2016年06月06日
【百日紅 〜Miss HOKUSAI〜】アニメ 感想&あらすじ いざ江戸へ
百日紅 〜Miss HOKUSAI〜
2015年5月9日公開。日本アニメ映画。
監督:原恵一
他作品:河童のクゥと夏休み
原作:杉浦日向子
脚本:丸尾みほ
お栄の声:杏
北斎の声:松重豊
人気絵師の鉄蔵こと葛飾北斎とその娘・お栄は、居候の善次郎と共に、江戸下町の長屋に3人で暮らしていた。絵を描くことに没頭するあまり部屋は荒れ放題となり、片づけや掃除などもすることなく、住めなくなったら次の住居へ引越しを繰り返す日々を送っていた。そんなお栄には、父と別居中のため離れて暮らしている母と、目が見えない妹のお猶がいた。
この作品のような雰囲気の良い作品は好きですね。
江戸時代末期に活躍した天才浮世絵師として、現在に至っては世界的にも名を馳せている葛飾北斎。この作品は、北斎の娘・お栄を主人公とした物語です。ちなみに、原作漫画未読の立場からの感想です。
主人公のお栄は23歳の女絵師。父・北斎ゆずりの才能を持っており、若いながら代筆を行うほどの腕前。ですが、春画に関しては生娘のせいか、女は上手く描けても男が不自然のようで、父にも認めてもらずにいます。男勝りで勝気な性格をしており、あまり女らしさはありませんね。火事見物が好きなので、鐘の音が聞こえると長屋を飛び出していきます。
葛飾北斎は言わずも知れた天才絵師ですね。通称、鉄蔵。とにかく一にも二にも絵のことばかりな人物です。ちらかった部屋の片付けするヒマがあるなら、その時間を絵に費やした方がマシという考え。お金にもあまり執着しなので、やりくりしているお栄は大変です。人付き合いを苦手とし、もう1人の娘・お猶とはうまく会話することもできません。
この作品、大きなテーマに沿って物語が進展していくわけではなく、複数のエピソードを繋ぎ合わせて1つの作品を形作っているという感じの構成です。一緒に暮らしている犬が成長していたことから、時間の流れや季節の移り変わりは感じられるものの、展開は少し唐突すぎる気もしました。あえてこの作品の主軸をあげるなら、妹のお猶とのエピソードですかね。
派手さもなく、泣けるほど感動するというものではありませんでしたが、淡々と進む落ち着きのある作風は結構好きです。
歴史については一般的な知識ぐらいしかありませんが、当時の江戸の風俗は細かく丁寧に表現されていたと思います。江戸時代に生きた人たちの考え方、感じ方がよく分かりました。
効果音が良い働きをしていましたね。着物の衣擦れ音や動物の鳴き声、橋の上の足音や荷車の音などが、想像の中の江戸の風景をより鮮明にしてくれる効果をもたらしてくれました。
妖怪といった人ならざる存在も出てきますが、非日常的なファンタジー感覚はそれほどありませんでした。むしろ、当時の人達が見えざる物、畏れに対して、どのような捉え方をしていたのかを伺える演出になっていたと思います。
実写の時代劇なんかよりも江戸という町と時代を強く感じさせてくれた作品でしたね。江戸の空気を主人公たちと一緒に吸えた気がします。
作画がとても美しく、そのおかげで空気感や季節感を強く感じながら観賞することができました。橋の上の人々が行き交うシーンや、雪遊びのシーンが特に好きです。
ハラハラする出来事も、ワクワクするような派手な演出もありませんが、江戸の雰囲気を堪能できたので観てよかったです。
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