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2023年08月15日
0-3-4 原価償却費
1,固定資産の価値
●有形固定資産は取得時にいったん資産として計上されるが、その後、毎決算時に、取得原価の一部ずつを費用(減価償却費)として、使用している間の各会計期間に配分していく。
・建物や機械のような有形固定資産は、長期にわたる使用により価値が減少。
・減価償却費は、資産の価値の減少を毎決算時に取得原価の一部を費用(減価償却費)として計上
2,減価償却費の会計処理
●減価償却費の会計処理には、直接法と間接法の2種類があります。
・直接法
計算した減価償却費を資産の帳簿価額から直接控除する方法。
(借方)費用・減価償却費100/(貸方)資産・車両運搬具100
・車両運搬具300
・間接法
減価償却累計額勘定によって間接的に控除していく方法。
(借方)費用・減価償却費100/(貸方)資産・減価償却費累計額
・車両運搬具 600
減価償却累計額 ▲300
3,減価償却累計額の表示
・減価償却累計額とは、取得原価からこれまでいくら減価償却を除却したかの額。
・具体的には、「減価償却累計額=固定資産の取得価額−固定資産の帳簿価額」で表される。
・なお日本では原則無形固定資産に直接法を、有形固定資産に間接法を適用することとされています。
4,取得原価と帳簿原価
・取得原価とは、ある資産の取得に要した原価であり、購入価格に付随費用を加えた合計金額のことをいいます。
・帳簿価額とは、会計上で記録された資産や負債の評価額のことです。
・決算時に減価償却費を計上し、その減価償却費が控除された金額が帳簿価額。
5,減価償却方法
●減価償却費の3要素
減価償却費を計算するためには、取得原価、耐用年数、残存価額の3要素が必要。
●減価償却の方法
・定額法
毎期均等額の減価償却費を計上する方法
・定率法
毎期一定割合の減価償却費を計上する方法
6,定額法
・取得原価:5,000万
・耐用年数:5年
・残存価格:10%
・減価償却方法:定額法
●計算方法
・5,000万×10%=500万(残存価格)
・(5,000万-500万)÷5(耐用年数)=900万(毎年の減価償却費)
・資産価格が残存価格(500万)になった後は、帳簿価格500万のまま減価償却費は発生しない。
7,定率法
・取得原価:400万
・耐用年数:4年
・残存価格:10%
・減価償却方法:定率法
・定率法償却率:0.438%
●計算方法
・400万×10%=40万(残存価格)
・400万÷0.438(定率法償却率)=175万(1年目の減価償却費)
(2年目)
・(400万-175万)×0.438=98万
(3年目)
(225万-98万)×0.438=55万
(4年目)(耐用年数最終)
(126万-55万)-40万(残存価格)=31万
タグ:簿記
0-3-5 経過勘定
1,経過勘定とは
●入金・支払いのタイミングと、収益・費用を計上するタイミングが異なる場合、タイミングのずれを解消し、当期の費用と収益の額を正しく調整するための勘定を経過勘定という。
・経過勘定には、「前払費用」「未収収益」「前受収益」「未払費用」がある。
・経過勘定は、費用か収益か、または、事前の支払い(受取)か事後の支払い(受取)かの4種類に分類で、これら4種類は「前払費用」「未収収益」「前受収益」「未払費用」となる。
2,前払費用
●当期に支払った費用の中に、次期以降に属する費用が含まれている場合。
【仕訳】
・(借方)費用・支払保険料 120/(貸方)資産・当座預金 120
(前払い分の決算整理)⇓
・(借方)資産・前払保険料 30/(貸方)費用・支払保険料 30
・財務諸表上は
(借方)費用・支払保険料 90/(貸方)資産・当座預金 120
資産・前払費用 30/
3,未収収益
・当期に収益として発生しているもので、金銭の受取りが行われていない場合。
【仕訳】(考え方としては前払費用の様に120や30の仕訳が存在するが、計上されるのは下記のみ)
・(借方)資産・未収収益 90/(貸方)収益・受取利息 90
4,前受収益
・当期に受け取った収益に、次期以降に属する収益が含まれている場合。
【仕訳】
・(借方)資産・当座預金 120/(貸方)収益・受取賃借料 120
(決算整理仕訳)⇓
・(借方)収益・受取賃借料 30/(貸方)負債・前受収益 30
・財務諸表上は
(借方)資産・当座預金 120/(貸方)収益・受取賃借料 90
/ 負債・前受収益 30
5,未払費用
●当期に費用として発生しているが、いまだ支払が行われていない費用がある場合。
【仕訳】(考え方としては前受収益の様に120や30の仕訳が存在するが、計上されるのは下記のみ)
・(借方)費用・支払利息 90/(貸方)負債・未払利息 90
タグ:簿記
0-3-6 B/S・P/Lの繋がり
1,損益計算書と貸借対照表の関係
●貸借対照表の役割は、「一定時点の財政状態」を示すこと。
●損益計算書の役割は、「一定期間の経営成績」を示すこと。
●このように、貸借対照表と損益計算書は、1年間の企業の活動結果を報告する報告書として密接な関係にあることが分かります。
2,財務諸表の繋がり
●財務諸表は、@お金を集める、A投資する、B事業を動かす、C利益をためるの順番で繋がっている。
この順番で財務三表の繋がりを説明。
●貸借対照表
・@お金を集める
貸借対照表では、金融機関などから借り入れたお金は負債に、株主から出資されたお金は純資産に入る。
・A投資する
貸借対照表では、投資したお金は資産に入ります。
キャッシュフロー計算書では、その投資したお金は投資キャッシュフローに入る。
●損益計算書
B事業を動かす
損益計算書では、(Aで投資したお金で)事業を動かしたお金は費用に入ります。
C利益をためる
事業で得た利益は損益計算書では利益に入る。利益は@の純資産に入る。
【貸借対照表と損益計算書は密接な関係がある。】
その順番は、@お金を集める、A投資する、B事業を動かす、C利益をためるの順番で繋がっている。
タグ:簿記
0-3-7 キャッシュフロー計算書
1,キャッシュフロー計算書とは
●キャッシュフロー計算書とは
・会社がどのようにお金を得て、どのように使ったのかをまとめた表。
・企業活動に伴う収入と支出を、営業活動、投資活動、財務活動という3つの活動別に区分して表示。
・貸借対照表や損益計算書が追うことができないお金の流れを記帳。
2,財務三表の繋がり
●貸借対照表と損益計算書とキャッシュフロー計算書の3表を合わせて、財務三表と呼ぶ。
●財務三表の繋がり
・財務三表は、@お金を集める、A投資する、B事業を動かす、C利益をためるの順番で繋がっている。
【貸借対照表】
・@お金を集める
貸借対照表では、金融機関などから借り入れたお金は負債に、株主から出資されたお金は純資産に入る。
(財務キャッシュフローにも記載)
⇓
・A投資する
貸借対照表では、投資したお金は資産に入ります。
(投資キャッシュフローにも記帳)
⇓
【損益計算書】
B事業を動かす
損益計算書では、(Aで投資したお金で)事業を動かしたお金は費用に入ります。
(営業キャッシュフローにも記帳)
C利益をためる
事業で得た利益は損益計算書では利益に入る。利益は@の純資産に入る。
タグ:簿記