池袋。牛若丸。
西口というか北口。ロサの1階。吉野家の跡地に2月27日にできた。
店名はどこかで見たような気がするが、こういう牛丼屋はなかった。飲食店にありそうな名前なので実際どこかで見たのかもしれないが勘違い。
牛若丸という牛丼屋についての公式のサイトなどは見当たらないが、おもしろい話があった。
牛若丸の求人をクリックすると吉野家に飛ばされる。また、吉野家の公式サイトに今現在、牛若丸の名前はどこにもないが、実験店舗を準備していると。
信用できそうな情報。
なるほど。吉野家の実験店舗のサイレントオープン。
開店前から牛丼280円のポスターが外から見えていた。安い。松屋のプレミアムじゃない牛めしより、さらに安い。
それと店外に露出した自動販売機。
実験店舗とは安売りの牛丼と自動販売機かと思いつつ入ってみる。
店内に入ると、食券をカウンターに渡すセルフサービス。
なるほど。セルフサービスというのが基本的なコンセプトだ。
何ならワンオペも可能。
人件費などのコストを抑え、280円の牛丼を実現したというわけだ。
持ち帰りは20円プラスと、そこでもコストを抑えている。
メニューは牛丼のバリエーションが少しと、味噌汁など最低限の範囲。
カレーも定食も豚汁もアルコールもない。シンプルな牛丼屋。ある意味、好感がもてる。
最近の吉野家は夜になると半端な飲み屋のようになり、純粋にさっさと食事だけしたい人間の足を遠のけている。
牛丼。並。280円。
小さいかなと事前に予想したが、そんな事はなかった。標準のサイズ。肉の量も標準に見える。
食べてみる。
味はやや淡泊。
これはどこかで食べた事があると思ったら、なか卯の和風牛丼に近い。
実際、これにも糸コンニャクが少し入っている。
食材のコスト削減になるのだろうが、これは悪くない。むしろ、牛肉と玉ねぎにもう一ひねりした感じで、よく合う。
薄味なので、玉子のいらない牛丼。これに玉子を入れると肉の味が薄まり過ぎる。
それほど期待していなかったが、これはこれでおいしい。別に文句はない。
きつね牛丼。並。400円。
牛丼に「きつね」という名前の厚揚げが乗っている。
これがこの店で唯一ぐらいのやや変わったメニュー。
きつねを割ったところ。
食べてみる。
きつめも思ったより薄味。
薄味の牛丼に薄味の厚揚げがただ乗っているだけで、なじんでいない。ぶつかってもいないが、ここにいる存在価値はない。120円プラスする価値はないと個人的には思える。
厚揚げの代わりに何ならいいのかと考えてみるが、別に何もいらないと答が出た。
バリエーションの多い牛丼はすき家にやってもらえばいい。
吉野家があって松屋があってすき家があってなか卯があって、そして牛若丸。
280円の牛丼は普通においしかった。
さっそく食べログに出ているが新店なのでまだ店のポイントはない。一つある口コミの人は3.4とつけている。それはサービスポイントと思えるが、普通においしい。
問題は二つ。
牛丼を作っている人が接客や店の案内でずっと喋っているので衛生面が少し気になる。
もう一つは、280円という価格を他店が見逃してくれるかどうか。特に10円差の松屋はこのあたり容赦ない。280円で他店より一番安いというポジションがなくなると、この新店のコンセプトは崩壊する。しばらく沈静化していた仁義ない牛丼戦争の再発。
なので、様子見のサイレントオープンなんだろうなぁ。
企業の事情はさておき、280円で普通においしい牛丼屋。できれば、このまま続いてほしい。
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