2016年11月04日
【ハクメイとミコチ】マンガ 感想&あらすじ 背丈9cmの小人たちの日常生活を描いたほのぼの作品
Fellows!→ハルタ。2012年4月から連載。既刊4巻
作者:樫木祐人
緑生い茂る森深くに暮らす2人の女の子・ハクメイとミコチ。
彼女たちは背丈がわずか9cmのとても小さな森の住人。動物や虫、他の小人たちと毎日を楽しく過ごし、一生懸命働きながら穏やかに暮らしていた。
鳥の羽根に掴まって大空を飛んだり、動物たちの背に乗って森の中を駆け回ったり、落ち葉やたまごの殻で住処を作ったりと、小さな彼女たちはいろいろな道具を活用し、森に住む様々な生き物たちと助け合って生きている。
今日も2人は仲良く遊び、働き、まったりしながら1日を過ごしていく。
・ハクメイ
主人公。ミコチと一緒に暮らしている小人の女の子。赤毛のくせっ毛が特徴のボーイッシュな見た目と性格をしてます。食べることが大好きでかなりの大食い(特にミコチの料理が好き)。器用な手先を利用し修理屋の仕事をしており、大工仕事を手伝うこともあります。音痴でカナズチ。
・ミコチ
主人公。ハクメイと一緒に暮らしている小人の女の子。ストレートロングの黒髪が特徴のハクメイとは逆に女の子らしい見た目をしています。面倒見がよく、料理や裁縫などの女子スキルも高め。服の仕立てや雑貨屋に保存食や日用品を卸す仕事をしています。綺麗な歌声の持ち主。
・コンジュ
吟遊詩人。小人の女の子。見た目はウェーブがかった金髪のツインテール。低音の響く歌声を持ち、同じく人気の綺麗なソプラノ声を持つミコチにライバル心を燃やしていますが、共演したことをきっかけに仲良くなります。おしゃれで女子力
は高いが料理は苦手。寝るときは全裸。
・鰯谷親方
小人たちよりずっと大きいイタチの大工。頭に巻いたタオルと、くわえたタバコが特徴。修理現場でハクメイと出会い、以来彼女にとって大工の師匠のような存在。本人は鰯谷親方と呼んでほしいようだが、「イワシ」と呼ばれています。
・セン
沼に住んでいる小人の女の子。生命について研究している科学者。研究成果の産物である骨だけで生きている相棒の亀・ジョージの甲羅部分を家にして暮らしています。ハクメイたちとは釣りで知り合ったことで親しくなり、彼女たちの焼けた家を立派にリフォームしてくれました。
背丈が9cmしかない小人の女の子・ハクメイとミコチと、彼女たち以外の小人や様々な動物・昆虫などの森の住民たちの、活き活きと遊び・働き・のんびりしている日常の姿を描いた物語。
主人公のハクメイとミコチを中心に紡がれる、ほのぼの日常系ファンタジー漫画です。個人的に大好物なジャンルの作品だったこと、それから表紙の色鮮やかさとキャラの愛らしさに惹かれて読み始めた作品です。まったりしたいとき、リラックスして癒されたいときに適した内容だと思います。
「素敵だぁ・・・。」と思わず呟きそうになる良い感じの世界観に魅了されました。小人が出てくるファンタジー作品とは言え、剣で斬り合ったり魔法が飛び交うような冒険ものではありません。もちろん魔王も不在です。
小人の2人は木の洞(うろ)に作った家で暮らし、森の住人たちは市場を開いて様々な物を売り買いし、イタチが大工をしていたり、バッタが郵便屋をやっていたりと、想像を掻き立てられる独特な世界観を築いています。
それに、独自の世界観ではあるのに、森を掻き分けながら進めば現実のどこかにひっそりと存在しているんじゃないかという不思議な感覚を持たせてもらえ、子供の頃の純粋な気持ちを思い起こさせてもらえました。
それに、小人視点で世界を写しているので、実際よりも壮大な世界観に感じられましたね。森に飲み込まれそうです。
この世界をより色鮮やかに染め上げてくれているのは、作者先生の高い画力によって描かれている背景です。生い茂る木々や植物などの自然背景をリアル寄りな絵で描いており、ミコチたちが暮らす森の雄大さ、木々の力強さや生命力まで感じ取ることができ、まるで芸術作品のような魅力があります。
植物だけでなく、少し古びた温かみのある建築物がこれまた良い。周囲の自然風景と相まって、家や屋台の外観の絵には味わいがあり、家の中に入れば家具や小物などの内装を丁寧に細かく書き込まれていて、この絵のためだけでも充分見る価値があると思います。
リアルな背景に対して三頭身にデフォルメされたキャラクターは愛らしく、昆虫や鳥たちのデザインも異なるのですが、その相反するかのようなギャップが魅力にもなってますね。
それぞれの見た目は、三頭身のぷにっと丸みを帯びた小人たち、擬人化され二足歩行する動物たち、背景と同じようにリアル寄りに描かれている昆虫や鳥たち。
一見アンバランスのように思われるかもしれないキャラデザと背景をしているんですが、うまいことファンタジーとリアルさが混じり合い、喧嘩することなくバランスよく互いの良さを引き立てていると思います。
やはり小人たちの可愛さ、そしてほのぼのしたゆったりと流れる時間、これに癒されますね。
描かれているのは、ハクメイとミコチを中心とした森に生きる者たちの日々の暮らしぶり。はっきり言ってしまうとこれだけなんですけど、森という舞台、ファンタジー設定、視覚的に楽しめる描き込まれた絵によって、何気ないことでも非日常を感じさせる不思議な面白さがあります。読めば子供の頃の純粋に物事を楽しむ冒険心のような気持ちが湧き立ってくるかも。
それは、登場人物が皆、生き生きとした表情で楽しく暮らしている様子がはっきり見て取れるからだと思います。遊んでるとき、おでかけするときはもちろん、働いてる姿からも楽しさが強く伝わってきました。仕方なくとかやらされてる感がないんですよね。ミコチなら料理や裁縫、ハクメイは器用な手先を使った修理、詩が好きなコンジュは吟遊詩人、大工仕事が大好きなイワシ、自分の特技、好きなことを生かして誰かのために役立たせ、やりたいことを仕事にしています。決して適当にすることもなく、むしろ皆取り掛かってることに懲りすぎなほど熱心に向き合っていました。まあ、中にはそれって仕事なのか?と言いたくなようなものもありますけどね。
個人的な好みにどストライクにハマッているため、とてもお気に入りの作品。私は漫画を電子書籍として買うことも多いんですが、この作品は装丁が独特で手触りが良く、童話調のデザインも気に入ってるので紙媒体で買ってます。なんか本棚に置いておきたくなります。
もう1つ良かったと思えた点をあげると、説明過多になっていない、というよりほとんどなかったということでしょうかね。主に世界観に言えることなんですけど、ここがどんな世界なのか、どんな生き物がいるのかなど、あえて説明を省いていると思われ、そのことから森の先にはなにがあるのか、次は何がおこるのかといったように、想像力を掻き立てられ、読んでるとわくわくするんですよね。
そんな訳で『ハクメイとミコチ』とても面白い作品でした。ほのぼのとした癒し、わくわくする冒険心、美味しそうな料理に笑える掛け合い、ずっと見てても飽きさせない描き込まれた絵、様々な楽しみ方ができて多くの人におすすめできる作品です。よければ近場の書店にでも立ち寄った際には手にとってみてください。
【eBookJapan】 ハクメイとミコチ
↑無料で立ち読みできます
作者:樫木祐人
あらすじ・概要
緑生い茂る森深くに暮らす2人の女の子・ハクメイとミコチ。
彼女たちは背丈がわずか9cmのとても小さな森の住人。動物や虫、他の小人たちと毎日を楽しく過ごし、一生懸命働きながら穏やかに暮らしていた。
鳥の羽根に掴まって大空を飛んだり、動物たちの背に乗って森の中を駆け回ったり、落ち葉やたまごの殻で住処を作ったりと、小さな彼女たちはいろいろな道具を活用し、森に住む様々な生き物たちと助け合って生きている。
今日も2人は仲良く遊び、働き、まったりしながら1日を過ごしていく。
主要登場人物
・ハクメイ
主人公。ミコチと一緒に暮らしている小人の女の子。赤毛のくせっ毛が特徴のボーイッシュな見た目と性格をしてます。食べることが大好きでかなりの大食い(特にミコチの料理が好き)。器用な手先を利用し修理屋の仕事をしており、大工仕事を手伝うこともあります。音痴でカナズチ。
・ミコチ
主人公。ハクメイと一緒に暮らしている小人の女の子。ストレートロングの黒髪が特徴のハクメイとは逆に女の子らしい見た目をしています。面倒見がよく、料理や裁縫などの女子スキルも高め。服の仕立てや雑貨屋に保存食や日用品を卸す仕事をしています。綺麗な歌声の持ち主。
・コンジュ
吟遊詩人。小人の女の子。見た目はウェーブがかった金髪のツインテール。低音の響く歌声を持ち、同じく人気の綺麗なソプラノ声を持つミコチにライバル心を燃やしていますが、共演したことをきっかけに仲良くなります。おしゃれで女子力
は高いが料理は苦手。寝るときは全裸。
・鰯谷親方
小人たちよりずっと大きいイタチの大工。頭に巻いたタオルと、くわえたタバコが特徴。修理現場でハクメイと出会い、以来彼女にとって大工の師匠のような存在。本人は鰯谷親方と呼んでほしいようだが、「イワシ」と呼ばれています。
・セン
沼に住んでいる小人の女の子。生命について研究している科学者。研究成果の産物である骨だけで生きている相棒の亀・ジョージの甲羅部分を家にして暮らしています。ハクメイたちとは釣りで知り合ったことで親しくなり、彼女たちの焼けた家を立派にリフォームしてくれました。
感想
背丈が9cmしかない小人の女の子・ハクメイとミコチと、彼女たち以外の小人や様々な動物・昆虫などの森の住民たちの、活き活きと遊び・働き・のんびりしている日常の姿を描いた物語。
主人公のハクメイとミコチを中心に紡がれる、ほのぼの日常系ファンタジー漫画です。個人的に大好物なジャンルの作品だったこと、それから表紙の色鮮やかさとキャラの愛らしさに惹かれて読み始めた作品です。まったりしたいとき、リラックスして癒されたいときに適した内容だと思います。
「素敵だぁ・・・。」と思わず呟きそうになる良い感じの世界観に魅了されました。小人が出てくるファンタジー作品とは言え、剣で斬り合ったり魔法が飛び交うような冒険ものではありません。もちろん魔王も不在です。
小人の2人は木の洞(うろ)に作った家で暮らし、森の住人たちは市場を開いて様々な物を売り買いし、イタチが大工をしていたり、バッタが郵便屋をやっていたりと、想像を掻き立てられる独特な世界観を築いています。
それに、独自の世界観ではあるのに、森を掻き分けながら進めば現実のどこかにひっそりと存在しているんじゃないかという不思議な感覚を持たせてもらえ、子供の頃の純粋な気持ちを思い起こさせてもらえました。
それに、小人視点で世界を写しているので、実際よりも壮大な世界観に感じられましたね。森に飲み込まれそうです。
この世界をより色鮮やかに染め上げてくれているのは、作者先生の高い画力によって描かれている背景です。生い茂る木々や植物などの自然背景をリアル寄りな絵で描いており、ミコチたちが暮らす森の雄大さ、木々の力強さや生命力まで感じ取ることができ、まるで芸術作品のような魅力があります。
植物だけでなく、少し古びた温かみのある建築物がこれまた良い。周囲の自然風景と相まって、家や屋台の外観の絵には味わいがあり、家の中に入れば家具や小物などの内装を丁寧に細かく書き込まれていて、この絵のためだけでも充分見る価値があると思います。
リアルな背景に対して三頭身にデフォルメされたキャラクターは愛らしく、昆虫や鳥たちのデザインも異なるのですが、その相反するかのようなギャップが魅力にもなってますね。
それぞれの見た目は、三頭身のぷにっと丸みを帯びた小人たち、擬人化され二足歩行する動物たち、背景と同じようにリアル寄りに描かれている昆虫や鳥たち。
一見アンバランスのように思われるかもしれないキャラデザと背景をしているんですが、うまいことファンタジーとリアルさが混じり合い、喧嘩することなくバランスよく互いの良さを引き立てていると思います。
やはり小人たちの可愛さ、そしてほのぼのしたゆったりと流れる時間、これに癒されますね。
描かれているのは、ハクメイとミコチを中心とした森に生きる者たちの日々の暮らしぶり。はっきり言ってしまうとこれだけなんですけど、森という舞台、ファンタジー設定、視覚的に楽しめる描き込まれた絵によって、何気ないことでも非日常を感じさせる不思議な面白さがあります。読めば子供の頃の純粋に物事を楽しむ冒険心のような気持ちが湧き立ってくるかも。
それは、登場人物が皆、生き生きとした表情で楽しく暮らしている様子がはっきり見て取れるからだと思います。遊んでるとき、おでかけするときはもちろん、働いてる姿からも楽しさが強く伝わってきました。仕方なくとかやらされてる感がないんですよね。ミコチなら料理や裁縫、ハクメイは器用な手先を使った修理、詩が好きなコンジュは吟遊詩人、大工仕事が大好きなイワシ、自分の特技、好きなことを生かして誰かのために役立たせ、やりたいことを仕事にしています。決して適当にすることもなく、むしろ皆取り掛かってることに懲りすぎなほど熱心に向き合っていました。まあ、中にはそれって仕事なのか?と言いたくなようなものもありますけどね。
個人的な好みにどストライクにハマッているため、とてもお気に入りの作品。私は漫画を電子書籍として買うことも多いんですが、この作品は装丁が独特で手触りが良く、童話調のデザインも気に入ってるので紙媒体で買ってます。なんか本棚に置いておきたくなります。
もう1つ良かったと思えた点をあげると、説明過多になっていない、というよりほとんどなかったということでしょうかね。主に世界観に言えることなんですけど、ここがどんな世界なのか、どんな生き物がいるのかなど、あえて説明を省いていると思われ、そのことから森の先にはなにがあるのか、次は何がおこるのかといったように、想像力を掻き立てられ、読んでるとわくわくするんですよね。
そんな訳で『ハクメイとミコチ』とても面白い作品でした。ほのぼのとした癒し、わくわくする冒険心、美味しそうな料理に笑える掛け合い、ずっと見てても飽きさせない描き込まれた絵、様々な楽しみ方ができて多くの人におすすめできる作品です。よければ近場の書店にでも立ち寄った際には手にとってみてください。
ハクメイとミコチ 1巻 (ビームコミックス) 樫木祐人 エンターブレイン 2013-01-15 売り上げランキング : 5519
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【eBookJapan】 ハクメイとミコチ
↑無料で立ち読みできます
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