ハネ吉のマンガ生活〜おすすめマンガ感想紹介〜

月刊コミックブレイド。2009年1月号から連載中。既刊10巻
作者：天野こずえ
他作品：ARIA



まずは簡単なあらすじから。

伊豆の町で生まれ育ち、祖母の営むダイビングショップを手伝っている少女・小日向光(ぴかり)。高校進学を期に東京から伊豆の町に引っ越してきた大木双葉(てこ)。
2人は入学式の日に仲良くなったことがきっかけで、一緒にスキューバダイビング部の見学をすることになった。そこで、てこはこれまで見たこともなかった美しい水中の世界に魅了され、ぴかりと一緒にダイビング部へ入部することを決める。
ダイビング部の仲間たちと共に、てこはちょっと強引なぴかりに手を引かれながら、たくさんの素敵な出来事を体験していく。

天野こずえ先生の癒しと素敵に再び巡り合えました。
この作品の舞台になるのは、静岡県伊豆の県立夢ヶ丘高校ダイビング部。高校へ入学したばかりの少女・「ぴかり」と「てこ」、2人の主人公がダイビングを通して紡ぐ、幸せな日常を描いた物語です。



・小日向光
主人公。あだ名「ぴかり」。海とダイビングをこよなく愛する少女。とても明るい性格をした元気の塊みたいな少女。普段はよく喋るにも関わらず、自分の思いを言葉にすることは苦手としており、気持ちを表に出すときはオーバーリアクションになったり、持ち歩いてるホイッスルで気持ちを伝えようとしています。将来は、地元の海でダイビングのインストラクターになることが夢。

・大木双葉
もう1人の主人公。あだ名「てこ」(ぴかり命名)。引っ込み思案な性格で少しネガティブになりがちなため、引っ越して来たばかりの新生活に不安を感じていました。入部したばかりの頃はダイビング経験どころか泳ぎも苦手なうえ、基礎体力も人並以下でしたが、周囲の助けを受けて海で潜れるようになりました。当初こそ緊張が見られたものの、どんどんダイビングの世界に魅了されています。

・二宮愛＆誠姉弟
ダイビング部の先輩。通称「姉(あね)ちゃん先輩」、「弟くん先輩」の双子の姉弟。姉ちゃん先輩はぴかりやてこにとっては面倒見のよい先輩ですが、弟くん先輩には若干暴力的で扱いもぞんざい。少しきつい物言いをしますけど優しい性格の少女。
弟くん先輩は姉ちゃん先輩とは対照的で、おっとりのんびりした性格。姉の自分への振る舞いには困っていますが、愛を常に見守り、辛そうにしてるときはそっと傍に寄り添ってくれる人。人格者ですね。


人気漫画＆アニメ『ARIA』を代表作に持つ漫画家・天野こずえ先生の作品です。表紙イラストの美しさに目を奪われ、その中にいた女の子の可愛さに心惹かれ、極めつけに「天野こずえ」の名前を目にしたことで「これは！？」と思い、迷うことなく1巻を手に取ってレジへ向かっていました。

予想を裏切らない美しい作品でしたね。はっきり言って背景絵だけでも見る価値アリの素晴らしい作品だと感じています。とても丁寧かつ細かく描かれ、ただ美しかったというだけではなく、どことなく儚げな雰囲気も醸し出されており、それが物語の魅力を一層引き立てていました。
思わず読む手が止まってしまうほど、絵に魅入ってしまうことも度々あり、なかでも見開きページを使った一枚絵は特に素晴らしかったです。ARIAでも思ったことですが、天野こずえ先生は水の世界の表現が非常に巧みですね。本人もかなり海が好きなんじゃないですかね。

「日常、ときどきダイビング」がテーマということで、ダインビングばかりしてるわけではありません。ぴかりたち登場人物の他愛ない日常のやりとりや、それぞれの成長も描かれています。
なかでも特に成長著しいのはやっぱり主人公の一人「てこ」ですね。引っ込み思案で臆病なところもあるてこが、勇気を出して踏み出そうとしてる姿は応援したくなります。
日常のなかに少し非日常なファンタジー要素を織り交ぜてるところも魅力的です。ちょっとしたファンタジーが織り交ぜられてることによって、なにげない日常の「素敵」が際立つ効果もあったのではないかと。

日々に疲れ、癒しが欲しい方にはARIA同様持ってこいの作品です。日常のなにげない素敵に癒され、ダイビングやちょっとした非日常に胸が躍る内容。
いつも元気いっぱいのぴかりや、ちょっとずつ前向きに成長していくてこなど、個性的な登場人物たちも大きな魅力でしょうね。個人的な話ですが、最初苦手だった姉ちゃん先輩の株が最近急上昇しました。
アニメ化もされているので、そちらと併せて、よければ読んでみてください。強くおすすめさせていただきます。

ARIA・AQUAの過去記事はこちら



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