中華料理屋は以下に分かれる。
@高い店。デパートに入っている。
A中国人の中華料理屋。本場志向。Aが@になる事もある。本場だが本格的ではなく、特に高い志のない店も含める。
B日本人の中華料理屋。町の中華料理屋。
Cチェーン店。
@からC、それぞれの中でクオリティは店によって差がある。
@とCはさすがにかぶらないが、AとBは店によって前後する。Cに劣るAとBも多い。
高い安いの他に流儀も分かれる。
四川が目立つが池袋には東北料理も多い。旧満州。
四川のような危険性や話題性がなく、日本人になじみやすい。
「からくて食べられな〜い」というエキサイティングな体験を楽しみたい人が行くべきなのが四川料理。そういうのは特にいいからという心境の人が行くのが東北料理。
京華閣は東北料理だ。
定食類が大体680円で他店より安く、クオリティは平均より高い。
漬物は市販品でチャーハンにミックスベジタブルが入っているが料理は安定してクオリティが高い。おかしなミスはない。
680円出したら京華閣でまともな定食が食べられるというのがわかると未知の世界への冒険心がひるむようになる。おかしなものを食べて京華閣以上の金額を払うと、つまらないもの食べてしまったなと思うようになる。
回鍋肉。680円。
長年、池袋で普通においしい回鍋肉を食べるにはどこに行けばいいのかというのが個人的に課題だったのだが、京華閣に行けばいいという結論に達した。
デパートの中の店で高い金額を出せばそれなりのものは食べられるが、その金額に見合うだけのものかというのがそこではまた問題になる。
1,000円以上出さなくても京華閣の680円の回鍋肉が一番バランスがよく感じた。
東北料理と京華閣のよさというか、普通においしいのが回鍋肉。
油淋鶏。680円。
おいしいが、それほど特徴的ではない。期待しすぎて食べると今一つ自分の中のメーターがふり切れなかった。
油淋鶏は鶏肉が目立つのであまり東北料理らしさというのは目立たなかった。
それでも普通においしい。
カニ炒飯。650円。炒飯の定食は650円からある。スープとサラダと漬物と杏仁豆腐がつく。
まず、ミックスベジタブルが入っているのに驚いた。中国人の中華料理屋の炒飯にミックスベジタブル。
ただ、よく考えるとミックスベジタブルが入っていて悪い理由は別にないかと思い直す。
炒飯はご飯とおかずの定食に比べて一見物足りなさを感じるが後からよく考えると腹はいっぱいになっている。
五目焼きそば。680円。焼きそばの定食もスープとサラダと漬物と杏仁豆腐がつく。ご飯はない。餃子などとのセットでもない。
焼きそばが、ご飯とおかずの定食と同じ値段かと食べる前は思ったが、これがおいしかった。
これはちゃんとメインで一人立ちしている。
焼きそばの認識をあらためた。
八宝菜。680円。
黒い。京華閣の特徴的な一品。
一般的な白い八宝菜に物足りなさを感じる人に、とてもいいと思う。白い八宝菜でないとダメな人は何かの間違いではないかと思うかもしれない。
八種類どころではない豊富な食材が惜し気もなく投入されている。
チャーシュー炒飯。650円。
茶色い。これも京華閣の特徴的な一品。
カニ炒飯と食材が変わるだけではなく基本的に別物になっている。野趣あふれる一品。
茶色い中にミックスベジタブルが映える。不思議なハーモニー。
一般的な炒飯をイメージしていた人には何か思っていたのと違うのが来たと思われるかもしれない。
しかし、これはこれで成立している。おいしい。自分が今まで知らなかったチャーシュー炒飯の一つのあり方。
タンタン麺。680円。ラーメン類の定食も焼きそばや炒飯と同じくスープとサラダと漬物と杏仁豆腐がつく。ご飯はない。餃子などとのセットでもない。
ラーメンはラーメン屋の方が質は高い。つまり麺やスープの質は。
中華料理屋のラーメンはラーメン屋のラーメン程仕込まれていない。麺は特徴がなくコシがない。
ただ、今時のラーメン屋がいくつか流儀はあっても結局いずれも似た店が増えているので、一周回るとラーメン屋以外のラーメンもそれはそれでおいしく感じる。
京華閣のタンタン麺はたぶんそれほど辛くないだろうと思ったら予想通りだった。四川のような辛さはない。程よくマイルドに仕上がっていておいしかった。麺もマイルドなのはもう少しコシがあってもいいが、それはここでは望まない。
五目炒飯。650円。
カニ炒飯から推測できた京華閣の五目炒飯。ミックスベジタブルも含め具材が豊富。エビもミックスベジタブルと仲良くしている。基本的に食材の使い方がセコくない。
世の中の炒飯界のランキングにエントリーできるかは別だが、普通にたまに食べていいと思う一品。
干し豆腐の青唐辛子炒め。680円。
見た事のない料理。出て来るまでイメージできなかった。干し豆腐? それの青唐辛子炒め?
実物は、干し豆腐はきしめん状の平べったい形状のものだった。
青唐辛子炒めというのはそれほど辛くない。少しだけ弱いピリ辛感があるだけだった。
中国の東北料理というか、日本の田舎料理のようでもある。
華はないが時々食べたくなる一品。
豚肉とニンニクの芽の炒め。680円。
青椒肉絲のニセモノと言うと失礼だが亜流のような料理。時々見かけるが青椒肉絲に対して、カレーライスに対するハヤシライスのような立ち位置のような認識がある。従妹のような関係。
京華閣はニンニクの芽も味がついていて固さもちょうどよく、料理の中でなじんでいた。豚肉とニンニクの芽の炒めの中では上に位置すると思う。青椒肉絲と互角。たまに食べていいと思う。
ニラレバ。680円。メニューには「ニラレバー」とある。
レバーは本当は純粋にはそう好きではないが栄養的にたまに食べた方がいい気がしてたまに食べる。今まであまりおいしいと思ったニラレバはなかった。
そんな中で京華閣のニラレバはおいしい部類に入った。
バランスがちょうどよく、ニラレバも京華閣に来ればいいのかと一つの結論になる。
エビ炒飯。650円。
カニ、チャーシュー、五目と来たうえでのエビ炒飯。
エビ炒飯も食材が一つ変わっただけではなく、基本からエビ炒飯という方向性に進んでいる。
2種類のエビとレタスがメインに調和がとれている。
チャーシューではなくエビ炒飯の気分の時にいい。
牛肉焼きそば。780円。
五目焼きそばから連想して、あれに牛肉の細肉がプラスされたようなものかと思っていたら違った。固焼きそばだった。牛肉は細切りでも薄切りでもない肉片がけっこう入っている。
焼きそばはそれ自体で固まっている。固い柔らかいの固いはカチカチでもないが、なかなかほぐれない。他の食材と一体化はしていない。時間をかけてほぐすか、麺と他の食材を別々に食べるか選択を迫られる。
ただ麺と他の食材が一体化していないが、おいしい事に違いはない。
現在、京華閣のランチメニュー24品中の15品を食べた。
食材の好みがあるので全種類食べる事はないと思う。
680円のメニューは大方食べて、今後780円に進むか、好きなものを自由に2周3周するか悩みどころ。
今までに食べたすべてについて、何だったらまた食べたいと思う。
中でも心を動かすのは麻婆豆腐、回鍋肉、八宝菜、干し豆腐と青唐辛子炒め、五目焼きそばなど。
何となくまた食べるだろうと思えるのが油淋鶏。
やはり680円のご飯とおかずの定食が割安。
780円だと他店で食べられるものがまた増える。
普段の生活で100円の差はけっこうシビアになる。旅先と自分の家の近くだと金の使い方に差が出る。
初めて行く店で100円のトッピング、もう一皿の追加に抵抗はなくても、かつやで100円高いメニューになかなか行けないのと同じ状態。
なお、京華閣は割安で平均よりクオリティが高いが、特に話題性のある店ではない。
店員もお客もみんな中国人で、かと言ってそれ自体は池袋では多数派なので、他の町から観光気分で出かける店ではないと思う。
観光客は、ただ有名なだけの店に行けばいい。
ネットは、有名な店は、有名だからという事で取り扱われ、さらに有名になっていく。
意味もなく、ただ有名になっている店もいくつかある。
食べログはまだいいんだ。一応、行った人が書いているから。あまり他の店に行った事がないような的外れな人であっても。
これがまとめサイトになると、完全にその店に行った事がない人がネット上からネタを拾って記事をでっちあげるので、伝言ゲームのように、デマにデマが重ねられる。
有名な事に間違いはない。ただ、おいしいから有名になっている店ばかりではない。
観光客がどこに行くのも自由なんだけど、別においしくない店に行っておいしいと言うのは、ウソだろというか、何だか面はゆい。
2017年05月20日
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