2016年12月19日
【たまゆら】アニメ 感想&あらすじ 流れていく日常の中で成長する少女たちの姿を描いた作品
たまゆら
1期:2011年10月放送
2期:2013年7月放送
監督:佐藤順一
原作:佐藤順一
脚本:佐藤順一、吉田玲子、山田由香、他
沢渡 楓の声:竹達彩奈
塙 かおるの声:阿澄佳奈
あらすじ
高校進学を機に、瀬戸内海に面した広島県竹原市へ引っ越してきた高校1年生の沢渡楓。海と山に囲まれた穏やかなその町は、5年前に亡くなった父が子供の頃に過ごしていた故郷。
父が生きていた頃、よく連れてきてもらったときに遊んでいた塙かおると再会し、その縁から岡崎のりえ、桜田麻音とも友達になることができた楓。
父の形見であるカメラを持ち、大好きになったこの町を、そして出会うことができた素敵な親友たちとの大切な一時を、シャッターを押し写真におさめていく。その写真の中には、楓がふわふわ温かい気持ちで撮ったときにだけ現れる、白く光る不思議な玉が写り込むことも・・・。
主要登場人物
・沢渡 楓
主人公。竹原南高校1年生。あだ名は「ぽって」、「ふうにゃん」。口癖は「〜なので」。横須賀の汐入から広島県の竹原に引っ越してきました。小柄で写真を撮ることが大好きな少女。愛用しているカメラは父の形見である「Rollei 35S」。ほんわか穏やかな性格をし、少しのんびりしたところもあります。
・塙 かおる
楓の幼馴染み。竹原南高校1年生。あだ名は「かおたん」ですが、本人はそう呼ばれることに否定的。ポニーテールが特徴の少女。少し危なっかしい楓を心配しながら見守っています。ポプリ作りを趣味に持っており、少し変わった匂いのするポプリに挑戦しています。
・岡崎 のりえ
竹原南高校1年生。ツインテールがトレードークの常にハイテンションな少女。元々はかおると麻音の友人で、かおるを通して楓と友達になります。スイーツ作りを趣味に持ち、将来はパティシエになるという目標から料理の専門学校に行く予定。楓の弟である香のことが大好き。
・桜田 麻音
竹原南高校1年生。長い黒髪をした大人しく優しい少女。のりえとかおるの友達。楓とは日の丸写真館に飾られていた楓の写真をきっかけに友達になりました。口下手なため、口笛で気持ちを伝えようとしています。自作した朗読劇を披露しています。実家は旅館を経営。
・三谷 かなえ
竹原南高校に通う楓たちの1コ上の先輩。2期『もあぐれっしぶ』から登場。写真コンテストをきっかけに楓のことを知ります。勝手に撮影した楓の写真を応募してしまったことで話しかけ辛くなっていたが、謝罪して打ち解けたことで写真部に入部を決めます。考えすぎて動けなくなるタイプ。愛用のカメラはPENTAX「Q」。
・三次 ちひろ
中学まで一緒に過ごした楓の親友。横須賀汐入在住。今はメールや電話でのやりとりをしています。嬉しくても悲しくても泣いてしまう涙もろい少女です。趣味はオリジナルのぬいぐるみを作ること。「ぷゆすけ」というぬいぐるみがお気に入り。
感想
将来もまだおぼろげな高校に通う少女たちが、なにげない日常の中にある温かな幸せを感じながら、自分の夢、目標を見出し未来へ歩み出す物語。
ほのぼのした少女たちの日常を描いた青春アニメです。2010年冬にOVA全2巻、2011年10からTVアニメ1期『たまゆら〜hitotose〜』、2013年10月には第2期『〜もあぐれっしぶ〜』、そして2015年春から完結編4部作の『たまゆら〜卒業写真〜』が劇場で上映されました。
『ARIA』や『カレイドスター』など、数多くの有名作品に関わってきた佐藤順一さんが監督を務めています。
物語の舞台となるのは瀬戸内海に面した町、広島県竹原市です。実在する地名を使い、風景や町並みも忠実に再現されています。美しい海や山に囲まれ、古く趣きのある建物が軒をつらねているなど、作品の内容にマッチする穏やかな雰囲気ある舞台になってますね。
今でこそ実際に存在する地名を使い、町並みも再現してしまう作品というのは珍しくないと思いますが、最初のOVAが出た頃はまだそれほどこのような作風の作品は多くなかったように思えます。私の記憶違いでしたらすみません。
町並みが再現されていることから実際に訪れると作品の世界観に浸れるため、聖地巡礼をしながらの観光も盛況でしたね。舞台となった竹原市の自治体や商店街も積極的に協力してくれたこともあり、様々なイベントを開くなどして、より広く知られる作品になりました。
基本ストーリーは女子高生たちの日常と成長。全体的に「喜び」「楽しみ」を前面に押し出し、「哀しみ」の要素は含まれつつも、「怒り」はほぼ省いた内容になってますね。穏やかな人たちが暮らすゆったりした時間が流れる町、その中でぽってと友人の少女たちが他愛もない会話を楽しみ、たまに「クスッ」と笑わせてくれるやりとりを繰り広げています。
とても優しげな雰囲気があり、舞台設定により登場人物たちを身近に感じさせつつも、どこか手の届かない夢や理想を見させられている気分にもなりますね。
それらを物足りないと感じる人には退屈になってしまう作品ではありますが、決していつも笑顔で楽しいだけのアニメではありません。登場する女子高生たちはまだ何者でもなく、将来どうなりたいのかもおぼろげな等身大の女の子たちの姿を描いています。
OVAと『hitotose』では高校1年生、『もあぐれっしぶ』では高校2年生、そして『卒業写真』では高校3年生へと、作品ごとに成長する彼女たちは当然これからの進路についても思い悩み、考え、迷います。そこで『私たち展』などを開き、それぞれが持ちうる特技、趣味としていたものなどを展示・発表し、自分自身と向き合い、今の自分たちを見てもらうなかで将来への夢を芽生えさせていきます。
今の時間は決して永遠に続くものではなく、少しずつ変わっていく日常に寂しさや儚さを感じてしんみりつつも、成長し旅立とうとする彼女たちの姿にほっこりと胸が温かくなりますね。
あと、この作品のもう1つのテーマ『写真』。主人公である楓は大好きだった父が亡くなってしまったことでカメラからも離れてしまったんですが、まだ引きずりながらも家族の想いから再び手に取ることになりました。そのカメラと撮影した写真を通して新たな友達とも出会い、様々なことを経験しながら1枚1枚大切な思い出として写真に残していきます。そして大好きだった父の写真、思い出の場所から新たな父を知り、もういないことは悲しいことだけど、その大切な時間を胸に前へと歩み出します。
シリーズ通してほっこりさせてくれる優しさに包ままれた作品だったと思います。OVAから始まり、TVアニメ1期2期へと続き、劇場4部作で見事に締めくくってくれました。派手さはなくとも心地良い雰囲気に浸れる魅力があり、その場所に触れてみたいと思わせてくれましたね。
映像・音楽も素晴らしく、背景の丁寧な描写、やさしさ溢れる音楽はこの世界の温かさを反映しており、尚且つこの作品の魅力をより引き立てる出来栄え。
記憶に、思い出に残る作品になりました。特にちょっと疲れ気味の癒されたい人におすすめします。
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