういったものに矛盾がないように作られている。
門から入って太和殿まで5つもの門をくぐって1.5kmもあり、門の名前が覚えきれない。広いし歩くのが大変そう。門の一つ午門と言う門は子午線と向かい合っているので午門とか。
バックには建設の際に出た土砂で山が作られており、背後に山、全面に川と言う中国都市の風水的な理想を再現したものになっているらしい。
映像はフルに見ると30分くらいはかかります。
その後空腹のため、両国駅の割と有名なとんかつ屋であるいちかつへ向かいます。
690円で分厚いロースカツ定食が食べられると言う店、味もなかなか。
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