2021年09月19日
往診でも抗体カクテル療法開始!中和抗体薬の投与(抗体カクテル療法)の詳細について
厚生労働省は、新型コロナウイルス感染者への重症化防止の治療薬として、中和抗体薬の投与(抗体カクテル療法)を入院患者で2021年7月19日、外来患者で2021年8月25日、往診の患者で2021年9月17日より、許可の通知を出しました。
今回は、新型コロナウイルスの重症化防止の治療薬として、期待されている中和抗体薬(抗体カクテル療法)について、紹介します。
【目次】
1,中和抗体薬(抗体カクテル療法)とは?
2,抗体カクテルの対象者
3,抗体カクテル療法の方法
4,抗体カクテル療法にかかる費用
5,副反応
6,特に注意が必要な方
7,まとめ
【中和抗体薬(抗体カクテル療法)とは?】
まず、抗体とは、体外から侵入した異物を攻撃する「免疫系」が作り出すたんぱく質のことです。
これを利用した医薬品が、がんや関節リウマチなどの治療薬として実用化されています。
がん治療薬の場合、がん細胞の増殖に関わる信号を止める働きなどがあります。
狙った細胞だけに結合するため、副作用を抑えて高い治療効果が得られるとされています。
今回の新型コロナウイルスに対する抗体カクテルは、中外製薬が製造しています。
この抗体カクテル療法は、「カシリビマブ」「イムデビマブ」と呼ぶ2種類の抗体を1回点滴します。
2つの抗体を混ぜて投与することから「カクテル」と呼ばれています。
新型コロナウイルス表面に結合して増殖を抑える効果が期待されています。
臨床試験(治験)では入院や死亡のリスクが7割減ったことが報告されています。
【抗体カクテルの対象者】
・発症から7日以内の軽症から酸素投与が必要ない中等症Tの患者で50歳以上の方。
*対象の年齢は、各自治体、病院で異なる場合があります。
・肥満、糖尿病、透析患者、高血圧を含む心血管疾患などの重症化リスク要件がある方。
【抗体カクテル療法の方法】
30〜40分点滴で投与し、その後、副反応が生じないか一定時間、観察を行います。
【抗体カクテル療法にかかる費用】
費用は、無料です。
*原則公費負担で、今年度予算のコロナ対策予備費で賄うことになっています。
【副反応】
《インフュージョンリアクション》
ロナプリーブを含むモノクローナル抗体製剤と呼ばれる薬を点滴したときにおこることがある体の反応で、以下のような過敏症やアレルギーのような症状が現れます。
・発熱
・胸痛
・じんま疹
・悪寒
・胸の不快感
・全身のかゆみ
・吐き気
・力が入らない
・筋肉痛
・不整脈
・頭痛
・のどの痛み
《重篤な過敏症》
薬に対してからだの免疫機能が過剰に反応することで、全身に起こる急性アレルギー反応がまれに現れることがあります。
・全身のかゆみ
・吐き気、嘔吐
・顔面蒼白
・じんま疹
・息苦しい
・手足が冷たくなる
・皮膚の赤み
・冷汗が出る
・ふらつき
・めまい
【特に注意が必要な方】
・過去に注射剤などで重篤なアレルギー症状で重篤なアレルギー症状を起こしたことのある方
・妊婦または妊娠している可能性のある方
・授乳中の方
*他に高齢者や子どもなどです。
【まとめ】
新型コロナウイルスの重症化防止が期待できる抗体カクテル療法が、全ての療養形態の方にも使用できるようになりました。
現在、使用対象者の範囲は、制限されていますが、政府が30万回分追加購入を決めましたので、供給量が増えれば、対象者が拡大される可能性がありますので、今後の情報に注射が必要です。
また、副反応がありますので、特に注意が必要な対象の方は、新型コロナウイルスに感染した場合、アレルギー反応等を医療機関や保健所に伝えるようにして下さい。
今後も、新型コロナウイルスに対する新しい治療薬の情報が増えてくると思いますので、情報が入りましたら、ブログで紹介したいと思います。
今回のブログは、以上です。
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