池袋。洋食レストラン 新宿中村屋 池袋東武本店。
東武の12階。「洋食レストラン 新宿中村屋」の本店は池袋の東武にある。
昭和2年。1927年6月12日。新宿に喫茶部(レストラン)を開設。
同時に、純印度式カリーを発売。
当時日本に広まっていたのは小麦粉を使った欧風タイプのカレー。ここに本場インドのカリーを発売。
米はインディカ米を使用し、スパイスの強烈な香りが漂う。
肉も日本人が見慣れない骨付きのゴロっとした大きな鶏肉。
その異国の料理に日本人は初め戸惑いを隠せなかった。
中村屋の公式サイトにはかなり念入りに歴史やうんちくが書かれている。読み物としても読みごたえがある。
新宿中村屋伝統のインドカリー。1,512円。
カレーポットに入ったインドカリーには骨付きの大きな鶏肉がゴロッと入っている。これは確かにインド的。
ライスにかけてみる。
中村屋では一番最初インディカ米を使用したがその後、日本人の好みに合うように白目米に変更。
白目米は現在、新宿中村屋ビルのグランナでのみ提供。
という事で池袋ではその白目米というのは使用されていない。
とは言え「他のレストランで提供しているお米も、より美味しいもの、よりカリーに合うものを選んでいます」と公式にあるように、一定のこだわりがある様子。
食べてみる。
カレーは、なるほど。伝統のインドカリーという感じ。
昔風と言えば昔風だが、確かに欧風カレーではなくインドカレーが元になっている。
今の感覚で言うとそれほどスパイシーではない。むしろ、やさしい味。
もっと辛い店の方がスタンダードになっているので、薄いとも感じる。
ただ、薄っぺらいのではなく、深みがある。
「東京のカレー・ライス、うまいのないナ。油が悪くてウドン粉ばかりで、胸ムカムカする。〜略〜カラければカレーと思つてゐるらしいの大變間違ひ。〜略〜安いカレー・ライスはバタアを使はないでしョ、だからマヅくて食へない」
「カラい、アマい、スッパイ、味みなあつて調和のとれたもの一番いい。 舌ざはりカラくなくて、食べたあとカラ味の舌に湧いて來る ものでなくてはダメねェ」。これが本当のカリーなのに・・・。
公式にある開業時のインド人の協力者の弁。
確かに目指しているのはその方向だと感じる。
骨付きの鶏肉は、ちょうどよくやわらかく、おいしかった。
「カレーの根本となるのは、よいバタアとよい鶏だけ。〜(鶏は)年とつても堅すぎてダメ。若すぎても味が出ない。これを骨のまゝ煮るから味が出る」
開業時の鶏のこだわりはその後、シャモを使用する事になり、シャモが天然記念物に指定された後は、様々な鶏を試し鶏種の交配を行って、カリーに適する鶏を作り出したとの事。
今でも良質な鶏肉へのこだわりが感じられる。
そんな、新宿中村屋伝統のインドカリー。
伝統と言うだけあって、あまり似たものがない。
斜に構えると、ここからその後、いろいろな方向に進んで、今、日本にはいろいろなカレーがあるとも思えるが。
食べログで3.04。比較するのが難しいインドカリーだが、さすがにそれは低すぎる。
値段を気にしなければ、たまに食べてもいいと思う。
伝統のインドカリー以外のメニューは普通に今時のレストランらしいおいしそうなものが並んでいた。
なお、店は静かで落ち着けて、雰囲気はとてもいい。
新宿中村屋 インドカリー スパイシーチキン(200g)【中村屋】 価格:393円 |
価格:1,080円 |
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